「は」を含む故事・ことわざ・慣用句
「は」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1814 件
弾みを食う(はずみをくう)
他の事柄の影響を受けて、予想外の事態に巻き込まれること。
旗色が悪い(はたいろがわるい)
不利な状況にあること。 昔、戦場の軍旗の色を見て状況を判断したことから。
畑水練(はたけすいれん)
理屈や方法を知っているだけで、実際には役に立たないことのたとえ。 「水練」は、水泳の練習。 畳の上で水泳の練習をしても、泳げるようにならないことから。 「畳水練」「畑水練」ともいう。
畑違い(はたけちがい)
専門とする分野や領域が違うようす。
畑に蛤(はたけにはまぐり)
見当違いなことのたとえ。畑を掘って蛤を探しても見つかるはずのないことから。
旗印にする(はたじるしにする)
集団で行動する時の目標にすること。 「旗印」は昔の戦場で紋所などを染めて部隊の目印にした旗。
働かざる者食うべからず(はたらかざるものくうべからず)
怠けて働こうとしない人間に食べる資格はないということ。働かずに遊び暮らす者を戒める言葉。
旗を揚げる(はたをあげる)
新たに事業などを始めたり、独立して新しく事を起こしたりすること。昔、合戦を始める際に目印として旗を掲げたことから。
旗を掲げる(はたをかかげる)
理想や目的を世間に示し、それに向かって行動すること。
旗を巻く(はたをまく)
成功や勝利が不可能だと判断して諦めること。 戦場で軍旗を下ろし、巻いて納めるとの意から。
肌に粟を生ず(はだえにあわをしょうず)
恐ろしい目に遭って、ぞっとする様子。強い恐怖を覚えると皮膚に粟粒のようなものが出来ることから。
裸一貫(はだかいっかん)
自分の体のほかには、資本となるものを持っていないこと。 「貫」は昔の貨幣の単位。銭一千文。 裸の身だけが唯一の資本との意から。 「腕一本」「褌一貫」ともいう。
裸馬の捨て鞭(はだかうまのすてむち)
何もかもなくした状態になったあと、自暴自棄になって無茶苦茶なことをするたとえ。「捨て鞭」は、馬を速く走らせるために尻を鞭打つこと。人も荷物も乗せていない馬の尻を鞭打つということから。
裸で道中はならぬ(はだかでどうちゅうはならぬ)
何事にもそれなりの準備が必要だということ。 無一文では旅は出来ないとの意から。
裸で物を落とした例なし(はだかでものをおとしたためしなし)
もともと何も持っていない者は、損をする心配がないということ。
裸百貫(はだかひゃっかん)
男は無一文の身ひとつでも百貫の値打ちがあるということ。「貫」は昔の貨幣の単位で、一貫は一文銭千枚のこと。「百貫」は、価値があることのたとえ。
肌が合う(はだがあう)
その人と好みや考えなどが合っていること。
肌で感じる(はだでかんじる)
自身が直接経験して感じとること。
肌身離さず(はだみはなさず)
常に持ち歩いている様子。 または、非常に大事にすることのたとえ。
肌を許す(はだをゆるす)
女性が男性の誘いを受け入れて肉体関係を持つこと。
破竹の勢い(はちくのいきおい)
止めようがないほどの激しい勢いのたとえ。「破竹」は、竹を割ること。竹は始めの一節を割ると、残りが次々と割れていくことから。
八細工七貧乏(はちざいく、しちびんぼう)
なんでもできるような器用な人は一つの事に専念できずにどれも中途半端になってしまい、そのためにかえって貧乏するということ。 「七細工八貧乏」ともいう。
八十の手習い(はちじゅうのてならい)
年をとってから学問や稽古事を始めること。 「八十の手習い」ともいう。
八十八夜の別れ霜(はちじゅうはちやのわかれじも)
八十八夜を最後に、霜も降りなくなるということ。「八十八夜」は、立春から数えて八十八日目に当たる五月二日頃。「別れ霜」は晩春の頃、最後に降りる霜のこと。
蜂の巣をつついたよう(はちのすをつついたよう)
大騒ぎになって、手がつけられない様子。蜂の巣をつつくと、多くの蜂がいっせいに飛び出す様子から。
八分されてもまだ二分残る(はちぶされてもまだにぶのこる)
仲間外れにされても負けないということをしゃれていった言葉。「八分」は「村八分」の略で、仲間外れの意。まだ二分残っているから、完全には負けていないといったもの。
白駒の隙を過ぐるが如し(はっくのげきをすぐるがごとし)
月日の過ぎるのが、きわめて早いことのたとえ。 「白駒」は白い馬、「隙」は壁のすき間のこと。 人の一生は、白い馬が走り過ぎるのを壁のすき間からちらっと見るようなものだとの意から。
白虹日を貫く(はっこうひをつらぬく)
臣下が君主に対して反乱を起こす予兆のたとえ。白い虹は武器、太陽は君主の象徴と解釈され、白い虹が太陽を貫いてかかることから、兵乱が起こり君主に危害を加える前兆とされたことから。
八歳の翁、百歳の童(はっさいのおきな、ひゃくさいのわらべ)
子どもでも知恵も分別もある者もいれば、老人でも無知で愚かな者もいるということ。 人の賢さは年齢に左右されないということ。 「八歳の翁百歳の童」「十歳の翁百歳の童」「百歳の童、七歳の翁」などともいう。
這っても黒豆(はってもくろまめ)
誤りだとわかっていても、主張を押し通そうとすること。 小さな黒い物体を指して黒豆だと言った者が、その黒い物体が這い出したにもかかわらず黒豆だと言い張ることから。
八方塞がり(はっぽうふさがり)
すべてに差し障りがあってどうしようもないこと。「八方」は、東・西・南・北および北東・北西・南東・南西の八つの方角、つまりあらゆる方向の意。陰陽道で、どの方角に向かって行くのも凶で、行くべき方角がすべて塞がれているということから。
八方破れ(はっぽうやぶれ)
備えがなく、隙だらけであること。 または、生活態度が勝手気ままな様子。
初物七十五日(はつものしちじゅうごにち)
その年の初めての収穫品を食べると、寿命が七十五日延びるということ。
鳩が豆鉄砲を食ったよう(はとがまめでっぽうをくったよう)
突然のことに驚いて、きょとんとしている様子のたとえ。 「豆鉄砲」は、豆や丸めた紙などを弾に使うおもちゃの鉄砲。 豆鉄砲で撃たれてた鳩が、突然のことにびっくりして目を丸くしている様子から。 「鳩に豆鉄砲」「豆鉄砲を食った鳩のよう」ともいう。
鳩に三枝の礼あり、烏に反哺の孝あり(はとにさんしのれいあり、からすにはんぽのこうあり)
子の親に対する礼儀や孝行の大切さをいう言葉。 鳩は親鳥よりも三本下の枝にとまり、烏は恩を忘れずに老いた親鳥の口に餌を運んで孝行するといわれる。 鳥でさえ親の恩に報いるのだから、人間はなおさら礼儀を尊び親孝行しなければならないということ。
鳩を憎み豆を作らぬ(はとをにくみまめをつくらぬ)
つまらないことにこだわって、大事なことをしないために、自分や世間に損害を招くことのたとえ。鳩が豆をついばむのを嫌がって、豆を作るのをやめてしまうということから。
鼻息が荒い(はないきがあらい)
物事に取り組もうとする意気込みが激しい様子。
鼻息を窺う(はないきをうかがう)
相手の機嫌や考えをそれとなく探ること。
花一時、人一盛り(はないっとき、ひとひとさかり)
花が咲き誇るのもほんの一時であるように、人も盛んな時はごく短い一時期に過ぎないということ。
花多ければ実少なし(はなおおければみすくなし)
上辺を飾る人は、誠実さに欠けるということのたとえ。 たくさんの花が咲く木にかぎって、実は少ししかならないものであるとの意から。
端から和尚はない(はなからおしょうはない)
物事には順序や段階があり、一足飛びには上に進めないというたとえ。「端」は、物事の最初の意。
鼻が胡坐をかく(はながあぐらをかく)
鼻が低く横に広がっている様子。
鼻が利く(はながきく)
隠し事などを見抜いたり、利益になりそうなことを探し出したりする能力がすぐれていること。
鼻が高い(はながたかい)
得意げな様子。誇らしく思っている様子。
鼻が曲がる(はながまがる)
我慢できないほどひどい臭いがする様子。
鼻糞で鯛を釣る(はなくそでたいをつる)
わずかな元手や労力で大きな利益を得るたとえ。 略して「[[海老鯛(えびたい)*https://kokugo.jitenon.jp/word/p56920]]」ともいう。 また、「蝦蛄(しゃこ)で鯛を釣る」「雑魚(ざこ)で鯛を釣る」「飯粒(めしつぶ)で鯛を釣る」「麦飯(むぎめし・むぎいい)で鯉を釣る」「鼻糞で鯛を釣る」などともいう。
鼻糞丸めて万金丹(はなくそまるめてまんきんたん)
薬の原料は案外つまらないものが多いということ。また、効き目がないことをあざけっていう言葉。 子どもが鼻糞を丸めたりしている時に、はやしたてる言葉としても使われる。 「万金丹」は、気つけや解毒などに使われる丸薬。
鼻薬を嗅がせる(はなぐすりをかがせる)
小額の賄賂を贈るたとえ。 「鼻薬」は、ちょっとした賄賂のたとえ。 「鼻薬を利かせる」「鼻薬を飼う」ともいう。
鼻毛を数える(はなげをかぞえる)
女性が自身に惚れている男性の弱みに付け込んで弄ぶこと。
鼻毛を抜く(はなげをぬく)
相手の心を見抜いて騙したり、出し抜いたりすること。
鼻毛を伸ばす(はなげをのばす)
女性の色香に惑わされて甘い態度をとること。
鼻毛を読まれる(はなげをよまれる)
男が自分の惚れている女に甘く見られて、思うように操られるたとえ。
鼻毛を読む(はなげをよむ)
女性が自身に惚れている男性の弱みに付け込んで弄ぶこと。
鼻声を出す(はなごえをだす)
女性が男性に甘えた声を出すこと。
話が合う(はなしがあう)
趣味や趣向などが同じで楽しく会話ができること。
話が違う(はなしがちがう)
事前に決めていた内容と異なっていること。 または、その物事とは関わりのない問題であること。別問題であること。
話が弾む(はなしがはずむ)
話題が尽きず、会話が盛り上がること。
話が早い(はなしがはやい)
話そうとしていることを相手が既に知っているため、説明する必要がない様子。
話が分かる(はなしがわかる)
相手の気持ちや立場などをよく理解できること。
話上手の聞き下手(はなしじょうずのききべた)
話が上手い人は自分の話に夢中になり、相手の話を聞くのが下手なことが多いということ。
話上手は聞き上手(はなしじょうずはききじょうず)
話の上手な人は、相手の話を聞くときにもその立場で話を聞くので、上手に会話を続けることができるということ。
話にならない(はなしにならない)
話し合いができる状態ではないこと。 または、酷すぎて話す価値がないこと。
話に乗る(はなしにのる)
相手からの相談や計画などに応じること。
話に花が咲く(はなしにはながさく)
話題が尽きず、会話が盛り上がること。
話の腰を折る(はなしのこしをおる)
相手が話している途中で口を出して、話を中断させること。
話は下で果てる(はなしはしもではてる)
雑談は、話をしているうちにだんだんと下品になっていき、最後は性に関する話になっておしまいになるということ。
話半分(はなしはんぶん)
話は誇張して言い伝えられることが多いので、半分くらい割り引いて聞くのがちょうどよいということ。
「話半分嘘半分」「話半分絵空事」「話半分腹八合」ともいう。話を詰める(はなしをつめる)
しっかりと結論が出せるところまで議論を進めること。
鼻筋が通る(はなすじがとおる)
美しい顔立ちであることを言い表す言葉。 鼻が高く、眉間から鼻先までまっすぐ形が整っているということから。
鼻血も出ない(はなぢもでない)
金を全て使い果たして一円もないこと。
鼻っ柱が強い(はなっぱしらがつよい)
相手に負けまいとする気持ちが強く、簡単に主張を曲げたり、くじけたりしないこと。
花七日(はななぬか)
盛りの時期の短いことのたとえ。桜の花の盛りが七日しかない意から。
花に嵐(はなにあらし)
良い物事には邪魔が入りやすいということのたとえ。 きれいに咲いた桜の花が嵐で散ってしまうとの意から。
鼻に反りを打つ(はなにそりをうつ)
鼻高々と自慢すること。「反りを打つ」とは反りかえらせるという意。
鼻に付く(はなにつく)
似たようなことが何度も繰り返され、飽きて嫌になること。 または、人の言動が煩わしく感じて嫌になること。 嫌な臭いが鼻に付いて消えなくなるという意味から。
花盗人は風流のうち(はなぬすびとはふうりゅうのうち)
美しい花を、つい一枝折ってしまうのは風流というもので、とがめるほどのことではないということ。
鼻の下が長い(はなのしたがながい)
女性に対して甘いこと。女性の色気に惑わされやすいこと。
花の下より鼻の下(はなのしたよりはなのした)
花を楽しむより、鼻の下にある口に食べさせることのほうが大事だということ。
鼻の下を長くする(はなのしたをながくする)
女性の色香に惑わされて甘い態度をとること。
花は折りたし梢は高し(はなはおりたしこずえはたかし)
欲しいけれど手に入れる方法がないこと、また思うようにいかないことのたとえ。 「梢」は、木の幹や枝の先の部分。 花のついた枝を折りたいが、梢が高くて届かないことから。
