「へ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「へ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 121 件
臍を曲げる(へそをまげる)
機嫌を悪くして意地を張ること。
下手があるので上手が知れる(へたがあるのでじょうずがしれる)
下手な人間がいるからこそ、上手な人間の巧みさがわかるということ。だから世の中には下手な人間も必要であり、どんな人間でもそれなりに役に立つということ。
下手が却って上手(へたがかえってじょうず)
下手な人は念入りに仕事をするので、かえって上手な人より立派な仕上がりになることがあるということ。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる(へたなてっぽうもかずうちゃあたる)
数多く試みれば、まぐれ当たりで成功することもあるというたとえ。 鉄砲を撃つのが下手な者でも、数多く撃てば命中することもあることから。
下手の射る矢(へたのいるや)
まともな人間は相手にしやすいが、無茶苦茶な人間は相手にしにくいということ。 下手な者の射る矢はどこへ飛ぶかわからないので避けようがないとの意から。 「狐が下手の射る矢を恐る」「下手の鉄砲烏が怖じる」ともいう。
下手の考え休むに似たり(へたのかんがえやすむににたり)
よい考えも出ないのにあれこれ考えるのは、時間の無駄だということ。 もとは将棋や碁で、下手な人の長考をあざけって言った言葉。 「下手の思案は休むに同じ」ともいう。
下手の長糸、上手の小糸(へたのちょういと、じょうずのこいと)
下手な人ほど無駄なことをして、上手な人ほど要領よくやるというたとえ。 裁縫の下手な人はむやみに長い糸を針につけるが、上手な人は必要な長さだけの糸をつけて縫いやすくすることから。 単に「上手の小糸」とも、また「下手の長糸遣い」ともいう。
下手の道具調べ(へたのどうぐしらべ)
下手な者にかぎって、道具にこだわり注文をつけるということ。
下手の長談義(へたのながだんぎ)
話の下手な人にかぎって、長々と話をするということ。 上方いろはがるたの一つ。 「下手の」は「下手な」ということもある。 また「下手の長口上」ともいう。
下手の真ん中、上手の縁矢(へたのまんなか、じょうずのふちや)
物事は、時のはずみで意外な結果になり得ることのたとえ。 下手な人の矢が的の真ん中を射抜いたり、上手な人の矢が的から外れて縁に当たったりするとの意から。
下手の横好き(へたのよこずき)
下手なくせに、その事が非常に好きで熱心なこと。 「下手の物好き」「下手の悪好き」ともいう。
下手をすると(へたをすると)
成り行き次第で悪い結果になりかねないということを表す言葉。 「下手すると」ともいう。
糸瓜の皮とも思わない(へちまのかわともおもわない)
まったく気にかけないこと。なんとも思わないこと。 「糸瓜」はつまらないものという意味で用いられることが多く、その皮ほどにも思わないとのことから、まったく気にかけないこと。 「なんの糸瓜の皮」「糸瓜の皮」ともいう。
屁と火事は元から騒ぐ(へとかじはもとからさわぐ)
張本人が一番最初に騒ぎ出すことが多いということのたとえ。 おならをした本人が真っ先に臭いと騒ぎ出し、火元の家の人が最初に火事だと騒ぎ出すとの意から。
屁とも思わない(へともおもわない)
その物事を軽んじて問題にしないこと。
反吐が出る(へどがでる)
その物事に対して酷く不愉快な気持ちになること。 または、一度飲み込んだものを吐き出すこと。
屁の河童(へのかっぱ)
容易にできることのたとえ。また、取るに足りないことのたとえ。 「河童の屁」ともいう。 水中で放つ河童の屁には臭いや勢いがなく何とも思わないことから。また、取るに足りないものという意味の「木端(こっぱ)の火」から変化したともいわれる。
蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる(へびにかまれてくちなわにおじる)
一度ひどい目に遭うと必要以上に用心深くなるということ。 蛇に噛まれた経験がある者は、腐った縄を見ても蛇かと思っておそれるとの意から。
蛇に睨まれた蛙(へびににらまれたかえる)
恐ろしいものや苦手なものの前で、身がすくんで動けなくなる状態のたとえ。 蛇にねらわれた蛙が恐ろしさのあまり動けなくなることから。 「蛇に見込まれた蛙」ともいう。
蛇の生殺し(へびのなまごろし)
痛めつけて半死半生の状態にして苦しめること。また、物事の決着をつけることなく中途半端な状態にしておくこと。 蛇を一気に殺さず、半殺しの状態にしておくとの意から。
減らず口を叩く(へらずぐちをたたく)
負けを認めずに強がりや屁理屈を言うこと。
減らぬものなら金百両、死なぬものなら子は一人(へらぬものならかねひゃくりょう、しなぬものならこはひとり)
必要な物が必要な分だけあれば十分だということ。 もしも使っても減らないのであれば金は百両、死なないのであれば子どもは一人いればよいとの意から。 「死なぬものなら子は一人、減らぬものなら金百両」ともいう。
箆増しは果報持ち(へらましはかほうもち)
年上の女性を妻にすると幸せになるということ。「箆増し」は年上の女房、「果報持ち」は幸運・幸せの意。
屁を放って尻窄める(へをひってしりすぼめる)
失敗を慌ててごまかしたり取り繕ったりすることのたとえ。 人前でおならをしてしまった後に、慌てて尻をすぼめるとの意から。
辺幅を飾る(へんぷくをかざる)
外見を飾り立てること。見栄を張ること。 「辺幅」は布地のへりのこと。転じて、うわべや外見のこと。 「辺幅を装飾する」ともいう。
片鱗を示す(へんりんをしめす)
すぐれた才能や学識などの一部分をのぞかせること。「片鱗」は、一枚の魚のうろこのことで、全体の中のほんの一部分の意。
負け惜しみの減らず口(まけおしみのへらずぐち)
負けた者が強情を張って憎まれ口を叩くこと。
味噌に入れた塩は他所へは行かぬ(みそにいれたしおはよそへはいかぬ)
他人に尽くすことは、一見無駄のように見えても、結局は自分のためになるということ。 味噌に入れた塩は、混じって見えなくなるが、味噌の味を調えるための役に立っているとの意から。
目から鼻へ抜ける(めからはなへぬける)
非常に頭の回転が速く、利口で賢いさまのたとえ。また物事の判断がすばやく抜け目がないさまをいう。
盲蛇に怖じず(めくらへびにおじず)
知識や知恵のない者は、平気で後先のことを考えずに行動してしまうことのたとえ。 盲人は、蛇がいても見えていないので全く怖がらないとの意から。
目薬を尻へさす(めぐすりをしりへさす)
はなはだしい見当違いのたとえ。努力しても無駄なことのたとえ。 膝に目薬をさしても効果がないことから。 「尻に目薬」「目薬を尻へさす」「疝気さ目薬」ともいう。
目の寄る所へは玉も寄る(めのよるところへはたまもよる)
同類が自然に寄り集まることのたとえ。 目が一方へ動けば、それにつれて瞳も動くとの意から。
焼き鳥に攣(やきとりにへお)
用心の上に用心を重ねること。 「攣(へお)」は、鷹狩りのとき、タカの足に結びつけておく紐。 逃げるはずのない焼き鳥に足ひもをつけて逃げられないようにするとの意から。
藪に蛇なかれ村に事なかれ(やぶにへびなかれむらにことなかれ)
藪の中に蛇がいないことを望むように、村(自分の周囲)に何事も起こらずに穏やかであってほしいと望むこと。 「とかく村には事なかれ」「とかく近所に事なかれ」ともいう。
藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす)
余計なことをして、かえって思わぬ災難を招くことのたとえ。 「藪をたたいて蛇を出す」とも、略して「藪蛇」ともいう。
幽明処を隔つ(ゆうめいところをへだつ)
死に別れること。 「幽」はあの世。「明」はこの世。 死んであの世とこの世の境界を越え、別々になるという意味から。 「幽明処を隔つ(ゆうめいところをへだつ)」ともいう。
理屈と膏薬はどこへでも付く(りくつとこうやくはどこへでもつく)
体のどこにでも付く膏薬のように、理屈はつけようと思えば、どんなことにでも、もっともらしくつけられるということ。
蠟燭は身を減らして人を照らす(ろうそくはみをへらしてひとをてらす)
自分の身を犠牲にして、他人のためにつくすことのたとえ。
老兵は死なず、消え去るのみ(ろうへいはしなず、きえさるのみ)
役目の終わった者は、表舞台から去るということ。敗戦後、占領指令官だったダグラス・マッカーサーが離日の際に言った言葉。
我が田への水も八分目(わがたへのみずもはちぶんめ)
自分の利益を優先しすぎず、欲を抑えて周囲との調和を図るべきであるということ。 田に水を引く際、自分の田だけに満水まで引くのではなく、他者の田にも配慮し、適度なところで止めるべきであるという考えから。 独占や過度な利己主義を戒める言葉。
我が田へ水を引く(わがたへみずをひく)
他人のことを考えず、自分の利益のみを優先して行動すること。また、自分に都合のよい理屈をこねること。[[我田引水*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1264]]。
