「よ」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「よ」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 123 件
夜上がり天気雨近し(よあがりてんきあめちかし)
夜のうちに雨が上がり晴れた天気は、長く続かないということ。
夜明け前が一番暗い(よあけまえがいちばんくらい)
どん底の後には必ずいいことがあるというたとえ。日が昇る直前に一番暗い時間があるということから。
良いうちから養生(よいうちからようじょう)
何事も日ごろから用心すれば、失敗しないですむというたとえ。元気なうちから身体を大切にするのが、健康を保つ秘訣であるということから。
酔いが回る(よいがまわる)
酒に酔って、判断力や感覚が鈍くなること。
宵越しの銭は使わぬ(よいごしのぜにはつかわぬ)
その日に儲けたお金はその日に使ってしまい、翌日には残さないということ。
宵越しの茶は飲むな(よいごしのちゃはのむな)
一度入れて一晩置いたお茶は飲まないようがいいということ。茶葉に含まれる成分が、時間をおくと変質して身体によくないということから。
酔い醒めの水は甘露の味(よいざめのみずはかんろのあじ)
酒に酔って眠ったあとに目覚めて飲む水は、甘露のようにおいしいということ。「甘露」とは中国の伝説で、めでたいしるしに天から降ったといわれる甘い水のこと。
宵っ張りの朝寝坊(よいっぱりのあさねぼう)
夜遅くまで起きていて、朝は遅くまで寝ていること。また、そういう習慣のひと。
酔いどれ怪我せず(よいどれけがせず)
酔っ払いは足もとがおぼつかないが、案外怪我をしない。我を忘れて無心な人は、大きな失敗をしないものだというたとえ。
良い仲には垣をせよ(よいなかにはかきをせよ)
親しい間柄でも遠慮がなくなると不仲のもとになるので、節度を守れという戒めの言葉。 「思う仲には垣をせよ」「良い仲には垣をせよ」「睦まじき仲に垣をせよ」「近しき仲にも垣を結え」などともいう。
よい花は後から(よいはなはあとから)
優れたものは後から現れるということ。 はじめに咲く花より、後から咲く花のほうが美しいという意味から。
用ある時の地蔵顔、用なき時の閻魔顔(ようあるときのじぞうがお、ようなきときのえんまがお)
人にものを頼む時はお地蔵様のようにやさしいにこにこ顔をするが、用事がない時は閻魔様のように不機嫌な顔つきになるということ。
用が足りる(ようがたりる)
十分に間に合う。役に立つ。
陽気発する処、金石も亦透る(ようきはっするところ、きんせきもまたとおる)
どんな困難なことでも、精神を集中すればできないことはないということ。 「陽気」は万物が生じて活動しようとする気。 陽気が発生すれば、金属や石のように硬いものでも貫くとの意から。
楊枝で重箱の隅をほじくる(ようじでじゅうばこのすみをほじくる)
どうでもいいようなつまらない所まで取り上げて、口うるさく言うことのたとえ。 「楊枝で重箱の隅をほじくる」「楊枝で重箱の隅をつつく」「小楊枝で重箱の隅をほじくる」「重箱の隅を突っつく」などともいう。
養生に身が痩せる(ようじょうにみがやせる)
養生のために気を使ったり、金銭の心配をして、かえって心労で痩せてしまうということ。
用心に網を張る(ようじんにあみをはる)
用心のうえに用心をすること。「用心に縄を張る」とも言う。
用心は臆病にせよ(ようじんはおくびょうにせよ)
用心はし過ぎるということはない。臆病なくらいに用心せよということ。
夜討ち朝駆け(ようちあさがけ)
記者などが、早朝や深夜に取材先を突然訪問すること。
羊頭を掲げて狗肉を売る(ようとうをかかげてくにくをうる)
外見は立派に見せかけて、実質が伴わないことのたとえ。 羊の頭を看板に出し、実際には犬の肉を売ることから。 「羊頭を掛けて狗肉を売る」「羊頭狗肉」ともいう。
杳として(ようとして)
事情などがはっきり分からないさま。 特に、人の行方が知れないさま。
用に立つ(ようにたつ)
応用がきいて役に立つこと。使い道があること。
洋の東西を問わず(ようのとうざいをとわず)
東洋も西洋も区別なく。世界中どこでも。
漸く佳境に入る(ようやくかきょうにいる)
次第に興味深い所に入っていくということ。また、ある状況の最盛期にもいう。
揺籃の地(ようらんのち)
出生地。また、物事の発展の基礎を築いた土地。 「揺籃」は、ゆりかごのこと。
要領がいい(ようりょうがいい)
物事の処理の仕方がうまいこと。 また、自分に有利になるように、巧みに立ち回ること。
用を足す(ようをたす)
用事をすませること。 また、大小便をすませること。
俑を作る(ようをつくる)
よくないことを始めること。悪い前例を作ること。 「俑」は、死者とともに埋葬するための人形。 俑を一緒に埋めることが殉死という悪習を生んだとして、孔子がこれを憎んだという故事から。
善かれ悪しかれ(よかれあしかれ)
よいにしても、悪いにしても。いずれにしても。
余儀なくされる(よぎなくされる)
他に方法がなく、したいと思っていなくてもそうせざるを得ないこと。
よく言う(よくいう)
よくもそんな事がぬけぬけと言えたものだ。 相手の厚かましい物言いに対して、非難の気持ちを込めて言う言葉。
よく泳ぐ者は溺る(よくおよぐものはおぼる)
自分の得意なことは自信過剰になるため、かえって失敗しやすいということのたとえ。
欲が深い(よくがふかい)
欲求や願望が度を越えていること。
欲と相談(よくとそうだん)
欲得ずくで行動すること。
欲と道連れ(よくとみちづれ)
欲につられて行動すること。 「欲と二人連れ」ともいう。
欲に頂なし(よくにいただきなし)
人間の欲望には限りがないということ。
欲に目が眩む(よくにめがくらむ)
欲のために理性を失い、正常な判断ができなくなること。 「欲には目見えず」「欲に目が無い」ともいう。
欲に欲がつく(よくによくがつく)
欲というものは、いくら満足させても限りがないということ。
欲の熊鷹、股裂くる(よくのくまたか、またさくる)
あまり欲張ると、災いを招くというたとえ。二頭の猪をつかんだ熊鷹が、左右に逃げようとした猪を放さなかったために、熊鷹の股が裂けてしまったという話から。
欲の世の中(よくのよのなか)
世の中は全て欲得で動いているということ。
欲は身を失う(よくはみをうしなう)
欲張りは身を滅ぼすもとであるということ。
よく学べよく遊べ(よくまなべよくあそべ)
立派な人間になるためには、勉強するときはしっかり勉強し、遊ぶときは思いきり遊ぶべきだということ。
欲を言えば(よくをいえば)
今のままでも十分ではあるが、さらに望むとすれば。
欲を搔く(よくをかく)
必要以上に欲を出すこと。
欲を知らねば身が立たぬ(よくをしらねばみがたたぬ)
人並みに欲望がなければ、暮らしていくことはできないということ。
避けて通せ酒の酔い(よけてとおせさけのよい)
酔っ払いには、かかわらないほうがよいということ。
預言者郷里に容れられず(よげんしゃきょうりにいれられず)
優れた人物であっても、身近な人には認められず尊敬されにくいということ。 すぐれた預言者も、子どもの頃からよく知っている人たちにとっては、普通の人しか思えないため尊ばれないとの意から。
横板に雨垂れ(よこいたにあまだれ)
詰まりながら話すことのたとえ。 「立て板に水」をもじった言葉。
横紙破り(よこがみやぶり)
自分の考えを無理に押し通すこと。また、そういうことをする人。和紙は縦に目が通っているため、横には破りにくいが、それを無理やり横に破ることから。
横車を押す(よこぐるまをおす)
道理に合わないことを無理に押し通すこと。車を無理やり横に押して動かそうとする意から。
横槌で庭掃く(よこづちでにわはく)
急な来客にあわてふためきながらも手厚くもてなそうとすることのたとえ。 「横槌で庭掃く」「才槌で庭掃く」ともいう。
横手を打つ(よこでをうつ)
感じ入ったり、思い当たったりする時などに、思わず両方の手のひらを打ち合わせること。
横になる(よこになる)
体を横にして休むこと。寝ること。
横の物を縦にもしない(よこのものをたてにもしない)
面倒くさがって、簡単にできることもしないことのたとえ。 横着な人のたとえ。 「縦の物を横にもしない」ともいう。
横目を使う(よこめをつかう)
顔の向きは変えずに、目だけを動かして横を見ること。
横槍を入れる(よこやりをいれる)
他人の話や仕事に、はたから文句をつけること。
横を向く(よこをむく)
相手を見ずに別の方を見ること。または、相手にしない態度をとること。無視すること。 「横を向く」ともいう。
葦の髄から天井を覗く(よしのずいからてんじょうをのぞく)
極めて狭い見方や考え方で大きな問題を判断することのたとえ。 葦の茎の小さな穴から天井の一部分を見て、天井の全てを見たと思い込むことから。 江戸いろはがるたの一つ。
誼を通じる(よしみをつうじる)
便宜を得るために、親密な関係を結ぼうと働きかけること。
余勢を駆る(よせいをかる)
何かを成し遂げた勢いのまま、次の行動に移ること。
余喘を保つ(よぜんをたもつ)
今にも滅びそうなものが、かろうじて持ち堪えていること。 「余喘」は、今にも絶えてしまいそうな息のこと。
装いを新たにする(よそおいをあらたにする)
今までの印象を変えるため、外観などを新しくすること。
余所に聞く(よそにきく)
自分には関係ない事として聞き流すこと。
与太を飛ばす(よたをとばす)
ふざけて、いい加減なことを言うこと。でたらめなことを言うこと。
涎が出る(よだれがでる)
何かを見て、それが欲しくてたまらなくなること。
涎を垂らす(よだれをたらす)
非常に羨ましく思ったり欲しいと思ったりしながら、それを見聞きするさま。
予断を許さない(よだんをゆるさない)
状況が厳しく、前もって判断することが難しいこと。
因って来たる(よってきたる)
もととなる。原因となる。由来する。
寄って集って(よってたかって)
大勢が集まって。大勢が一緒になって。
四つに組む(よつにくむ)
正面から堂々と勝負すること。 また、全力で取り組むこと。
余桃の罪(よとうのつみ)
主君の寵愛が気まぐれであてにならないことのたとえ。 昔、中国の衛(えい)で弥子瑕(びしか)という美少年が食べかけの美味な桃を主君に献上し喜ばれたが、寵愛を失ってからはそれを理由に罰せられたという故事から。
世に入れられる(よにいれられる)
広く世間に認められること。
世に聞こえる(よにきこえる)
広く世間に知れ渡ること。
世に出る(よにでる)
世間に名が知られること。世間に認められること。
世に問う(よにとう)
世間に問題を提起し、その評価を尋ねること。
余の辞書には不可能という言葉はない(よのじしょにはふかのうということばはない)
自分には不可能なことはないということ、世の中には出来ないことなどないということ。「余」は「予」とも書く。通説としてナポレオンの言葉といわれている。
世の中には月夜ばかりはない(よのなかにはつきよばかりはない)
いつも明るい月夜ばかりではなく、闇夜もあるから気をつけろということ。脅し文句として使われる言葉。
世の中の人の心は九合十合(よのなかのひとのこころはくごうじゅうごう)
人間の考えることはどれも似たようなもので、大きな差はないということ。 「人の心は九合十合」「世の中の人の心は九合十合」ともいう。
世の中は九分が十分(よのなかはくぶがじゅうぶ)
世の中はすべてが自分の思い通りにいくとはかぎらないから、望んだことの九分が叶ったら満足すべきだということ。
世の中は年中三月常月夜、嬶十七俺二十、負わず借らずに子三人(よのなかはねんじゅうさんがつじょうつきよ、かかあじゅうしちおれはたち、おわずからずにこさんにん)
世の中は、いつも三月頃の温暖な気候で、夜は明るい月夜、妻は十七歳自分は二十歳、責任も借金もなく、子どもは三人持つ暮らしが望ましいということ。江戸時代の庶民のささやかな願望をいった言葉。
