枳棘は鸞鳳の棲む所に非ず(ききょくはらんぽうのすむところにあらず)
すぐれた力をもつ人物にとって、つまらない役目や小さな土地は、長く腰をすえるに足る所ではない。徳の高い人ほど、どこに身を置くかをよく選ぶものだ、と説くときにも引かれる。
「枳棘」は、とげの多いからたちの木と、いばらのやぶのこと。「鸞鳳」は、鸞と鳳凰という、昔の中国の言い伝えにある気高くめでたい鳥。とげだらけのやぶに、そのような鳥は住みつかない。この取り合わせから、小さな土地や身分の低い役目を「枳棘」に、すぐれた人を「鸞鳳」に当てはめた句である。
もとの話は『後漢書』仇覧伝に見える。県の長官だった王渙は、部下として仕えていた仇覧の人がらと力を高く買い、「とげのやぶは鸞や鳳の住む所ではなく、百里四方ほどの小さな県は、すぐれた人の進む道ではない」と告げ、自分の給料ひと月分を元手として渡し、都の太学(国の最高の学校)へ学びに行かせた。大きな鳥で大人物をたとえる言い方には、[[鴻鵠の志*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1224.php]]などもある。