見かけにだまされないためのことわざ — 24 件
見た目や評判にひかれて、あとで違ったと気づくことがあります。ここでは、人や物を見る目を養うことわざを集めました。外見で決めてはいけないと説く言葉、看板と中身のずれを言う言葉、うまい話と巧みな言葉を疑う言葉、そして自分の見方そのものを疑う言葉。最後は、外見の代わりに何を見ればよいかを教えることわざで結んでいます。
ことわざ一覧
人は見かけによらぬもの(ひとはみかけによらぬもの)
人の性質や能力は外見だけでは判断しにくく、外見と中身は往々にして異なることが多いので、外見だけで軽々しく判断してはいけないということ。
馬子にも衣装(まごにもいしょう)
身なりを一式そろえてやれば、中身がどうあれ人は見違えて扱う。 「馬子」は、馬に荷や客を乗せて運ぶのを生業にした者。
あの声で蜥蜴食らうか時鳥(あのこえでとかげくらうかほととぎす)
人や物事は、見かけでは判断できないということ。美しい声で鳴く時鳥が蜥蜴を食べることに驚いた、という意味で、江戸時代の俳人、宝井其角の句から。
人は見目よりただ心(ひとはみめよりただこころ)
人は外見の美しさよりも、心の美しいことのほうが大切だということ。 「見目」は見た様子、顔立ちのこと。 単に「見目より心」ともいう。
羊頭を懸けて狗肉を売る(ようとうをかけてくにくをうる)
軒先に吊るしてあるのは羊の頭なのに、客の手に渡るのは犬の肉である。人目を引くために並べた品と、手渡される品とが別であるたとえ。 「羊頭を掛けて狗肉を売る」「羊頭を掲げて狗肉を売る」ともいい、縮めて羊頭狗肉という。
名物に旨い物なし(めいぶつにうまいものなし)
土地の名を背負って売られている品ほど、口に入れてみると拍子抜けする。 もてはやされる度合いと、実際の出来ばえとが釣り合っていない例は、食べ物にかぎらない。
始めきらめき奈良刀(はじめきらめきならがたな)
最初だけ立派に見えるが、すぐに役に立たなくなることのたとえ。 「奈良刀」は近世以降、奈良付近で大量に作られた粗悪な刀をいう。新品のうちは光っていて切れそうに見えるが、すぐに刃こぼれしたりさびたりして使いものにならないことから。
下駄と焼き味噌(げたとやきみそ)
見た目が似ていても、実質はまったく違うことのたとえ。 「焼き味噌」は、味噌を板に塗って遠くからあぶった料理。焼いた形が下駄に似ていることから。
藁苞に黄金(わらづとにこがね)
容器が粗末でも中に価値があるものが入っていること。 または、外見からでは真価をはかることはできないということのたとえ。 藁包みの中に金が入っているとの意から。
口では大阪の城も建つ(くちではおおさかのしろもたつ)
口で言うだけなら、どんな立派なことでも言えるというたとえ。
口に蜜あり、腹に剣あり(くちにみつあり、はらにけんあり)
愛想のよい受け答えの裏で、相手を仕留める段取りを進めている。 笑顔のまま近づいて足をすくう型の油断ならなさを言い、唐の宰相李林甫を評した言葉に始まる。
褒める人には油断すな(ほめるひとにはゆだんすな)
言葉巧みに近づいてくる者は、下心があるから油断してはいけないということ。
旨い事は二度考えよ(うまいことはにどかんがえよ)
うまい話には裏があったり危険が伴うことがあるので、すぐに飛びつかずにじっくり考えるのがよいという戒めの言葉。
眉に唾をつける(まゆにつばをつける)
騙されないように用心するたとえ。狐や狸に化かされないためには眉に唾を付けるのがよいという俗説から。 また、「眉に唾を塗る」「眉に唾する」ともいう。
先入、主となる(せんにゅう、しゅとなる)
前から持っている固定的な観念が、新しい考えの妨げになってしまうこと。 前もって抱いている考えが主となり、後からの考えが従となるとの意から。 この語から「先入観」や「先入主」という語ができた。
一斑を見て全豹を卜す(いっぱんをみてぜんぴょうをぼくす)
物事の一部分だけを見て、全体を推し量る愚かさをいう言葉。 「一斑」は、豹(ひょう)の毛皮にあるまだら模様のうちの一つのこと。転じて物事の一部分。 「卜す」は、占うこと。判断すること。 毛皮にある一部のまだら模様を見て、豹であること、またどのような豹であるかを断定すること。
好きな事には騙され易い(すきなことにはだまされやすい)
好きなことは冷静な判断が出来にくく、深入りしやすいから、人の企みに陥りやすいということ。
人の心は面の如し(ひとのこころはおもてのごとし)
人の顔がひとりひとり違うように、人の心もそれぞれ異なるということ。 「人心の同じからざるは其の面の如し」ともいう。
盾の両面を見よ(たてのりょうめんをみよ)
物事は、表と裏の両面を観察してから正しく判断せよということ。
文は人なり(ぶんはひとなり)
文章には、筆者の人柄がそのまま表れ、読めば筆者の人となりが推察出来るということ。
酒は本心を現す(さけはほんしんをあらわす)
酒に酔うと、ふだんは隠している気持ちを表にさらけ出してしまうということ。
善悪は友を見よ(ぜんあくはともをみよ)
その人が善人か悪人かは、その人が交際している友人を見ればわかるということ。
過ちを観て仁を知る(あやまちをみてじんをしる)
人の過ちの種類を観察することによって、その人の人柄がわかるということ。
論より証拠(ろんよりしょうこ)
議論するより証拠を示すほうが物事は明らかになるということ。
