一翳眼にあれば空華乱墜す(いちえいまなこにあればくうげらんついす)
心の中にわずかでも思い込みや迷いがあると、それにふり回されて物事を正しくとらえられず、誤った考えが次から次へと生じることをいう。
目に小さなくもりが一つあるだけで、空に本当はない花がはらはらと乱れ落ちるように見える。「翳」は目のくもり、「空華」は目を病んだときに見える、実際にはない花のこと。心の迷いを、この目の病のようすに重ねている。
禅の世界で生まれた言葉。中国の禅の記録『景徳伝灯録』によると、唐の時代の禅僧帰宗智常が、「仏とは何か」と尋ねた弟子に「おまえ自身がそれだ」と答え、さらに「それをどう守っていけばよいか」と問われたときに返した言葉。
後半の四字を独立させた四字熟語に[[空華乱墜*https://yoji.jitenon.jp/yojij/4651.html]]がある。また、人を疑う心がこわい幻を生むという[[疑心、暗鬼を生ず*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/488.php]]も、心の迷いが見えないものを見せる点で近い。