情に棹さす

ことわざ「情に棹さす」の意味・読み方・異形などを解説します。

言葉情に棹さす
読み方じょうにさおさす
意味気持ちの動くままに身をまかせ、自分で歯止めをかけることもできず、引きずられるように流されてゆくこと。
「棹(さお)」は舟をあやつる長い竿で、「棹さす」は、それで水の底を突いて舟を前へ押し出す動作のこと。気持ちという流れに棹を入れて舟を出せば、舟はその流れに運ばれていく。その様子を人の心の動きに重ねた表現。「情に棹をさす」とも言い、「情に棹差す」とも書く。
もとは、夏目漱石が明治時代に書いた『草枕』の書き出し近くにある「情に棹させば流される」の一文。理屈で動けば人とぶつかり、気持ちに引かれれば流される、何かにつけて人の世は暮らしにくい、と嘆く文章の中の言葉。「棹さす」をたとえに用いる語には、ほかに流れに棹さすがあり、いずれの「棹さす」も、流れに逆らうことではなく、流れに乗って進むことを表す。
例文相手の涙を見るたびに情に棹さすようでは、言うべきことも言えないままになる。
出典夏目漱石『草枕』
異形 情に棹をさす(じょうにさおをさす)
場面理性を失う
使用漢字情 / 棹

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