情に棹さす
ことわざ「情に棹さす」の意味・読み方・異形などを解説します。
情に棹さす
じょうにさおさす
| 言葉 | 情に棹さす |
|---|---|
| 読み方 | じょうにさおさす |
| 意味 | 気持ちの動くままに身をまかせ、自分で歯止めをかけることもできず、引きずられるように流されてゆくこと。
「棹(さお)」は舟をあやつる長い竿で、「棹さす」は、それで水の底を突いて舟を前へ押し出す動作のこと。気持ちという流れに棹を入れて舟を出せば、舟はその流れに運ばれていく。その様子を人の心の動きに重ねた表現。「情に棹をさす」とも言い、「情に棹差す」とも書く。 もとは、夏目漱石が明治時代に書いた『草枕』の書き出し近くにある「情に棹させば流される」の一文。理屈で動けば人とぶつかり、気持ちに引かれれば流される、何かにつけて人の世は暮らしにくい、と嘆く文章の中の言葉。「棹さす」をたとえに用いる語には、ほかに流れに棹さすがあり、いずれの「棹さす」も、流れに逆らうことではなく、流れに乗って進むことを表す。 |
| 例文 | 相手の涙を見るたびに情に棹さすようでは、言うべきことも言えないままになる。 |
| 出典 | 夏目漱石『草枕』 |
| 異形 | 情に棹をさす(じょうにさおをさす) |
| 場面 | 理性を失う |
| 使用漢字 | 情 / 棹 |
「情」を含むことわざ
- 悪女の深情け(あくじょのふかなさけ)
- 仇も情けも我が身より出る(あだもなさけもわがみよりでる)
- 一死一生乃ち交情を知る(いっしいっせいすなわちこうじょうをしる)
- 今の情けは後の仇(いまのなさけはのちのあだ)
- 鬼の閉てたる石の戸も情けに開く(おにのたてたるいしのともなさけにあく)
- 恩の腹は切らねど情けの腹は切る(おんのはらはきらねどなさけのはらはきる)
- 海棠の雨に濡れたる風情(かいどうのあめにぬれたるふぜい)
- 歓楽極まりて哀情多し(かんらくきわまりてあいじょうおおし)
- 昨日の情今日の仇(きのうのじょうきょうのあだ)
- 今日の情けは明日の仇(きょうのなさけはあすのあだ)
「棹」を含むことわざ
- 棹は三年、櫓は三月(さおはさんねん、ろはみつき)
- 情に棹さす(じょうにさおさす)
- 流れに棹さす(ながれにさおさす)
