「毛」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 37 件
「毛」を含む漢字が使われている故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。
故事・ことわざ・慣用句一覧
一馬の奔る、一毛の動かざるは無し(いちばのはしる、いちもうのうごかざるはなし)
人々を率いる者がひとたび動き出せば、つき従う者たちもみな、そろって動き出すということ。 馬が一頭駆けだせば、体じゅうの毛は一本の例外もなく揺れる。その姿を人の集まりに当てはめた言葉。「奔」の字は、勢いよく走るという意味。 南北朝時代の中国で梁や北周に仕えた詩人、庾信の「擬連珠」という作品にある句。原文では、人々を治める君主には民の命がかかっており、その君主が世を去れば天下の人の心も大きく揺らぐ、と述べたあとにこの句が置かれている。さらに、舟が一そう沈めば積んでいた物もみな水に沈む、という句が対になって続く。 [[頭が動けば尾も動く*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1102.php]]と、述べている中身はほぼ重なる。
命は鴻毛より軽し(いのちはこうもうよりかろし)
守るべき筋の重さの前には、一身の生き死になど後回しになる。 同じ死でも、その場面によって値打ちがまるで違うとする。
内で掃除せぬ馬は外で毛を振る(うちでそうじせぬうまはそとでけをふる)
家庭のしつけが悪い子どもは、外に出るとすぐにわかるということのたとえ。 飼い主の手入れの悪い馬は、外に出た時に毛を振って汚れを落とそうとするので、すぐにわかるとの意から。
兎の毛で突いたほど(うのけでついたほど)
きわめて小さいことのたとえ。 うさぎの細い毛の先で突いた程度との意から。
馬痩せて毛長し(うまやせてけながし)
暮らしに行きづまるほど貧乏になると、人は頭がにぶり、筋道を立ててものを考える力さえ弱まる、ということ。 えさの足りない馬は、体がやせ細るばかりで、毛だけが長くのびていく。その姿を、貧しさのせいで頭の回りが悪くなった人に重ね合わせたことば。 禅の僧たちの言葉や行いを集めた中国の書物『五灯会元』に、「人貧しければ智短し」に続けて出てくる句。その前の句は、四字熟語の[[人貧智短*https://yoji.jitenon.jp/yojil/5657]]にあたる。これと似た意味で用いる言葉に、[[貧すれば鈍する*https://kokugo.jitenon.jp/word/p43968]]がある。
同じ羽毛の鳥は集まる(おなじうもうのとりはあつまる)
趣味や物の見方が似通った者は、誘い合わせるまでもなく一つところへ寄り集まる。 英語のことわざが訳されて広まった言い方で、羽の色をそろえた鳥が群れをなして飛ぶさまにたとえている。
女の髪の毛には大象も繋がる(おんなのかみのけにはたいぞうもつながる)
女の魅力には、男の心を引きつける強い力があるというたとえ。女の髪の毛で足を繋がれて動けなくなった大きな象を、煩悩にとらわれて悟れない人にたとえた仏教の経典から。
髪の毛を逆立てる(かみのけをさかだてる)
はげしく怒るさま。
九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう)
多数の中のわずかな一部分のこと。取るに足りないことのたとえ。 「九牛」は、多くの牛のこと。 多くの牛の中の一本の毛のことから。
毛色の変わった(けいろのかわった)
同じようなものの中で、様子や性質などが他とは異なっていること。
結構毛だらけ(けっこうけだらけ)
申し分なしという心持ちを、「け」の音を重ねて弾ませた言い回し。「猫灰だらけ」と続けて、おどけた響きを添える。
毛のない猿(けのないさる)
人情や良心がない人のたとえ。 体に毛がないことだけが、猿との違いだとの意から。 「毛のない犬」ともいう。
毛の生えた(けのはえた)
比べるもとになるものより、ほんのわずかに上回るだけで、中身は大して違わないこと。 「Aに毛の生えた」の形で、Aと比べても大きな差はなく、自慢できるような代物ではないと伝えるのに用いる。自分の持ち物や腕前について、控えめに話す場面でも多く見られる。 ほかに、少しばかり経験を積んだだけの段階を指して、この言葉を使う例もある。
毛ほど(けほど)
ほんのちょっとの量や度合いをいう言葉。 たいていは「毛ほども〜ない」「毛ほどの〜もない」などと使い、あとに否定する言葉を続けて、少しもない、まるでないという思いを強める。 一本の毛ほどの、目に見えるか見えないかという細さや小ささから出た言葉。 表記では「毛程」と漢字だけで記した例もある。 否定の語と組んで使う似た句に[[微塵もない*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6826.php]]や[[薬にするほど*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/9284.php]]がある。
毛を謹んで貌を失う(けをつつしんでかたちをうしなう)
ささいな部分にこだわりすぎて、いちばん大事な全体や根本を見失うたとえ。 人の姿を絵にかくとき、毛の一筋一筋まで念入りに写そうと力を注ぐあまり、本人に似ない顔ができあがることから。「謹む」はここでは細部に心をくだく意味、「貌」は顔立ちや姿の意味。 もとは『淮南子』説林訓の一節で、弓を射る人が細かな一点を狙うのに気を取られ、大きなところを見落とす例と組をなす。見出しを「毛を謹みて貌を失う」とする辞典もある。趣旨の近い句に[[木を見て森を見ず*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/2932.php]]が挙げられる。
毛を吹いて疵を求む(けをふいてきずをもとむ)
毛を吹き分けて隠れた小さな傷を探すようにして、むやみに人の欠点を暴き立てようとすること。 また、そのように人の過ちを暴こうとしているうちに自分の弱点をさらけ出してしまうこと。
毛を見て馬を相す(けをみてうまをそうす)
外見だけで物事の価値を判断することのたとえ。毛並みだけを見て馬の値打ちを判断する意から。
鴻毛を以て炉炭の上に燎く(こうもうをもってろたんのうえにやく)
事が拍子抜けするほどあっけなく済むこと。 おおとりの羽毛を熾った炭の上に置けば、置いた端から燃え尽きる。
猿は人間に毛が三筋足らぬ(さるはにんげんにけがみすじたらぬ)
猿は利口で人間にきわめて近い動物だが、人間に知恵が及ばないのは毛が三本足りないからだということ。 また、「毛が三本」ではなく、「見分け(判断・配慮する力)」「情け(思いやる心)」「やりとげ(物事をやり遂げる力)」の三つ、または「色気」「情け」「洒落っ気」の三つが足りないとする説もある。 「三筋」ではなく「三本」ともいう。
下腹に毛がない(したはらにけがない)
腹の黒い悪人や、世慣れてずるがしこい人のたとえ。年を取った狼や狸は、下腹の毛が抜け落ちているものだとされることから。
死は或は泰山より重く、或は鴻毛より軽し(しはあるいはたいざんよりおもく、あるいはこうもうよりかろし)
人の死には、山のように重いものと、羽毛のように軽いものとがある。何のために命を投げ出すのかによって、その重みは大きく隔たるということ。 「泰山」は中国山東省にそびえる名山、「鴻毛」はおおとりの羽毛。重さの両極を持ち出して言い分けたものである。
尻毛を抜く(しりげをぬく)
油断している時に、不意に物事を行って驚かせること。
尻の毛まで抜かれる(しりのけまでぬかれる)
利用されて全て騙し取られること。
死を鴻毛の軽きに比す(しをこうもうのかるきにひす)
大義の前では、おのれの一命など物の数に入れない。 ためらわず身を投げ出す姿勢をさす。
心臓に毛が生えている(しんぞうにけがはえている)
普通では考えられないほどに厚かましく恥知らずな様子。
総毛立つ(そうけだつ)
寒さや恐怖によって全身の毛が逆立つこと。
譬えに嘘なし坊主に毛なし(たとえにうそなしぼうずにけなし)
昔から言い伝えられてきたたとえやことわざは、どれも真理であり嘘はないということ。
旋毛を曲げる(つむじをまげる)
気分を損ねて、意地悪くわざと逆らうこと。
鼻毛を数える(はなげをかぞえる)
女性が自身に惚れている男性の弱みに付け込んで弄ぶこと。 「鼻毛を読む」ともいう。
鼻毛を抜く(はなげをぬく)
相手の心を見抜いて騙したり、出し抜いたりすること。
