桜折る馬鹿、柿折らぬ馬鹿について

言葉 | 桜折る馬鹿、柿折らぬ馬鹿 |
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読み方 | さくらおるばか、かきおらぬばか |
意味 | 桜は枝を折ると枯れてしまうことがある。一方、刃物を嫌う柿は枝を折るほうが新しい枝が茂って多くの実をつけるということ。 |
出典 | - |
使用されている漢字
「桜」を含むことわざ
明日ありと思う心の仇桜(あすありとおもうこころのあだざくら)
いつ何が起こるかわからない、人生や世の中の無常をいった言葉。桜の花が、明日も咲いているだろうと安心していると、夜中の嵐で散ってしまうかもしれないという意から。「夜半に嵐の吹かぬものかは」という句がこれに続く。
桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿(さくらきるばか、うめきらぬばか)
樹木の剪定(せんてい)方法をいったことば。桜は枝を切ると枯れることがあるのでそのままがいいし、梅は無駄な枝が伸びないように切ったほうがよいということ。
桜は花に顕われる(さくらははなにあらわれる)
ふだんは平凡な人々に紛れていた人間が、何らかの機会に優れた才能を発揮するたとえ。他の雑木に交って目立たなかった桜の木も、花が咲いて初めて桜の木だと気づかれるということから。
酒なくて何の己が桜かな(さけなくてなんのおのれがさくらかな)
花見に酒はつきもので、酒を飲まない花見はおもしろくないということ。
花は桜木、人は武士(はなはさくらぎ、ひとはぶし)
花は桜が最も美しく、人は武士が一番だということ。桜がぱっと咲いて散るように、武士の死に際も潔いことから。
三日見ぬ間の桜(みっかみぬまのさくら)
世間の移り変わりが激しいことを、桜の花があっという間に散ってしまうことに掛けて言った言葉。 もとは江戸時代の俳人大島蓼太の句「世の中は三日見ぬ間に桜かな(三日外出しなかったら桜の花が咲きそろっている)」から。
「折」を含むことわざ
犬骨折って鷹の餌食(いぬほねおってたかのえじき)
苦労して手に入れかけたものを、横からかすめ取られてしまうことのたとえ。 鷹狩りで、犬が苦労して草むらから追い出した獲物を、鷹が取ることから。
鬼も角折る(おにもつのおる)
悪人がふとしたきっかけで善いことをしたり、真人間になることのたとえ。鬼が邪悪のシンボルである角を折るという意から。
折り合いが付く(おりあいがつく)
互いに譲り合って、納得できる妥協点を見つけること。
折り紙付き(おりがみつき)
絶対に間違いないと保証できること。「折り紙」は、鑑定書のことで、書画や骨董品などに折り紙がついて品質が保証されていたことから。
折り紙を付ける(おりがみをつける)
人物や品物が、確かなものであることを保証すること。 「折り紙」は、書画や刀剣などの鑑定書。
折に触れて(おりにふれて)
機会があるたびに。事あるごとに。
「馬」を含むことわざ
朝雨馬に鞍置け(あさあめうまにくらおけ)
朝に降る雨はすぐに止むから、馬に鞍を置いて外出する用意をせよ、ということ。
鞍上人なく、鞍下馬なし(あんじょうひとなく、あんかうまなし)
乗り手が巧みに馬を乗り回し、乗り手と馬が一体となって見えるさま。乗り手と馬の呼吸が合い、鞍の上の人と鞍の下の馬が渾然一体となっている意から。
生き馬の目を抜く(いきうまのめをぬく)
生きている馬の目を抜き取るほどすばやいこと。また、ずるくて油断も隙もならないことのたとえ。
一番風呂は馬鹿が入る(いちばんぶろはばかがはいる)
沸かしたてのお湯はきめが粗くて刺激が強く体によくないということ。
一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う(いっぴきのうまがくるえばせんびきのうまもくるう)
一人の行いが、他の人をも駆り立ててしまうたとえ。群集が付和雷同しやすいことのたとえ。群れの中の一匹の馬が異常な行動をして騒ぎ出せば、群れ全体が巻き込まれて騒ぎ出すという意から。
牛は牛連れ、馬は馬連れ(うしはうしづれ、うまはうまづれ)
同類は同類同士で集まりやすく、その仲間同士で物事を行えばうまくいくということ。
「鹿」を含むことわざ
秋の鹿は笛に寄る(あきのしかはふえによる)
恋のために身を滅ぼすことのたとえ。また、弱みにつけこまれて危険な目に遭うことのたとえ。秋の発情期、雌鹿の鳴き声に似た笛に雄鹿がおびき寄せられて、人間に捕らえられることから。
一番風呂は馬鹿が入る(いちばんぶろはばかがはいる)
沸かしたてのお湯はきめが粗くて刺激が強く体によくないということ。
馬を鹿(うまをしか)
人を威圧して、間違いや無理を押し通すことのたとえ。秦の始皇帝の死後、宰相となった趙高が、自分の権勢を試すため幼少の皇帝に鹿を馬と偽って献上し、「これは鹿ではないのか?」と幼帝が尋ねたが、趙高の権勢を恐れた側近たちも「馬です」と答えたという故事による。「鹿を指して馬となす」ともいう。
親馬鹿子馬鹿(おやばかこばか)
わが子かわいさのあまり、親は子の愚かさを見抜けず、子は親の愛情に甘えて愚かなまねをするということ。
鹿島立ち(かしまだち)
旅に出ること。門出。昔、防人や武士が旅に出る前、鹿島神宮に道中の無事を祈願したことによるという。
火事場の馬鹿力(かじばのばかぢから)
切迫した状況に置かれると、普段なら考えられないようなすごい力を発揮するということのたとえ。火事の時に、ふつうでは持ち上げることのできないような重い物を動かす力が出ることから。
「柿」を含むことわざ
青柿が熟柿弔う(あおがきがじゅくしとむらう)
人間はいつか必ず死ぬのだから、弔う者も弔われる者も大差ないというたとえ。まだ青い柿が、熟して地面に落ちた柿を弔うが、青柿もやがては熟柿になるという意から。
瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ(うりのかわはだいみょうにむかせよ、かきのかわはこじきにむかせよ)
瓜の皮は厚くむき、柿の皮は薄くむいたほうがおいしいということ。大名はおう揚なので、瓜の皮を厚くむかせる時に適し、貧乏な乞食は柿の皮を薄くむかせる時に適しているという意から。
けちん坊の柿の種(けちんぼうのかきのたね)
食べたあとの柿の種さえ惜しんで人にやらないほどけちな人のこと。極度のけちを罵って言うことば。
渋柿の長持ち(しぶがきのながもち)
何の取り柄もない人や悪人が長生きすることのたとえ。そのまま食べられない渋柿は人に採られることなく長く木に残っているということから。
吝ん坊の柿の種(しわんぼうのかきのたね)
けちな人は、どんなつまらない物でも惜しがって手離さないというたとえ。「吝ん坊」は、けちん坊。けちん坊は何の値打ちも無い柿の種さえ惜しがるという意から。
貧乏柿の核沢山(びんぼうがきのさねだくさん)
貧乏人に子どもが多いことのたとえ。「貧乏柿」は小さい渋柿、「核」は種のことで、渋柿は実が小さいのに種が多い意から。