歳月、人を待たずについて

言葉 | 歳月、人を待たず |
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読み方 | さいげつ、ひとをまたず |
意味 | 時は人の都合などおかまいなしに刻々と過ぎ去っていく。だから時間を無駄にせず大事にせよということ。
「時は人を待たず」ともいう。 |
出典 | - |
類句 | 光陰、矢の如し(こういん、やのごとし) |
一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず) | |
月日に関守なし(つきひにせきもりなし) | |
時は人を待たず(ときはひとをまたず) |
使用されている漢字
「歳」を含むことわざ
歳寒の松柏(さいかんのしょうはく)
逆境で苦しい状況でも、信念や志を貫くことのたとえ。 「歳寒」は季節の冬。または逆境や苦難という意味。 松や柏などの常緑樹は寒い季節でも緑の葉をつけていることから。 「松柏の操」ともいう。
三歳の翁、百歳の童子(さんさいのおきな、ひゃくさいのどうじ)
子どもでも知恵も分別もある者もいれば、老人でも無知で愚かな者もいるということ。人の賢さは年齢に左右されないということ。「十歳の翁百歳の童」「八歳の翁百歳の童」ともいう。
男女七歳にして席を同じゅうせず(だんじょしちさいにしてせきをおなじゅうせず)
人は七歳にもなれば、男女の別を明らかにしてみだりに慣れ親しんではならないということ。男女は七歳になったら同じ敷物に座るべきではないという儒教の道徳から。
歳寒くして松柏の凋むに後るるを知る(としさむくしてしょうはくのしぼむにおくるるをしる)
日計足らずして歳計余りあり(にっけいたらずしてさいけいあまりあり)
一見、利益が上がっていないように思えるが、長い目で見ると確実に利益があるということ。日々の計算では儲けがないように見えるが、一年を通じるとちゃんと利益があるという意から。
年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず(ねんねんさいさいはなあいにたり、さいさいねんねんひとおなじからず)
花は年ごとに変わることなく咲くが、人の境遇は年ごとに変化していく。 自然が変わらないのに対して、人の世ははかなく移りやすいことのたとえ。
「月」を含むことわざ
明るけりゃ月夜だと思う(あかるけりゃつきよだとおもう)
考え方が単純で現実を知らないことのたとえ。外が明るいとすべて月夜だと思う意から。
後から剝げる正月言葉(あとからはげるしょうがつことば)
上品ぶった言葉や、うわべだけ飾った体裁だけのお世辞は、すぐに化けの皮がはがれるということ。「正月言葉」は正月に使う体裁ぶった言葉の意で、上品ぶった使いなれない言葉のこと。
雨夜の月(あまよのつき)
想像するだけで、現実には見ることのできないもののたとえ。雨夜にも月はあるはずだが、目には見えないことから。
Rのない月の牡蠣はよくない(あーるのないつきのかきはよくない)
英語の月名でRの文字が入っていない月(5月~8月)の牡蠣は食べるべきではないということ。 この時期は牡蠣の産卵期にあたることから。 May(5月)、June(6月)、July(7月)、August(8月)このように5月~8月はRの文字が入っていない。
いつも月夜に米の飯(いつもつきよにこめのめし)
飽きることのない気楽な生活のたとえ。また、現実はなかなかそうはいかないということ。昔の人にとって月の光はありがたく、米の飯は貴重だったため、それが毎日続けば言うことがないという意から。「月夜に米の飯」ともいう。
英雄、閑日月あり(えいゆう、かんじつげつあり)
英雄といわれるほどの人物は小事にとらわれず悠然としているので、傍から見ると暇な日々を送っているように見えるということ。 「閑日月」は、暇な月日、また気分がゆったりしていること。
「人」を含むことわざ
赤の他人(あかのたにん)
全く無関係の他人。「赤」は名詞の上に付くことでそれを強調し、「全くの」「明らかな」「はっきりした」の意を表す。
商人と屏風は直ぐには立たぬ(あきんどとびょうぶはすぐにはたたぬ)
屏風は折り曲げないと立たないように、商売も自分の感情や理屈を曲げて、客の機嫌を損ねないようにしなければ繁盛しないということ。「屏風と商人は直ぐには立たぬ」ともいう。
商人と屏風は曲がらねば立たぬ(あきんどとびょうぶはまがらねばたたぬ)
屏風は折り曲げないと立たないように、商売も自分の感情や理屈を曲げて、客の機嫌を損ねないようにしなければ繁盛しないということ。 「商人と屏風は直ぐには立たぬ」ともいう。
商人に系図なし(あきんどにけいずなし)
商人には家柄など関係なく、商売の手腕や努力しだいで成功するということ。
商人の嘘は神もお許し(あきんどのうそはかみもおゆるし)
商人が商売上の駆け引きで嘘をつくのは、神様もやむを得ないとお許しになるということ。
商人の子は算盤の音で目を覚ます(あきんどのこはそろばんのおとでめをさます)
人の習性は、育つ環境の影響を大きく受けるということ。商人の子どもは金勘定に敏感で、眠っていても算盤の音で起きるという意から。
「待」を含むことわざ
鮟鱇の待ち食い(あんこうのまちぐい)
働かずにじっと機会を待って、利益を得ようとすることのたとえ。鮟鱇は大口を開けて、小魚が口に入ってくるのを待ち受けていることから。
佚を以って労を待つ(いつをもってろうをまつ)
味方はゆっくりと休養し、相手の疲れるのを待って戦うということ。味方はじっくりと休養を取って力を蓄え、遠くから攻めてくる敵の疲れるのを待って迎え討つということ。「佚」は気ままにのんびりするという意。
運は寝て待て(うんはねてまて)
運は天が定めることだから、焦らず気長に待つほうがよいということ。
運を待つは死を待つに等し(うんをまつはしをまつにひとし)
努力せずに、ただ幸運を待っているのは、自らの死を待つように愚かなことだということ。
縁と浮き世は末を待て(えんとうきよはすえをまて)
良縁と好機は、自然に訪れるまで気長に待つのがよいということ。
株を守りて兎を待つ(かぶをまもりてうさぎをまつ)
古い習慣や過去の偶然の成功にこだわり、進歩や向上がないことのたとえ。 中国・宋の農民が農作業をしていると、兎が木の切り株にぶつかって死んだ。農民は労せず兎を手に入れることができたその経験以来、農作業をせずに毎日切り株を見張っていたという故事から。 「守株」ともいう。