「つ」から始まる故事・ことわざ・慣用句一覧
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ことわざ一覧
追従も世渡り(ついしょうもよわたり)
人にこびへつらいお世辞をいうことも、世渡りの一つの手段であるということ。
朔日ごとに餅は食えぬ(ついたちごとにもちはくえぬ)
世の中はいつもいい事ばかりあるとは限らないというたとえ。 正月に餅が食べられても、毎月の朔日(ついたち)に餅が食べられるわけではないという意。
搗いた餅より心持ち(ついたもちよりこころもち)
品物をもらったことより、その心づかいがなおうれしいということ。
付いて回る(ついてまわる)
常に近くから離れないこと。いつも付いていくこと。 または、ある物事をいつまでも拭い去ることができず、いつまでも付きまとうこと。
終の住処(ついのすみか)
死ぬまで住むと決めた場所。
終の別れ(ついのわかれ)
最後の別れ。今生の別れ。
つうと言えばかあ(つうといえばかあ)
お互いの気持ちが理解できていて、ちょっと言うだけで相手の意図がわかる様子。 「[[つうかあ*https://kokugo.jitenon.jp/word/p33650]]」ともいう。
痛棒を食らわす(つうぼうをくらわす)
厳しく叱ったり、責めたりすること。 「痛棒」は座禅で、心が乱れている人を打ち付けるための棒。
痛痒を感じない(つうようをかんじない)
少しも利害や影響を受けない。
杖とも柱とも(つえともはしらとも)
全面的に頼りにすることのたとえ。
杖とも柱とも頼む(つえともはしらともたのむ)
全面的に頼りにすることのたとえ。
杖に縋るとも人に縋るな(つえにすがるともひとにすがるな)
むやみに人をあてにするなといういましめ。
杖にも柱にも(つえにもはしらにも)
全面的に頼りにすることのたとえ。
杖の下に回る犬は打てぬ(つえのしたにまわるいぬはうてぬ)
自分を慕ってくるくるものには残酷な仕打ちはできないということ。 追い払おうと振り上げた杖の下に、甘えてじゃれついてくる犬は人情として打つことはできないとの意から。
杖を曳く(つえをひく)
杖を持って歩くこと。散歩すること。 または、目的地へ行くこと。旅をすること。
使う者は使われる(つかうものはつかわれる)
人を使うにはさまざまな気苦労があり、結局人に使われるのと同じようなものだということ。 「人を使うは使わるる」「人を使うは苦を使う」ともいう。
即かず離れず(つかずはなれず)
深く関わるわけでもなく、かといって全く関わらないわけでもない、一定の距離を保った関係。
付かず離れず(つかずはなれず)
深く関わるわけでもなく、かといって全く関わらないわけでもない、一定の距離を保った関係。
使っている鍬は光る(つかっているくわはひかる)
いつも努力を忘れない人は、生き生きとして見えるというたとえ。いつも使っている鍬は錆びずに光っていることから。
付かぬ事(つかぬこと)
それまでの話と関係のないこと。唐突なこと。 「付かぬ事を伺いますが」との形で用いることが多い。
摑み所がない(つかみどころがない)
そのもののを理解したり判断したりするための手掛かりがないこと。
付き合いなら家でも焼く(つきあいならいえでもやく)
付き合いは、大切なものを犠牲にしてもしなければならないくらい大事だということ。また、付き合いを大事にして自分の家庭をかえりみないことを戒めて言うことば。
搗き臼で茶漬け(つきうすでちゃづけ)
大きすぎる物を小さな物のかわりには使おうとするたとえ。餅つき臼は、茶漬けを食べるには大きくて使えない、大は小を兼ねないということ。
月落ち烏啼いて霜天に満つ(つきおちからすないてしもてんにみつ)
月が西に傾いて落ち、烏が鳴いて、霜の気配が夜空に満ちあふれている。夜半の情景をうたった詩句。
付きが回る(つきがまわる)
運が巡ってくること。幸運が訪れること。
月と鼈(つきとすっぽん)
比べものにならないほど、かけ離れていることのたとえ。月と鼈は丸い形は似ているが、まったく違うものであることから。
月に雨笠日笠なし(つきにあまがさひがさなし)
月にかさがかかれば必ず雨が降り、晴れの時は月にかさはかからないということ。
月に叢雲、花に風(つきにむらくも、はなにかぜ)
良いことや楽しいことには邪魔が入りやすく長続きしないということ。 名月には雲がかかって見えなくなったり、満開の花には風が吹いて花びらを散らしてしまったりすることから。
月の影取る猿(つきのかげとるましら)
自分の能力をわきまえず、欲張ったまねをして失敗することのたとえ。 猿が水に映った月を取ろうとしたとき、枝が折れ水に落ちて溺れ死んだという故事から。 「猿猴が月」「水の月取る猿」「月の影取る猿」ともいう。
月の前の灯(つきのまえのともしび)
立派なものに比較されて見劣りがすることのたとえ。名月の夜には灯火は目立たないことから。
月日変われば気も変わる(つきひかわればきもかわる)
月日が経てば人の気持ちも変わる。人の心は定まったものではなく、変化していくということ。
月日に関守なし(つきひにせきもりなし)
年月が過ぎるのがきわめて早いことのたとえ。「関守」は関所の番人のことで、月日が過ぎるのを止められる番人はいないということから。
月満つれば則ち虧く(つきみつればすなわちかく)
何事も頂点に達したあとは、必ず衰え始めるというたとえ。 月は満月のあと徐々に欠けていくことから。 「満つれば虧く」ともいう。
月雪花は一度に眺められぬ(つきゆきはなはいちどにながめられぬ)
よいことが全部一度にそろうことは、あり得ないというたとえ。月の出る晩に雪は降らないし、雪が降ると花は隠れて見えないし、花の咲く昼間に月は出ないということから。
月夜に釜を抜かれる(つきよにかまをぬかれる)
非常に油断していること、ひどく間が抜けていることのたとえ。 「抜かれる」は盗まれるの意。 明るい月の夜に大事な釜を盗まれることから。
月夜に米の飯(つきよにこめのめし)
飽きることのない気楽な生活のたとえ。また、現実はなかなかそうはいかないということ。 昔の人にとって月の光はありがたく、また米の飯は貴重だったため、それが毎日続けば言うことがないとの意から。 「月夜に米の飯」ともいう。
月夜に背中あぶる(つきよにせなかあぶる)
回りくどくて、まるで効果のないことのたとえ。また、誤った方法のたとえ。月の光で背中を温めようとしても、とうてい出来ないことから。
月夜に提灯(つきよにちょうちん)
不必要なことのたとえ。月夜に提灯は必要ないことから。「月夜に提灯夏火鉢」と続けてもいう。
月夜に提灯も外聞(つきよにちょうちんもがいぶん)
実際は不必要なことでも、世間体のためにしなければならないたとえ。月夜に提灯をともすような無駄なことも、世間体のために必要なこともあるということから。
月夜にも背中炙りて温まれ(つきよにもせなかあぶりてあたたまれ)
効果がないと思われることも、しないよりはましだというたとえ。また、わずかでも利用できるものは使った方がいいというたとえ。
月夜に夜仕事(つきよによしごと)
真面目に仕事や勉強に励むことのたとえ。 美しい月を楽しまずに仕事に励むとの意から。 「月夜に夜なべ」ともいう。
月夜に夜なべ(つきよによなべ)
真面目に仕事や勉強に励むことのたとえ。 美しい月を楽しまずに仕事に励むとの意から。 「月夜に夜なべ」ともいう。
月夜の蟹(つきよのかに)
中身がない人のたとえ。蟹は月夜にはえさを食べず、身が少ないことから。
月を指せば指を認む(つきをさせばゆびをみとむ)
物事を説明しても、その文字や言葉にこだわって本質を理解しないということ。 月の説明をするために月を指さしても、月を見ずに指している指を見るとの意から。
月を指させば指を認む(つきをゆびさせばゆびをみとむ)
物事を説明しても、その文字や言葉にこだわって本質を理解しないということ。 月の説明をするために月を指さしても、月を見ずに指している指を見るとの意から。
付けが回って来る(つけがまわってくる)
悪事や手抜きなどの報いが後になって現れること。 後日、代金の請求が来るという意味から。
漬物褒めれば嬶褒める(つけものほめればかかほめる)
漬物の味をほめると、それを漬けた主婦をほめるのと同じことになり、亭主がやきもちを焼く原因になるから気をつけよということ。
付け焼き刃(つけやきば)
一時しのぎのために、急いで覚えた知識や技術のこと。切れ味の悪い刀にはがねの焼き刃を付けても、見た目は切れそうであるが実際は脆くてすぐ駄目になることから。
付け焼き刃はなまり易い(つけやきばはなまりやすい)
一時しのぎで身に付けたものは、すぐにぼろが出てしまうということ。 「付け焼き刃」は、切れ味の悪い刀に鋼(はがね)の焼き刃を付けること。転じて、その場しのぎの急いで覚えた知識や技術。 付け焼き刃は、切れ味の良さそうな見た目をしているが、実際にはもろくてすぐに駄目になることから。 「付け焼き刃は剥げ易い」ともいう。
付け焼き刃は剥げ易い(つけやきばははげやすい)
一時しのぎで身に付けたものは、すぐにぼろが出てしまうということ。 「付け焼き刃」は、切れ味の悪い刀に鋼(はがね)の焼き刃を付けること。転じて、その場しのぎの急いで覚えた知識や技術。 付け焼き刃は、切れ味の良さそうな見た目をしているが、実際にはもろくてすぐに駄目になることから。 「付け焼き刃は剥げ易い」ともいう。
辻褄が合う(つじつまがあう)
話の内容などに、矛盾がなく一貫していること。
辻褄を合わす(つじつまをあわす)
話の筋道が通るようにすること。 「辻」は裁縫で縫い目が十字に合う所、「褄」は着物の裾の左右が合う所。転じて「辻褄」はきちんと合う物事の道理のこと。
辻褄を合わせる(つじつまをあわせる)
話の筋道が通るようにすること。 「辻」は裁縫で縫い目が十字に合う所、「褄」は着物の裾の左右が合う所。転じて「辻褄」はきちんと合う物事の道理のこと。
土一升金一升(つちいっしょうかねいっしょう)
土地の値段が非常に高いことのたとえ。 土一升が金一升に相当するとの意から。
土一升に金一升(つちいっしょうにかねいっしょう)
土地の値段が非常に高いことのたとえ。 土一升が金一升に相当するとの意から。
土が付く(つちがつく)
相撲で負けること。または、勝負事で負けること。
槌で大地を叩く(つちでだいちをたたく)
まるで大地を槌で打つように、確実で絶対に失敗しないことのたとえ。 「槌で大地を叩く」「地を打つ槌」ともいう。
槌で庭掃く(つちでにわはく)
急な来客にあわてふためきながらも手厚くもてなそうとすることのたとえ。 「横槌で庭掃く」「才槌で庭掃く」ともいう。
土となる(つちとなる)
体が分解されて土に変わること。死ぬこと。 「土となる」ともいう。
土に灸(つちにきゅう)
いくらやっても効き目のないこと、無駄なことのたとえ。
土になる(つちになる)
体が分解されて土に変わること。死ぬこと。 「土となる」ともいう。
土人形の水遊び(つちにんぎょうのみずあそび)
無謀なことをして自ら身を滅ぼすことのたとえ。 土で作られた仏が水遊びをすると溶けてしまうことから。 「土人形の水遊び」「雪仏の水遊び(日向遊び)」ともいう。
土仏の水遊び(つちぼとけのみずあそび)
無謀なことをして自ら身を滅ぼすことのたとえ。 土で作られた仏が水遊びをすると溶けてしまうことから。 「土人形の水遊び」「雪仏の水遊び(日向遊び)」ともいう。
土を踏む(つちをふむ)
その場所に到着すること。 その地の土を踏むという意味から。
突っかけ者の人もたれ(つっかけもののひともたれ)
自分は何もしないで、他人を当てにして人任せにする者のこと。
釣った魚に餌はやらぬ(つったさかなにえさはやらぬ)
親しい間柄になったあとは、相手の機嫌をとる必要はないということ。多く男女の仲についていう。
鼓を鳴らして攻む(つづみをならしてせむ)
大きな声で相手の非や罪を言い立てて攻撃すること。 太鼓を打ち鳴らしながら敵陣に攻め込むとの意から。
美人局(つつもたせ)
夫婦や愛人などが共謀して、女が他の男と関係し、それを種にその男から金品などをゆすり取ること。もと博打の「筒持たせ」からきたものといわれ「美人局」の字は、中国の書にあるのを当てたもの。
綱渡りより世渡り(つなわたりよりよわたり)
綱渡りは大変危険な芸だが、その綱渡りより世渡りのほうが、もっと大変で難しいということ。
綱渡りをする(つなわたりをする)
少しの失敗で全てが駄目になるような危険な物事に挑むこと。
綱を張る(つなをはる)
相撲で力士が横綱になること。 または、横綱の地位を維持すること。
常が大事(つねがだいじ)
人はふだんの行いが大事だということ。
常に来る客は歓迎されず(つねにくるきゃくはかんげいされず)
たまに来る人は歓迎されるが、いつも来る人は客として喜ばれないという戒め。
角ある獣に上歯なし(つのあるけものにうわばなし)
一人でいくつも優れたものを兼ね備えるのはむずかしいというたとえ。「上歯」は牙の意で、角がある獣には牙がないということから。
角突き合わせる(つのつきあわせる)
仲が悪く、いつも争うこと。 特に身近な人同士の争いをいう。 角のある同種の動物が、互いの角をぶつけて争うとの意から。
角を折る(つのをおる)
自分の主張を無理に通すのをやめて、他人の意見に従うこと。譲歩すること。
角を出す(つのをだす)
女性がやきもちを焼くこと。 能楽で、嫉妬に狂った女性の生き霊が角のある鬼になることから。 「角を生やす」ともいう。
角を矯めて牛を殺す(つのをためてうしをころす)
わずかな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうたとえ。 「矯める」は、矯正すること。 曲がっている牛の角をまっすぐに直そうとして、牛を死なせてしまうことから。 「角を直して牛を殺す」ともいう。
角を直して牛を殺す(つのをなおしてうしをころす)
わずかな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうたとえ。 「矯める」は、矯正すること。 曲がっている牛の角をまっすぐに直そうとして、牛を死なせてしまうことから。 「角を直して牛を殺す」ともいう。
角を生やす(つのをはやす)
女性がやきもちを焼くこと。 能楽で、嫉妬に狂った女性の生き霊が角のある鬼になることから。 「角を生やす」ともいう。
鍔迫り合いを演じる(つばぜりあいをえんじる)
同じくらいの力のもの同士が激しく争うこと。 「鍔迫り合い」は互いの刀を鍔で受け止めながら押し合うこと。
唾を付ける(つばをつける)
他の人に取られないように事前に自分のものであることを示しておくこと。 食べ物に唾を付けて他人が食べられないようにするとの意から。
粒が揃う(つぶがそろう)
集まっている人や物がどれもすぐれている様子。
潰しが効く(つぶしがきく)
それまでの仕事を辞めても、別の仕事で働くことができる能力があること。 金属製品を溶かすと再利用できるとの意から。
潰しが利く(つぶしがきく)
それまでの仕事を辞めても、別の仕事で働くことができる能力があること。 金属製品を溶かすと再利用できるとの意から。
壺にはまる(つぼにはまる)
自分の見込みどおりになることのたとえ。また、急所をつくたとえ。
壷の中では火は燃えぬ(つぼのなかではひはもえぬ)
壷の中では火が燃えないように、人は狭い窮屈な場所では十分な働きができない。仕事をするには、それなりの環境が必要だというたとえ。
壺を心得る(つぼをこころえる)
物事をうまく行うための要点を理解していること。
躓く石も縁の端(つまずくいしもえんのはし)
自分にかかわるすべてのものが、なんらかの因縁で結ばれているということ。 ふとつまずいた石も、多くの石の中で何かの縁があってつまずいたのであるとの意から。
妻の言うに向こう山も動く(つまのいうにむこうやまもうごく)
妻の言葉は夫に対して大きな力を持っていることのたとえ。 動くはずのない向こうの山でさえも、妻が言えば動いてしまうとの意から。
つまり肴(つまりざかな)
もはや打つ手がなくなり、仕方なくやってみるつまらない手段のたとえ。 酒宴が長引いて肴が尽きたので、やむなくつまらない肴を作って出すとの意から。
詰まる所(つまるところ)
議論を尽くした末の結論。要するに。結局。
罪が無い(つみがない)
純粋で悪気がなく憎めない様子。
罪なくして配所の月を見る(つみなくしてはいしょのつきをみる)
流刑地のようなわびしい地で、罪人としてではなく、普通の人として月を眺めることができたら、さぞ趣きがあるだろうということ。 「配所」は罪によって流された土地のこと。
罪なことをする(つみなことをする)
相手に対して、思いやりのない酷いことをすること。
罪の疑わしきは軽くし、功の疑わしきは重くす(つみのうたがわしきはかるくし、こうのうたがわしきはおもくす)
罪状が疑わしいときはなるべく罪を軽く、功績の疑わしいときはできるだけ手厚く賞するのがよいということ。 「罪の疑わしきは軽くせよ、功の疑わしきは重くせよ」ともいう。
罪の疑わしきは軽くせよ、功の疑わしきは重くせよ(つみのうたがわしきはかるくせよ、こうのうたがわしきはおもくせよ)
罪状が疑わしいときはなるべく罪を軽く、功績の疑わしいときはできるだけ手厚く賞するのがよいということ。 「罪の疑わしきは軽くせよ、功の疑わしきは重くせよ」ともいう。
罪を着せる(つみをきせる)
自分の罪を、罪のない他の人に負わせること。
罪を憎んで人を憎まず(つみをにくんでひとをにくまず)
犯した罪は憎むべきものだが、罪を犯した人を憎んではならないということ。 「その罪を憎んでその人を憎まず」ともいう。
旋毛を曲げる(つむじをまげる)
気分を損ねて、意地悪くわざと逆らうこと。
爪痕を残す(つめあとをのこす)
災害や戦争などの被害や影響が後々まで及ぶこと。 または、爪で体を掻いた跡が残ること。
冷たい戦争(つめたいせんそう)
武力は用いないが、国同士が激しく対立している状態のこと。特に、第二次大戦後のアメリカと旧ソ連の対立をいう言葉。冷戦。また、表面には現さないが、両者が激しく張り合う緊張状態のたとえ。
冷たくなる(つめたくなる)
命がなくなること。死ぬこと。 または、愛情がさめて思いやりがなくなること。
爪で拾って箕でこぼす(つめでひろってみでこぼす)
苦労して蓄えたものを、一度に使い果たしてしまうことのたとえ。 「箕」は穀物をふるうための道具。 爪の先で拾うようにしてやっと集めたものを、箕で一度にこぼしてしまうとの意から。
爪で拾って箕で零す(つめでひろってみでこぼす)
苦労して蓄えたものを、一度に使い果たしてしまうことのたとえ。 「箕」は穀物をふるうための道具。 爪の先で拾うようにしてやっと集めたものを、箕で一度にこぼしてしまうとの意から。
爪に爪なく瓜に爪あり(つめにつめなくうりにつめあり)
「爪」という漢字と「瓜」という似ている漢字の違いを教えた言葉。
爪に火を点す(つめにひをともす)
非常にけちなたとえ。また、大変貧しく、倹約する暮らしのたとえ。
爪の垢ほど(つめのあかほど)
爪先にたまる垢ほどの、ごくわずかなことのたとえ。
爪の垢を煎じて飲む(つめのあかをせんじてのむ)
優れた人にあやかろうとするたとえ。 爪の垢のようなものでも、優れた人のものを煎じて飲めば、少しはその人に似るだろうという考えから。
爪の先まで似る(つめのさきまでにる)
細かいところまでよく似ていることのたとえ。
詰め腹を切らされる(つめばらをきらされる)
責任を取ることを強いられて、辞職させられたり減俸されたりすること。 「詰め腹」は強制的に切腹させられること。
詰め腹を切らせる(つめばらをきらせる)
辞職させるなどして、強制的に責任を取らせること。 「詰め腹」は強制的に強いられる切腹のこと。
爪を立てる所もない(つめをたてるところもない)
足の爪先を立てる隙間もないほど込み合っているようす。
爪を研ぐ(つめをとぐ)
野望を密かに持ち、準備して機会を待つこと。 獣が爪を鋭くして獲物を捕らえようと待ち構えるとの意から。
露の命(つゆのいのち)
はかない命のこと。 露のようにすぐ消えてしまうとの意から。
面から火が出る(つらからひがでる)
大変恥ずかしいおもいをすることのたとえ。 顔が真っ赤になる意から。
面で人を切る(つらでひとをきる)
傲慢な態度で、相手の気持ちを傷つけること。
面の皮が厚い(つらのかわがあつい)
他人に迷惑をかけても気にしない様子。図々しい。恥知らず。
面の皮千枚張り(つらのかわせんまいばり)
きわめて恥知らずで厚かましいことのたとえ。 顔の皮が千枚張り合わせたほど厚いとの意から。
面の皮の千枚張り(つらのかわのせんまいばり)
きわめて恥知らずで厚かましいことのたとえ。 顔の皮が千枚張り合わせたほど厚いとの意から。
面の皮を剝ぐ(つらのかわをはぐ)
図々しい人の正体をあばいて恥をかかせること。 「面皮(めんぴ)を剝ぐ」ともいう。
釣り合わぬは不縁のもと(つりあわぬはふえんのもと)
身分や財産などの釣り合いが取れない男女の結婚は、うまくいかなくなることが多いということ。
釣り落とした魚は大きい(つりおとしたさかなはおおきい)
手に入れそこなったものは惜しさが加わって、特にすぐれたもののように感じられるというたとえ。「魚」は「うお」とも読む。 「逃した魚は大きい」「逃げた魚は大きい」「釣り落とした魚は大きい」ともいう。
釣りする馬鹿に見る阿呆(つりするばかにみるあほう)
魚釣りをする人間も、それを見ている人間も、どちらも無駄な時間を過ごしている、と釣り好きをあざけった言葉。
釣りは道楽の行き止まり(つりはどうらくのいきどまり)
魚釣りは最高の道楽だということ。
剣の刃を渡る(つるぎのはをわたる)
きわめて危険な行動のたとえ。 刀の刃の上を歩くとの意から。
鶴九皐に鳴き、声天に聞こゆ(つるきゅうこうになき、こえてんにきこゆ)
すぐれた人物は、どんな所にいても、その名声は世間に知れ渡るというたとえ。「九皐」は奥深い沢の意で、鶴がどんなに深い谷で鳴いても、その鳴き声は天に届くということから。
吊るし上げを食う(つるしあげをくう)
その場にいる大勢の人たちから厳しく責め立てられること。
弦なき弓に羽抜け鳥(つるなきゆみにはぬけどり)
どうしようもないことのたとえ。また、まったく役に立たないことのたとえ。弦のない弓は矢を射ることは出来ず、羽のない鳥は飛べないことから。
鶴の脛も切るべからず(つるのはぎもきるべからず)
ものにはそれぞれ固有の性質があり、無理に変えようとしてはならないということ。 鶴のすねは長いが、鶴にとっては必要な長さなので切ってはならないとの意から。 後に「鴨の脛も継ぐべからず」と続けてもいう。
鶴の一声(つるのひとこえ)
権威者・有力者の一言が多くの人の議論や意見をおさえつけること。
鶴は千年、亀は万年(つるはせんねん、かめはまんねん)
鶴は千年、亀は万年生きるということから、長寿でめでたいことをいう。
聾の早耳(つんぼのはやみみ)
耳の悪い人は普段はあまり聞こえないが、悪口などの聞こえなくてもよいことにはよく聞こえるということ。 または、よく聞こえていないのに聞こえたように振る舞って早合点すること。