「な」から始まる故事・ことわざ・慣用句一覧
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なく | なけ | なこ | なさ | なし |
なす | なせ | なぞ | なた | なだ |
なっ | なつ | なな | なに | なぬ |
なの | なは | なべ | なぽ | なま |
なみ | なめ | なも | なら | なり |
なる | なれ | なわ | なを | なん |
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ことわざ一覧
ないが意見の総じまい(ないがいけんのそうじまい)
放蕩や道楽は、金を使い果たせば自然におさまるということ。放蕩者は、どんなに意見しても金があるうちは聞き入れないが、金が無くなると遊ぶことができなくなり、意見する必要がなくなる意から。
ないが極楽、知らぬが仏(ないがごくらく、しらぬがほとけ)
貧しい者は贅沢を知らないので、欲に悩むこともなく幸せに暮らしていけるということ。
ない子では泣かれぬ(ないこではなかれぬ)
子育てには苦労があり時には泣かされることもあるが、たとえ苦労させられても子どもはいたほうがよいということ。
内助の功(ないじょのこう)
夫が外で十分働けるように、妻が家庭で陰ながら夫を助ける功績のこと。
無い袖は振れない(ないそではふれない)
いくら出したくても持っていなければ出しようがないということ。 着物に袖がなければ、いくら振りたくても振ることはできないとの意から。
無い袖は振れぬ(ないそではふれぬ)
いくら出したくても持っていなければ出しようがないということ。 着物に袖がなければ、いくら振りたくても振ることはできないとの意から。
無い知恵を絞る(ないちえをしぼる)
難しい問題などに対して、よい方法がないかと必死になって知恵を出すことのたとえ。
泣いて暮らすも一生、笑って暮らすも一生(ないてくらすもいっしょう、わらってくらすもいっしょう)
泣いて暮らすのも笑って暮らすのも、同じ一生に変わりがないのなら、なるべく楽しく暮らすほうがよいということ。
泣いて馬謖を斬る(ないてばしょくをきる)
規律や秩序を守るためには、たとえ愛する者であっても、違反者は厳しく処罰することのたとえ。 中国の三国時代、蜀の諸葛孔明は、臣下の馬謖が命令に従わず、魏に大敗したために、泣きながら斬罪に処したという故事から。
泣いても笑っても(ないてもわらっても)
今更どんなことをしても。どんなにあがいても。
ない時の辛抱、ある時の倹約(ないときのしんぼう、あるときのけんやく)
金がない時はじっと辛抱し、金のある時は倹約を心がけよということ。
ない名は呼ばれず(ないなはよばれず)
名前のないものは呼びようがないということ。また、何もないところには噂は立たないということ。
ない物食おう(ないものくおう)
十分にある物は欲しがらず、ないとわかっている物をほしがること。わがままを言うこと。「ない物食おうが人の癖」ともいう。
無い物ねだり(ないものねだり)
ないものを無理に欲しがること。
直き木に曲がる枝(なおききにまがるえだ)
どんなに正しい人でも欠点や弱点があることのたとえ。まっすぐな木にも曲がった枝がついているという意から。
鳴かず飛ばず(なかずとばず)
将来に備えて、じっと機会をうかがっていることのたとえ。また、何の活躍もしないようす。
仲に立つ(なかにたつ)
仲介役として、両者の間にはいること。
中に立つ(なかにたつ)
仲介役として、両者の間にはいること。
仲に入る(なかにはいる)
対立している両者の間にはいって、両者の関係が修復するようにつとめること。
中に入る(なかにはいる)
対立している両者の間にはいって、両者の関係が修復するようにつとめること。
鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥(なかぬならなくまでまとうほととぎす)
好機が来るまで、辛抱強く待つということ。徳川家康が詠んだとされ、家康の辛抱強い性格を表した句。 これに対し、織田信長が「鳴かぬなら殺してしまえ時鳥」、豊臣秀吉が「鳴かぬなら鳴かしてみせよう時鳥」と詠んだとされている。
鳴かぬ蛍が身を焦がす(なかぬほたるがみをこがす)
口に出して言わない者のほうが、心の中に切実な思いを秘めているというたとえ。鳴くことの出来ない蛍が、激しい思いに身を焦がすように光っているという意から。「鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」ともいう。
仲を裂く(なかをさく)
親しい者同士や愛し合う者同士を無理に引きはなすこと。
仲を取り持つ(なかをとりもつ)
双方の仲立ちをすること。
長い浮き世に短い命(ながいうきよにみじかいいのち)
この世が長く続いているのに比べて、人の命ははかなく短いということ。「長い月日に短い命」ともいう。
長生きは恥多し(ながいきははじおおし)
長生きすればするほど、恥をかくことも多くなるということ。「命長ければ恥多し」ともいう。
長居は恐れ(ながいはおそれ)
他人の家に長く居るのはよくないということ。
長居は無用(ながいはむよう)
その場に長く居るのはよくないので、早々に引き上げたほうがよいということ。
長い目で見る(ながいめでみる)
現状だけで判断せず、気長に将来を見守ること。
長い物には巻かれろ(ながいものにはまかれろ)
力のある者には反抗せずに、おとなしくしているのが得策だということ。
名が売れる(ながうれる)
名前が広く世間に知られること。有名になること。
長追いは無益(ながおいはむえき)
勝ちに乗じて深追いすると、思わぬ反撃を受け不利な立場に陥ることもあるので、ほどほどにするのが賢明ということ。「長追いは無用」ともいう。
長口上は欠伸の種(ながこうじょうはあくびのたね)
長話は人を退屈させるから、話は簡潔にせよということ。
長崎ばってん、江戸べらぼう、神戸兵庫のなんぞいや(ながさきばってん、えどべらぼう、こうべひょうごのなんぞいや)
各地の方言の特徴をとらえて語調よくいったことば。続けて「ついでに丹波のいも訛」ともいう。
流し目を送る(ながしめをおくる)
異性の気を引こうとして色目を使うこと。 「流し目」は、顔はそのままで瞳だけを横にむけること。
長尻(ながじり)
他人の家を訪れて話し込んでなかなか帰らないこと。 「長尻」や「長っ尻」ともいう。
名が高い(ながたかい)
その人の価値や能力が高く評価され、その名が広く世間に知れ渡っていること。
名が立つ(ながたつ)
評判が高くなり、世間の噂になることのたとえ。
長っ尻(ながっちり)
他人の家を訪れて話し込んでなかなか帰らないこと。 「長尻」や「長っ尻」ともいう。
名が通る(ながとおる)
名前が世間に広く知られていること。
名が泣く(ながなく)
高い名声や評判にそぐわないようなことをして、評価を下げること。
流れに棹さす(ながれにさおさす)
時流に乗って、物事が順調に進むことのたとえ。 棹を水底にさすことで、うまく水の流れに乗って舟を進めるとの意から。 「時流に逆らう」との意で用いることは本来誤用。
流れに棹差す(ながれにさおさす)
時流に乗って、物事が順調に進むことのたとえ。 棹を水底にさすことで、うまく水の流れに乗って舟を進めるとの意から。 「時流に逆らう」との意で用いることは本来誤用。
流れに枕し石に漱ぐ(ながれにまくらしいしにくちすすぐ)
負け惜しみが強いことのたとえ。また、屁理屈をつけて自分の間違いを正当化することのたとえ。晋の孫楚が「石に枕し、流れに漱ぐ」というべきところを間違えて「石に漱ぎ、流れに枕す」といった時、「石に漱ぐとは歯を磨くこと、流れに枕すとは耳を洗うことだ」とこじつけた故事から。夏目漱石の号もこの故事から。
流れる水は腐らず(ながれるみずはくさらず)
常に動いているものは、停滞することがないということ。
流れを汲みて源を知る(ながれをくみてみなもとをしる)
末を見て、その本(もと)を推し量ること。 また、言動を見れば、その人の人柄や気持ちが自然にわかるというたとえ。 流れている水を汲み取り、水源の様子を察知するとの意から。
流れを汲む(ながれをくむ)
家系・流儀・流派などを受けつぐこと。
亡き数に入る(なきかずにいる)
死んだ人の仲間になること。死亡すること。
亡き数に入る(なきかずにはいる)
死んだ人の仲間になること。死亡すること。
泣き出しそう(なきだしそう)
今にも雨が降りだしそうな空の様子のこと。 涙が今にも目からこぼれ落ちそうであるとの意から。
泣き出しそうな(なきだしそうな)
今にも雨が降りだしそうな空の様子のこと。 涙が今にも目からこぼれ落ちそうであるとの意から。
泣き出しそうな空模様(なきだしそうなそらもよう)
今にも雨が降り出しそうな空。
泣きっ面に蜂(なきっつらにはち)
悪い事が重なって起こることのたとえ。 泣いている顔を、さらに蜂が刺すということから。 「泣きっ面を蜂が刺す」ともいう。
泣きっ面を蜂が刺す(なきっつらをはちがさす)
悪い事が重なって起こることのたとえ。 泣いている顔を、さらに蜂が刺すということから。 「泣きっ面を蜂が刺す」ともいう。
泣き面に蜂(なきつらにはち)
悪い事が重なって起こることのたとえ。 泣いている顔を、さらに蜂が刺すということから。 「泣きっ面を蜂が刺す」ともいう。
無きにしも非ず(なきにしもあらず)
全く無いとは言えない。無いということもない。少しはある。
泣きの涙(なきのなみだ)
涙を流して泣くほど、苦しくてつらいことのたとえ。
泣きの涙で(なきのなみだで)
涙を流して泣くほど、苦しくてつらいことのたとえ。
泣きべそをかく(なきべそをかく)
今にも泣きそうな顔をすること。
泣き目を見る(なきめをみる)
つらく苦しい結果になることのたとえ。
亡き者にする(なきものにする)
この世から消してしまうこと。殺すこと。 「亡き」は「無き」とも書く。
無き者にする(なきものにする)
この世から消してしまうこと。殺すこと。 「亡き」は「無き」とも書く。
泣きを入れる(なきをいれる)
泣きついて、詫びたり哀願したりすること。
泣きを見せる(なきをみせる)
つらく悲しい思いをさせること。泣くような目にあわせること。
泣きを見る(なきをみる)
つらく苦しい結果になることのたとえ。
泣く口は物食う(なくくちはものくう)
泣いているときであっても、食べることだけはやめられないということ。
泣く子と地頭には勝てぬ(なくことじとうにはかてぬ)
道理の通じない相手にはかなわないから、争っても無駄ということのたとえ。「地頭」は、中世の荘園管理に当たった権力ある役人。
泣く子に乳(なくこにちち)
効果がすぐに現れることのたとえ。泣いている赤ん坊に乳を与えれば、すぐに泣きやむことから。
泣く子は育つ(なくこはそだつ)
大きな声でよく泣く子どもは元気で、丈夫にたくましく育つということ。
泣く子も黙る(なくこもだまる)
泣きじゃくっている子どもが泣き止んでしまうほど、ひどく恐ろしい存在であることのたとえ。
無くて七癖(なくてななくせ)
人は誰でも、多少の癖があるということ。 癖がないように見える人でも七つは癖があるとの意から。 「無くて七癖、有って四十八癖」ともいう。
無くて七癖、有って四十八癖(なくてななくせ、あってしじゅうはっくせ)
人は誰でも、多少の癖があるということ。 癖がないように見える人でも七つ、癖の多そうな人には四十八もあるとの意から。 単に「なくて七癖」ともいう。
泣く泣くもよい方を取る形見分け(なくなくもよいほうをとるかたみわけ)
どんな時でも、人間は欲だけは忘れないということ。親などが死んで悲しんでいる時でも、形見分けで良い物を選ぶということから。
泣くに泣けない(なくになけない)
泣きたくても泣けないほど無念で悔しい様子。
鳴く猫は鼠を捕らぬ(なくねこはねずみをとらぬ)
口数が多い者は、とかく口先だけで実行が伴わないというたとえ。よく鳴く猫は鼠を捕らないということから。
泣くほど留めても帰れば喜ぶ(なくほどとめてもかえればよろこぶ)
帰る客を泣くように引き止める人でも、帰ってしまえば喜ぶものだということ。
鳴くまで待とう時鳥(なくまでまとうほととぎす)
好機が来るまで、あせらずに辛抱強く待つということ。徳川家康が「鳴かぬなら」という言葉に続けて詠んだとされ、家康の辛抱強い性格を表した句。織田信長は「鳴かぬなら殺してしまえ時鳥」、豊臣秀吉は「鳴かぬなら鳴かしてみせよう時鳥」と詠んだとされている。
鳴く虫は捕らえられる(なくむしはとらえられる)
芸があるために、身を誤ることのたとえ。鳴く虫は、その鳴き声のために捕まえられるということから。
なけなしの無駄遣い(なけなしのむだづかい)
金をあまり持っていないものは、安物買いや無計画に金を使って、結局は無駄遣いをすることのなるということ。「なけなし」は、ほんのわずかしかないこと。
仲人口は半分に聞け(なこうどぐちははんぶんにきけ)
仲人は縁談をまとめるために両方の良い所ばかりを話すので、話半分に聞いたほうがいいということ。
仲人は宵のうち(なこうどはよいのうち)
仲人は結婚式での務めを終えたら、長居せずに引き上げたほうがよいということ。 「仲人は宵のうち」「仲人は宵の程」ともいう。
仲人は宵の口(なこうどはよいのくち)
仲人は結婚式での務めを終えたら、長居せずに引き上げたほうがよいということ。 「仲人は宵のうち」「仲人は宵の程」ともいう。
仲人は宵の程(なこうどはよいのほど)
仲人は結婚式での務めを終えたら、長居せずに引き上げたほうがよいということ。 「仲人は宵のうち」「仲人は宵の程」ともいう。
情けが仇(なさけがあだ)
親切や同情からしたことが、かえって相手のためにならない結果となること。
情けに刃向かう刃なし(なさけにはむかうやいばなし)
情けをかけてくれた人に、誰も刃向かうことは出来ないということ。
情けは質に置かれず(なさけはしちにおかれず)
情けをかけてもらっても、気持ちだけでは何の足しにもならないというたとえ。情けは、質に入れて換金できず、実際の生活の役に立たないという意から。
情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず)
他人に親切にすれば、巡り巡って自分に返ってくるということ。
情け容赦もない(なさけようしゃもない)
相手に対して遠慮や手加減をすることなく、物事を進める様子。
情け容赦もなく(なさけようしゃもなく)
相手に対して遠慮や手加減をすることなく、物事を進める様子。
情けを掛ける(なさけをかける)
相手に対して哀れみの気持ちをもって、親切に対応すること。
情けを知る(なさけをしる)
人情とは何かを理解していることのたとえ。
生さぬ仲(なさぬなか)
血の繋がっていない親子の間柄。 「生す」は産むという意味。
梨の礫(なしのつぶて)
連絡しても返事のないこと。「梨」は、「無し」に掛けた言葉。「礫」は、投げつけた小石。投げつけた小石は決して返ってこないことから。
茄子の花と親の意見は千に一つも無駄はない(なすびのはなとおやのいけんはせんにひとつもむだはない)
茄子の花に無駄花がないように、親が子どもにいう意見もすべて子どもの役に立つことばかりで、一つとして無駄がないということ。
為すようにならないで、なるようになる(なすようにならないで、なるようになる)
世の中は自分の思ったようにはいかず、結局はなるようにしかならないということ。
為せば成る(なせばなる)
やる気になれば必ずやりとげられるということ。江戸時代の米沢藩主上杉鷹山の「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という歌からといわれる。また、それより以前に武田信玄が詠んだ歌に由来するともいわれる。
謎を掛ける(なぞをかける)
直接的な表現を用いず、遠回しに言って相手にそれとなくわからせようとすること。
鉈を貸して山を伐られる(なたをかしてやまをきられる)
好意でしたことのために自分が損害を受けることのたとえ。鉈を貸してやって、その鉈で自分の山を伐られてしまうという意から。
鉈を振るう(なたをふるう)
思い切って、予算を削減したり人員を整理したりすること。 「鉈」は薪割りなどに用いる刃物。
名高の骨高(なだかのほねだか)
評判が高いわりには、実情は大したことがないことのたとえ。「名高」は名高いこと、「骨高」は骨ばってごつごつしていること。「高」の語呂あわせをした言葉。
雪崩を打つ(なだれをうつ)
雪崩のように、大勢の人が一斉に同じ方向に移動するさま。
納所から和尚(なっしょからおしょう)
夏歌うものは冬泣く(なつうたうものはふゆなく)
働ける時に働いておかないと、あとで暮らしに困るというたとえ。夏に歌など歌って遊び暮らしている者は、冬になって蓄えがなく飢えや寒さに泣く羽目になるという意から。
夏の風邪は犬も食わぬ(なつのかぜはいぬもくわぬ)
夏の小袖(なつのこそで)
時期外れで不用な物のたとえ。 小袖は冬に用いるもので、夏には不用であることから。
夏の虫、氷を笑う(なつのむし、こおりをわらう)
見識が狭いことのたとえ。夏の間だけ生きている虫は、氷の存在を理解できずに氷を笑うという意から。
夏は日向を行け、冬は日陰を行け(なつはひなたをいけ、ふゆはひかげをいけ)
夏にあえて暑い日向を、冬にあえて寒い日陰を行くように、進んでつらい道を求めて身体を鍛錬せよということ。
七重の膝を八重に折る(ななえのひざをやえにおる)
丁寧な上にも丁寧に、頼みごとをしたり詫びたりする様子。実際には折れない膝を、七重、八重に折るほど腰を低く下げるという意から。
七転び八起き(ななころびやおき)
何度失敗してもくじけずに奮起してがんばること。また、人生は浮き沈みが激しいことのたとえ。七度転んで八度起き上がるという意から。「七転八起」ともいう。
七下がり七上がり(ななさがりななあがり)
人生は不安定で、何度も浮き沈みを繰り返すということ。
七度尋ねて人を疑え(ななたびたずねてひとをうたがえ)
物が紛失した時には、自分で丹念に探してみるのが先決で、軽々しく人を疑ってはいけないという戒めの言葉。七回探しても見つからない時に、はじめて人を疑えという意から。「七度探して人を疑え」ともいう。
七つ下がりの雨と四十過ぎての道楽はやまぬ(ななつさがりのあめとしじゅうすぎてのどうらくはやまぬ)
七つ下がりから降り出した雨と、中年になってから覚えた道楽はなかなかやまないということ。「七つ下がり」は午後四時過ぎのこと。
七つ道具(ななつどうぐ)
常に携行する道具のこと。
七つ七里憎まれる(ななつななさとにくまれる)
七歳頃の男の子はいたずら盛りで、近くの村々の憎まれっ子になるということ。「七里」は、多くの村々の意。
七尋の島に八尋の船を隠す(ななひろのしまにやひろのふねをかくす)
やっても無駄なことのたとえ。七尋しかない島に八尋の船を隠すという意から。
斜めならず(ななめならず)
機嫌などが一通りではないこと。 「斜め」は「なのめ」とも読む。
何かと言うと(なにかというと)
なにかある度に同じ言動をする様子。なにかにつけて。 「何かと言えば」ともいう。
何かと言えば(なにかといえば)
なにかある度に同じ言動をする様子。なにかにつけて。 「何かと言うと」ともいう。
何かにつけ(なにかにつけ)
何事にもかこつけて。ことあるごとに。
何かにつけて(なにかにつけて)
何事にもかこつけて。ことあるごとに。
何から何まで(なにからなにまで)
全て。最初から最後まで。
某より金貸し(なにがしよりかねかし)
地位や名誉より実利を重んじることのたとえ。家柄がよくても貧しい者より、金貸しと卑しく思われても金持ちのほうがいいということ。「なにがし」と「かねかし」を語呂合わせした言葉。
何が何でも(なにがなんでも)
たとえどのようなことがあっても。
何くれとなく(なにくれとなく)
特にこれと決まったこと以外にも、あれこれと些細なところにまで気を配るさま。
何食わぬ顔(なにくわぬかお)
事実を知っていながら、何も知らないような振りをすること。素知らぬ顔。
何事も三度(なにごともさんど)
一度や二度の失敗であきらめず、せめて三度はやってみよということ。
名にし負う(なにしおう)
その名とともに評判になる様子。「名に負う」ともいう。
何するものぞ(なにするものぞ)
一体なにができようか。たいしたことはない。 はげましたり奮起させたりするときに使う言葉。
名に背く(なにそむく)
名声や評判を裏切ること。 また、名声と実力が一致しないこと。
何はさておき(なにはさておき)
他の事はひとまず後回しにして、真っ先にそのことを取り上げるときにいう言葉。
名に恥じない(なにはじない)
名声や評判などに、実力が伴っているさま。
何はともあれ(なにはともあれ)
他の事はひとまず後回しにして。とりあえず。まずは。
何はなくとも(なにはなくとも)
他にこれといったものが何もなくても、そのものさえあれば十分満たされているという気持ちを表す言葉。
何分にも(なにぶんにも)
何もせずにいることは悪を為していることなり(なにもせずにいることはあくをなしていることなり)
何もしないでいることは、それだけでもう悪行を為しているのと同じことであるということ。
何や彼や(なにやかや)
色々と。あれやこれや。
難波の葦は伊勢の浜荻(なにわのあしはいせのはまおぎ)
物の呼び名や、風俗・習慣などは、地方によって異なるというたとえ。難波で「葦」と呼んでいる植物を、伊勢では「浜荻」と呼ぶという意から。
何をか言わんや(なにをかいわんや)
あまりにもひどい状態で、呆れて言葉がない様子。
何を隠そう(なにをかくそう)
なにも隠すつもりはない。 秘密や真実などを述べる前にいう言葉。
七日通る漆も手に取らねばかぶれぬ(なぬかとおるうるしもてにとらねばかぶれぬ)
物事に直接かかわらなければ、害を受けることはないというたとえ。漆の木のそばを何度通っても、手に触れなければかぶれることはないという意から。
名主の跡は芋畑(なぬしのあとはいもばたけ)
名家は何代も続かないというたとえ。名主の家が没落して、その跡が芋畑になっているという意から。
名のない星は宵から出る(なのないほしはよいからでる)
最初に出て来るものに、たいしたものはないというたとえ。また、心待ちにしている人は現れず、待ってもいない者が早々にやって来ることのたとえ。
斜めならず(なのめならず)
機嫌などが一通りではないこと。 「斜め」は「なのめ」とも読む。
名乗りを上げる(なのりをあげる)
自分にかかわる事柄について、広く世間にしらせること。 また、選挙に立候補したり、競争に参加する意思を明らかにしたりすること。 昔、武士が自分の存在を敵に対して大声で知らせたことから。 「名乗り」は「名告」とも書く。
名告を上げる(なのりをあげる)
自分にかかわる事柄について、広く世間にしらせること。 また、選挙に立候補したり、競争に参加する意思を明らかにしたりすること。 昔、武士が自分の存在を敵に対して大声で知らせたことから。 「名乗り」は「名告」とも書く。
名は実の賓(なはじつのひん)
名誉や名声は徳に伴うべきものであるということ。「実」は徳、「賓」は客の意。名誉というものは徳という主人に対して客のようなものであるという意から。
名は体を表す(なはたいをあらわす)
名はそのものの実体を示しているということ。
鍋の鋳掛けが釣り鐘を請け合ったよう(なべのいかけがつりがねをうけあったよう)
自分の能力以上の仕事を請け負って、大騒ぎをするたとえ。鍋を修理する鋳掛け屋が、釣り鐘作りを注文されたようだという意から。
ナポリを見てから死ね(なぽりをみてからしね)
ナポリを見ずに死んでしまっては、生きていた甲斐がないくらいだということ。ナポリの風景の美しさをいったイタリアのことわざ。
生木を裂く(なまきをさく)
相思相愛の男女を無理に別れさせること。地に根を張って生きている木を無理に裂くという意から。
怠け者の節句働き(なまけもののせっくはたらき)
ふだん怠けている者が、世間の人が休む節句などに限ってわざと忙しそうに働くことをあざけっていう言葉。
生唾を飲み込む(なまつばをのみこむ)
目の前にあるものに対して、欲しくてたまらない気持ちになること。 「生唾」は、美味しそうなものなどを見たときに、口の中に自然とたまる唾。
生の声(なまのこえ)
発言する場のない人々の率直な意見や感想のこと。
生兵法は大疵の基(なまびょうほうはおおきずのもと)
中途半端な知識や技術で物事を行うことはきわめて危険であるというたとえ。 「生兵法」は、未熟な兵法や武術のこと。また、十分身についていない知識や技術のこと。 中途半端に身につけた兵法や武術は、頼りになるどころか、かえって大けがの原因になるとの意から。 「生兵法は大疵(おおきず)の基」ともいう。
生兵法は大怪我の基(なまびょうほうはおおけがのもと)
中途半端な知識や技術で物事を行うことはきわめて危険であるというたとえ。 「生兵法」は、未熟な兵法や武術のこと。また、十分身についていない知識や技術のこと。 中途半端に身につけた兵法や武術は、頼りになるどころか、かえって大けがの原因になるとの意から。 「生兵法は大疵(おおきず)の基」ともいう。
生身を削る(なまみをけずる)
自分の体の肉が削がれるような辛い思いをするさま。
生酔い、本性違わず(なまよい、ほんしょうたがわず)
少しばかり酒に酔っても、その人の本来の性質は変わらないということ。「生酔い」は、少し酒に酔うこと。「酒飲み本性違わず」ともいう。
訛は国の手形(なまりはくにのてがた)
言葉のなまりは通行手形のように、その人の出身地を示すということ。「言葉は国の手形」ともいう。
波風が絶えない(なみかぜがたえない)
絶えず揉め事や争い事がある様子。
波風が立つ(なみかぜがたつ)
それまで平穏だったところから、揉め事や争い事が生じるたとえ。
涙に暮れる(なみだにくれる)
悲しみのため、泣いて日々を過ごすこと。
涙に沈む(なみだにしずむ)
深い悲しみのため、嘆き悲しむこと。
涙に咽ぶ(なみだにむせぶ)
こみ上げてくる涙のために、声を詰まらせながら泣くこと。
涙を誘う(なみだをさそう)
おもわず涙を流してしまうさま。
涙を呑む(なみだをのむ)
泣きたいほどの悔しさや無念さを我慢すること。
涙を吞む(なみだをのむ)
泣きたいほどの悔しさや無念さを我慢すること。
涙を振るう(なみだをふるう)
私情を捨てて、相手に対してあえて厳しい態度で接すること。 流れでてくる涙を振り払っての意。
涙を振るって(なみだをふるって)
私情を捨てて、相手に対してあえて厳しい態度で接すること。 流れでてくる涙を振り払っての意。
涙を揮って馬謖を斬る(なみだをふるってばしゅくをきる)
規律や秩序を保つためには、どんなに愛する者であっても、違反者は厳しく処罰することのたとえ。 中国の三国時代、蜀の諸葛孔明は、臣下の馬謖が命令に従わず、魏に大敗したために、泣きながら馬謖を斬ったという故事から。「泣いて馬謖を斬る」ともいう。
波に千鳥(なみにちどり)
絵になるような取り合わせのよいもののたとえ。
波に乗る(なみにのる)
その時の世の中の流れにうまく合うこと。 調子がよくなり、勢いにのること。
蛞蝓に塩(なめくじにしお)
苦手なものに出会って萎縮してしまうことのたとえ。
嘗めてかかる(なめてかかる)
相手を馬鹿にしたりあなどったりすること。
名も無い(なもない)
名前が知られていないことのたとえ。 また、有名ではないことのたとえ。
習い、性と成る(ならい、せいとなる)
習慣も続けていると、しまいにはその人の生まれつきの性質のようになるということ。
習い性となる(ならいせいとなる)
何度も同じことを繰り返すことで、それが習慣となり、しまいにはその人の生まれつきの性質のようになるということ。
習うは一生(ならうはいっしょう)
人間には学ぶべきことがたくさんあるため、いくつになっても常に学び続ける必要があるという戒め。
習うより慣れよ(ならうよりなれよ)
物事は人に教えられるよりも実際に経験を積んだほうが身につくということ。
習うより慣れろ(ならうよりなれろ)
物事は人に教えられるよりも実際に経験を積んだほうが身につくということ。
奈落の底(ならくのそこ)
底の知れない深い所。また、脱け出すことのできない不幸な境遇のたとえ。「奈落」は、仏教で地獄の意。
成らずば誹れ(ならずばそしれ)
成らぬうちが頼み(ならぬうちがたのみ)
物事は、出来上がる前は期待して楽しみにするが、出来上がると気が抜けてしまうということ。また、出来上がるまでは人を頼りにするが、出来上がると頼った相手に知らん顔をするのが世の常だということ。
ならぬ堪忍、するが堪忍(ならぬかんにん、するがかんにん)
これ以上は我慢できないというところを耐え抜くのが、真の忍耐だということ。
並ぶ者がない(ならぶものがない)
一番優れていて、その人に匹敵する者がいないということ。
習わぬ経は読めぬ(ならわぬきょうはよめぬ)
知識や経験のないことは、いくらやれといわれても出来るものではないというたとえ。習ってもいないお経など、難しくて読めるはずがないという意から。
鳴り物入り(なりものいり)
大げさに宣伝すること。 「鳴り物」は、歌舞伎で用いられる太鼓や笛などの楽器のこと。
生業は草の種(なりわいはくさのたね)
暮らしを立てるための方法は草の種ほど多いというたとえ。「商売は草の種」「世渡りは草の種」ともいう。
鳴りを静める(なりをしずめる)
物音や声を立てないように静かにしている。
鳴りを潜める(なりをひそめる)
物音や声を立てないように静かにしている。 また、目立った活動をせずに、じっとしている。
生る木は花から違う(なるきははなからちがう)
すぐれた人物は、小さい時から凡人とはどことなく違うというたとえ。よく実のなる木は、花が咲いた時からわかるという意から。「実の生る木は花から知れる」「実を結ぶ木は花より知らるる」ともいう。
成るは厭なり、思うは成らず(なるはいやなり、おもうはならず)
とかく物事は思い通りにはいかないというたとえ。実現しそうな事柄は気に入らず、反対にまとまってほしい事柄はうまくいかないという意から。多く、縁談についていう。
成るも成らぬも金次第(なるもならぬもかねしだい)
物事がうまくいくかどうかは、すべて金の力で決まるということ。
成れの果て(なれのはて)
かつては勢いの盛んだった者が、落ちぶれてみじめな姿や状態になること。
縄に掛かる(なわにかかる)
犯人がつかまること。 昔、捕らえた罪人を縄でしばったことから。
縄目に掛かる(なわめにかかる)
犯人がつかまること。 昔、捕らえた罪人を縄でしばったことから。
縄目の恥(なわめのはじ)
罪人として縄で縛られる恥のこと。
縄目の恥を受ける(なわめのはじをうける)
犯罪者として世間から軽蔑され、辱めを受けること。 罪人として縄で縛られるとの意から。
縄を打つ(なわをうつ)
犯人などを捕まえて縄でしばること。
名を上げる(なをあげる)
名声を獲得すること。有名になること。
名を揚げる(なをあげる)
名声を獲得すること。有名になること。
名を著す(なをあらわす)
名前が広く世間に知られるようになること。
名を売る(なをうる)
自分の名前が広く世間に知れ渡るように努力すること。
名を得る(なをえる)
すぐれた実績などによって、その分野での名声を得ること。有名になること。
名を惜しむ(なをおしむ)
自分の名誉や名声を大事にすること。 また、他人の名誉や名声に傷がつくのを残念におもうこと。
名を折る(なをおる)
名誉に反する行為をして、その名誉を傷つけること。
名を借りる(なをかりる)
口実にしたり、表向きの理由にしたりすること。 また、他人の名義を借りること。
名を腐す(なをくたす)
名誉に反する行為をして、その名誉を傷つけること。
名を汚す(なをけがす)
名誉に反する行為をして、その名誉を傷つけること。
名を捨てて実を取る(なをすててじつをとる)
名誉や名声を犠牲にしても、実際の利益を得るほうを選ぶこと。
名を竹帛に垂る(なをちくはくにたる)
長く歴史に名を残すような功績を上げること。「竹帛」は、竹の札と絹のこと。中国で、紙の発明以前に、これに文字を記したところから書物または歴史の意。「垂る」は、残すという意。
名を連ねる(なをつらねる)
関係者の一員として、自分の名前を並べること。
名を遂げる(なをとげる)
名声を獲得すること。
名を留める(なをとどめる)
後世まで名声を残すこと。名を残すこと。
名を取る(なをとる)
評判や名声を得ること。有名になること。
名を取るより得を取れ(なをとるよりとくをとれ)
名誉や名声を得るより、実際の利益を得るほうがよいということ。
名を成す(なをなす)
名声を獲得すること。有名になること。
名を残す(なをのこす)
後世まで名声を残すこと。
名を辱める(なをはずかしめる)
名誉に反する行為をして、その名誉を傷つけること。
名を馳せる(なをはせる)
世間に広くその名が知られること。
名を広める(なをひろめる)
その名が世間で広く知られるようになるようになること。
南柯の夢(なんかのゆめ)
夢のこと。 または、世の中は夢のようにはかないことのたとえ。 中国の唐の時代、ある男性が槐の木の下で寝ているときに、大槐安国の王の娘と結婚して南柯群の太守となり繁栄と衰退を経験しながら二十年の歳月を過ごす夢を見たという故事から。 「槐安の夢」ともいう。
難癖を付ける(なんくせをつける)
些細なミスや欠点などを取りあげて、あれこれと非難すること。荒さがしをすること。
難産、色に懲りず(なんざん、いろにこりず)
苦しんだことを忘れ、性懲りもなく同じことを繰り返すことのたとえ。難産の苦しみに懲りずに、また色事を行うという意から。
南山の寿(なんざんのじゅ)
事業が栄え続けること。 または、長寿を祝う言葉。 「南山」は中国にある終南山という山のことで、長寿や堅固の象徴とされていることから。
難色を示す(なんしょくをしめす)
相手の提案や行動などに対して、賛成できないという意思を表情や態度で示すこと。
汝自身を知れ(なんじじしんをしれ)
自分が無知であることを自覚せよということ。ギリシャのアポロン神殿に刻まれていた言葉。「自分の分をわきまえよ」という意で解釈されていたが、ソクラテスが「自分自身をよく知ることが基本だ」と解釈したといわれる。
爾に出ずるものは爾に返る(なんじにいずるずるものはなんじにかえる)
自分がやった行いの報いは、よいことでも悪いことでも、いつか自分自身に返ってくるということ。
汝の敵を愛せよ(なんじのてきをあいせよ)
自分に悪意を持ち、迫害してくる相手にこそ、慈愛の心を持って接するのが真の愛だということ。
汝の隣人を愛せよ(なんじのりんじんをあいせよ)
自分自身のことだけ考えずに、まわりの人々にも愛情を持って接しなさいということ。
何でも来い(なんでもこい)
どのような事でも受け入れる自信があるさま。
何でも来いに名人なし(なんでもこいにめいじんなし)
何でも器用にこなす人は、何をさせてもそれなりにやってのけるが、どれも名人といえるほどの腕前ではないということ。
何としても(なんとしても)
たとえどのようなことが起きても。
なんなら茶漬け(なんならちゃづけ)
口先だけのお世辞をいうたとえ。もう帰ろうとしている客に「なんなら茶漬けでも」と口先だけで引き止める言葉。「遠州のなんなら茶漬け」「京のお茶漬け」など各地でいろいろな言い方がある。
何の気なしに(なんのきなしに)
特別に意識することもなく。
何の事は無い(なんのことはない)
特別に重要なことではない。大したことではない。
何のその(なんのその)
たいしたことではない。
なんの糸瓜の皮(なんのへちまのかわ)
少しも気にかけない様子。「糸瓜」はここではつまらない物の意で、その皮ほどにも思わないという意から。「糸瓜の皮とも思わない」「糸瓜の皮」ともいう。
南風競わず(なんぷうきそわず)
南部の国々の勢いが振るわないこと。日本では、南北朝時代、南朝が不振だったことをいった。「南風」は、南方の風習をうたった歌謡の音調のことで、それが北方の歌謡に負けているという意から。
難を付ける(なんをつける)
些細なミスや欠点などを取りあげて、あれこれと非難すること。荒さがしをすること。