危ない橋も一度は渡れについて

言葉 | 危ない橋も一度は渡れ |
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読み方 | あぶないはしもいちどはわたれ |
意味 | 安全な方策ばかりとっていたのでは、成功することはできない。時には危険を冒してやってみるのも必要だということ。 |
出典 | - |
類句 | 虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず) |
危ない所に上がらねば熟柿は食えぬ |
使用されている漢字
「危」を含むことわざ
危ないことは怪我のうち(あぶないことはけがのうち)
危ないことには、はじめから近寄るなという教え。危険なことはもう怪我の圏内に入るという意から。
危ない橋を渡る(あぶないはしをわたる)
危険な手段をとることのたとえ。いまにも落ちそうな危険な橋を渡るという意から。
危うきこと虎の尾を踏むが如し(あやうきこととらのおをふむがごとし)
非常に危険なことをすることのたとえ。
危うきこと累卵の如し(あやうきことるいらんのごとし)
きわめて不安定で危険な状態のたとえ。「累卵」は積み重ねた卵のことで、いつくずれるかわからないという意から。
安に居て危を思う(あんにいてきをおもう)
平和の時でも、常に災難・危機に対する備えを忘れないようにすること。
危急存亡の秋(ききゅうそんぼうのとき)
生き残るか滅びるかの大きな岐路に立たされている時。「秋」は重大な時期の意。
「橋」を含むことわざ
危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)
危ない橋を渡る(あぶないはしをわたる)
危険な手段をとることのたとえ。いまにも落ちそうな危険な橋を渡るという意から。
石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)
用心の上にも用心を重ねて事を行うことのたとえ。丈夫な石橋でも、安全を確かめてから渡るという意から。
江戸は八百八町、大坂は八百八橋(えどははっぴゃくやちょう、おおさかははっぴゃくやばし)
江戸は町の数が多く、大阪には橋が多くて、どちらも町並みが広くにぎわっているということ。「八百八」は実数ではなく、数の多さを表す。
橋頭堡(きょうとうほ)
事に着手する時の足がかり・拠点。本来は、橋を守るために橋のたもとに構築した陣地や、川・湖・海を渡った敵地につくる上陸拠点のこと。もとの読みは「きょうとうほう」。
夢の浮橋(ゆめのうきはし)
夢のこと。また、世間が頼りなく渡りにくいこと、はかないことのたとえ。「浮橋」は水上に筏や舟を並べて、その上に板を渡した橋のこと。
「一」を含むことわざ
悪は一旦の事なり(あくはいったんのことなり)
一時的にうまくいっても悪は長続きせず、結局は正義に勝てないということ。
朝顔の花一時(あさがおのはないっとき)
物事の盛りが短く、はかないことのたとえ。朝咲いた朝顔の花が昼を待たずにしぼんでしまうことから。
朝の一時は晩の二時に当たる(あさのひとときはばんのふたときにあたる)
朝は仕事がはかどるので、なるべく早く起きて働けということ。「一時」は昔の時刻の数え方で、約二時間。「二時」はその倍の約四時間で、朝の仕事は夜の仕事の二倍に相当するという意から。
薊の花も一盛り(あざみのはなもひとさかり)
誰でも年ごろになると、それなりの魅力が出てくるということ。あまり好まれない薊の花も、美しい時期があるという意から。
あの世の千日、この世の一日(あのよのせんにち、このよのいちにち)
あの世の極楽で千日暮らすより、この世で一日でも楽しむほうがよいということ。
粟一粒は汗一粒(あわひとつぶはあせひとつぶ)
粟一粒の収穫には、農民の汗一粒が流されているという農家の苦労をいう言葉。
「度」を含むことわざ
伊勢へ七度、熊野へ三度(いせへななたび、くまのへみたび)
信仰心が深いことのたとえ。伊勢神宮へ七度、熊野三山へ三度もお参りしたことがあるほど信仰深いという意から。このあと続けて「愛宕様へは月参り」ともいう。
一度あることは二度ある(いちどあることはにどある)
一度起きたことは、後でまた同じようなことが起こりやすいので注意せよということ。この後に続けて「二度あることは三度ある」ともいう。
一度死ねば二度死なぬ(いちどしねばにどしなぬ)
人間死ぬのは一度きりと、事に当たる時決死の覚悟を決めて自分自身に言い聞かせることば。
一度はままよ二度はよし(いちどはままよにどはよし)
悪事を行うとき、最初は良心がとがめながら、なるようになれという気で行うが、二度目からはなんとも思わなくなり平気でのめりこんでいくということ。
一度焼けた山は二度は焼けぬ(いちどやけたやまはにどはやけぬ)
一度災いに遭うと二度と同じ災いに遭うことはないと、災難に遭った人を慰めて言うことば。
韋編三度絶つ(いへんみたびたつ)
繰り返して書を読むこと。「韋編」は、竹の札をなめし皮の紐で綴った中国の昔の書物。孔子が繰り返し「易経」を読み、革紐が三度も切れたという故事から。「葦編三絶」ともいう。
「渡」を含むことわざ
浅い川も深く渡れ(あさいかわもふかくわたれ)
物事を行う時は、注意を怠らず決して油断してはいけないということ。浅い川を渡る時も、深い川を渡る時のように注意して渡れという意から。
危ない橋を渡る(あぶないはしをわたる)
危険な手段をとることのたとえ。いまにも落ちそうな危険な橋を渡るという意から。
石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)
用心の上にも用心を重ねて事を行うことのたとえ。丈夫な石橋でも、安全を確かめてから渡るという意から。
引導を渡す(いんどうをわたす)
最終的な宣告をして相手をあきらめさせること。 また、相手の命がまもなくなくなることをわからせること。 「引導」は、葬式の際、死者の霊を極楽浄土に導くために僧が経文や仏語を唱えること。 その引導を授けるの意から。
浮世渡らば豆腐で渡れ(うきよわたらばとうふでわたれ)
世渡りは、内面にやさしさと柔軟性をもち、物事のけじめはきっちりとつけよというたとえ。豆腐は外見が四角くきちんとした形だが、内は柔らかいことから。
負うた子に教えられて浅瀬を渡る(おうたこにおしえられてあさせをわたる)
人は時には自分より経験の浅い年下の者から物事を教わることもあるというたとえ。背中に負ぶった子に浅瀬を教えられて川を無事に渡るという意から。