「の」から始まる故事・ことわざ・慣用句一覧
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ことわざ一覧
能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)
すぐれた才能や実力のある人は、それをむやみにひけらかしたりしないということ。
能書きの読めぬ所に効き目あり(のうがきのよめぬところにききめあり)
効能書きは難解だが、それがかえって効き目があるように感じられる。よくわからないものほど、有難みがあるということのたとえ。また、効能書きの難解さへの皮肉にいう。
能書きを垂れる(のうがきをたれる)
自らの長所や得意とすることなどをあれこれと並べたてること。 「能書き」は、薬などの効能を記載した効能書きのこと。
能書きを並べる(のうがきをならべる)
自らの長所や得意とすることなどをあれこれと並べたてること。 「能書き」は、薬などの効能を記載した効能書きのこと。
能事畢る(のうじおわる)
しなければならないことは残らずやり終えたということ。やり遂げた時に充実感を覚えて言ったり、あとは運を天に任せるしかないという気持ちで言ったりすることば。
能じゃない(のうじゃない)
一つのことだけが能力や価値を示すのではなく、ほかにも大切な面があるということを表す言い方。「〜だけが能じゃない」「〜ばかりが能じゃない」の形で、特定の行為や側面にとらわれず、より広い視野を持つべきだという意味を示す。
能書筆を択ばず(のうしょふでをえらばず)
書にすぐれた人は筆のよしあしに関係なく、どんな筆を使ってもすぐれた字を書くということ。
嚢中の錐(のうちゅうのきり)
すぐれた人は、大衆の中にいても自然とその才能が現れるというたとえ。袋の中にの錐は、その鋭い先端が外に飛び出ることから。
嚢中の物を探るが如し(のうちゅうのものをさぐるがごとし)
袋の中の物を探すように、非常に簡単なことのたとえ。 「嚢中」は袋の中。 「袋の物を探るが如し」ともいう。
能なし犬は昼吠える(のうなしいぬはひるほえる)
才能のない者にかぎって必要のないときに大騒ぎしたり、大きなことを言ったりするというたとえ。
能なしの口叩き(のうなしのくちたたき)
なんの役にも立たない人ほど、よけいなことをぺらぺらしゃべり、口先だけは達者だということ。
農は人真似(のうはひとまね)
農業は人のやる事を真似していれば人並みの収穫はあるということ。
脳味噌を絞る(のうみそをしぼる)
あるだけの知恵を出し尽くして考察すること。
脳裏に焼き付く(のうりにやきつく)
非常に強い印象を受けて、いつまでも記憶に残っていること。
逃した魚は大きい(のがしたさかなはおおきい)
手に入れそこなったものは惜しさが加わって、特にすぐれたもののように感じられるというたとえ。「魚」は「うお」とも読む。 「逃した魚は大きい」「逃げた魚は大きい」「釣り落とした魚は大きい」ともいう。
軒を争う(のきをあらそう)
ぎっしりと家が立ち並んでいるさま。
軒を貸して母屋を取られる(のきをかしておもやをとられる)
一部を貸したために、ついには全部を奪われてしまうことのたとえ。また、恩を仇で返されることのたとえ。
軒を連ねる(のきをつらねる)
ぎっしりと家が立ち並んでいるさま。
軒を並べる(のきをならべる)
ぎっしりと家が立ち並んでいるさま。
のけば他人(のけばたにん)
夫婦はもともと他人同士だから、どんなに仲がよくても離婚するとまったくの赤の他人になるということ。
退けば長者が二人(のけばちょうじゃがふたり)
相性のわるい者同士が一緒にいるより、お互いに独立したほうがうまくいくということ。
残り物には福がある(のこりものにはふくがある)
最後まで残っている物の中には、意外によいものがあるということ。
熨斗を付ける(のしをつける)
人に物を喜んで進呈するたとえ。
望みを託す(のぞみをたくす)
自分の願いや期待を他人や物事にゆだねる。自らの力では実現できない思いや願望を、信頼する相手や状況の成り行きに任せて託すこと。
後の親が親(のちのおやがおや)
生んでくれた親より、育ててくれた親を敬い孝行せよという教え。
退っ引きならない(のっぴきならない)
避けることも退くことも出来ず、動きがとれないようす。また、どうにもならないということ。
喉が鳴る(のどがなる)
食べ物を見たり匂いを感じたりして、思わず食べたくなるほど食欲が強く高まるさま。
喉から手が出る(のどからてがでる)
欲しくて欲しくてたまらないことのたとえ。
喉元過ぎれば熱さを忘れる(のどもとすぎればあつさをわすれる)
苦しいことも過ぎてしまえば忘れてしまうことのたとえ。また、苦しい時に受けた恩義も楽になったら忘れてしまうことのたとえ。 熱いものを飲んでも、のどを過ぎれば口に入れた時の熱さを忘れてしまうことから。
のべつ幕無し(のべつまくなし)
物事が途切れることなく続く様子。休みなく続くさま。芝居の場面転換で幕を引かずに演じ続けたことに由来する。
述べて作らず(のべてつくらず)
昔から伝えられていることを述べるだけで、自分の意見は差し挟まないということ。
上り一日、下り一時(のぼりいちにち、くだりいっとき)
物事を作り上げるのには多くの時間と労力を要するが、壊すのはたやすいことのたとえ。 上るときには一日かかる道も、下るときにはわずかな時間しかかからないとの意から。
上り坂あれば下り坂あり(のぼりざかあればくだりざかあり)
人生には、栄える時もあれば衰える時もあるということ。
上り坂より下り坂(のぼりざかよりくだりざか)
物事が順調に運んでいるときほど、油断して失敗しやすいという戒め。 苦しい状況よりも、むしろ容易に思われる局面でこそ気を引き締めるべきだとする教え。 坂道では上りより下りのほうが足を踏み外しやすいことから。
上り知らずの下り土産(のぼりしらずのくだりみやげ)
知らないことを、さも知っているように話すたとえ。 京へ上ったこともない者が、あたかも行ってきたかのように土産話をすることから。
上り大名下り乞食(のぼりだいみょうくだりこじき)
はじめに無計画に金を使い、あとでどうにもならなくなること。 旅に出て、行き(上り)は大名のように贅沢に金を使い、帰り(下り)は旅費が足りなくなり乞食のようなみじめな思いをすることから。 「上り大名下り乞食」ともいう。
登れない木は仰ぎ見るな(のぼれないきはあおぎみるな)
自分の力や立場に見合わない望みを持つなという戒め。 できもしないことを求めず、身のほどをわきまえよということ。
飲まぬ酒には酔わぬ(のまぬさけにはよわぬ)
原因がなければ結果は生じないというたとえ。酒を飲まなければ酔うことがないことから。
飲まぬ酒に酔う(のまぬさけによう)
理由や心当たりがないのに、不本意な結果が生じることのたとえ。 酒を飲んでもいないのに酔ってしまうというありえない状況から。
鑿と言えば槌(のみといえばつち)
万事に気が利くこと。また、気を利かすべきだという教え。 鑿をくれと言われれば、それを使う時に必要な槌も一緒に渡すとの意から。
鑿に鉋の働きは無し(のみにかんなのはたらきはなし)
どれだけすぐれた道具であっても役目は決まっており、他の道具の代わりにはならないというたとえ。人や物には、それぞれふさわしい務めがあるということ。 鑿(のみ)は木材に穴をあけたり削り取ったりする道具。 鉋(かんな)は木の表面を薄く削ってなめらかに仕上げる道具。
蚤の頭を斧で割る(のみのあたまをよきでわる)
わずかなことに、必要以上に大げさで不釣り合いな手段を用いることのたとえ。 小事に対して道具や方法が過度で適当でないこと。 「頭」は「あたま」とも読む。
蚤の息も天に上がる(のみのいきもてんにあがる)
誰でも一心に努力すれば望みを叶えられるということ。 一心に事を行えば、蚤のような小さなものの吐息も天に届かせることができるとの意から。
蚤の頭を斧で割る(のみのかしらをよきでわる)
わずかなことに、必要以上に大げさで不釣り合いな手段を用いることのたとえ。 小事に対して道具や方法が過度で適当でないこと。 「頭」は「あたま」とも読む。
蚤の皮を剝ぐ(のみのかわをはぐ)
取るに足りないほどの些細なことに、必要以上の労力や注意を注ぐことのたとえ。
蚤の小便、蚊の涙(のみのしょうべん、かのなみだ)
極めてわずかなことのたとえ。
蚤の心臓(のみのしんぞう)
わずかなことにもすぐおびえるほど、気が小さいことのたとえ。
蚤の夫婦(のみのふうふ)
夫より妻が大きい夫婦のこと。
蚤の眼に蚊の睫(のみのまなこにかのまつげ)
きわめて小さいもののたとえ。
飲む、打つ、買う(のむ、うつ、かう)
男の道楽の代表的なものを並べたことば。大酒を飲む、博打を打つ、女を買うこと。
飲むに減らで吸うに減る(のむにへらですうにへる)
小さな出費が積み重なって財産が減っていくことのたとえ。 たまに使う酒代では財産はそれほど減らないが、毎日のように使うたばこ代では確実に減っていくとの意から。
飲む者は飲んで通る(のむものはのんでとおる)
酒飲みは酒代がかかって大変だが、金が無いなら無いなりにやっていくものだということ。
飲めや歌え(のめやうたえ)
宴会などがにぎやかに盛り上がっているさま。 酒を酌み交わし、歌い騒ぐほどの大いにぎわう様子をいう。
飲めや歌えや(のめやうたえや)
宴会などがにぎやかに盛り上がっているさま。 酒を酌み交わし、歌い騒ぐほどの大いにぎわう様子をいう。
野良の節句働き(のらのせっくばたらき)
ふだんは怠けている者が、節句など世間が休む時にかぎって働いてみせることをあざけっていう言い方。 外見だけ勤勉らしく振る舞うさまをいう。 「野良の節句働き」ともいう。 「節句」は「節供」とも書く。
乗り掛かった船(のりかかったふね)
物事を始めてしまった以上、中途でやめるわけにはいかないことのたとえ。乗った舟が岸を離れれば途中で降りることができないことから。
乗り掛かった舟(のりかかったふね)
物事を始めてしまった以上、中途でやめるわけにはいかないことのたとえ。乗った舟が岸を離れれば途中で降りることができないことから。
矩を踰える(のりをこえる)
道徳や規律から外れること。「矩」は規則・おきて、「踰える」は超えるという意。
伸るか反るか(のるかそるか)
成功するか失敗するか、運を天にまかせて思い切って物事を行うこと。
暖簾に腕押し(のれんにうでおし)
手ごたえも張り合いもないことのたとえ。「腕押し」とは腕相撲のことで、暖簾のように力も争う意思もない相手と腕相撲をしても、何の手ごたえもないという意味から。
暖簾に傷が付く(のれんにきずがつく)
店などの信用や評判が落ちること。
暖簾にもたれるよう(のれんにもたれるよう)
まったく頼りにならないことのたとえ。また、手応えがなく、張り合いがないことのたとえ。 暖簾に寄りかかっても支えにはならないことから。
暖簾を下ろす(のれんをおろす)
その日の営業活動を終わりにすること。 また、営業をやめること。廃業すること。
暖簾を分ける(のれんをわける)
長い間勤めた店員などに、同じ屋号を使用した新しい店の出店を許可すること。
呪うことも口から呪う(のろうこともくちからのろう)
言葉は慎むべきであるということ。 人を呪うときは口に出して言うし、自分に災いを招くのも口にした言葉が原因であることが多いことから。
呪うに死なず(のろうにしなず)
人に強く恨まれたり、呪われたりするような者ほど、案外しぶとく生き延びるものだということ。
狼煙を上げる(のろしをあげる)
目立つ行動を起こし、これから大きな動きが始まることを世に示すこと。 また、物事を進めるための合図として、先駆けとなる行動を起こすこと。 昔、戦いや急報の知らせとして火や煙を上げた「狼煙」に由来する語。 「狼煙」は「烽火」とも書く。
烽火を上げる(のろしをあげる)
目立つ行動を起こし、これから大きな動きが始まることを世に示すこと。 また、物事を進めるための合図として、先駆けとなる行動を起こすこと。 昔、戦いや急報の知らせとして火や煙を上げた「狼煙」に由来する語。 「狼煙」は「烽火」とも書く。
呑んでかかる(のんでかかる)
相手を侮り、実力を見くびって高圧的な態度をとること。また、争いや試合などで自分の方が圧倒的に優位であると思い込んで相手に臨むさま。
吞んでかかる(のんでかかる)
相手を侮り、実力を見くびって高圧的な態度をとること。また、争いや試合などで自分の方が圧倒的に優位であると思い込んで相手に臨むさま。
のんべんだらりと(のんべんだらりと)
何もせずに、ぼんやりと時間を無駄に過ごすさま。 また、つまらないことや無駄な話をだらだらと長く続けて、張りや締まりのない様子。
