「は」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「は」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 273 件
肺肝を出す(はいかんをいだす)
真心を打ち明けること。本心をさらけ出して語ること。 「肺肝」とは肺と肝臓の意で、転じて心の奥にある思いのこと。
肺肝を砕く(はいかんをくだく)
非常に苦心することのたとえ。「肺肝」は肺臓と肝臓のことで、転じて「心」の意。心が砕けてしまうほど考えるという意味。
敗軍の将は兵を語らず(はいぐんのしょうはへいをかたらず)
失敗した者は、そのことについて弁解する資格がないということ。戦いに敗れた将軍は兵法について発言する資格はないとの意から。
背水の陣(はいすいのじん)
失敗すれば後が無いという立場、また決死の覚悟で事に当たることのたとえ。 中国、漢の名将が趙の軍隊と戦った時、わざと川を背に陣を敷き、味方に決死の覚悟で戦わせて敵を破ったという故事から。
吐いた唾は呑めぬ(はいたつばはのめぬ)
一度口から出した言葉は取り消すことができないというたとえ。発言には十分注意するようにとの戒めのことば。
吐いた唾を呑む(はいたつばをのむ)
一度言ったことを無責任にひるがえすこと。
杯中の蛇影(はいちゅうのだえい)
疑えば、なんでもないことにまで神経を悩まし苦しむことのたとえ。杯に映った弓の影を蛇と見間違え、蛇を飲んだと思い込んで病気になったが、それが間違いだとわかると、たちまち治ったという故事から。
掃いて捨てるほど(はいてすてるほど)
数が非常に多く、珍しくないことのたとえ。ありふれて、取るに足らないさま。
はいに科なし(はいにとがなし)
何事も「はい」と言って従っていれば安全であるということ。
灰になる(はいになる)
物が燃え尽きて形がなくなること。また、人が亡くなって火葬され骨と灰だけになることや、比喩的に持っている力を出し尽くして気力がなくなる様子を指す。
灰吹きから蛇が出る(はいふきからじゃがでる)
意外な所から意外なものが出ることのたとえ。また、ちょっとしたことから、とんでもないことが生じることのたとえ。「灰吹き」は、たばこの吸い殻入れる筒のことで、その筒から蛇が出るということから。
灰吹きと金持ちは溜まるほど汚い(はいふきとかねもちはたまるほどきたない)
金持ちは金が貯まるほど、欲深くなり心が汚れていくということ。 吸い殻を入れる「灰吹き」が、溜まるほど汚くなることと金が貯まることを掛けている。
肺腑を衝く(はいふをつく)
心の奥底に衝撃を与えることのたとえ。また、深い感銘を与えることのたとえ。 「肺腑」は肺臓のこと。転じて心の底のこと。 「衝く」は「突く」とも書く。 また、「肺腑を貫く」「肺腑を抉る」ともいう。
灰を飲み胃を洗う(はいをのみいをあらう)
過去の過ちや汚れた心を深く反省し、心を入れ替えて善人になることのたとえ。 罪を犯した竺景秀が、「過去の過ちを悔い改めることが許されるならば、刀を呑んで腸を削り、灰を飲んで胃を洗って身を清めます」と誓った故事に由来する。
蠅が飛べば虻も飛ぶ(はえがとべばあぶもとぶ)
似た者同士が互いに真似をしたり、他人の行動にむやみに同調したりすることのたとえ。 一匹の蠅が飛び立つのを見て、それにつられて虻まで飛び立つ様子に由来する。
這えば立て、立てば歩めの親心(はえばたて、たてばあゆめのおやごころ)
子どものすこやかな成長を楽しみに待つ親の気持ちを言ったことば。
果が行く(はかがいく)
仕事や物事が順調に進む。能率があがって成果が出る。はかどる。 「果」は「量」とも書く。
墓に布団は着せられず(はかにふとんはきせられず)
親が生きているうちに孝行すべきで、死後に悔やんでも遅いということ。 墓石に布団を着せて温めても無意味であることから。 「石」は「墓」ともいう。
破瓜の年(はかのとし)
瓜の字を二つに破ると二つの八の字になり、八と八を足すと十六、八と八を掛けると六十四になるということから、女性の十六歳、または男性の六十四歳のこと。
測り難きは人心(はかりがたきはひとごころ)
人の心ほど理解しがたいものはないということ。また、人の心が変わりやすく頼りにならないことにもいう。
謀は密なるを貴ぶ(はかりごとはみつなるをたっとぶ)
計略は秘密に進めることが大事だということ。 「謀は密なるを良しとす」ともいう。
籌を帷幄に運らし、勝ちを千里の外に決す(はかりごとをいあくにめぐらし、かちをせんりのほかにけっす)
計画や戦略の巧妙なことのたとえ。 「籌」は計略、「帷幄」は幕を張りめぐらした本陣、「千里の外」は遠い場所のこと。 本陣で計略を練り、遠く離れた戦場で勝利するとの意から。 「籌策を帷幄の中に運らし、勝ちを千里の外に決す」ともいう。
秤に掛ける(はかりにかける)
秤を使って重さを量ること。 また、比喩的に物事を比較し、その利害や得失を考えること。
歯が浮く(はがうく)
不自然で大げさな言動や、過度に甘いお世辞などを聞いて、気恥ずかしくなったり、むずがゆい不快感を覚えたりするさま。 「歯が浮くよう」「歯の浮くような」などともいう。
羽が利く(はがきく)
勢いがあって、思うままに振る舞うことができる。世間で有力な立場にあり、無理が通る。金銭的な力がある。羽振りがよい。
歯が立たない(はがたたない)
相手の能力が高すぎて勝負にならないこと。 または、その物事が難しすぎて処理できないこと。 硬くて噛み砕くことができないとの意から。
刃金が棟へ回る(はがねがむねへまわる)
技量や判断力、働きなどが衰えることのたとえ。 刀の背である棟(むね)の方向へ刃先がまくれ上がり、切れ味が鈍くなることから。
刃金を鳴らす(はがねをならす)
武勇や手柄をあげて名を広く知らしめること。また、勢威をふるうこと。 「刃金」は刀剣のこと。
掃き溜めと金持ちは溜まるほど汚い(はきだめとかねもちはたまるほどきたない)
金持ちは、お金がたまればたまるほど欲深くけちになるというたとえ。「掃き溜め」は、ごみ捨て場のこと。
掃き溜めに鶴(はきだめにつる)
つまらない所に、そこには似つかわしくない優れたものがあることのたとえ。 「掃き溜め」は、ごみ捨て場のこと。 ごみ捨て場に舞い降りた美しい鶴との意から。
破鏡(はきょう)
夫婦が別れること。離婚。
昔、やむをえず離れて暮らすことになった夫婦が、半分に割った鏡をそれぞれ持ち、愛情の証として別れた。
後に、妻が別の男と関係を持ったため、妻の持っていた鏡はカササギとなって夫の所へ飛んでいき、不義が知れて離縁になったという故事から。破鏡再び照らさず(はきょうふたたびてらさず)
離縁した夫婦の仲はもとどおりにならないことのたとえ。また、一度してしまったことは取り返しがつかないというたとえ。
歯切れがいい(はぎれがいい)
言葉の発し方がはっきりしていて、意味が伝わりやすいこと。
伯牙、琴を破る(はくが、ことをやぶる)
心の通じ合った無二の親友と死別して悲観にくれるたとえ。中国、春秋時代に琴の名手の伯牙が、その琴の音を理解してくれた友人鐘子期の死後、二度と琴を弾かなかったという故事から。
箔が付く(はくがつく)
値打ちが上がること。貫禄がつくこと。「箔」は金属を紙のように薄くたたきのばしたもの。その箔が付いて立派になることから。 「箔を付ける」ともいう。
白眼視(はくがんし)
人を冷たい目つきで見ること。 中国の三国時代、竹林の七賢の一人阮籍が嫌いな人は白い目で迎え、気に入った人は青い目で迎えたという故事から。
白玉楼中の人となる(はくぎょくろうちゅうのひととなる)
文人が死ぬことのたとえ。 「白玉楼」は文人が死後に行くといわれる白玉造りの高楼のことで、その中の人となるとの意から。
白紙で臨む(はくしでのぞむ)
事前に対策したり、先入観を持ったりすることなく、物事の取り組むこと。
白紙に戻す(はくしにもどす)
いったん決まった事柄や、進めていた計画・約束などをすべて取り消し、最初の状態からやり直すこと。 文字や記録が何も書かれていない白い紙の状態に戻す意から。 「白紙に返す」ともいう。
拍車をかける(はくしゃをかける)
事の進行を一段と速めるたとえ。 「拍車」は乗馬靴のかかとに取り付ける金具で、これで馬の腹を蹴り刺激を与えて速く走らせることから。
白日の下に晒す(はくじつのもとにさらす)
隠されていた事実・事情を包み隠さず明るみに出し、だれの目にも明らかな形で公にすること。 明るい太陽(白日)の下にさらけ出すとの意から。
白刃踏むべし(はくじんふむべし)
非常に勇気があることのたとえ。「白刃」は鞘から抜いた刀のこと。その白刃を踏むことも辞さない意から。
白刃前に交われば流矢を顧みず(はくじんまえにまじわればりゅうしをかえりみず)
目の前で刀を交えて激しく戦うような切迫した状況では、どこから飛んでくるか分からない流れ矢などを気にしている余裕はないということ。 重大な事態や大きな難局に直面すると、些細な危険や小事を顧みていられないことのたとえ。
伯仲の間(はくちゅうのかん)
ほとんど差がなく優劣がつけにくいこと。昔、中国では子どもの上から順に伯・仲・叔・季の字を当て、伯(長兄)と仲(次兄)では年齢にあまり差がないことから。
白鳥の歌(はくちょうのうた)
人が亡くなる直前に、人生でもっとも優れた仕事や作品を残すこと。また、その最後に残された作品。 白鳥は死の直前に、最も美しい声で歌うという言い伝えに由来する。
白髪三千丈(はくはつさんぜんじょう)
長年の悲しみや心配のために、白髪が非常に長く伸びることを誇張して言った言葉。
白馬馬に非ず(はくばうまにあらず)
詭弁やこじつけのこと。 中国、周時代に公孫竜が、「馬」は形に名付けられた概念で「白」は色に名付けられたであるから「馬」と「白馬」は別の概念を表すという論を説いたことから。 「白馬は馬に非ず」「白馬非馬論」ともいう。
薄氷を履むが如し(はくひょうをふむがごとし)
非常に危険な状況に臨むこと、または極めて危うい状況で、細心の注意を払って行動することのたとえ。 薄くて今にも割れそうな氷の上を踏んで歩くことから。 単に「薄氷を履む」ともいう。 また「履む」は「踏む」とも書く。
白璧の微瑕(はくへきのびか)
ほぼ完全なものに、少しだけ欠点があることのたとえ。 「白璧」は白い宝玉で、その宝玉に微かな瑕(きず)があるとの意から。
白面の書生(はくめんのしょせい)
年が若く、経験の乏しい学者や学生のこと。「白面」は年が若く未熟なこと、「書生」は勉強中の者の意。
伯兪、杖に泣く(はくゆつえになく)
親が年老いて体力が衰えたことを察し、悲しむこと。 伯兪という人物が母に杖で打たれた際、その力が弱まったことに母の老いを感じて泣いたという故事から。
伯楽の一顧(はくらくのいっこ)
不遇だった者が有力者に見いだされて世に出ること。 「伯楽」は、中国春秋時代の名馬を見抜く名人。 馬が売れずに困っていた者が伯楽に頼み、伯楽が一度通り過ぎた後に馬を振り返って見たことで、その馬の価値が一気に跳ね上がったという故事から。 「伯楽の一顧を得る」ともいう。
歯車が嚙み合わない(はぐるまがかみあわない)
物事の連係や関係者の意向がうまく合わず、円滑に進行しなくなること。 機械の歯車同士の凸凹が正しく噛み合わず、回転がうまく伝わらない様子に由来する。 「嚙」は「噛」とも書く。
歯車が狂う(はぐるまがくるう)
物事が順調に進んでいた状態から外れ、計画や人間関係、状況全体に支障をきたすこと。 機械の歯車が一つでも噛み合わなくなると、装置全体が正常に動かなくなることから。
禿が三年目につかぬ(はげがさんねんめにつかぬ)
人を好きになると、その欠点や不都合な点があっても当分のあいだ気にならず、目につかないことのたとえ。
箱入り娘(はこいりむすめ)
めったに外出させず、家庭内で大切に守られて育った娘。
箱根からこっちに野暮と化け物はなし(はこねからこっちにやぼとばけものはなし)
箱根からこちら側(関東を中心とした言い方で東側)には、野暮な人間と化け物はいないということ。江戸っ子が田舎者を相手に自慢する言葉。
箱根知らずの江戸話(はこねしらずのえどばなし)
実際には見たこともないものを、いかにも見てきたように話すことのたとえ。 箱根を越えたことのない西国の人間が、江戸のことを得意気に話すということから。
歯応えがある(はごたえがある)
こちらの働きかけに対してはっきりとした反応が返ってくること。
箸が転んでもおかしい年頃(はしがころんでもおかしいとしごろ)
日常のほんの些細な出来事に対しても、おかしがってよく笑う年頃。主に十代後半の多感な時期の女性についていう。
箸が進む(はしがすすむ)
食べ物がおいしく感じられて食欲が増し、食事がはかどること。また、次々と箸を運んでよく食べること。
橋が無ければ渡られぬ(はしがなければわたられぬ)
物事を進めたり目的を果たしたりするには、仲立ちとなる人や必要な手段・方法が欠かせないことのたとえ。 橋がなければ川は渡れないことから。
梯子をする(はしごをする)
一軒で終わらず、次々と店を変えて酒を飲み歩くこと。転じて、映画や行事など同種の事柄を次々に場所を変えて楽しむこともいう。
梯子を外される(はしごをはずされる)
共に物事に取り組んでいた仲間に見捨てられること。孤立すること。 梯子を外されて、高い所から下りられなくなるとの意から。
端無くも(はしなくも)
思いがけず。偶然。予想していなかったのに。
箸に当たり棒に当たる(はしにあたりぼうにあたる)
腹を立てて何の関係もない箸や棒に当り散らすことから、何のかかわりもないものにまで八つ当たりすること。
箸に目鼻(はしにめはな)
体の痩せた人のたとえ。
箸に目鼻をつけても男は男(はしにめはなをつけてもおとこはおとこ)
ひどくやせてみすぼらしく見えても男は男であり、相応の扱いをすべきだということ。 「箸に目鼻」は、非常に痩せている人のたとえ。
箸にも棒にも掛からない(はしにもぼうにもかからない)
能力や程度などが劣っていて、どうにも扱いづらいことのたとえ。また、何の取り得もないことのたとえ。 小さな箸にも、大きな棒にも引っ掛からないとの意から。
箸の上げ下ろし(はしのあげおろし)
箸を上げたり下ろしたりするような、食事のときのこまかな動作。転じて、人のこまかな一挙一動。 「箸の上げ下ろしにも小言を言う」の形で、些細なことまでいちいち干渉したり注意したりする例えとして用いられることが多い。
箸の転んだもおかしい(はしのころんだもおかしい)
箸が転がるような、些細なことにもよく笑うこと。思春期の娘に対していうことが多い。
箸より重い物を持たない(はしよりおもいものをもったことがない)
裕福な家庭で育てられるなどして、労働の経験がないことのたとえ。 食事で使う箸以上に重たい物を持ったことがないとの意から。 「箸より重い物を持ったことがない」ともいう。
走り馬にも鞭(はしりうまにもむち)
勢いのあるものに、さらに勢いをつけることのたとえ。 走っている馬に、鞭を打ってさらに早く走らせる意から。 「駆ける馬にも鞭」「走る馬に鞭」「駆け馬に鞭」「行く馬に鞭」ともいう。
走れば躓く(はしればつまずく)
物事は急ぐと失敗しやすいので、落ち着いてじっくり取り組めということ。 焦って走ると、躓(つまづ)いて転んでしまうとの意から。
恥と頭は搔き次第(はじとあたまはかきしだい)
どんなに恥をかいてもいっこうに平気で、恥ずかしいことを続けていくこと。自由に頭を搔くように、恥をかき続けてもまるで気にしないことから。
恥の上塗り(はじのうわぬり)
恥をかいた上にさらに恥をかくこと。 「恥の上書き」「恥の掻き上げ」「恥の恥」ともいう。
始まらない(はじまらない)
既に時機を逃しているため、今からいっても意味はないということ。何にもならない。むだだ。しょうがない。
始め有るも終わり無し(はじめあるもおわりなし)
つまらない人間は、物事を開始することはできても、最後までやり遂げて成果を出すことができない。 また、つまらない人物の付き合いは、その情義や誠実さを最後まで保つことができないということ。
始めあるものは必ず終わりあり(はじめあるものはかならずおわりあり)
物事には始めがあるように必ず終わりがある。生あるものには必ず死が訪れ、栄えているものはいつか滅びるということ。
始めが大事(はじめがだいじ)
何事も最初が肝心であるということ。最初にとった方法や態度があとあとにまで影響するので、よく考えて事を始めなければならないということ。
