「は」から始まる故事・ことわざ・慣用句一覧
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ことわざ一覧
肺肝を砕く(はいかんをくだく)
非常に苦心することのたとえ。「肺肝」は肺臓と肝臓のことで、転じて「心」の意。心が砕けてしまうほど考えるという意味。
敗軍の将は兵を語らず(はいぐんのしょうはへいをかたらず)
失敗した者は、そのことについて弁解する資格がないということ。戦いに敗れた将軍は兵法について発言する資格はないという意から。
背水の陣(はいすいのじん)
失敗すれば後が無いという立場、また決死の覚悟で事に当たることのたとえ。 中国、漢の名将が趙の軍隊と戦った時、わざと川を背に陣を敷き、味方に決死の覚悟で戦わせて敵を破ったという故事から。
吐いた唾は呑めぬ(はいたつばはのめぬ)
一度口から出した言葉は取り消すことができないというたとえ。発言には十分注意するようにとの戒めのことば。
吐いた唾を呑む(はいたつばをのむ)
一度言ったことを無責任にひるがえすこと。
杯中の蛇影(はいちゅうのだえい)
疑えば、なんでもないことにまで神経を悩まし苦しむことのたとえ。杯に映った弓の影を蛇と見間違え、蛇を飲んだと思い込んで病気になったが、それが間違いだとわかると、たちまち治ったという故事から。
はいに科なし(はいにとがなし)
何事も「はい」と言って従っていれば安全であるということ。
灰吹きから蛇が出る(はいふきからじゃがでる)
意外な所から意外なものが出ることのたとえ。また、ちょっとしたことから、とんでもないことが生じることのたとえ。「灰吹き」は、たばこの吸い殻入れる筒のことで、その筒から蛇が出るということから。
肺腑を抉る(はいふをえぐる)
心の奥底に衝撃を与えることのたとえ。また、深い感銘を与えることのたとえ。「肺腑」は肺臓のこと。転じて心の底の意。「肺腑を衝く」ともいう。
這えば立て、立てば歩めの親心(はえばたて、たてばあゆめのおやごころ)
子どものすこやかな成長を楽しみに待つ親の気持ちを言ったことば。
破瓜(はか)
女性の十六歳のこと。また、男性の六十四歳のこと。瓜の字を二つに破ると二つの八の字になり、八と八を足すと十六、八と八を掛けると六十四になるということから。
破瓜の年(はかのとし)
瓜の字を二つに破ると二つの八の字になり、八と八を足すと十六、八と八を掛けると六十四になるということから、女性の十六歳、または男性の六十四歳のこと。
測り難きは人心(はかりがたきはひとごころ)
人の心ほど理解しがたいものはないということ。また、人の心が変わりやすく頼りにならないことにもいう。
謀は密なるを貴ぶ(はかりごとはみつなるをたっとぶ)
計略は秘密に進めることが大事だということ。 「謀は密なるを良しとす」ともいう。
謀は密なるを良しとす(はかりごとはみつなるをよしとす)
計略は秘密に進めることが大事だということ。 「謀は密なるを良しとす」ともいう。
籌を帷幄に運らし、勝ちを千里の外に決す(はかりごとをいあくにめぐらし、かちをせんりのほかにけっす)
計画や戦略の巧妙なことのたとえ。「籌」は計略、「帷幄」は幕を張りめぐらした本陣、「千里の外」は遠い場所の意。 本陣で計略を練り、遠く離れた戦場で勝利するという意から。籌策を帷幄の中に運らし、勝ちを千里の外に決す」ともいう。
歯が立たない(はがたたない)
相手の能力が高すぎて勝負にならないこと。 または、その物事が難しすぎて処理できないこと。 硬くて噛み砕くことができないとの意から。
掃き溜めと金持ちは溜まるほど汚い(はきだめとかねもちはたまるほどきたない)
金持ちは、お金がたまればたまるほど欲深くけちになるというたとえ。「掃き溜め」は、ごみ捨て場のこと。
掃き溜めに鶴(はきだめにつる)
つまらない所に、そこに似つかわしくないような優れたものがあることのたとえ。「掃き溜め」は、ごみ捨て場のこと。ごみ捨て場に舞い降りた美しい鶴という意から。
破鏡再び照らさず(はきょうふたたびてらさず)
離縁した夫婦の仲はもとどおりにならないことのたとえ。また、一度してしまったことは取り返しがつかないというたとえ。
歯切れがいい(はぎれがいい)
言葉の発し方がはっきりしていて、意味が伝わりやすいこと。
伯牙、琴を破る(はくが、ことをやぶる)
心の通じ合った無二の親友と死別して悲観にくれるたとえ。中国、春秋時代に琴の名手の伯牙が、その琴の音を理解してくれた友人鐘子期の死後、二度と琴を弾かなかったという故事から。
箔が付く(はくがつく)
値打ちが上がること。貫禄がつくこと。「箔」は金属を紙のように薄くたたきのばしたもの。その箔が付いて立派になることから。
白眼視(はくがんし)
人を冷たい目つきで見ること。 中国の三国時代、竹林の七賢の一人阮籍が嫌いな人は白い目で迎え、気に入った人は青い目で迎えたという故事から。
白玉楼中の人となる(はくぎょくろうちゅうのひととなる)
文人が死ぬことのたとえ。「白玉楼」は文人が死後に行くといわれる白玉造りの高楼のことで、その中の人となるという意から。
白紙で臨む(はくしでのぞむ)
事前に対策したり、先入観を持ったりすることなく、物事の取り組むこと。
拍車をかける(はくしゃをかける)
事の進行を一段と速めるたとえ。「拍車」は乗馬靴のかかとに取り付ける金具で、これで馬の腹を蹴り刺激を与えて速く走らせることから。
白寿(はくじゅ)
99歳のこと。また、その祝いのこと。「寿」は長命を祝うという意。「百」から一をとると「白」になることから。
白刃踏むべし(はくじんふむべし)
非常に勇気があることのたとえ。「白刃」は鞘から抜いた刀のこと。その白刃を踏むことも辞さない意から。
伯仲の間(はくちゅうのかん)
ほとんど差がなく優劣がつけにくいこと。昔、中国では子どもの上から順に伯・仲・叔・季の字を当て、伯(長兄)と仲(次兄)では年齢にあまり差がないことから。
白髪三千丈(はくはつさんぜんじょう)
長年の悲しみや心配のために、白髪が非常に長く伸びることを誇張して言った言葉。
白馬馬に非ず(はくばうまにあらず)
詭弁の論理のこと。中国、周時代に公孫竜が、「馬」は形に名付けられた概念で「白」は色に名付けられたであるから「馬」と「白馬」は別の概念を表すという論を説いたことから。「白馬非馬論」ともいう。
白馬は馬に非ず(はくばはうまにあらず)
詭弁の論理のこと。中国、周時代に公孫竜が、「馬」は形の名で「白」は色の名であるから「馬」と「白馬」は別の概念を表す別物であるという論を説いたことから。「白馬非馬論」ともいう。
薄氷を履むが如し(はくひょうをふむがごとし)
きわめて危険な事に臨むことのたとえ。薄く張った氷の上を歩くように、非常に危険な事をするという意から。
白眉(はくび)
多くのものの中で、最もすぐれたものや人のたとえ。中国、蜀に秀才の五人兄弟がいたが、中でも長男の馬良が特に優秀で、眉に白い毛が混じっていたという故事から。
白璧の微瑕(はくへきのびか)
ほぼ完全なものに、少し欠点があることのたとえ。「白璧」は白い宝玉で、その宝玉に微かな瑕(きず)があるという意から。
白面の書生(はくめんのしょせい)
年が若く、経験の乏しい学者や学生のこと。「白面」は年が若く未熟なこと、「書生」は勉強中の者の意。
伯楽(はくらく)
馬のよしあしを見分ける人のこと。また、才能を見出し、育てるのがうまい指導者。中国、春秋時代の名馬を見分ける名人。
伯楽の一顧(はくらくのいっこ)
不遇だった者が有力な者に見込まれて世に出ること。「伯楽」は中国、春秋時代の名馬を見分ける名人のことで、市で馬が売れずに困っていた者が、伯楽に頼んで通り過ぎたあとに振り返って馬を見てもらうと、そのとたんに馬に十倍の値がついたという故事から。
箱根からこっちに野暮と化け物はなし(はこねからこっちにやぼとばけものはなし)
箱根からこちら側(関東を中心とした言い方で東側)には、野暮な人間と化け物はいないということ。江戸っ子が田舎者を相手に自慢する言葉。
箱根知らずの江戸話(はこねしらずのえどばなし)
実際には見たこともないものを、いかにも見てきたように話すことのたとえ。箱根を越えたことのない西国の人間が、江戸のことを得意気に話すということから。
歯応えがある(はごたえがある)
こちらの働きかけに対してはっきりとした反応が返ってくること。
梯子を外される(はしごをはずされる)
共に物事に取り組んでいた仲間に見捨てられること。孤立すること。 梯子を外されて、高い所から下りられなくなるとの意から。
箸で含める(はしでふくめる)
理解できるように、細かく丁寧にわかりやすく言い聞かせること。 親が、食物を嚙み砕いて食べやすいようにしてから、子どもの口に含ませてやるとの意から。
箸に当たり棒に当たる(はしにあたりぼうにあたる)
腹を立てて、何のかかわりもないものにまで八つ当たりするたとえ。腹立ちまぎれに、何の関係もない箸や棒に当り散らすという意から。
箸にも棒にも掛からない(はしにもぼうにもかからない)
能力や程度などが劣っていて、どうにも取り扱いようのないたとえ。また、何の取り得もないたとえ。小さな箸にも、大きな棒にも引っ掛からないという意から。
箸の転んだもおかしい(はしのころんだもおかしい)
箸が転がるような、些細なことにもよく笑うこと。思春期の娘に対していうことが多い。
箸より重い物を持ったことがない(はしよりおもいものをもったことがない)
大事に育てられたことのたとえ。裕福な家庭で育てられ、箸を持つ以上の労働をしたことがないという意から。「箸より重い物を持たない」ともいう。
走り馬にも鞭(はしりうまにもむち)
勢いのあるものに力を加えて、さらに勢いをつけることのたとえ。走っている馬に、鞭を打ちいっそう早く走らせる意から。「駆け馬に鞭」ともいう。
走れば躓く(はしればつまずく)
物事は急ぐと失敗しがちだから、落ち着いてじっくり事に当たれというたとえ。気がせくあまりに走ると、つまづいて転んでしまうという意から。
恥と頭は搔き次第(はじとあたまはかきしだい)
どんなに恥をかいてもいっこうに平気で、恥ずかしいことを続けていくこと。自由に頭を掻くように、恥をかき続けてもまるで気にしないことから。
恥の上塗り(はじのうわぬり)
恥をかいたうえに更に恥をかくこと。「恥の上書き」「恥の掻き上げ」「恥の恥」ともいう。
恥は家の病(はじはいえのやまい)
始まらない(はじまらない)
既に時機を逃しているため、今からいっても意味はないということ。
始めあるものは必ず終わりあり(はじめあるものはかならずおわりあり)
物事には始めがあるように必ず終わりがある。生あるものには必ず死が訪れ、栄えているものはいつか滅びるということ。
始めが大事(はじめがだいじ)
何事も最初が肝心であるということ。最初にとった方法や態度があとあとにまで影響するので、よく考えて事を始めなければならないということ。
始めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣くとも蓋取るな(はじめちょろちょろ、なかぱっぱ、あかごなくともふたとるな)
御飯の上手な炊き方をいったもの。炊き始めは弱火で、中ごろは強火にし、途中で蓋を取ってはいけないということ。
始めの勝ちは糞勝ち(はじめのかちはくそがち)
勝負などで最初に勝つのは当てにならないということ。「先勝ちは糞勝ち」ともいう。
始めの囁き後のどよみ(はじめのささやきのちのどよみ)
始めはわずかな人々の間で噂されていたことが、のちに世間中の評判になるということ。
始めは処女の如く後は脱兎の如し(はじめはしょじょのごとくのちはだっとのごとし)
始めはおとなしく見せかけて相手を油断させたのち、見違えるほどの力を発揮してすばやく敵を攻撃するたとえ。始めは恥じらう処女のように弱々しくふるまい、のちには逃げる兎のようにすばやく行動するという意から。
始め半分(はじめはんぶん)
何事も最初が肝心で、始めがうまくいけば事の半分は終わったようなものだから、慎重に始めよということ。
始めよければ終りよし(はじめよければおわりよし)
何事も始めがうまくいけば順調に進んで、最後はよい結果になるということ。
始めを言わねば末が聞こえぬ(はじめをいわねばすえがきこえぬ)
話は順序立てて始めからきちんと話さなければ、何故そうなったのか理解できないということ。
恥を言わねば理が聞こえぬ(はじをいわねばりがきこえぬ)
隠しておきたいこちらの恥も、場合によっては打ち明けなければ、相手に事情をよく理解してもらえないということ。「恥を言わねば理が立たぬ」ともいう。
恥を知らねば恥搔かず(はじをしらねばはじかかず)
恥を恥と思わない者は、どんなに恥ずかしいことも平気でやる。恥を知らないことこそ、真の恥だということ。
恥を雪ぐ(はじをすすぐ)
受けた恥を取り去って、名誉を取り戻すこと。 「雪ぐ」は「そそぐ」とも読む。
恥を雪ぐ(はじをそそぐ)
受けた恥を取り去って、名誉を取り戻すこと。 「雪ぐ」は「そそぐ」とも読む。
弾みを食う(はずみをくう)
他の事柄の影響を受けて、予想外の事態に巻き込まれること。
旗色が悪い(はたいろがわるい)
不利な状況にあること。 昔、戦場の軍旗の色を見て状況を判断したことから。
畑水練(はたけすいれん)
理屈や方法を知っていても、実際の役には立たないことのたとえ。畑でする水泳の練習という意から。「畳の上の水練」ともいう。
畑に蛤(はたけにはまぐり)
見当違いなことのたとえ。畑を掘って蛤を探しても見つかるはずのないことから。
旗印にする(はたじるしにする)
集団で行動する時の目標にすること。 「旗印」は昔の戦場で紋所などを染めて部隊の目印にした旗。
二十過ぎての意見と彼岸過ぎての肥はきかぬ(はたちすぎてのいけんとひがんすぎてのこえはきかぬ)
働かざる者食うべからず(はたらかざるものくうべからず)
怠けて働こうとしない人間に食べる資格はないということ。働かずに遊び暮らす者を戒める言葉。
旗を揚げる(はたをあげる)
新たに事業などを始めたり、独立して新しく事を起こしたりすること。昔、合戦を始める際に目印として旗を掲げたことから。
旗を掲げる(はたをかかげる)
理想や目的を世間に示し、それに向かって行動すること。
旗を巻く(はたをまく)
成功や勝利が不可能だと判断して諦めること。 戦場で軍旗を下ろし、巻いて納めるとの意から。
肌に粟を生ず(はだえにあわをしょうず)
恐ろしい目に遭って、ぞっとする様子。強い恐怖を覚えると皮膚に粟粒のようなものが出来ることから。
裸一貫(はだかいっかん)
自分の体のほかには、資本となるものを持っていないこと。「貫」は昔の貨幣の単位で、一貫は一文銭千枚のこと。一貫の価値の裸身以外に何の資本もないという意から。
裸馬の捨て鞭(はだかうまのすてむち)
何もかもなくした状態になったあと、自暴自棄になって無茶苦茶なことをするたとえ。「捨て鞭」は、馬を速く走らせるために尻を鞭打つこと。人も荷物も乗せていない馬の尻を鞭打つということから。
裸で道中はならぬ(はだかでどうちゅうはならぬ)
何事にも、それなりの準備が必要だというたとえ。無一文では旅は出来ないという意から。
裸で物を落とした例なし(はだかでものをおとしたためしなし)
もともと何も持っていない者は、損をする心配がないということ。
裸百貫(はだかひゃっかん)
男は無一文の身ひとつでも百貫の値打ちがあるということ。「貫」は昔の貨幣の単位で、一貫は一文銭千枚のこと。「百貫」は、価値があることのたとえ。
肌が合う(はだがあう)
その人と好みや考えなどが合っていること。
肌で感じる(はだでかんじる)
自身が直接経験して感じとること。
肌身離さず(はだみはなさず)
常に持ち歩いている様子。 または、非常に大事にすることのたとえ。
肌を許す(はだをゆるす)
女性が男性の誘いを受け入れて肉体関係を持つこと。
破竹の勢い(はちくのいきおい)
止めようがないほどの激しい勢いのたとえ。「破竹」は、竹を割ること。竹は始めの一節を割ると、残りが次々と割れていくことから。
八細工、七貧乏(はちざいく、しちびんぼう)
なんでもできるような器用な人は、一つの事に専念できずに、どれも中途半端になり、そのためにかえって貧乏するということ。「八細工」は器用のこと。「七貧乏」は「八細工」に調子を合わせて言った言葉。「七細工八貧乏」ともいう。
八十の手習い(はちじゅうのてならい)
年をとってから学問や稽古事を始めることのたとえ。「六十の手習い」ともいう。
八十八夜の別れ霜(はちじゅうはちやのわかれじも)
八十八夜を最後に、霜も降りなくなるということ。「八十八夜」は、立春から数えて八十八日目に当たる五月二日頃。「別れ霜」は晩春の頃、最後に降りる霜のこと。
八の字を寄せる(はちのじをよせる)
機嫌が悪かったり、悩んだりしている様子。 眉を八の字の形にするということから。 「額に八の字を寄せる」ともいう。
蜂の巣をつついたよう(はちのすをつついたよう)
大騒ぎになって、手がつけられない様子。蜂の巣をつつくと、多くの蜂がいっせいに飛び出す様子から。
八分されてもまだ二分残る(はちぶされてもまだにぶのこる)
仲間外れにされても負けないということをしゃれていった言葉。「八分」は「村八分」の略で、仲間外れの意。まだ二分残っているから、完全には負けていないといったもの。
八分は足らず十分は零れる(はちぶはたらずじゅうぶんはこぼれる)
白駒の隙を過ぐるが如し(はっくのげきをすぐるがごとし)
月日の過ぎるのが、きわめて早いことのたとえ。「白駒」は白い馬、「隙」は壁のすき間の意。人の一生は、白い馬が走り過ぎるのを壁のすき間からちらっと見るようなものだという意から。
白虹日を貫く(はっこうひをつらぬく)
臣下が君主に対して反乱を起こす予兆のたとえ。白い虹は武器、太陽は君主の象徴と解釈され、白い虹が太陽を貫いてかかることから、兵乱が起こり君主に危害を加える前兆とされたことから。
八歳の翁、百歳の童(はっさいのおきな、ひゃくさいのわらべ)
子どもでも知恵も分別もある者もいれば、老人でも無知で分別のない者もいるということ。人の賢さは年齢に左右されないということ。「十歳の翁百歳の童」「三歳の翁百歳の童子」ともいう。
這っても黒豆(はってもくろまめ)
誤りだとわかっていても、強情に自説を主張すること。黒い小さな物を指して黒豆だと言った者が、その黒い物が這い出してもまだ黒豆だと言い張るという意から。
八方塞がり(はっぽうふさがり)
すべてに差し障りがあってどうしようもないこと。「八方」は、東・西・南・北および北東・北西・南東・南西の八つの方角、つまりあらゆる方向の意。陰陽道で、どの方角に向かって行くのも凶で、行くべき方角がすべて塞がれているということから。
八方破れ(はっぽうやぶれ)
備えがなく、隙だらけであること。 または、生活態度が勝手気ままな様子。
初物七十五日(はつものしちじゅうごにち)
その年の初めての収穫品を食べると、寿命が七十五日延びるということ。
破天荒(はてんこう)
人の成し得なかったことを初めてすること。前代未聞。未曾有。 「天荒」は未開の荒れ地の意。 唐の時代、官吏登用試験の合格者が一人も出なかった荊州(けいしゅう)は、人々から「天荒」といわれていたが、劉蛻(りゅうぜい)が初めて合格して「天荒を破った」といわれたという故事から。
鳩が豆鉄砲を食ったよう(はとがまめでっぽうをくったよう)
突然のことに驚いて、きょとんとしている様子のたとえ。鳩がおもちゃの豆鉄砲で好物の豆をぶつけられて、びっくりして目を丸くしている様子から。「鳩に豆鉄砲」ともいう。
鳩に三枝の礼あり、烏に反哺の孝あり(はとにさんしのれいあり、からすにはんぽのこうあり)
子の親に対する礼儀や孝養の大切さをいった言葉。鳩の子は親鳥より三本下の枝にとまり、成長した後は恩を忘れずに老いた親鳥に口移しに餌を運ぶという意。そのことから、鳥でさえ親の恩に報いるのだから、人は礼儀を尊び親孝行せよということ。
鳩を憎み豆を作らぬ(はとをにくみまめをつくらぬ)
つまらないことにこだわって、大事なことをしないために、自分や世間に損害を招くことのたとえ。鳩が豆をついばむのを嫌がって、豆を作るのをやめてしまうということから。
鼻息が荒い(はないきがあらい)
物事に取り組もうとする意気込みが激しい様子。
鼻息を窺う(はないきをうかがう)
相手の機嫌や考えをそれとなく探ること。
花一時、人一盛り(はないっとき、ひとひとさかり)
花が咲き誇るのもほんの一時であるように、人も盛んな時はごく短い一時期に過ぎないということ。
花多ければ実少なし(はなおおければみすくなし)
外見を飾る人間は、とかく誠実ではないというたとえ。花がたくさん咲く木には、実が少ししか生らないという意から。
端から和尚はない(はなからおしょうはない)
物事には順序や段階があり、一足飛びには上に進めないというたとえ。「端」は、物事の最初の意。
鼻が胡坐をかく(はながあぐらをかく)
鼻が低く横に広がっている様子。
鼻が利く(はながきく)
隠し事などを見抜いたり、利益になりそうなことを探し出したりする能力がすぐれていること。
鼻が高い(はながたかい)
得意げな様子。誇らしく思っている様子。
鼻が曲がる(はながまがる)
我慢できないほどひどい臭いがする様子。
鼻糞が目糞を笑う(はなくそがめくそをわらう)
自分の欠点に気付かず、他人の欠点を嘲笑するたとえ。鼻糞が目糞を汚いと笑う意から。「目糞、鼻糞を笑う」ともいう。
鼻糞丸めて万金丹(はなくそまるめてまんきんたん)
薬の原料は案外つまらないものが多いということ。また、効き目がないことをあざけっていう言葉。 子どもが鼻糞を丸めたりしている時に、はやしたてる言葉としても使われる。 「万金丹」は、気つけや解毒などに使われる丸薬。
鼻薬を嗅がせる(はなぐすりをかがせる)
小額の賄賂を贈るたとえ。「鼻薬」は、ちょっとした賄賂の意。「鼻薬を利かせる」ともいう。
鼻毛を数える(はなげをかぞえる)
女性が自身に惚れている男性の弱みに付け込んで弄ぶこと。
鼻毛を抜く(はなげをぬく)
相手の心を見抜いて騙したり、出し抜いたりすること。
鼻毛を伸ばす(はなげをのばす)
女性の色香に惑わされて甘い態度をとること。
鼻毛を読まれる(はなげをよまれる)
男が自分の惚れている女に甘く見られて、思うように操られるたとえ。
鼻毛を読む(はなげをよむ)
女性が自身に惚れている男性の弱みに付け込んで弄ぶこと。
鼻声を出す(はなごえをだす)
女性が男性に甘えた声を出すこと。
話が合う(はなしがあう)
趣味や趣向などが同じで楽しく会話ができること。
話が違う(はなしがちがう)
事前に決めていた内容と異なっていること。 または、その物事とは関わりのない問題であること。別問題であること。
話が弾む(はなしがはずむ)
話題が尽きず、会話が盛り上がること。
話が早い(はなしがはやい)
話そうとしていることを相手が既に知っているため、説明する必要がない様子。
話が分かる(はなしがわかる)
相手の気持ちや立場などをよく理解できること。
話上手の聞き下手(はなしじょうずのききべた)
話が上手い人は自分の話に夢中になり、相手の話を聞くのが下手なことが多いということ。
話上手は聞き上手(はなしじょうずはききじょうず)
話の上手な人は、相手の話を聞くときにもその立場で話を聞くので、上手に会話を続けることができるということ。
話にならない(はなしにならない)
話し合いができる状態ではないこと。 または、酷すぎて話す価値がないこと。
話に乗る(はなしにのる)
相手からの相談や計画などに応じること。
話に花が咲く(はなしにはながさく)
話題が尽きず、会話が盛り上がること。
話の腰を折る(はなしのこしをおる)
相手が話している途中で口を出して、話を中断させること。
話は下で果てる(はなしはしもではてる)
雑談は、しているうちにだんだん下品になっていき、最後は性に関する話になっておしまいになるということ。
話半分(はなしはんぶん)
うまい話には誇張や噓が多いから、半分くらい割り引いて聞くのがちょうどよいということ。
話を詰める(はなしをつめる)
しっかりと結論が出せるところまで議論を進めること。
鼻筋が通る(はなすじがとおる)
美しい顔立ちであることを言い表す言葉。 鼻が高く、眉間から鼻先までまっすぐ形が整っているということから。
鼻血も出ない(はなぢもでない)
金を全て使い果たして一円もないこと。
鼻っ柱が強い(はなっぱしらがつよい)
相手に負けまいとする気持ちが強く、簡単に主張を曲げたり、くじけたりしないこと。
花七日(はななぬか)
盛りの時期の短いことのたとえ。桜の花の盛りが七日しかない意から。
花に嵐(はなにあらし)
良いことには、往々にして邪魔が入りやすいことのたとえ。きれいに咲いた桜の花が、嵐で散ってしまうという意から。「花に風」ともいう。
鼻に反りを打つ(はなにそりをうつ)
鼻高々と自慢すること。「反りを打つ」とは反りかえらせるという意。
鼻に付く(はなにつく)
似たようなことが何度も繰り返され、飽きて嫌になること。 または、人の言動が煩わしく感じて嫌になること。 嫌な臭いが鼻に付いて消えなくなるという意味から。
花盗人は風流のうち(はなぬすびとはふうりゅうのうち)
美しい花を、つい一枝折ってしまうのは風流というもので、とがめるほどのことではないということ。
鼻の下が長い(はなのしたがながい)
女性に対して甘いこと。女性の色気に惑わされやすいこと。
花の下より鼻の下(はなのしたよりはなのした)
花を楽しむより、鼻の下にある口に食べさせることのほうが大事だということ。
鼻の下を長くする(はなのしたをながくする)
女性の色香に惑わされて甘い態度をとること。
花の下の半日の客、月の前の一夜の友(はなのもとのはんじつのかく、つきのまえのいちやのとも)
花は折りたし梢は高し(はなはおりたしこずえはたかし)
欲しいけれど手に入れる方法がなくて、思うようにいかないことのたとえ。花のついた枝を折りたいが、梢が高くて届かないという意から。
花は桜木、人は武士(はなはさくらぎ、ひとはぶし)
花は桜が最も美しく、人は武士が一番だということ。桜がぱっと咲いて散るように、武士の死に際も潔いことから。
花は根に鳥は古巣に(はなはねにとりはふるすに)
物事はすべて、その根源に戻るということ。咲いた花は木の根元に落ちて肥やしになり、空を飛ぶ鳥もやがては巣に帰ることから。
花道を飾る(はなみちをかざる)
最後に立派な功績を残して惜しまれながら引退すること。 「花道」は歌舞伎の劇場に設けられた、客席を貫く通路のこと。俳優の登退場に用いられる。
花も折らず実も取らず(はなもおらずみもとらず)
欲張って両方を手に入れようとして、結局どちらも得られないことのたとえ。
花も実もある(はなもみもある)
外観と内容がともに充実していることのたとえ。また、人情も道理もわきまえていること。花が咲いて美しいうえに実までなるという意から。
花より団子(はなよりだんご)
外観より実利があるもののほうがよいということ。食べられない花より、団子のほうがありがたいという意から。
鼻を明かす(はなをあかす)
自分よりも優位な相手を出し抜いて、その人を驚かせること。
鼻を折る(はなをおる)
得意げな相手の心をくじいて恥をかかせること。 「鼻っ柱を折る」ともいう。
花を咲かせる(はなをさかせる)
すぐれた成果を上げて著名になること。 または、盛んにすること。盛り上げること。
花を添える(はなをそえる)
美しいものを加えること。華やかさを増すこと。
鼻を高くする(はなをたかくする)
評価や名声が高くなるような良い結果を出して、得意になること。
鼻を鳴らす(はなをならす)
鼻にかかった声を出して、甘えたりすねたりすること。
花を持たせる(はなをもたせる)
身を退いて、勝利や名誉などを人に譲ること。
歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)
遠慮せずに思ったことを率直にいうことのたとえ。
羽を伸ばす(はねをのばす)
束縛するものがなくなって、気ままに行動すること。
歯の抜けたよう(はのぬけたよう)
あるべきものがところどころ欠けていて、まばらで不揃いなようす。
歯の根が合わない(はのねがあわない)
寒さや恐怖で身体がふるえ、歯をかみしめていることが出来ないようす。
母在りて一子寒く、母去りて三子寒し(ははありていっしさむく、ははさりてさんしさむし)
幅を利かせる(はばをきかせる)
その社会や分野などで認められて、権力を振るうこと。 または、地位や勢力などを使って威張ること。
幅を持たせる(はばをもたせる)
細かい部分を意図的に明言せず、融通が利くようにすること。
歯亡びて舌存す(はほろびてしたそんす)
剛強なもののほうが案外滅びやすく、柔軟なもののほうが後まで生き残ることのたとえ。 病気の友人を見舞った老子が、友人の歯が抜け落ちているのを見て「歯は堅いため駄目になったが、舌は柔らかいので残った」といったという故事から。
浜の真砂(はまのまさご)
浜辺の砂。転じて、数がきわめて多いことのたとえ。
羽目を外す(はめをはずす)
調子に乗って度を越すこと。「羽目」は馬の口に銜えさせる馬銜(はみ)が転じたものといわれ、この馬銜を外された馬が走り回る意から。
早いのが一の芸(はやいのがいちのげい)
物事を手早く処理するのも芸のうちということ。また、仕事は手早いことが大切で、技巧は二の次ということ。
早い話が(はやいはなしが)
手短に言えば。要するに。 話を手早く済ませようとする時に使う言葉。
早い者勝ち(はやいものがち)
何事も人より早いほうが有利だということ。「早いが勝ち」ともいう。
早い者に上手なし(はやいものにじょうずなし)
仕事が早いものには、仕上がりが雑になるという短所があるということ。
早牛も淀、遅牛も淀(はやうしもよど、おそうしもよど)
早い遅いの差はあっても、結果は同じだからあわてることはないということ。 「淀」は京都市伏見区にある地名で、集荷場として栄えた場所。 荷物を運ぶ牛の歩みに多少の差があっても、結局行き着く所は淀であるという意から。 「遅牛も淀、早牛も淀」ともいう。
早起き三両、倹約五両(はやおきさんりょう、けんやくごりょう)
早起きと倹約はどちらも大きな利益になるというたとえ。「早起き三両始末五両」ともいう。
早起きは三文の徳(はやおきはさんもんのとく)
朝早く起きるとなにかしらいい事があるということ。「徳」は「得」と同じ。
早かろう悪かろう(はやかろうわるかろう)
早く仕上げた仕事は、手落ちが多く雑になりがちだということ。
早合点の早忘れ(はやがてんのはやわすれ)
飲み込みの早い人は、忘れるのも早く当てにならないというたとえ。「早覚えの早忘れ」「早飲み込みの早忘れ」ともいう。
早く咲かば早く散る(はやくさかばはやくちる)
早熟な者や若くして成功した者は、人生の下り坂にさしかかるのも早いというたとえ。
早くて悪し大事なし、遅くて悪し猶悪し(はやくてわるしだいじなし、おそくてわるしなおわるし)
早く仕上げた仕事の出来が悪いのは仕方がないが、仕上がりが遅くて出来が悪いのでは許しがたいということ。
早寝早起き、病知らず(はやねはやおき、やまいしらず)
早寝早起きの習慣をつければ、健康に恵まれて病気もしないということ。
早飯も芸の中(はやめしもげいのうち)
飯を早く食べることも、特技の一つだということ。
はやり目なら病み目でもいい(はやりめならやみめでもいい)
やたらに流行を追いかける者の軽薄さをからかう言葉。流行していることなら、たとえ目の病気でも真似をしたいという意から。
はやり物は廃り物(はやりものはすたりもの)
流行というものは長続きせず、すぐに廃れて消えていくものだということ。
はやる芝居は外題から(はやるしばいはげだいから)
内容はさておき、まず見てくれがよくなければならないということ。評判になる芝居も、題名からして人気になるようなものがあるという意から。
腹が大きい(はらがおおきい)
細かいことに拘らず、広く受け入れることができること。度量が大きいこと。
腹が黒い(はらがくろい)
表向きは善人そうだが、密かに悪いことを考える性格であること。
腹が据わる(はらがすわる)
覚悟を決め、何事にも動じなくなること。
腹が立つ(はらがたつ)
怒ること。立腹すること。
腹が立つなら親を思い出せ(はらがたつならおやをおもいだせ)
腹が立って怒りそうになったら、心配をかけたくない親のことを思い出せば気持ちも静まり我慢もできるということ。「腹が立つなら親を思い出すが薬」ともいう。
腹が減っては戦ができぬ(はらがへってはいくさができぬ)
何事も空腹では十分な働きができないということのたとえ。
腹黒い(はらぐろい)
表向きは善人そうだが、密かに悪いことを考える性格であること。
腹拵えをする(はらごしらえをする)
仕事などに取り組む前に、食事をして腹を満たしておくこと。 「腹拵えをする」ともいう。
腹立てるより義理立てよ(はらたてるよりぎりたてよ)
腹の立つことがあっても、我慢して義理を大切にしたほうが自分のためになるということ。
腹鼓を打つ(はらつづみをうつ)
満腹になって満足すること。満たされた腹を太鼓に見立てていう言葉。 「腹鼓」を「はらづつみ」と読むのは誤用。
腹に一物(はらにいちもつ)
心に何かたくらみを抱いていること。「胸に一物」ともいう。
腹に納める(はらにおさめる)
見たことや聞いたこと、感じたことを誰にも言わずに自分だけの秘密にしておくこと。
腹に据えかねる(はらにすえかねる)
激しい怒りで我慢できなくなること。
腹の皮が張れば目の皮がたるむ(はらのかわがはればめのかわがたるむ)
満腹になれば、自然と眠くなるということ。また、飽食すると怠惰になることにもいう。
腹の立つ事は明日言え(はらのたつことはあすいえ)
腹立たしくても怒りに任せて物を言うのではなく、じっくりと考えてから言うほうが失言しないということ。
腹の立つように家蔵建たぬ(はらのたつようにいえくらたたぬ)
世の中には腹が立つことが多いので、腹を立てるのは簡単だが、家や蔵を建てるくらいの金を稼ぐのは簡単にはいかないということ。
腹は借り物(はらはかりもの)
母親の腹は一時的な借り物で、子の貴賤は父親次第であるということ。
腹は立て損、喧嘩は仕損(はらはたてぞん、けんかはしぞん)
腹を立てても、喧嘩をしても自分が損をするだけだから、腹は立てるな、喧嘩はするなということ。
腹八分に医者要らず(はらはちぶにいしゃいらず)
食事をするときは、常に満腹の八割ほどで抑えておくほうが健康でいられるということ。 「腹八分に医者要らず」「腹八分に病なし」ともいう。
腹八分目に医者要らず(はらはちぶんめにいしゃいらず)
食事をするときは、常に満腹の八割ほどで抑えておくほうが健康でいられるということ。 「腹八分に医者要らず」「腹八分に病なし」ともいう。
腹も身のうち(はらもみのうち)
腹も体の一部だから暴飲暴食は慎めということ。
腸が腐る(はらわたがくさる)
精神が堕落して正しい心を失うこと。
腸が見え透く(はらわたがみえすく)
隠している企みなどがよくわかること。
腹を痛める(はらをいためる)
子どもを産むこと。出産の痛みを経験するとの意から。 または、自分の金銭を使うこと。
腹を抱える(はらをかかえる)
おかしくて我慢できずに声を出して笑うこと。大笑いすること。
腹を拵える(はらをこしらえる)
仕事などに取り組む前に、食事をして腹を満たしておくこと。 「腹拵えをする」ともいう。
腹を肥やす(はらをこやす)
地位や権力などを使って個人的な利益を不正に得ること。 「私腹を肥やす」ともいう。
腹を探る(はらをさぐる)
相手の考えていることなどをそれとなく知ろうとすること。
腹を据える(はらをすえる)
覚悟を決めること。
腹を立てる(はらをたてる)
怒ること。立腹すること。
腹を見抜く(はらをみぬく)
相手の言動などから、相手の考えや気持ちなどを推測して知ること。 または、相手のたくらみを知ること。
腹を読む(はらをよむ)
相手の言動から、相手の考えていることを推察すること。
腹を割る(はらをわる)
本心を隠さずに話すこと。
張子の虎(はりこのとら)
虚勢を張って、空威張りする人。また、首を振る癖がある人。張子の虎は、虎の形をしていても中が空洞だから恐くもなんともないし、首を振り動かすしくみのおもちゃであることから。
針で掘って鍬で埋める(はりでほってくわでうめる)
苦労してこつこつと作り上げたものを、いっぺんに失くしてしまうことのたとえ。針を使ってようやく掘った穴を鍬で埋めてしまうということから。
針の穴から天を覗く(はりのあなからてんをのぞく)
自分の狭い見識で、大きな物事について勝手な判断をするたとえ。「管を以て天を窺う」ともいう。
針の筵(はりのむしろ)
心の休まることのない辛い立場や場所のたとえ。針を植えた敷物の意から。
針は呑まれず(はりはのまれず)
細い針でも、呑み込むことは出来ないように、どんなものでもそれなりの力を持っているから、決して見くびってはいけないということ。「細くても針は呑めぬ」ともいう。
針ほどのことを棒ほどに言う(はりほどのことをぼうほどにいう)
小さなことを大げさにいうたとえ。針ほどのものを、棒くらいの大きさにいうという意から。
針を含む(はりをふくむ)
言動に相手を傷つけようとする意図が感じられる様子。
春の晩飯後三里(はるのばんめしあとさんり)
春は日が長く、晩飯を食べたあとでも三里の道を歩けるということ。春の日が長いことのたとえ。「春の夕飯食って三里」ともいう。
春の雪とおばの杖は怖くない(はるのゆきとおばのつえはこわくない)
春の雪はたとえ大雪でもすぐに溶ける。また、おばが杖で叩いても力が弱い。恐れるに足りないことを並べていった語。
春は蛙が目を借りる(はるはかえるがめをかりる)
春にすぐ眠くなるのは、蛙に目を借りられるからだという俗説。春は眠たい時期だということ。「蛙の目借り時」ともいう。
腫れ物に触るよう(はれものにさわるよう)
相手の機嫌を損ねないように慎重に接する様子。
覇を争う(はをあらそう)
競技などで優勝を目指して互いに競い合うこと。
葉を欠いて根を断つ(はをかいてねをたつ)
小さな欠点を直そうして、根本をだめにしてしまうことのたとえ。余分な枝葉を刈り取ろうとして、大事な根を傷つけてしまうということから。
反旗を翻す(はんきをひるがえす)
謀反を起こすこと。「反旗」は、謀反を起こして立てる旗で、それが風になびくということから。
判子で押したよう(はんこでおしたよう)
いつも同じことを繰り返していて変化がない様子。 「判子で押したよう」ともいう。
犯罪の陰に女あり(はんざいのかげにおんなあり)
半畳を入れる(はんじょうをいれる)
他人の言動を茶化したり野次ったりするたとえ。「半畳」は、芝居小屋などで見物人が敷いた小さなござのこと。芝居に不満な時、その半畳を舞台に投げ込んだことから。「半畳を打つ」ともいう。
判で押したよう(はんでおしたよう)
いつも同じことを繰り返していて変化がない様子。 「判子で押したよう」ともいう。
反哺の孝(はんぽのこう)
親に対する孝養の大切さをいった言葉。烏は成長した後、恩を忘れずに老いた親鳥に餌を口移しに食べさせるという意。そのことから、鳥でさえ親の恩に報いるのだから、親孝行せよということ。「烏に反哺の孝あり」ともいう。
半面の識(はんめんのしき)
顔をちょっと見ただけで、その人をずっと覚えていること。また、ちょっとした知り合いのこと。 「半面」は顔の半分。 中国の後漢時代、応奉(おうほう)が顔の半分をちらっと見ただけの人のことを数十年後まで覚えていたという故事から。
範を仰ぐ(はんをあおぐ)
見本として学ぶこと。
範を垂れる(はんをたれる)
手本として実際に行い示すこと。