薄氷を履むが如しについて

言葉 | 薄氷を履むが如し |
---|---|
読み方 | はくひょうをふむがごとし |
意味 | きわめて危険な事に臨むことのたとえ。薄く張った氷の上を歩くように、非常に危険な事をするという意から。 |
出典 | 『詩経』 |
類句 | 危うきこと虎の尾を踏むが如し(あやうきこととらのおをふむがごとし) |
危うきこと累卵の如し(あやうきことるいらんのごとし) |
使用されている漢字
「薄」を含むことわざ
薄皮の剝けたよう(うすかわのむけたよう)
女性の肌が白くてきめが細かいことのたとえ。
薄紙を剝ぐよう(うすがみをはぐよう)
薄い紙を一枚一枚剝ぐように病気が日ごとに快方に向かうようす。
薄気味が悪い(うすきみがわるい)
何となく怖くて気持ちが悪い。
落ち武者は薄の穂にも怖ず(おちむしゃはすすきのほにもおず)
怖いと思えば、なんでもないものまで怖く感じることのたとえ。戦に負けて逃げる落ち武者は、揺れるすすきの穂まで怖がるということから。
影が薄い(かげがうすい)
存在感がなく、目立たないさま。 また、元気がなく、長く生きられないように見えるさま。
賞は厚くし罰は薄くすべし(しょうはあつくしばつはうすくすべし)
善行は小さなことでもおおいに褒めたたえ、悪行はできるだけ軽い罰にするのがよいということ。
「氷」を含むことわざ
脂に画き、氷に鏤む(あぶらにえがき、こおりにちりばむ)
努力や苦労が報われず、徒労に終わることのたとえ。「鏤む」は彫刻するという意。脂に絵を描いても、氷に彫刻しても、残らず消えてしまうということから。「氷に鏤め脂に画く」ともいう。
氷に鏤め、脂に描く(こおりにちりばめ、あぶらにえがく)
骨を折っても結局は徒労に終わることのたとえ。「鏤む」は彫刻するという意。脂に絵を描いても、氷に彫刻しても、残らず消えてしまうということから。「脂に画き氷に鏤む」ともいう。
氷は水より出でて水よりも寒し(こおりはみずよりいでてみずよりもさむし)
弟子が師よりも優れたものになることのたとえ。水から出来た氷が、水より冷たくなるという意から。
霜を履んで堅氷至る(しもをふんでけんぴょういたる)
災いの小さな兆しが現れれば、やがては大きな災いに見舞われるというたとえ。また、災いの前兆が見えたら用意や用心を怠るなということ。霜を踏んで歩くようになると、やがて堅い氷の張る季節が来るという意から。
小寒の氷大寒に解く(しょうかんのこおりだいかんにとく)
物事が必ず順に従って進むわけではないということのたとえ。 最も寒いはずの大寒が小寒よりも温かいとの意から。
夏の虫、氷を笑う(なつのむし、こおりをわらう)
見識が狭いことのたとえ。夏の間だけ生きている虫は、氷の存在を理解できずに氷を笑うという意から。
「履」を含むことわざ
足駄を履いて首ったけ(あしだをはいてくびったけ)
異性に惚れ込み夢中になることのたとえ。「足駄」は歯の高い下駄のことで、それを履いても首のあたりまで深みにはまるという意から。
瓜田に履を納れず(かでんにくつをいれず)
人から疑われるような行動は避けよという戒めの言葉。 瓜田で靴を履き直そうとすると瓜を盗もうとしていると間違われる恐れがあるから、すべきではないという意から。 この句に続けて「李下に冠を正さず」とつけていうこともある。
瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず(かでんにくつをいれず、りかにかんむりをたださず)
人から疑われるような行動は避けるべきであるという戒めの言葉。 瓜田で靴を履き直そうとすると瓜を盗もうとしていると間違われる恐れがあり、李(すもも)の木の下で冠をかぶり直せば李を盗もうとしていると疑われる恐れがあるから、どちらもすべきではないということ。
下駄を履かせる(げたをはかせる)
物事を実際よりもよく見せたり多く見せたりすること。
霜を履んで堅氷至る(しもをふんでけんぴょういたる)
災いの小さな兆しが現れれば、やがては大きな災いに見舞われるというたとえ。また、災いの前兆が見えたら用意や用心を怠るなということ。霜を踏んで歩くようになると、やがて堅い氷の張る季節が来るという意から。
草履に灸(ぞうりにきゅう)
長居をする客を早く帰らせるためのおまじないの一つ。「雪駄の裏に灸」ともいう。同様のものに「ほうきを逆さに立てる」などもある。
「如」を含むことわざ
雨、車軸の如し(あめ、しゃじくのごとし)
大粒の雨がはげしく降るさま。雨脚を車軸に見立てていうことから。
危うきこと虎の尾を踏むが如し(あやうきこととらのおをふむがごとし)
非常に危険なことをすることのたとえ。
危うきこと累卵の如し(あやうきことるいらんのごとし)
きわめて不安定で危険な状態のたとえ。「累卵」は積み重ねた卵のことで、いつくずれるかわからないという意から。
蟻の甘きにつくが如し(ありのあまきにつくがごとし)
蟻が甘いものに群がるように、利益のある所に人が群がることのたとえ。
如何物食い(いかものぐい)
世間一般の人とは違う趣味・嗜好を持つこと。また、その人。 「如何物」は「いかさまもの」の略。 普通の人が嫌がって食べないような物を好んで食べるという意から。
如何せん(いかんせん)
残念ながら、いい方法がない。どうしようもない。