万緑叢中紅一点について

言葉 | 万緑叢中紅一点 |
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読み方 | ばんりょくそうちゅうこういってん |
意味 | 多数の男性の中に、女性が一人華やかに混じっていることのたとえ。また、多くのものの中で、ただ一つ際立っているもののたとえ。
「万緑」は見渡す限り一面の緑、「叢中」はくさむらの中のこと。 見渡す限りの緑の草木の中に、紅い花が一輪あでやかに咲いている意から。 略して「紅一点」ともいう。 |
出典 | - |
使用されている漢字
「万」を含むことわざ
一事が万事(いちじがばんじ)
一つの事を見るだけで他のすべての事を推察できるということ。
一人虚を伝うれば万人実を伝う(いちにんきょをつたうればばんにんじつをつたう)
一人がでたらめを伝えれば、大勢の人が次々にそれを言いふらして事実にしてしまうということ。
一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
輝かしい功績をあげた人の陰には、多くの人の努力や苦労があるというたとえ。指導者だけが功名を得るのを嘆く言葉。 一人の将軍が輝かしい功名をあげた陰には、犠牲となった一万人もの兵士の骨が戦場にさらされているという意から。
一天万乗の君(いってんばんじょうのきみ)
天下を治める天子のこと。 「一天」は天下、「万乗」は兵車一万台。 中国の周代、天子は戦時に兵車一万台を徴発できる制度だったことから。 「万乗の君」ともいう。
一波纔かに動いて万波随う(いっぱわずかにうごいてまんぱしたがう)
一つの小さな事件の影響が、いろいろな方面に及ぶことのたとえ。 波が一つ起きると、そこからたくさんの波が続いて起きるということから。
一夫関に当たれば万夫も開くなし(いっぷかんにあたればばんぷもひらくなし)
地形がきわめて険しく、守備が固い場所のこと。 たった一人が関所を守っていれば、万人の兵が攻めても突破できないという意から。
「緑」を含むことわざ
万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)
柳は緑花は紅(やなぎはみどりはなはくれない)
柳は緑色、花は紅色をしているように、自然があるがままの美しい姿で人工が加わっていないこと。また、物事には自然の理が備わっていることのたとえ。春の美しい景色の形容としても使われる言葉。
緑林(りょくりん)
「叢」を含むことわざ
月に叢雲、花に風(つきにむらくも、はなにかぜ)
良いこと、楽しいことにはとかく邪魔が入りやすく長続きしないというたとえ。名月には雲がかかって見えず、春の花は風が吹いて花びらを散らすということから。
万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)
「中」を含むことわざ
麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)
善人と付き合えば、その人に感化されて誰もが善人になるということ。曲がりやすい蓬のつるも、麻の中で育てばまっすぐ伸びるという意から。「麻につるる蓬」ともいう。
中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)
ぴったり当たっていないが、ほぼ的中と言えるということ。 「中らず」は「当たらず」とも書く。
当て事と越中褌は向こうから外れる(あてごととえっちゅうふんどしはむこうからはずれる)
当てにしていた事は、相手の都合などで外れることが多いというたとえ。 「当て事」は当てにしている事。「向こう」は身体の前、また、相手のこと。 当てにしていた事は、越中褌と同じように、向こうから外れるという意から。
後先息子に中娘(あとさきむすこになかむすめ)
子どもを持つなら三人で、最初と最後は男、真ん中は娘が理想だということ。
石の物言う世の中(いしのものいうよのなか)
秘密や隠し事が漏れやすいことのたとえ。言葉を発するはずのない石が物を言うほど世の中では秘密が漏れやすいという意から。
意中の人(いちゅうのひと)
心の中でひそかに思い、慕っている人。
「紅」を含むことわざ
朝に紅顔ありて夕べに白骨となる(あしたにこうがんありてゆうべにはっこつとなる)
無常のこの世では、人の生死は予測できないということ。朝血色のよい顔をしていた人が、夕方には死んで白骨となるという意から。
顔に紅葉を散らす(かおにもみじをちらす)
若い女性が恥ずかしさのあまり、顔をぱっと赤くするようす。単に「紅葉を散らす」ともいう。
紅は園生に植えても隠れなし(くれないはそのうにうえてもかくれなし)
すぐれている人は、どんな所にいても目立つというたとえ。「紅」は、紅花のこと。紅花はどんな花園に植えても際立つという意から。
紅一点(こういってん)
多数の男性の中に女性が一人混じっていることのたとえ。見渡す限りの緑の草木の中に、紅い花が一輪あでやかに咲いている意から。「万緑叢中紅一点」の略。
紅灯の巷(こうとうのちまた)
花柳界、歓楽街のこと。「紅灯」は華やかな紅い灯火の意。
紅涙を絞る(こうるいをしぼる)
女性が涙をながすこと。 「紅涙」は女性のながす涙のこと。
「一」を含むことわざ
悪は一旦の事なり(あくはいったんのことなり)
一時的にうまくいっても悪は長続きせず、結局は正義に勝てないということ。
朝顔の花一時(あさがおのはないっとき)
物事の盛りが短く、はかないことのたとえ。朝咲いた朝顔の花が昼を待たずにしぼんでしまうことから。
朝の一時は晩の二時に当たる(あさのひとときはばんのふたときにあたる)
朝は仕事がはかどるので、なるべく早く起きて働けということ。「一時」は昔の時刻の数え方で、約二時間。「二時」はその倍の約四時間で、朝の仕事は夜の仕事の二倍に相当するという意から。
薊の花も一盛り(あざみのはなもひとさかり)
誰でも年ごろになると、それなりの魅力が出てくるということ。あまり好まれない薊の花も、美しい時期があるという意から。
あの世の千日、この世の一日(あのよのせんにち、このよのいちにち)
あの世の極楽で千日暮らすより、この世で一日でも楽しむほうがよいということ。
危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)
安全な方策ばかりとっていたのでは、成功することはできない。時には危険を冒してやってみるのも必要だということ。
「点」を含むことわざ
一点張り(いってんばり)
一つのことだけを押し通すこと。 博打で、一か所だけに金を賭け続けるとの意から。
おっと合点承知之助(おっとがってんしょうちのすけ)
承知したという意を人名になぞらえ調子よくいった言葉。「合点承知」ともいう。
合点承知之助(がってんしょうちのすけ)
納得・承諾したことを表す言葉。 「合点」「承知」の二つの語を人名になぞらえた言葉。
合点が行く(がてんがいく)
理解・納得できる。 「がてん」は「がってん」とも読む。
画竜点睛を欠く(がりょうてんせいをかく)
最後の大切な仕上げを怠ったために、全体が不完全になったり、引き立たなかったりすることのたとえ。「画竜点睛」は、中国の絵の名人が壁に竜の絵を描き、最後に瞳を書き入れたら天に昇ったという故事から最後の大事な仕上げの意で、その仕上げを欠いてしまうということから。「睛」は、「瞳」の意。
紅一点(こういってん)
多数の男性の中に女性が一人混じっていることのたとえ。見渡す限りの緑の草木の中に、紅い花が一輪あでやかに咲いている意から。「万緑叢中紅一点」の略。