君子、危うきに近寄らずについて

言葉 | 君子、危うきに近寄らず |
---|---|
読み方 | くんし、あやうきにちかよらず |
意味 | 徳のある人は自分を大事にするので、危険なことには決して近づかないということ。 |
出典 | - |
類句 | 危ないことは怪我のうち(あぶないことはけがのうち) |
使用されている漢字
「君」を含むことわざ
一天万乗の君(いってんばんじょうのきみ)
天下を治める天子のこと。 「一天」は天下、「万乗」は兵車一万台。 中国の周代、天子は戦時に兵車一万台を徴発できる制度だったことから。 「万乗の君」ともいう。
王は君臨すれども統治せず(おうはくんりんすれどもとうちせず)
国王は君主として国を治めているが政治には直接かかわらないという原則のこと。「君臨すれども統治せず」ともいう。
君、君たらずと雖も臣は臣たらざるべからず(きみ、きみたらずといえどもしんはしんたらざるべからず)
主君が主君としての徳を持っていなくても、臣下は臣下としての道を守って忠義をつくさなければならないということ。
君、辱めらるれば臣死す(きみ、はずかしめらるればしんしす)
主君が恥辱を受けた時には、臣下は命を投げ出しても、主君の恥辱をすすがなければならないということ。
君を思うも身を思う(きみをおもうもみをおもう)
君子に三戒あり(くんしにさんかいあり)
人格者が自ら慎む三つのこと。青年期の色欲、壮年期の争い事、老年期の強欲をいう。
「子」を含むことわざ
赤子のうちは七国七里の者に似る(あかごのうちはななくにななさとのものににる)
赤ん坊ははっきりした特長がないので、似てると思って見ればあちこちの誰にでも似て見えるということ。「七国七里」は諸所方々のこと。
赤子の腕を捩じる(あかごのうでをねじる)
抵抗する力のないものを打ち負かす。また、容易に行えることのたとえ。
赤子の手を捻る(あかごのてをひねる)
抵抗する力のないものを打ち負かす。また、容易に行えることのたとえ。
赤子は泣き泣き育つ(あかごはなきなきそだつ)
赤ちゃんが泣くのは健康な証拠で、赤ちゃんは泣きながら成長していくということ。
赤子を裸にしたよう(あかごをはだかにしたよう)
無力で弱い者をさらに頼りなくしたようす。
秋茄子は嫁に食わすな(あきなすはよめにくわすな)
秋に収穫する茄子を嫁に食べさせてはいけないということ。 「おいしいのでもったいないという姑の嫁いびり」「種が少ないので子宝に恵まれない」「体が冷えてよくない」などの解釈がある。 「おいしいのでもったいないという姑の嫁いびり」の解釈が一般的。
「危」を含むことわざ
危ないことは怪我のうち(あぶないことはけがのうち)
危ないことには、はじめから近寄るなという教え。危険なことはもう怪我の圏内に入るという意から。
危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)
安全な方策ばかりとっていたのでは、成功することはできない。時には危険を冒してやってみるのも必要だということ。
危ない橋を渡る(あぶないはしをわたる)
危険な手段をとることのたとえ。いまにも落ちそうな危険な橋を渡るという意から。
危うきこと虎の尾を踏むが如し(あやうきこととらのおをふむがごとし)
非常に危険なことをすることのたとえ。
危うきこと累卵の如し(あやうきことるいらんのごとし)
きわめて不安定で危険な状態のたとえ。「累卵」は積み重ねた卵のことで、いつくずれるかわからないという意から。
安に居て危を思う(あんにいてきをおもう)
平和の時でも、常に災難・危機に対する備えを忘れないようにすること。
「近」を含むことわざ
遠水、近火を救わず(えんすい、きんかをすくわず)
遠くのものは、急の用には役立たないというたとえ。遠くの水は、近くの火事を消す役には立たないという意から。
遠慮なければ近憂あり(えんりょなければきんゆうあり)
遠い将来を見越した考えを持っていないと、必ず目前に心配事が起こるということ。 「遠慮」は、先々のことを思慮すること。 「近憂」は、間近の憂いごとの意。 「遠き慮りなき者は必ず近き憂いあり」ともいう。
近江泥棒伊勢乞食(おうみどろぼういせこじき)
近江の人には商才があり、伊勢の人は倹約家であり、どちらも商人としての成功者が多いことを、江戸っ子がやっかみ半分に言った言葉。
学を好むは、知に近し(がくをこのむは、ちにちかし)
北に近ければ南に遠い(きたにちかければみなみにとおい)
一方に都合がよければ、他方には都合が悪いということのたとえ。また、あたりまえであることのたとえ。
剛毅朴訥、仁に近し(ごうきぼくとつ、じんにちかし)
強固な意志を持ち、素朴で口数が少ない人物こそ、最高の徳である仁に最も近い人であるということ。
「寄」を含むことわざ
秋の入り日と年寄りはだんだん落ち目が早くなる(あきのいりひととしよりはだんだんおちめがはやくなる)
年々衰える年寄りの健康状態を、急速に暮れていく秋の夕日にたとえたことば。
秋の鹿は笛に寄る(あきのしかはふえによる)
恋のために身を滅ぼすことのたとえ。また、弱みにつけこまれて危険な目に遭うことのたとえ。秋の発情期、雌鹿の鳴き声に似た笛に雄鹿がおびき寄せられて、人間に捕らえられることから。
足下へも寄り付けない(あしもとへもよりつけない)
相手の実力があまりにもすぐれていて、自分とは比べものにならないこと。
思いも寄らない(おもいもよらない)
まったく予測できないこと。思いつきもしないこと。
思いを寄せる(おもいをよせる)
何かに心を惹かれること。 また、特定の人を恋い慕うこと。
女三人寄れば姦しい(おんなさんにんよればかしましい)
女はおしゃべりで、三人も集まれば大変にやかましいということ。「女」の字を三つ合わせて「姦」という字になるところから。