北に近ければ南に遠いについて

言葉 | 北に近ければ南に遠い |
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読み方 | きたにちかければみなみにとおい |
意味 | 一方に都合がよければ、他方には都合が悪いということのたとえ。また、あたりまえであることのたとえ。 |
出典 | - |
類句 | 犬が西向きゃ尾は東(いぬがにしむきゃおはひがし) |
雨の降る日は天気が悪い(あめのふるひはてんきがわるい) |
「北」を含むことわざ
越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く(えっちょうなんしにすくい、こばほくふうにいななく)
故郷の忘れがたいことのたとえ。 中国南方の越の国から北国へ渡った鳥は樹木の南側の枝に巣をかけ、北方の胡の国から来た馬は北風が吹きよせると故郷を想って嘶(いなな)くという意から。 『文選』の古詩「胡馬は北風に依り、越鳥は南枝に巣くう」による。 単に「越鳥南枝に巣くう」や「胡馬北風に嘶く」ともいう。
北枕(きたまくら)
頭を北に向けて寝ること。釈迦の死の姿を真似て、死者を寝かせる時の作法とされている。日常寝る時には北を枕にするのは不吉として嫌う。
胡馬、北風に嘶く(こば、ほくふうにいななく)
故郷の忘れがたいことのたとえ。北方の胡の国から来た馬は、北風が吹くたびに故郷を想って嘶くという意から。『文選』の古詩「胡馬は北風に依り、越鳥は南枝に巣くう」から。
泰山北斗のごとし(たいざんほくとのごとし)
その道の大家として最も尊ばれる人物をたとえていう。「泰山」は中国、山東省にある名山、「北斗」は北斗七星。中国では、泰山と北斗七星が人々から仰ぎ見られていたことから。略して「泰斗」ともいう。
太山を挟んで北海を超ゆ(たいざんをわきばさんでほっかいをこゆ)
人間の力では出来るはずがないことのたとえ。「太山」は泰山、「北海」は渤海のこと。泰山を小脇にかかえて渤海を飛び越えるという意から。
東西南北の人(とうざいなんぼくのひと)
あちらこちらをさまよい歩き、住所が定まらないひと。
「近」を含むことわざ
遠水、近火を救わず(えんすい、きんかをすくわず)
遠くのものは、急の用には役立たないというたとえ。遠くの水は、近くの火事を消す役には立たないという意から。
遠慮なければ近憂あり(えんりょなければきんゆうあり)
遠い将来を見越した考えを持っていないと、必ず目前に心配事が起こるということ。 「遠慮」は、先々のことを思慮すること。 「近憂」は、間近の憂いごとの意。 「遠き慮りなき者は必ず近き憂いあり」ともいう。
近江泥棒伊勢乞食(おうみどろぼういせこじき)
近江の人には商才があり、伊勢の人は倹約家であり、どちらも商人としての成功者が多いことを、江戸っ子がやっかみ半分に言った言葉。
学を好むは、知に近し(がくをこのむは、ちにちかし)
君子、危うきに近寄らず(くんし、あやうきにちかよらず)
徳のある人は自分を大事にするので、危険なことには決して近づかないということ。
剛毅朴訥、仁に近し(ごうきぼくとつ、じんにちかし)
強固な意志を持ち、素朴で口数が少ない人物こそ、最高の徳である仁に最も近い人であるということ。
「南」を含むことわざ
越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く(えっちょうなんしにすくい、こばほくふうにいななく)
故郷の忘れがたいことのたとえ。 中国南方の越の国から北国へ渡った鳥は樹木の南側の枝に巣をかけ、北方の胡の国から来た馬は北風が吹きよせると故郷を想って嘶(いなな)くという意から。 『文選』の古詩「胡馬は北風に依り、越鳥は南枝に巣くう」による。 単に「越鳥南枝に巣くう」や「胡馬北風に嘶く」ともいう。
南瓜に目鼻(かぼちゃにめはな)
丸顔で背が低く太っている人の形容。不器量な顔の形容。
西瓜は土で作れ南瓜は手で作れ(すいかはつちでつくれかぼちゃはてでつくれ)
西瓜を作るときは肥料と土壌が大事で、南瓜を作るときは念入りに手入れすることが大事ということ。作物の上手な作り方をいった言葉。
東西南北の人(とうざいなんぼくのひと)
あちらこちらをさまよい歩き、住所が定まらないひと。
図南の翼(となんのつばさ)
大事業を計画して成し遂げようとすることのたとえ。「図」は、企てる意。想像上の巨鳥、鵬(おおとり)が遠い南方に向かって飛び立とうとして翼を広げるという意から。「図南の鵬翼」ともいう。
南柯の夢(なんかのゆめ)
夢のこと。 または、世の中は夢のようにはかないことのたとえ。 中国の唐の時代、ある男性が槐の木の下で寝ているときに、大槐安国の王の娘と結婚して南柯群の太守となり繁栄と衰退を経験しながら二十年の歳月を過ごす夢を見たという故事から。 「槐安の夢」ともいう。
「遠」を含むことわざ
足が遠のく(あしがとおのく)
今までよく言っていた場所へ、訪れる機会が少なくなる。疎遠になる。
中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)
ぴったり当たっていないが、ほぼ的中と言えるということ。 「中らず」は「当たらず」とも書く。
犬の遠吠え(いぬのとおぼえ)
弱い者や臆病な者が、陰で虚勢を張り陰口をたたくことのたとえ。弱い犬は、強い相手に対しては遠くから吠え立てることから。
殷鑑遠からず(いんかんとおからず)
戒めとなる失敗の例は、すぐ身近にあるというたとえ。殷の国民が鑑(かがみ)とすべき手本は、遠い時代に求めなくても、前代の夏(か)の滅亡がよい戒めであるという意から。
噂は遠くから(うわさはとおくから)
噂は事情を知っている人間からではなく、外部から発生することが多いということ。
遠水、近火を救わず(えんすい、きんかをすくわず)
遠くのものは、急の用には役立たないというたとえ。遠くの水は、近くの火事を消す役には立たないという意から。