「遠」を含む故事・ことわざ・慣用句
「遠」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
足が遠のく(あしがとおのく)
今までよく行っていた場所へ、訪れる機会が少なくなる。疎遠になる。
中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)
ぴったり当たっていないが、ほぼ的中と言えるということ。 「中らず」は「当たらず」とも書く。
当たらずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)
ぴったり当たっていないが、ほぼ的中と言えるということ。 「中らず」は「当たらず」とも書く。
犬の遠吠え(いぬのとおぼえ)
弱い者や臆病な者が、陰で虚勢を張り陰口をたたくことのたとえ。弱い犬は、強い相手に対しては遠くから吠え立てることから。
殷鑑遠からず(いんかんとおからず)
戒めとなる失敗の例は、すぐ身近にあるというたとえ。 殷の国民が鑑(かがみ)とすべき手本は、遠い時代に求めなくても、前代の夏(か)の滅亡がよい戒めであるとの意から。
噂は遠くから(うわさはとおくから)
噂は事情を知っている人間からではなく、外部から生じることが多いということ。
遠水、近火を救わず(えんすい、きんかをすくわず)
遠くにあるものは、緊急時には役に立たないということ。 遠くにある水は、近くの火事を消すのには役に立たないとの意から。
遠慮会釈なく(えんりょえしゃくなく)
相手を気遣うこともなく、自分の思い通りに事を行うさま。 「会釈」は、思いやりの意。
遠慮会釈もない(えんりょえしゃくもない)
相手を気遣うこともなく、自分の思い通りに事を行うさま。 「会釈」は、思いやりの意。
遠慮が無沙汰(えんりょがぶさた)
遠慮もほどほどにしないと、かえって失礼になるということ。 先方に遠慮して訪問や連絡を控えすぎると、長期間付き合いが途絶えることとなり、かえって礼を欠くことになるとの意から。 「遠慮が無沙汰」ともいう。
遠慮なければ近憂あり(えんりょなければきんゆうあり)
遠い将来を見越した考えを持っていないと、必ず急な憂い事が起こるということ。 「遠慮」は、先々のことを思慮すること。 「近憂」は、間近の憂い事のこと。 「遠き慮りなき者は必ず近き憂えあり」ともいう。
遠慮は無沙汰(えんりょはぶさた)
遠慮もほどほどにしないと、かえって失礼になるということ。 先方に遠慮して訪問や連絡を控えすぎると、長期間付き合いが途絶えることとなり、かえって礼を欠くことになるとの意から。 「遠慮が無沙汰」ともいう。
遠慮ひだるし伊達寒し(えんりょひだるしだてさむし)
遠慮も見栄もほどほどにせよということ。 「ひだるし」はひもじいの意。 食事を遠慮して食べないとひもじい思いをし、格好を気にして薄着でいると寒い思いをするとの意から。
北に近ければ南に遠い(きたにちかければみなみにとおい)
一方に都合がよければ、他方には都合が悪いということのたとえ。また、あたりまえであることのたとえ。
君子は庖厨を遠ざく(くんしはほうちゅうをとおざく)
君子は憐れみ深いので、動物が捌かれる姿が見えてたり動物の悲鳴が聞こえたりする厨房に近づくことは忍び難いということ。
敬して遠ざく(けいしてとおざく)
うわべは敬うふりをして、内心はうとんじて近づかないこと。
性相近し、習い相遠し(せいあいちかし、ならいあいとおし)
人が生まれながらに持っている性質にはあまり差はないが、その後の教育や環境で大きな差が出てくるということ。
近道は遠道(ちかみちはとおみち)
近道は危険だったり悪路だったりして結局時間がかかることがある。物事も一見回り道のように見えても安全で確実な道を選ぶほうがいいということ。
遠い親戚より近くの他人(とおいしんせきよりちかくのたにん)
いざという時には、遠方に住んでいる親戚より近所に住んでいる他人の方が頼りになるということ。
遠き慮りなき者は必ず近き憂えあり(とおきおもんぱかりなきものはかならずちかきうれえあり)
遠い将来を見越した考えを持っていないと、必ず急な憂い事が起こるということ。 「遠慮」は、先々のことを思慮すること。 「近憂」は、間近の憂い事のこと。 「遠き慮りなき者は必ず近き憂えあり」ともいう。
遠きに行くは必ず近きよりす(とおきにゆくはかならずちかきよりす)
物事を行う場合は、順序を踏んで着実に進めなければならないということ。 遠くに行く時も近い場所から歩き始めることから。
遠きは花の香(とおきははなのか)
遠くのものは花の香りのように何でもよく感じられ、近くのものはつまらなく思えるということ。
遠きを知りて近きを知らず(とおきをしりてちかきをしらず)
他人のことはよくわかるのに、自分のことはわからないということ。
遠くて近いは男女の仲(とおくてちかいはだんじょのなか)
男女の仲は遠く離れているようで意外に近く、結ばれやすいものであるということ。
遠くて近きは男女の仲(とおくてちかきはだんじょのなか)
男女の仲は遠く離れているようで意外に近く、結ばれやすいものであるということ。
遠くなれば薄くなる(とおくなればうすくなる)
親しかった者でも、遠ざかればだんだん情が薄れていくということ。
遠くの火事、背中の灸(とおくのかじ、せなかのきゅう)
遠くの大事件より自分に関係する小事のほうが気にかかるというたとえ。
遠くの親類より近くの他人(とおくのしんるいよりちかくのたにん)
いざという時には、遠方に住んでいる親戚より近所に住んでいる他人の方が頼りになるということ。
遠ざかるほど思いが募る(とおざかるほどおもいがつのる)
人を思う気持ちは、遠く離れたりして会えないほど、強くなるということ。
遠火で手を焙る(とおびでてをあぶる)
たいした効果がないことのたとえ。遠く離れた火で手を焙ってもあまり暖かくない意から。
遠道は近道(とおみちはちかみち)
危険な近道を行くより、一見遠回りのようでも安全で確実な道を行くほうが早く着く。物事も焦らずじっくり行うほうが早く目的を遂げられるというたとえ。
遠目、山越し、笠の内(とおめ、やまごし、かさのうち)
遠くから見るとき、山越しに見るとき、また、笠に隠れた顔の一部をちらりと見る時は、はっきりと見えないので、実際以上に美しく感じられるということ。
朋あり遠方より来る(ともありえんぽうよりきたる)
遠くにいる友だちが、はるばる会いに来てくれた喜びをいう言葉。「朋」は、友の意。
任重くして道遠し(にんおもくしてみちとおし)
任務はきわめて重大で、遂行する道程は遠く、容易ではないということ。
東に近ければ西に遠い(ひがしにちかければにしにとおい)
一方に都合よければ、他方には都合が悪く、どちらにも偏らないようにするのは難しいということのたとえ。また、あたりまえであることのたとえ。
日暮れて途遠し(ひくれてみちとおし)
年老いてしまったのに、まだ目的を達するまでには程遠いことのたとえ。また、期限が迫っているのに、仕事が片付かないことのたとえ。
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し(ひとのいっしょうはおもにをおうてとおきみちをゆくがごとし)
人生は長く苦しいものだから、辛抱強く努力を重ねて着実に進んでいかなければならないという教え。徳川家康の遺訓から。
冬来りなば春遠からじ(ふゆきたりなばはるとおからじ)
つらく厳しい時期を耐え抜けば、その先には幸せが待っているというたとえ。 寒い冬が来たということは、遠くないうちに暖かい春もやってくるということから。 イギリスの詩人シェリーの「西風に寄せる歌」の一節から。
道は邇きに在りて遠きに求む(みちはちかきにありてとおきにもとむ)
無駄に高遠なものや難しい理論を求めて、近くの真理を見落としてしまうこと。 「邇き」は近きの意。 真理は近いところにあるのに、わざわざ遠いところにそれを求めようとすることから。
耳が遠い(みみがとおい)
加齢や病気などで聴力が弱まり、音をよく聞き取れないこと。
夜目、遠目、笠の内(よめ、とおめ、かさのうち)
夜見るとき、遠くから見るとき、笠に隠れた顔の一部をちらりと見るときは、人の顔が実際より美しく見えるということ。女性について言うことが多い。
留守見舞いは間遠にせよ(るすみまいはまどおにせよ)
主人が不在中の家を頻繁に訪れると、あらぬ疑いをかけられるから、ほどほどにしたほうがいいということ。