虎穴に入らずんば虎子を得ずについて

言葉 | 虎穴に入らずんば虎子を得ず |
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読み方 | こけつにいらずんばこじをえず |
意味 | 危険なことも敢えてしなければ、大きな成功は得られないというたとえ。虎の棲む穴に入らなければ、虎の子をつかまえることは出来ないという意から。 |
出典 | 『後漢書』班超 |
類句 | 危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ) |
使用されている漢字
「虎」を含むことわざ
危うきこと虎の尾を踏むが如し(あやうきこととらのおをふむがごとし)
非常に危険なことをすることのたとえ。
市に虎あり(いちにとらあり)
事実でないことでも、大勢の人が口にすればみんなが信じるようになるということ。 「市」は町の意で、虎が町にいるはずはないが、大勢が「町に虎がいる」と言えば信じてしまうという故事から。
苛政は虎よりも猛し(かせいはとらよりもたけし)
悪政が人民に与える害は、虎よりも恐ろしいということ。 「苛政」は、人民を苦しめる過酷な政治のこと。 中国の泰山の麓で、家族を虎に食われ泣いていた婦人に孔子が「何故この国を出て行かないのか」と尋ねると「苛政がないからだ」と答えたという故事から。
騎虎の勢い(きこのいきおい)
勢いやはずみがついて途中でやめられなくなることのたとえ。「騎虎」は虎に乗ること。虎に乗って走り出すと、途中で降りたら虎に食い殺されるので仕方なく走り続けなければならないことから。
狐虎の威を藉る(きつねとらのいをかる)
他人の権力に頼って、弱いものが空威張りすることのたとえ。 虎に捕らえられた狐が「天の神が私を百獣の長にした。だから私を食べると天の命令にそむくことになる。うそだと思うならついてきなさい。獣たちはみな逃げ出すはずだ」といった。 虎が狐のあとについていくと、獣たちがみな逃げて行った。 虎は自分を恐れて獣たちが逃げたことに気づかず、狐を恐れて逃げ出したと信じたという故事から。
虎口を脱する(ここうをだっする)
危険な状態からやっとのことで逃れること。「虎口」は、虎の口のように危険な場所の意。
「穴」を含むことわざ
穴が開く(あながあく)
商売で損失が生じること。また、必要な人員が欠けたり予定がなくなったりすること。
穴があったら入りたい(あながあったらはいりたい)
穴があれば隠れてしまいたいほど、非常に恥ずかしくて、身の置き所がないようす。
穴の開くほど(あなのあくほど)
何かをじっと見つめるさま。
穴の貉を値段する(あなのむじなをねだんする)
あてにならない事をあてにする愚かさをいうことば。穴の中の貉の値段を捕まえる前から考えるという意から。
穴をあける(あなをあける)
金を使い込んだり、損失を生じさせたりすること。 また、物事が予定通り進まず空白の状態にしてしまうこと。
穴を埋める(あなをうめる)
欠損を補う。特に、金銭や人員を補充すること。
「入」を含むことわざ
合いの手を入れる(あいのてをいれる)
会話や動作の間に、それに弾みがつくような言葉や動作を差し挟む。 「合いの手を打つ」は誤用。
赤を入れる(あかをいれる)
文章の添削や校正をする。 赤い鉛筆やペンで書き込むことが多いことから。
秋風と夫婦喧嘩は日が入りゃ止む(あきかぜとふうふげんかはひがいりゃやむ)
秋風が日暮れになると静まるように、夫婦喧嘩も夜になるとおさまるということ。
商い上手の仕入れ下手(あきないじょうずのしいれべた)
客に物を売るのはうまいが、仕入れがへたで儲からないということ。
秋の入り日と年寄りはだんだん落ち目が早くなる(あきのいりひととしよりはだんだんおちめがはやくなる)
年々衰える年寄りの健康状態を、急速に暮れていく秋の夕日にたとえたことば。
足を入れる(あしをいれる)
ある場所に入ること。また、新たな社会と関係するようになること。
「子」を含むことわざ
赤子のうちは七国七里の者に似る(あかごのうちはななくにななさとのものににる)
赤ん坊ははっきりした特長がないので、似てると思って見ればあちこちの誰にでも似て見えるということ。「七国七里」は諸所方々のこと。
赤子の腕を捩じる(あかごのうでをねじる)
抵抗する力のないものを打ち負かす。また、容易に行えることのたとえ。
赤子の手を捻る(あかごのてをひねる)
抵抗する力のないものを打ち負かす。また、容易に行えることのたとえ。
赤子は泣き泣き育つ(あかごはなきなきそだつ)
赤ちゃんが泣くのは健康な証拠で、赤ちゃんは泣きながら成長していくということ。
赤子を裸にしたよう(あかごをはだかにしたよう)
無力で弱い者をさらに頼りなくしたようす。
秋茄子は嫁に食わすな(あきなすはよめにくわすな)
秋に収穫する茄子を嫁に食べさせてはいけないということ。 「おいしいのでもったいないという姑の嫁いびり」「種が少ないので子宝に恵まれない」「体が冷えてよくない」などの解釈がある。 「おいしいのでもったいないという姑の嫁いびり」の解釈が一般的。
「得」を含むことわざ
言い得て妙(いいえてみょう)
的確で巧みに言い表している。
魚の水を得たよう(うおのみずをえたよう)
自分の力を発揮できる場所を得て、生き生きと活躍するようすのたとえ。
魚を得て筌を忘る(うおをえてうえをわする)
目的を達してしまうと、それに役立ったものの功労を忘れてしまうというたとえ。「筌」は「うけ」とも言い魚とりの道具。魚を得てしまえば筌は不用になり忘れてしまうという意から。
得体が知れない(えたいがしれない)
正体がまったくわからないこと。本当の姿が不明であること。
得たり賢し(えたりかしこし)
物事が自分の思い通りになったときにいう言葉。しめた、うまくいった、ということ。多く「得たり賢しと」の形で副詞的に用いる。
得手勝手は向こうには効かない(えてかってはむこうにはきかない)
自分の都合のいいように振る舞っても、なかなか相手が応じてはくれないということ。