「得」を含む故事・ことわざ・慣用句
「得」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
言い得て妙(いいえてみょう)
的確で巧みに言い表している。
一文の得にもならない(いちもんのとくにもならない)
苦労をしても、何の得にもならない。 「一文」は、江戸時代の少額の貨幣単位でわずかな金のこと。 「一文の得にもならない」ともいう。
魚の水を得たよう(うおのみずをえたよう)
自分の力を発揮できる場所を得て、生き生きと活躍するようすのたとえ。
魚を得て筌を忘る(うおをえてうえをわする)
目的を達成してしまうと、それに貢献したものの功労は忘れてしまうというたとえ。 「筌」は魚を捕るための道具。「せん」や「うけ」とも読む。 魚を得てしまえば、魚を捕らえるための筌は不用になり忘れてしまうとの意から。
得体が知れない(えたいがしれない)
正体がまったくわからないこと。本当の姿が不明であること。
得たり賢し(えたりかしこし)
物事が自分の思い通りになったときにいう言葉。しめた、うまくいった、ということ。多く「得たり賢しと」の形で副詞的に用いる。
得手勝手は向こうには効かない(えてかってはむこうにはきかない)
自分の都合のいいように振る舞っても、なかなか相手が応じてはくれないということ。
得手に鼻つく(えてにはなつく)
得意なことだと、つい気が緩んで失敗するというたとえ。
得手に帆を揚げる(えてにほをあげる)
絶好の機会に恵まれ、得意になって事を行うこと。 「得手」は、得意とすること。 「得手に帆を掛ける」ともいう。
得手に帆を掛ける(えてにほをかける)
絶好の機会に恵まれ、得意になって事を行うこと。 「得手」は、得意とすること。 「得手に帆を掛ける」ともいう。
得も言われぬ(えもいわれぬ)
言葉では何とも言い表すことが出来ない。
大見得を切る(おおみえをきる)
大げさな言動をとって、自分の自信のほどを強調すること。「大見得」は歌舞伎役者が、芝居が最高潮に達した時に目立つ表情や演技をすることで、大げさな言動で自分を誇示するということから。
借りて借り得、貸して貸し損(かりてかりどく、かしてかしぞん)
借りても返さないですむこともあるので借りるのは得だが、反対に貸したら返してもらえないこともあるので貸すのは損だということ。
簡にして要を得る(かんにしてようをえる)
簡単な言葉であるが、要点を正確に捉えている。
九死に一生を得る(きゅうしにいっしょうをえる)
ほとんど助かる見込みがないと思われる危険な状態に陥りながら、かろうじて助かること。 「十のうち、九が死、一が生」のような助かる見込みがほとんどない状況で生き残るとの意から。 「万死に一生を得る」「万死の中に一生を得」「万死を出でて一生に遇う」「九死一生」などともいう。
口と財布は締めるが得(くちとさいふはしめるがとく)
口と財布はきちっと締めておいたほうが得策だから、おしゃべりと浪費は慎めということ。
愚者にも一得(ぐしゃにもいっとく)
愚か者でも、たまにはいい考え方をすることがあるということ。 「愚者も一得」「愚者にも一得」「愚者の一得」ともいう。
愚者の一得(ぐしゃのいっとく)
愚か者でも、たまにはいい考え方をすることがあるということ。 「愚者も一得」「愚者にも一得」「愚者の一得」ともいう。
愚者も一得(ぐしゃもいっとく)
愚か者でも、たまにはいい考え方をすることがあるということ。 「愚者も一得」「愚者にも一得」「愚者の一得」ともいう。
愚者も千慮に一得有り(ぐしゃもせんりょにいっとくあり )
愚か者でも、たまにはいい考え方をすることがあるということ。 「愚者も一得」「愚者にも一得」「愚者の一得」ともいう。
蛟竜、雲雨を得(こうりょう、うんうをう)
能力を発揮する機会の無かった英雄や豪傑が、機会を得て能力を発揮することのたとえ。 「蛟竜」は水中にすむとされる中国古代の想像上の動物。 水中にすむ蛟竜は雲や雨を得ればそれに乗って天に昇り竜になるといわれることから。
虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)
危険なことも避けていては、大きな成功は得られないということ。 虎の住む穴に入らなければ、虎の子をつかまえることは出来ないとの意から。
死ねば死に損、生くれば生き得(しねばしにぞん、いくればいきどく)
生きていればいつか幸運にめぐり合うかもしれないから生き得と言えるが、死ねばそれで終りだから死に損である。人は生きていなければどうにもならにということ。
好かぬは得せぬの唐名(すかぬはえせぬのからな)
千慮の一得(せんりょのいっとく)
愚かな者でも、たまには一つぐらいよい考えを出すこともあるということ。
損して得取れ(そんしてとくとれ)
初めは損をしても、それをもとに将来大きな利益を得られるようにせよということ。
力を得る(ちからをえる)
激励されて活気づくこと。
地の利を得る(ちのりをえる)
地形や位置などが、あることを行うのに有利な条件を備えていること。
壺を心得る(つぼをこころえる)
物事をうまく行うための要点を理解していること。
当を得る(とうをえる)
そのものが道理に適っていて適切であること。
時は得難くして失い易し(ときはえがたくしてうしないやすし)
好機はめったにめぐってこないし、油断するとすぐに去ってしまうということ。また、時は二度とめぐってこないので、わずかな時間も大切に過ごすべきであるということ。
時を得た一針は九針の手間を省く(ときをえたいっしんはきゅうしんのてまをはぶく)
すぐに対処しておけば、あとで大掛かりな手間をかけずにすむということ。 その時に一針縫っておけば、あとで九針縫う手間を省くことができるとの意から。 「適時の一針は九針の手間を省く」ともいう。
時を得る(ときをえる)
よい機会にめぐりあって栄えること。
得心が行く(とくしんがいく)
相手の言動に納得すること。
得を取るより名を取れ(とくをとるよりなをとれ)
利益を得ることより、名誉を大切にせよということ。
所を得る(ところをえる)
その人の能力と釣り合いのとれた地位や職に就くこと。
名を得る(なをえる)
すぐれた実績などによって、その分野での名声を得ること。有名になること。
名を取るより得を取れ(なをとるよりとくをとれ)
名誉や名声を得るより、実際の利益を得るほうがよいということ。
二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)
一度に二つのものを手に入れようと欲張ると、結局どちらも手に入れられなくなることのたとえ。 一度に二匹のうさぎを捕えようとすると、結局一匹も捕らえられないことから。
万死に一生を得る(ばんしにいっしょうをえる)
ほとんど助かる見込みがないと思われる危険な状態に陥りながら、かろうじて助かること。 「十のうち、九が死、一が生」のような助かる見込みがほとんどない状況で生き残るとの意から。 「万死に一生を得る」「万死の中に一生を得」「万死を出でて一生に遇う」「九死一生」などともいう。
万死の中に一生を得(ばんしのうちにいっしょうをう)
ほとんど助かる見込みがないと思われる危険な状態に陥りながら、かろうじて助かること。 「十のうち、九が死、一が生」のような助かる見込みがほとんどない状況で生き残るとの意から。 「万死に一生を得る」「万死の中に一生を得」「万死を出でて一生に遇う」「九死一生」などともいう。
万卒は得易く、一将は得難し(ばんそつはえやすく、いっしょうはえがたし)
平凡な人物はたくさんいるが、優秀な人物に巡り会うのは難しいということ。 平凡な兵士を集めることは難しくないが、一人の名将を得ることは難しいとの意から。
左は勝手、右は得手(ひだりはかって、みぎはえて)
何でも巧みにやれることのたとえ。「勝手」は自由に使いこなせること、「得手」は得意とすること。左手も右手も自由自在に使えるということから。
見得張るより頬張れ(みえばるよりほおばれ)
世間体を気にするより実利を考えることのほうが大切だということ。体裁を考えて食べたい物を我慢するより、遠慮なく頬張ったほうが得であるとの意から。
見得を切る(みえをきる)
大げさな言動をとって、自分の自信のほどを強調すること。 「見得」は歌舞伎役者が、芝居が最高潮に達した時に目立つ表情や演技をすること。
水を得た魚のよう(みずをえたさかなのよう)
その人の力を発揮できる場所を得て、生き生きと活躍するようすのたとえ。
宜しきを得る(よろしきをえる)
方法が適切であること。程度がちょうどよいこと。
竜と心得た蛙子(りゅうとこころえたかえるこ)
子どもに対する親の見込み違いのたとえ。 将来は竜になると期待していたわが子も、やはり蛙の子にすぎなかったとの意から。
隴を得て蜀を望む(ろうをえてしょくをのぞむ)
一つの望みがかなうと、さらに次の望みが起こること。人間の欲望には、限りがないということのたとえ。 中国、魏の曹操が、部下の司馬懿(しばい)が隴の地を手に入れ、さらに蜀を攻めようとしたときに言ったという言葉。
我が意を得たり(わがいをえたり)
物事が自分の考えていた通りになる。自分の考えにぴったり合う。
我が意を得る(わがいをえる)
物事が自分の考えていた通りになる。自分の考えにぴったり合う。