燕石
ことわざ「燕石」(えんせき)の意味・読み方を解説します。
燕石
えんせき
| 言葉 | 燕石 |
|---|---|
| 読み方 | えんせき |
| 意味 | 見かけは宝石のようでも、実際には何の値打ちもない石。そこから、本物らしく見えるだけで中身の伴わない品をさす。くだらない物を宝のように大事にして人に自慢することや、少しばかりの才能しかない者のうぬぼれぶりを、この語で表すこともできる。
「燕」は中国の北部の地名で、燕石は燕山という山から出る石をさす。中国では古くから、美しく貴い石を「玉(ぎょく)」と呼んで宝とした。古い地理の書物『山海経』は燕山に「嬰石」という石が多いと記し、その注釈は、玉に似て模様のあるこの石が世にいう燕石だと説いている。 宋の国のおろか者が、梧台という所の東でこの石を拾い、家に持ち帰って大切な宝としてしまいこんだ。周から来た客が見に行くと、男は礼服に身を正し、十重の箱を開け、十枚の赤い布を一枚ずつほどいて取り出した。客は口元を隠して笑い、「これは燕石だ。瓦やれんがと少しも変わらない」と言ったが、男はかえって腹を立て、前よりも厳重にしまいこんだ。この話はもと『闞子』に見えるもので、『太平御覧』や『後漢書』の注に引かれて伝わっている。後漢の応劭も、自分のまとめた書物を天子に差し出す文章でこの話を引き、自分の仕事もこれと同じかもしれないとへりくだっている。 魚の目玉と燕石を並べた四字熟語に魚目燕石があり、本物とよく似ていても実は別物であるにせ物をいう。 |
| 例文 | 祖父は、若いころに出した詩集を「わしの燕石だよ」と笑いながらも、今も本棚のいちばん上に大事に並べている。 |
| 出典 | 『山海経』北山経 |
| 場面 | 自慢 / 外見と実質が釣り合わない |
| 使用漢字 | 燕 / 石 |
