「石」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 63 件
「石」を含む漢字が使われている故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。
故事・ことわざ・慣用句一覧
朝寝八石の損(あさねはちこくのそん)
朝寝坊をすると健康を損なうだけでなく、仕事の能率も下がり、多大な損失を招くという戒め。 「八石」は極めて大きな分量のたとえ。「一石」は百升(約一八〇リットル)。
雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
小さな努力も根気強く続けていけば、いつかは成功することのたとえ。 わずかな雨垂れでも長い年月、同じ所に落ち続ければ、石に穴をあけることができるとの意から。 「点滴石を穿つ」ともいう。
石、玉をつつみて山輝く(いし、たまをつつみてやまかがやく)
内に秘めた優れたものは、包み隠しても外へにじみ出て、そのもの全体を照らす。文の一句が一篇を支えることにも、人の器量が身の回りを明るませることにも使う。 石が玉を抱いていれば山までが輝いて見える、という句から。
石臼を箸に刺す(いしうすをはしにさす)
無理難題を言うこと。 石臼を箸で刺すことなど不可能であることから。
石が流れて木の葉が沈む(いしがながれてこのはがしずむ)
物事の道理が逆であることのたとえ。
石地蔵に蜂(いしじぞうにはち)
何とも感じないことのたとえ。蜂が石地蔵を刺しても痛くも何ともないことから。
石で手を詰める(いしでてをつめる)
打つ手が尽きて、そこから一歩も動けなくなる。 重い石に手を挟まれて抜けなくなる形から。
石に齧りついても(いしにかじりついても)
どんな苦労や困難があっても。何がなんでも。
石に裃(いしにかみしも)
硬い石に裃を着せたように、堅苦しい人のたとえ。また、そういう様子のこと。「裃」は江戸時代の武士の礼服。
石に灸(いしにきゅう)
灸は肌に熱を通してこそ効くのに、石にすえたところで熱も痛みも伝わらない。 どれだけ手をかけても相手に少しも届かず、かけた労がまるごと空へ消えてしまうことのたとえ。 同じ意味の言い方に「土に灸」がある。
石に漱ぎ、流れに枕す(いしにくちすすぎ、ながれにまくらす)
負け惜しみが強いことのたとえ。また、屁理屈をつけて自説を正当化することのたとえ。晋の孫楚が「石に枕し、流れに漱ぐ」というべきところを「石に漱ぎ、流れに枕す」といい誤ったとき、「石に漱ぐとは歯を磨くこと、流れに枕すとは耳を洗うことだ」とこじつけた故事から。夏目漱石の号もこの故事から。 「流れに枕し石に漱ぐ」ともいう。
石に錠(いしにじょう)
動かしようのない事柄を、さらに念入りに固めること。 もともと動かない石に、わざわざ錠まで下ろす形から。
石に立つ矢(いしにたつや)
一念を込めて事を行えば、できないことはないというたとえ。漢の李広が石を虎と見誤り、一心に集中して矢を射たところ、矢が石に刺さったという故事から。
石に花咲く(いしにはなさく)
現実には起こるはずのないことのたとえ。
石に布団は着せられず(いしにふとんはきせられず)
親が生きているうちに孝行すべきで、死後に悔やんでも遅いということ。 墓石に布団を着せて温めても無意味であることから。 「石」は「墓」ともいう。
石に枕し流れに漱ぐ(いしにまくらしながれにくちすすぐ)
俗世間から離れ、自然の中で自由な生活をすること。 石を枕にして眠り、起きれば川の水で口を洗うということから。
石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)
辛抱すればいつか必ず成功することのたとえ。 冷たい石の上でも、三年座り続ければ暖まるとの意から。
石の物言う世の中(いしのものいうよのなか)
秘密や隠し事が漏れやすいことのたとえ。 言葉を発するはずのない石が物を言うほど世の中では秘密が漏れやすいとの意から。
石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)
用心の上にも用心を重ねて事を行うことのたとえ。 丈夫な石橋ですら安全を確かめてから渡るとの意から。
石部金吉鉄兜(いしべきんきちかなかぶと)
石と金を継ぎ合わせた名の人物に、金物の被り物まで載せた形。 金にも色にも心を動かされず、遊びの誘いにも乗らない性分を茶化した言い方。 短く「石部金吉」だけでも使う。
石破れ天驚く(いしやぶれてんおどろく)
聞く者の度肝を抜くほど、思いもよらぬ冴えを放つこと。詩や調べについていう。 石が砕けて天までもが色を失う、と李賀が詩に詠んだ句から。
石を抱きて淵に入る(いしをいだきてふちにいる)
自分から進んで災難や危険を招くようなことをするたとえ。自ら石を抱いて、川の深みに入るような無謀なことをするとの意から。
一石を投じる(いっせきをとうじる)
平穏なところに反響を呼ぶような問題を投げかけること。静かな水面に石を一つ投げると波紋が生じるところから。
燕石(えんせき)
見かけは宝石のようでも、実際には何の値打ちもない石。そこから、本物らしく見えるだけで中身の伴わない品をさす。くだらない物を宝のように大事にして人に自慢することや、少しばかりの才能しかない者のうぬぼれぶりを、この語で表すこともできる。 「燕」は中国の北部の地名で、燕石は燕山という山から出る石をさす。中国では古くから、美しく貴い石を「玉(ぎょく)」と呼んで宝とした。古い地理の書物『山海経』は燕山に「嬰石」という石が多いと記し、その注釈は、玉に似て模様のあるこの石が世にいう燕石だと説いている。 宋の国のおろか者が、梧台という所の東でこの石を拾い、家に持ち帰って大切な宝としてしまいこんだ。周から来た客が見に行くと、男は礼服に身を正し、十重の箱を開け、十枚の赤い布を一枚ずつほどいて取り出した。客は口元を隠して笑い、「これは燕石だ。瓦やれんがと少しも変わらない」と言ったが、男はかえって腹を立て、前よりも厳重にしまいこんだ。この話はもと『闞子』に見えるもので、『太平御覧』や『後漢書』の注に引かれて伝わっている。後漢の応劭も、自分のまとめた書物を天子に差し出す文章でこの話を引き、自分の仕事もこれと同じかもしれないとへりくだっている。 魚の目玉と燕石を並べた四字熟語に[[魚目燕石*https://yoji.jitenon.jp/yojie/2335]]があり、本物とよく似ていても実は別物であるにせ物をいう。
円石を千仞の山に転ず(えんせきをせんじんのやまにてんず)
非常に勢いが激しく、抑えようがないことのたとえ。 高い山から丸い石を落とすと、ものすごい勢いで転がることから。
鬼の閉てたる石の戸も情けに開く(おにのたてたるいしのともなさけにあく)
どれほど心をかたく閉じて人を寄せつけない相手でも、まごころをこめて温かく接していけば、やがて気持ちが少しずつやわらいで、閉じていた心をこちらに開く、ということ。 情けを知らない鬼が閉めた石の戸でさえ、人の思いやりにふれれば開く、とした言い方から。 冷たい人の心が動く場面を言う言葉として、ほかに「[[鬼の目にも涙*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1561.php]]」がある。
堅い石から火が出る(かたいいしからひがでる)
ふだんはまじめで口数も少なく、おとなしく見える人が、あるとき急に、周りが驚くほど大胆で激しいふるまいに出るようすを、たとえて言う。 「堅い石」は、昔、打ち合わせて火を起こすのに使った火打ち石のこと。冷たくて固い石から火花が飛び散るように、かたくるしいほど生まじめな人でも、ときには熱くなって勢いよく動くことがある、と重ね合わせている。
鰹節と砥石の借り入れはない(かつおぶしとといしのかりいれはない)
鰹節や砥石のように、使うほどにすり減っていく物は、人から借りても同じ形のままでは返せない。だから、借りたつもりでも、減った分は結局ただでもらったも同然だということ。 鰹節は削ってだしを取るたびに小さくなり、砥石も刃物をとぐたびに少しずつ削れていく。句の終わりの「借り入れはない」は、そもそも借りたうちに数えられない、の意。 砥石の代わりに巻紙を挙げた「鰹節と巻紙の借り入れはない」という句もある。巻紙も、手紙を書くたびに切り取って使う紙である。
川の石星となる(かわのいしほしとなる)
川底の石が空の星に変わる。あるわけのない事の言い立てに使う。 決してあり得ぬ事の並びの一つとして挙げられている。
雁が飛べば石亀も地団駄(がんがとべばいしがめもじだんだ)
身のほどもわきまえず、むやみに人のまねをしようとすること。 雁が飛び立つのを見て、自分も飛ぼうとした石亀が、飛べずにくやしがって地団駄を踏むことから。 単に「石亀も(の)地団駄」とも、「鷹が飛べば石亀も地団駄」「蛙が飛べば石亀も地団駄」ともいう。
