「下」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 38 件
「下」から始まる漢字を含む故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。
故事・ことわざ・慣用句一覧
下愚の性移るべからず(かぐのせいうつるべからず)
見込みのない相手には、外からどれだけ手を入れても質が改まらない。 動かないとされた二つの極のうち、下の側だけを取り出した形で、育てる手にも及ばない範囲があると説く。
下問を恥じず(かもんをはじず)
身分や年齢の低い者に物事を尋ねることを、恥ずかしいとか体裁が悪いと思わず、素直に聞くという姿勢が大切だということ。
下さるものなら夏も小袖(くださるものならなつもこそで)
ただで手に入るとなれば何であろうと欲しがる、欲の深さをいうたとえ。 「小袖」は絹地に綿を入れた冬の衣で、夏には着る当てがない。それでも人がくれるというなら受け取る、という意から。 「貰う物は夏も小袖」ともいう。
下戸と化け物はない(げことばけものはない)
一滴も駄目だと言う人でも、席と勧め手が揃えばたいてい口をつける。まるきり酒を受け付けない体質などありはしない、というのが飲む側の言い分である。
下戸の肴荒らし(げこのさかなあらし)
杯の回らない者ほど箸が動き、鉢の中身が先に尽きてしまう。飲まないぶんを食べで取り返す気か、と横から咎められる。
下戸の建てたる蔵もなし(げこのたてたるくらもなし)
飲まずに浮いたはずの銭で身上を起こした者は、見回してもまず見当たらない。締めたところで富むとは限らないのだから、飲む楽しみを咎め立てするには及ばない——酒好きの側が返す当てこすりでもある。
下戸の手剛(げこのてごわ)
杯で気を大きくさせる手が通じない相手は、しらふのまま最後まで構えを崩さない。掛け合いの場では、そういう人ほど攻めあぐねる。
下種と鷹とに餌を飼え(げすとたかとにえをかえ)
身分の低い者も鷹も、腹を満たしてやってはじめて思うように動く。 人を使うなら、まず得になるものを握らせよということ。
下種の後思案(げすのあとじあん)
気の利いた案が出てくるのは、決まって決着がついたあと。 手遅れの入れ知恵ほど始末に負えないものはない、と切って捨てる。
下種の一寸、のろまの三寸、馬鹿の開けっ放し(げすのいっすん、のろまのさんずん、ばかのあけっぱなし)
戸を閉める時に、下種は一寸閉め残し、のろまな者は三寸閉め残し、愚か者は開けっ放しにしてしまう。戸の閉め方で、その人の品性・性格がわかるということ。
下種の勘繰り(げすのかんぐり)
自分の物差ししか持たない者は、他人の挙動を悪いほうへ悪いほうへと結びつけたがる。その当てずっぽうには当人の底が透けている、という嘲りを込めて使う。
下種の口に戸は立てられぬ(げすのくちにとはたてられぬ)
品性の卑しい人間は、人の迷惑など考えず勝手なことをいいふらすが、防ぎようがないということ。
下種の逆恨み(げすのさかうらみ)
品性の卑しい人間は、人の親切な忠告も悪口と思い、逆に忠告してくれた人を恨むということ。
下種の謗り食い(げすのそしりぐい)
品性の卑しい人間は、まずいとけちをつけながらも、意地汚くたくさん食べるということ。「謗り食い」は文句を言いながら食べること。
下種は槌で使え(げすはつちでつかえ)
愚かな者は、道理を説明してもなかなか理解しないため、叩いたり叱りつけたりして使わなければならないという教え。
下駄と焼き味噌(げたとやきみそ)
見た目が似ていても、実質はまったく違うことのたとえ。 「焼き味噌」は、味噌を板に塗って遠くからあぶった料理。焼いた形が下駄に似ていることから。
下駄も阿弥陀も同じ木の切れ(げたもあみだもおなじきのきれ)
踏まれる側と拝まれる側に分かれてはいても、削り出された素はどちらも一本の幹だった。 扱いの高低は後から付いたもので、はじまりのところに上下はない。
下駄を預ける(げたをあずける)
相手に物事の処理や責任などを委ねること。相手に下駄を預けると、自分は歩き回ることができなくなることから。
下駄を履かせる(げたをはかせる)
物事を実際よりもよく見せたり多く見せたりすること。
下馬評(げばひょう)
当事者でない者どうしが外野で交わす、気ままな見立て。乗り物を降りた主人が戻るまでの間、門前に控えた供たちが主家の是非をあげつらったことに始まる。「下馬」は、そこから先は馬を降りよと定められた門前の一画をいう。
下地は好きなり御意はよし(したじはすきなりぎょいはよし)
もともと好きなところへ、相手から好意をもって勧められ、こんなに都合のいいことはないということ。
下手に出る(したてにでる)
へりくだった態度で相手に接すること。 「下に出る」ともいう。
下にも置かない(したにもおかない)
客などを非常に丁寧にもてなす様子。 下座につかせないとの意から。 「下へも置かない」ともいう。
下腹に毛がない(したはらにけがない)
腹の黒い悪人や、世慣れてずるがしこい人のたとえ。年を取った狼や狸は、下腹の毛が抜け落ちているものだとされることから。
下いびりの上へつらい(しもいびりのかみへつらい)
立場の弱い相手には居丈高に出るのに、力のある相手の前では一転して腰が低くなる。 相手を見て態度を作り変える人柄をあざける。
下手があるので上手が知れる(へたがあるのでじょうずがしれる)
物の出来不出来は、並べる相手があってようやく目に見えてくる。拙い者がいればこそ巧者の腕も判るのだから、引け目を感じずともよいという励ましに使う。
下手が却って上手(へたがかえってじょうず)
下手な人は念入りに仕事をするので、かえって上手な人より立派な仕上がりになることがあるということ。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる(へたなてっぽうもかずうちゃあたる)
腕の劣る者でも、回数を重ねれば一度くらいは成功する場合があるというたとえ。 鉄砲を撃つのが不得手な者でも、たくさん撃つうちには的に当たる弾もあることから。
下手の射る矢(へたのいるや)
まともな人間は相手にしやすいが、無茶苦茶な人間は相手にしにくいということ。 下手な者の射る矢はどこへ飛ぶかわからないので避けようがないとの意から。 「狐が下手の射る矢を恐る」「下手の鉄砲烏が怖じる」ともいう。
下手の大連れ(へたのおおづれ)
腕の立たない者に限って、こぞって群れて出歩きたがる。また、頭数ばかり増やしても手際は上がらず、かえって事が滞る。
