一壺天
ことわざ「一壺天」(いっこてん)の意味・読み方を解説します。
一壺天
いっこてん
| 言葉 | 一壺天 |
|---|---|
| 読み方 | いっこてん |
| 意味 | 小さく限られた場所でありながら、毎日のこまごました気がかりとは切り離されている、もう一つの世界のこと。こぢんまりとした別天地をいう。
「一壺」は一つのつぼのことで、「天」はそこに開けている天地を指す。 後漢の時代、市場の事務を受け持つ役目についていた費長房は、薬を売る年寄りが自分の店の前につぼをつり下げておき、市が閉じるたびにその中へ跳びこむのを、建物の高い階から見つけた。次の日に改めて訪ねると、年寄りは費長房を連れてつぼの中へ入った。そこにはきらびやかな御殿が建ち、おいしい酒と料理があふれるほどに並んでいて、二人で飲み終えてから外へ出てきたという。『後漢書』方術伝にある話で、この言葉はそれにもとづく。 この話から出て、意味もほぼ重なる言葉として壺中の天地が挙げられる。四字熟語の壺中之天も、もとは同じ話である。世の中から遠く隔たった理想の場所という点では桃源郷も近い。 |
| 例文 | にぎやかな通りから一本入った路地の奥にある小さな茶室は、父にとっての一壺天だ。 |
| 出典 | 『後漢書』方術伝 |
| 場面 | 理想郷 |
| 使用漢字 | 一 / 壺 / 天 |
「一」を含むことわざ
- 悪は一旦の事なり(あくはいったんのことなり)
- 欠伸を一緒にすれば三日従兄弟(あくびをいっしょにすればみっかいとこ)
- 朝顔の花一時(あさがおのはなひととき)
- 朝の一時は晩の二時に当たる(あさのひとときはばんのふたときにあたる)
- 薊の花も一盛り(あざみのはなもひとさかり)
- あの世の千日、この世の一日(あのよのせんにち、このよのいちにち)
- 危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)
- 蟻の一穴(ありのいっけつ)
- 粟一粒は汗一粒(あわひとつぶはあせひとつぶ)
- 板子一枚下は地獄(いたごいちまいしたはじごく)
「壺」を含むことわざ
- 一升入る壺は一升(いっしょうはいるつぼはいっしょう)
- 笑壺に入る(えつぼにいる)
- 思う壺に嵌まる(おもうつぼにはまる)
- 壺中の天地(こちゅうのてんち)
- 中流に船を失えば一壺も千金(ちゅうりゅうにふねをうしなえばいっこもせんきん)
- 壺に嵌まる(つぼにはまる)
- 壺を心得る(つぼをこころえる)
