「世渡り」に関連する故事・ことわざ・慣用句 — 62 件
「世渡り」に関連する故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。全62件を五十音順に掲載しています。
ことわざ一覧(五十音順)
敢えて天下の先とならず(あえててんかのさきとならず)
積極的に人の先頭に立つことを避け、控えめな姿勢を保つことで、波風を立てずに安泰な生活を送ることができるという考え方。 先頭に立つと競争や妬みなど人間関係のトラブルに巻き込まれるリスクが高まるため、あえて目立たない立場に身を置くことが賢明だとされる。 出典では「故(ゆえ)に能(よ)く器長(きちょう)を成(な)す」と続き、控えめな態度を保つことで、かえって周囲の人々を上手に導く優れた指導者になれると述べられている。
商人と屏風は直ぐには立たぬ(あきんどとびょうぶはすぐにはたたぬ)
商いをする者は、自分の理を押し通していては続かない。 頭を下げ、身をたわめたところに、はじめて客がつく。 「屏風と商人は直ぐには立たぬ」「商人と屏風は曲がらねば立たぬ」ともいう。
荒波に揉まれる(あらなみにもまれる)
世間の厳しい現実の中で、さまざまな苦労を重ねること。
いい子になる(いいこになる)
自分だけがよく思われるように、ずるく立ち回ること。
生き身に餌食(いきみにえじき)
命さえつないでいれば、口に入るものは何かしら現れてくる。 行く末を案じすぎるなという慰めのことば。
一工面、二働き(いちくめん、にはたらき)
世渡り上手は金の工面をする才覚が第一で、勤勉に働くのはその次だということ。
浮世の風(うきよのかぜ)
思うようにならない世間の風潮。
浮世渡らば豆腐で渡れ(うきよわたらばとうふでわたれ)
世渡りは、内面にやさしさと柔軟性をもち、物事のけじめはきっちりとつけよというたとえ。豆腐は外見が四角くきちんとした形だが、内は柔らかいことから。
嘘も方便(うそもほうべん)
嘘も時と場合によっては、よい結果を得る手段として必要であるということ。仏教で衆生を真の教えに導くために、仏も嘘を用いたということから。
内裸でも外錦(うちはだかでもそとにしき)
どんなに苦しくても世間体を繕わなければ世の中をうまく渡っていくことはできないというたとえ。 貧しくて家の中では裸同然の暮らしをしていても、外に出る時はきちんとした身なりをしなければならないとの意から。
大所の犬になるとも小所の犬になるな(おおどころのいぬになるともこどころのいぬになるな)
どうせ人に仕えるなら、勢力・権力のある相手の下につけというたとえ。
男は敷居を跨げば七人の敵あり(おとこはしきいをまたげばしちにんのてきあり)
一歩でも家の外へ出れば、行く先々で立ちはだかる相手がいる。 世に出て働くとは、そういう相手を抱えて進むことでもある。
尾を振る犬は叩かれず(おをふるいぬはたたかれず)
従順な人は誰からも害を加えられることはないというたとえ。尾を振ってなついてくる犬は人から叩かれないということから。
顔を繋ぐ(かおをつなぐ)
時折ひとを訪ねたり、会合に出席したりして、その人との関係を保つことのたとえ。
風に柳(かぜにやなぎ)
柳が風になびくように、巧みに受け流すこと。 「柳に風」ともいう。
川中には立てど人中には立たれず(かわなかにはたてどひとなかにはたたれず)
世渡りは難しいというたとえ。 流れが急な川の中に立つことはできても、世間に流されずに生きることは難しいとの意から。
堪忍五両、思案十両(かんにんごりょう、しあんじゅうりょう)
こらえることに五両、思案をめぐらすことに十両。腹立ちを抑えるだけでも上出来だが、その先まで見通して動けるなら値打ちはその倍になる。 金高に置き換えて、我慢どまりにせず知恵を働かせよと説いたもの。
愚を守る(ぐをまもる)
世の中をうまく渡るために、才知を隠して愚かなふりをすること。
ここばかりに日は照らぬ(ここばかりにひはてらぬ)
働き口も住む場所も、ここに限られてはいない。 今の場を離れるにあたって、行く先はいくらでもあると言い置くときにも使う。
財布の底と心の底は人に見せるな(さいふのそことこころのそこはひとにみせるな)
うまく世間を渡るためには、自分の財産や心のうちを他人に知られてはいけないということ。
座を見て皿をねぶれ(ざをみてさらをねぶれ)
その場の様子をみきわめてから、自分の出方を決めるのが利口だということ。 「ねぶる」は舐める意。 場所柄をよく考えて、ごちそうの皿を舐めるかどうか判断せよとの意から。
小異を捨てて大同につく(しょういをすててだいどうにつく)
こまかな隔たりには目をつむって、大枠でまとまれるほうへ身を寄せる。 銘々のこだわりを少しずつ引っ込め、一つの塊になることを選ぶ。
正直は阿呆の異名(しょうじきはあほうのいみょう)
融通のきかない正直は、世渡りがへたな愚か者のすることであるということ。
咳払いも男の法(せきばらいもおとこのほう)
ひとつ喉を鳴らして、そこに自分がいることを座に知らせる。芝居がかった仕草も、男が人中で身を立てていくうえでは欠かせない振る舞いとされた。
世間は張り物(せけんははりもの)
世の中には体裁よく見せかけているものが多くあるということ。また、世の中は見栄を張って渡るのが普通であるということ。 「張り物」は、木や竹の骨に紙などを張って岩などに見せかける道具のこと。 「世は張り物」「世界は張り物」ともいう。
世故に長ける(せこにたける)
世間の事情を知り尽くしていて、世渡りがうまい様子。「世故」は、世間の習慣やならわしのこと。
即かず離れず(つかずはなれず)
深く関わるわけでもなく、かといって全く関わらないわけでもない、一定の距離を保った関係。
付き合いなら家でも焼く(つきあいならいえでもやく)
人との交わりは、惜しいものを投げ出してでも保たねばならぬほど重いものだということ。また、義理立てにかまけて我が身の暮らしをおろそかにするのを戒めていう言葉。 付き合いのためなら自分の家を焼き払うことさえいとわない、という意から。
月夜に提灯も外聞(つきよにちょうちんもがいぶん)
月がこうこうと照る晩に提灯を提げて出るのは、足元のためではなく人目のためである。 役に立たないと分かっていても、世間の手前これだけは欠かせない、という事柄はあるということ。
綱渡りより世渡り(つなわたりよりよわたり)
綱渡りは大変危険な芸だが、その綱渡りより世渡りのほうが、もっと大変で難しいということ。
天道様と米の飯はどこへも付いて回る(てんとうさまとこめのめしはどこへもついてまわる)
身の置きどころが変わっても、日を浴びることと米を食うことだけは離れずについてくる。 先の当てがなくても食い扶持は絶えない、という励ましのことば。
時の花を挿頭にせよ(ときのはなをかざしにせよ)
時流に乗って世渡りすることがよいということ。 「挿頭」は髪や冠に挿す飾り花のこと。 その時季に咲く花を飾るように、その時代の風潮や傾向に合わせて暮らすべきであるということ。
所の法には矢は立たぬ(ところのほうにはやはたたぬ)
その土地の定めは、たとえ不合理と思っても、そこにいるかぎりは従うしかないということ。
渡世は八百八品(とせいははっぴゃくやしな)
「八百八」はありあまるほどの意。世の中で身を養う道は数え切れないほどあり、どれを選んで生きてもよいということ。
殿の犬には食われ損(とののいぬにはくわれぞん)
上に立つ者に連なるものから害を受けても、訴え出る先がなく、こちらが損を呑むほかないということ。殿様の犬に足を食われても、相手が相手だけに苦情の持って行き場がないことから。
長い物には巻かれろ(ながいものにはまかれろ)
力のある者には反抗せずに、おとなしくしているのが得策だということ。
泣く時は泣いて渡れ(なくときはないてわたれ)
その時々の状況や心情に応じて世間を渡って行けという教え。
憎まれっ子世に憚る(にくまれっこよにはばかる)
人から憎まれるような者にかぎって、世の中では幅をきかせているということ。 「憚る」とは幅をきかすこと。 「憎まれっ子」は「憎まれ子」ともいう。 また、「憎まれ子国にはびこる」「憎まれ子国にはだかる」「憎まれ子世に出ず」「憎まれ者世に憚る」などともいう。
抜け目がない(ぬけめがない)
自分が損をしないように要領よく振る舞う様子。
飲む者は飲んで通る(のむものはのんでとおる)
酒飲みは酒代がかかって大変だが、金が無いなら無いなりにやっていくものだということ。
呪うに死なず(のろうにしなず)
人に強く恨まれたり、呪われたりするような者ほど、案外しぶとく生き延びるものだということ。
はいに科なし(はいにとがなし)
何事も「はい」と言って従っていれば安全であるということ。
母方より食い方(ははかたよりくいかた)
親類のことを心配するよりも、自分自身の生計を立てることを考えるほうが大切であるということ。
馬鹿になる(ばかになる)
1.ねじやボルトの溝がつぶれたり、鍵の締まりが悪くなったりして、物が本来持つ機能を十分に果たせなくなること。 2.利害や体面を捨て、あえて愚かな者のように振る舞って人に合わせること。争いを避けたり、物事を円滑に進めたりするためにとる態度や手法をいう。また、刺激に慣れて感覚や判断が鈍くなることも指す。
ばつを合わせる(ばつをあわせる)
その場の状況に応じて調子を合わせること。
人と屏風は直ぐには立たぬ(ひととびょうぶはすぐにはたたぬ)
屏風は折り曲げないと立たないように、人も真っ正直なだけでは世の中を渡っていくことはできないということ。
人の踊る時は踊れ(ひとのおどるときはおどれ)
みんなが何かする時は自分も一緒にやるほうがよいということ。
二股を掛ける(ふたまたをかける)
同時に二つの目的を遂げようとすること。または、結果がどちらに転んでも良いように、両方に関係を持つこと。一方に決めず、どちらにも関与しておく態度を表す。
洞が峠を決め込む(ほらがとうげをきめこむ)
有利なほうに付こうとして、形勢をうかがうこと。 「洞が峠」は、京都府と大阪府の境にある峠の名。 筒井順慶が洞が峠から山崎の合戦の形勢をうかがい、優勢なほうに加勢しようとしたと伝えられたことから。史実に反しており、実際には撤兵して中立を保ったといわれている。
曲がらねば世が渡られぬ(まがらねばよがわたられぬ)
道理や正義だけでは世の中はうまく渡っていけない。時には自分の意を曲げて相手に合わせることも必要だということ。
水清ければ魚棲まず(みずきよければうおすまず)
水が澄みきっていると、餌も身を隠す場もなく魚は寄りつかない。人も、非の打ちどころのない生き方を通していると、周りが気詰まりを覚えてそばに集まらなくなる。
水清ければ大魚なし(みずきよければたいぎょなし)
上に立つ者が隅々まで目を光らせると、器の大きい者ほど窮屈がり、やがて席を立つ。 西域を去る班超が、後任に「細かく詮索するな」と説いた際の一句。
要領がいい(ようりょうがいい)
物事の処理の仕方がうまいこと。 また、自分に有利になるように、巧みに立ち回ること。
欲を知らねば身が立たぬ(よくをしらねばみがたたぬ)
人並みに欲望がなければ、暮らしていくことはできないということ。
誼を通じる(よしみをつうじる)
便宜を得るために、親密な関係を結ぼうと働きかけること。
寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ)
人を頼るなら、社会的に勢力がある人がよいというたとえ。 身を寄せるなら、大きな木の下が安全であることから。 「立ち寄らば大木の陰」「立ち寄らば大樹の陰」「寄らば大木の下」ともいう。
世渡りの殺生は釈迦も許す(よわたりのせっしょうはしゃかもゆるす)
生活のためならば、多少の不道徳や無慈悲な行いはやむを得ないということ。
世を渡る(よをわたる)
生計を立てて、社会の中で暮らしていくこと。
理屈を言えば腹が立つ(りくつをいえばはらがたつ)
自分の正当性を主張しても腹が立つばかりだから、理屈にこだわらず適当に妥協したほうが得策であるということ。
良禽は木を択んで棲む(りょうきんはきをえらんですむ)
賢い鳥は木を選んで巣を作るということ。賢い臣下は主君を選んで仕えるというたとえ。
両天秤を掛ける(りょうてんびんをかける)
二つの対立する事柄や立場に同時に関わり、どちらにも良い顔をしたり、有利な方に付こうとしたりして、不利にならないようにすること。
ローマにいる時はローマの人がするとおりにせよ(ろーまにいるときはろーまのひとがするとおりにせよ)
移り住んだ先には、その土地なりの決まりごとがある。よそのやり方を通そうとせず、まわりに合わせて暮らせという教え。 英語の When in Rome do as the Romans do. をそのまま日本語に置き換えた言い方。
