「ぬ」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 199 件
「ぬ」で終わる故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。
故事・ことわざ・慣用句一覧
相対のことはこちゃ知らぬ(あいたいのことはこちゃしらぬ)
当人同士が決めたことは自分には無関係だということ。鮎(あゆ)、鯛(たい)、鯒(こち)の魚の名を語呂合わせにしたことば。
相手のない喧嘩はできぬ(あいてのないけんかはできぬ)
受けて立つ者がいなければ喧嘩は成り立たないから、喧嘩を売られても相手にするなというおしえ。
青表紙を叩いた者にはかなわぬ(あおびょうしをたたいたものにはかなわぬ)
きちんと学問に励んだ者にはかなわないというたとえ。「青表紙」は青い表紙を多く用いた四書五経などの経書のこと。
商人と屏風は直ぐには立たぬ(あきんどとびょうぶはすぐにはたたぬ)
商いをする者は、自分の理を押し通していては続かない。 頭を下げ、身をたわめたところに、はじめて客がつく。 「屏風と商人は直ぐには立たぬ」「商人と屏風は曲がらねば立たぬ」ともいう。
あくちも切れぬ(あくちもきれぬ)
年が若くて世の中のことをまだ知らない者を、一人前にはほど遠いと見下した言い方。 「あくち」は、鳥のひなのくちばしの付け根に見える黄色いところや、幼い子の口もとに出るできもののこと。それがまだ取れないほど幼いということから。同じような意味の言葉に[[嘴が黄色い*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/962.php]]がある。
麻布で気が知れぬ(あざぶできがしれぬ)
「なんのつもりで、あんなまねをするのか」と、相手の考えがまるでつかめないことを、しゃれでくるんだ言い方。 江戸の町の麻布には「六本木」と呼ばれる所があったが、名のもとになりそうな六本の木はどこにも見あたらない。そこで、木のありかが知れないという「木が知れぬ」を、音の同じ「[[気が知れない*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/5797.php]]」の「気」に重ねた言葉遊びである。 ほかに、近くには目黒・白金・青山・赤坂と、色の字の入った地名が並んでいるのに「黄」だけが欠けているので、それを「黄が知れぬ」と言ったのがもとだとする見方もある。
頭の上の蠅も追われぬ(あたまのうえのはえもおわれぬ)
自分自身のことさえ満足に出来ないことのたとえ。 自分の頭にたかる蠅さえ追い払えないという意味から。
頭禿げても浮気はやまぬ(あたまはげてもうわきはやまぬ)
年をとっても色気がなくならず、浮気心はおさまらないということ。
当たらぬ蜂には刺されぬ(あたらぬはちにはさされぬ)
自分から関わらなければ、災いや危険に巻き込まれることはないというたとえ。蜂の巣を突くなどして自ら危険に近づかない限り、刺されることはないことから。
徒花に実は生らぬ(あだばなにみはならぬ)
見かけだけが立派でも、内容や実力が伴わなければ、よい成果には結びつかないということ。 「徒花」は咲いても実を結ばずに散る花で、花の美しさだけでは実りにならない意から。 「徒花」は「仇花」、「生らぬ」は「成らぬ」とも書く。 また、見かけこそ華やかであるが、実質が伴わず、期待したような良い結果が得られないことを「徒花を咲かせる」という。
あちら立てればこちらが立たぬ(あちらたてればこちらがたたぬ)
一方に良いようにすれば、他方には悪く、どちらにも都合の良いようにするのは難しいということ。
後へも先へも行かぬ(あとへもさきへもいかぬ)
引くことも進むことも出来ず、動きがとれないようす。
危ない所に登らねば熟柿は食えぬ(あぶないところにのぼらねばじゅくしはくえぬ)
大きな利益や、のぞみどおりの成果は、危険をかえりみずに挑んだ者だけが手にできるということ。 柿の実は木の高い枝になるので、落ちるかもしれない所までよじ登る者でなければ、熟して甘くなった実は味わえない。これを物事の成功に重ねている。 「熟柿」は「じゅくし」と読み、十分に熟して甘みを増し、やわらかくなった柿の実。 似た言葉に「[[虎穴に入らずんば虎子を得ず*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/3059.php]]」「[[危ない橋も一度は渡れ*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1795.php]]」、反対の意味の言葉に「[[君子危うきに近寄らず*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/996.php]]」がある。
文目も分かぬ(あやめもわかぬ)
あたりが暗くて、物の模様や色、かたちがはっきりと見て取れないこと。 物事の筋道がつかめず、よしあしを見きわめられないさまも表す。 「文目」は、織物の織り目や木の板の表面などにあらわれる模様のこと。「分かず」は、昔の言葉で「見分けられない」という意味。「文目も分かぬ」「文目も分らない」ともいう。
慌てる蟹は穴へ入れぬ(あわてるかにはあなへはいれぬ)
何事も焦ったり慌てたりすると失敗するというたとえ。 「慌てる蟹は穴の口で死ぬ」ともいう。
言うに言われぬ(いうにいわれぬ)
言葉ではうまく表現することが出来ないこと。 また、差し障りがあり、言いたくても言うことが出来ないこと。
石に布団は着せられぬ(いしにふとんはきせられぬ)
親が生きているうちに孝行すべきで、死後に悔やんでも遅いということ。 墓石に布団を着せて温めても無意味であることから。 「石」は「墓」ともいう。
痛いのは辛抱しても痒いのは辛抱できぬ(いたいのはしんぼうしてもかゆいのはしんぼうできぬ)
痛みなら歯を食いしばってこらえられても、痒みだけはこらえきれないということ。掻かずにはいられない、痒みのやりきれなさをいう。
一度死ねば二度死なぬ(いちどしねばにどしなぬ)
人間死ぬのは一度きりと、事に当たる時決死の覚悟を決めて自分自身に言い聞かせることば。
一度焼けた山は二度は焼けぬ(いちどやけたやまはにどはやけぬ)
一度災いに遭うと二度と同じ災いに遭うことはないと、災難に遭った人を慰めて言うことば。
一升徳利に二升は入らぬ(いっしょうどっくりににしょうははいらぬ)
ものには限界があり、それ以上を望んでも無理だということ。 一升入りの徳利に二升は入らないとの意から。
犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ(いぬはみっかかえばさんねんおんをわすれぬ)
犬は三日間餌をやってかわいがれば三年間恩を忘れない。犬でさえそうなのだから、人間は受けた恩を忘れてはいけないという戒めの言葉。
今に始めぬ(いまにはじめぬ)
ずっと前から見られたことで、いまになって急に生じた出来事ではないこと。 目の前で起きたことが少しもめずらしくなく、とりたてて驚くには当たらないと感じたときに使う。 古くは「今に始めぬ」という形で言った。
言わぬことは聞こえぬ(いわぬことはきこえぬ)
口をつぐんでいる限り、言いたいことは相手のなかで無かったことになる。後で行き違いにならぬよう、肝心なところはこちらから先に断っておく。
牛にも馬にも踏まれぬ(うしにもうまにもふまれぬ)
幼い子が、大きな災難にあうこともなく元気に大きくなり、やがて一人前の大人になること。 牛や馬に踏みつけられるような危ない目にも一度もあわずにすんだ、とたとえた言葉。 江戸時代の芝居のせりふにも、子が育ったことを言うのに使った例が見える。
牛の小便と親の意見は長くても効かぬ(うしのしょうべんとおやのいけんはながくてもきかぬ)
親の小言や説教は、くどくどと長く続けたところで、子の心にはちっとも響かない、ということ。 牛がする小便は、長々と出続けるわりに、畑の肥やしとしてはたいして役に立たないとされた。それと並べて、長いだけのお説教も同じく効き目に乏しいとした句である。 前半の「牛の小便」は、単独でも、だらだらと切りなく長引く物事を言い表すのに用いられる([[牛の小便*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/8906.php]])。
嘘をつかねば仏になれぬ(うそをつかねばほとけになれぬ)
嘘をつくのは本来よくないが、人を救うためなど、わけがあってつく嘘なら認められてよい、ということ。嘘をついた人が、自分のしたことは筋が通っていると言い張るために持ち出す、言い訳めいた言葉でもある。 字の上では「嘘をつかなければ仏にはなれない」と言っている。仏でさえ、迷っている人々を救い、悟りへ導くために、ときには事実でないことを語った、という考えが下敷きにある。そこから、必要な嘘ならやむをえないという理屈に結びつけて使われる。 似た考えの言葉に「[[嘘も方便*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1457.php]]」があり、逆に、嘘をつくなと教える言葉には「[[嘘つきは泥棒の始まり*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1454.php]]」がある。
打たねば鳴らぬ(うたねばならぬ)
何もしなければ何も生まれない。何事も行動しなければ成果はでないということ。
うだつが上がらぬ(うだつがあがらぬ)
逆境から抜け出せずに地位や生活がよくならないことのたとえ。 「うだつ」は梁の上に立てて棟木を支える短い柱のこと。 棟木に押さえられて頭が上がらない、出世できないとの意から。
家の中の盗人は捕まらぬ(うちのなかのぬすびとはつかまらぬ)
あまりに近くにある物事は、かえって目が行き届かず、気づかないまま見過ごしてしまう。 わが家にいるときは、だれも身構えてはいない。だから、たとえ家の者の中にどろぼうがまぎれていても、怪しいとは思わず、取り押さえられないままになるということから。 すぐそばのことほど見えにくいという点で、「[[灯台下暗し*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/2386.php]]」と意味が重なる。
