「言葉遣い」に関連する故事・ことわざ・慣用句 — 86 件
「言葉遣い」に関連する故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。全86件を五十音順に掲載しています。
ことわざ一覧(五十音順)
相槌を打つ(あいづちをうつ)
相手の話に調子を合わせて頷くこと。「相槌」は鍛冶仕事で鉄を鍛える時、相方と向かい合い交互に槌を打ち合わせること。
揚げ足を取る(あげあしをとる)
相手の言い間違いや言葉じりをとらえて、やり込めたり皮肉ったりすること。 相手のあげた足を取って倒すように、相手の失言や失敗につけ込むことから。
後から剝げる正月言葉(あとからはげるしょうがつことば)
上品ぶった言葉や、うわべだけ飾った体裁だけのお世辞は、すぐに化けの皮がはがれるということ。「正月言葉」は正月に使う体裁ぶった言葉の意で、上品ぶった使いなれない言葉のこと。
言い得て妙(いいえてみょう)
的確で巧みに言い表している。
言いたいことは明日言え(いいたいことはあすいえ)
言いたいと思ったことは、その場で口にせず一日おく。翌日になってもなお言うべきだと思えるなら、それは言ってよい言葉である。
言うに事欠いて(いうにことかいて)
他の言い方があるだろうに。また、他の話題があるだろうに。 非難の気持ちを込めて言う語。
言わぬが花(いわぬがはな)
はっきりと口に出していうより、黙っていたほうが趣があるということ。
言わぬことは聞こえぬ(いわぬことはきこえぬ)
口をつぐんでいる限り、言いたいことは相手のなかで無かったことになる。後で行き違いにならぬよう、肝心なところはこちらから先に断っておく。
言わぬは言うに勝る(いわぬはいうにまさる)
胸の底にあるものほど、言葉にしたとたんに薄くなる。何も告げずにいるさまが、かえってそのままの深さで相手に届く。 また、言葉数の多さをたしなめる側でも使われる。
意を尽くす(いをつくす)
相手に理解してもらうために、自分の考えをすべて言い表すこと。また、わかりやすく丁寧に言うこと。
売り言葉に買い言葉(うりことばにかいことば)
相手の暴言に対して、こちらも同じような調子で言い返すこと。 けんかを売る言葉に対しては、けんかを買う言葉で応じるとの意から。
江戸べらぼうに京どすえ(えどべらぼうにきょうどすえ)
言葉は使われる土地の気風を表していて、江戸では威勢がよく乱暴な「べらぼう」、京都ではやさしい「どすえ」がよく使われているということ。「べらぼう」は甚だしい、馬鹿などの意。「どすえ」は、「・・・ですよ」の意。
鰓が過ぎる(えらがすぎる)
人を顧みずに言いたいことを言う。言葉が度を越して強く、高慢な物言いになること。 「鰓」は魚のえらのことで、人のあごに見立てて、口の利き方を卑しめた言葉。
お里が知れる(おさとがしれる)
言葉遣いや立ち居振る舞いから、その人の生まれや育ちがわかるということ。 よくない意味で用いられる。
嚙んで含める(かんでふくめる)
理解できるように、細かく丁寧にわかりやすく言い聞かせること。 親が、食物を嚙み砕いて食べやすいようにしてから、子どもの口に含ませてやるとの意から。 「嚙」は「噛」とも書く。
簡にして要を得る(かんにしてようをえる)
簡単な言葉であるが、要点を正確に捉えている。
聞き上手の話し下手(ききじょうずのはなしべた)
人の話を上手に聞く人は、自分が人に話すのは下手だということ。
聞き上手は話し上手(ききじょうずははなしじょうず)
耳を傾ける側に回れる人は、いざ自分が語る番になっても言葉に詰まらない。 相手の求めているものを掴んでいるから、話す中身も的を外さない。
雉も鳴かずば撃たれまい(きじもなかずばうたれまい)
黙っていれば見過ごされたものを、ひと言もらしたばかりに目を付けられる。 言わずに済むことは言わずにおくほうが身のためである。
京の夢、大阪の夢(きょうのゆめ、おおさかのゆめ)
京都の夢がふっと大阪に変わるように夢はとりとめのないものだということ。また、夢では大阪のことも京都のこともたやすく見られるように、夢でなら様々な願望が叶うものだということ。 夢の話や夢のような話をする前に唱える言葉。江戸いろはがるたの最後の句。
京へ筑紫に坂東さ(きょうへつくしにばんどうさ)
方向を示す助詞を京都では「へ」、九州では「に」、関東では「さ」を用いるように、地方によって方言に特徴があるということ。
食うことは今日食い、言うことは明日言え(くうことはきょうくい、いうことはあすいえ)
食べ物は早く食べたほうがおいしく味わえるが、ものを言うのはよく考えてからのほうが賢明だということ。
口が過ぎる(くちがすぎる)
相手に対して、言わなくてもいいことや失礼なことを言うことのたとえ。 「言葉が過ぎる」ともいう。
口が回る(くちがまわる)
滞ることなく滑らかに喋ること。 または、話が巧みであること。 「舌が回る」ともいう。
口が悪い(くちがわるい)
人の心を傷つけるようなことを平気でいう様子。
口に年貢はかからない(くちにねんぐはかからない)
言うだけなら元手も代償もいらない。だから人は好きなように言い立てる。 年貢は田畑にかかる租税。舌の上を通るものに取り立ては及ばない。
口には関所がない(くちにはせきしょがない)
人の口から出る言葉をさまたげる関所はない。だから何を言っても自由だというたとえ。
口の虎は身を破る(くちのとらはみをやぶる)
口から出た一言が虎となって、言った本人に牙を剝く。物言いは控えめにという戒め。
口は虎、舌は剣(くちはとら、したはつるぎ)
ものの言いようひとつで人を噛み、自分をも斬るということ。 口は虎、舌は剣と並べて、言葉の荒々しさと鋭さを二つに分けて示した言い方。放てば相手に食いつき、返す刃で自分を傷つける。
口は災いの元(くちはわざわいのもと)
何気なく漏らした一言が、あとを引く揉め事の火種になる。 言わずもがなの一言を呑み込めるか否かが、身の安泰の分かれ目になる。
君子は言に訥にして行いに敏ならんと欲す(くんしはげんにとつにしておこないにびんならんとほっす)
立派な人は、ものを言うのは鈍く、事を行うのは早くありたいと願う。 「訥」は口ごもってすらすら言えないさま、「敏」は素早いこと。孔子は言葉が行いに先立つことを嫌い、順序は逆であれと説いた。
賢者は長い耳と短い舌を持つ(けんじゃはながいみみとみじかいしたをもつ)
物のわかった人は、耳を大きく持ち、舌は小さく持つ。人の話は残らず受け取るが、こちらから並べる言葉は切り詰める。英語の言い回しを日本語に移した言い方。
言言、肺腑を衝く(げんげん、はいふをつく)
一語一語に誠意がこもっていて説得力があり、聞く人を深く感動させること。 「肺腑」は、心の底。 一つ一つの言葉が、聞く人の心に響くとの意から。 「衝く」は「突く」とも書く。
言近くして指遠し(げんちかくしてむねとおし)
口にする言葉は手近でやさしいのに、そこが指し示す先は遠く広い。良い物言いとはそういうものだ。「指」は旨に同じで、言わんとする中身のことをいう。
言は簡を尊ぶ(げんはかんをたっとぶ)
話は無駄がなく、要領よく簡潔に話すのが大切だということ。
古人の糟魄(こじんのそうはく)
いにしえの人の書き残しを読んでも、手に入るのは肝心の中身が抜けたあとの殻でしかない。 車輪を削る職人が、手の勘は言葉にして子にも渡せないと言い、書物に残っているのは道の抜け殻だと主君に説いた話から。 「糟魄」は、酒を醸したあとに残るもの。「糟粕」とも書く。
言葉の綾(ことばのあや)
言葉を飾って、じょうずに言い表すこと。 解釈の仕方によって、いろいろな意味に受け取れる微妙な表現。 「綾」は美しい織物の模様。 発言が誤解を招いた際の弁明として用いられることが多い。
言葉は国の手形(ことばはくにのてがた)
言葉のなまりは通行手形のように、その人の生まれ育った場所を示すということ。 「訛りは国の手形」「方言は国の手形」ともいう。
言葉は心の使い(ことばはこころのつかい)
心に思っていることは、自然に言葉に表れるということ。
言葉は身の文(ことばはみのあや)
口をついて出る言い回しは、その身にまとった織り目にあたる。どれほどの人間かは、そこに透けて見える。「文」は、地の上に浮き出た筋目のこと。
言葉を飾る(ことばをかざる)
美しいことばで巧みに言い表すこと。また、きれいごとを言うこと。
言葉を尽くす(ことばをつくす)
聞く人が理解できるように、思いつくかぎりの言葉を使って詳しく話すこと。
事を分ける(ことをわける)
聞く人が理解できるように、筋道をたてて丁寧に説明すること。
三寸の舌に五尺の身を亡ぼす(さんずんのしたにごしゃくのみをほろぼす)
口を滑らせた一言が跳ね返り、築き上げた地位も暮らし向きも根こそぎ奪ってしまう。
座右の銘(ざゆうのめい)
常に自分のそばに書き記しておいて心に留め、戒めとする言葉。「座右」は、身近の意。
舌三寸に胸三寸(したさんずんにむねさんずん)
口から出るわずかな言い回しと、ふと浮かんだ思案。その二つが物事の行方を決めてしまうのだから、どちらも粗略に扱ってはならない。
舌の剣は命を絶つ(したのつるぎはいのちをたつ)
舌は刃物と同じで、そこから放たれた一言が人の命さえ奪いかねないということ。 刃を交えずに人を倒してしまうものだけに、口の利きようには重々気を配らねばならない。
舌の根の乾かぬうち(したのねのかわかぬうち)
さっき口にした内容とは逆の言動が、間を置かずに出てくる。言い終えた直後だという短さそのものを突いて咎める言い方。
舌は禍の根(したはわざわいのね)
わざわいの根をたどっていけば、多くは自分の口から出た一言に行き着くということ。 舌はその根の生えている場所なのだから、うかつに動かすなという戒め。
駟も舌に及ばず(しもしたにおよばず)
失言は取り返しがつかないから、言葉には十分気をつけよということ。 「駟」は四頭立ての馬車。 一度口にした言葉は、四頭立ての速い馬車で追っても追いつけないという意味から。 「駟馬も追う能わず(しばもおうあたわず)」ともいう。
爾汝の交わり(じじょのまじわり)
きわめて親密な交わりのたとえ。「爾汝」は、お前・貴様の意。相手をお前・貴様と遠慮なく呼び合うような親しい交際の意から。
冗談にも程がある(じょうだんにもほどがある)
冗談にも程度があり、度が過ぎてはいけないということ。
寸鉄人を刺す(すんてつひとをさす)
短く鋭い言葉で、相手の急所を突くたとえ。 「寸鉄」は、小さな刃物。転じて、短くて深い意味のある言葉。 「寸鉄人を殺す」ともいう。
俗耳に入り易い(ぞくじにはいりやすい)
込み入ったところがなく、誰の耳にもすっと通る。 裏返せば、玄人の目には薄手に映るという評にもなる。 「俗耳」は世間なみの耳。
調子を下げる(ちょうしをさげる)
聞き手に合わせて、ふだんより易しい話し方や中身に切り替える。 受けを取りたいばかりに水準を落とすときにも用いる。
ちょっとした(ちょっとした)
ことさら騒ぐほどではない、と前置きするときに添える語。 裏返して、侮れない出来だと持ち上げる側にも回る。
唐紙、唐紙、仮名で書け(とうし、からかみ、かなでかけ)
「唐紙」を「とうし」と読めば書画用の紙、「からかみ」と読めば襖(ふすま)のこと。このように読み方で意味の変わることばは仮名で書いたほうがよいということ。
唐人の寝言(とうじんのねごと)
何を言っているのかわからない言葉のたとえ。また、くどくどと筋の通らないことのたとえ。 「唐人」は中国人、外国人のこと。 ただでさえ言葉の違う外国人の寝言はまったくわけがわからないとの意から。
十のことは十に言え(とおのことはとおにいえ)
物事を理解してもらうためには、過不足なく、順序立てて正確に話さなければいけないということ。
長崎ばってん、江戸べらぼう、神戸兵庫のなんぞいや、ついでに丹波のいも訛(ながさきばってん、えどべらぼう、こうべひょうごのなんぞいや、ついでにたんばのいもなまり)
各地の方言の特徴をとらえて語調よくいったことば。
何分にも(なにぶんにも)
ほかにどう見ようとこの一点だけは動かない、と念を押すときに前へ置く語。 また、こちらの事情をくんで手加減してほしいと頼むときにも添える。
二枚舌を使う(にまいじたをつかう)
矛盾したことを言うこと。また、嘘をつくこと。
始めを言わねば末が聞こえぬ(はじめをいわねばすえがきこえぬ)
話は順序立てて始めからきちんと話さなければ、何故そうなったのか理解できないということ。
話上手の聞き下手(はなしじょうずのききべた)
話し手として達者な人ほど、自分の番が長くなって相手の言い分を取りこぼす。 口が回るぶん、耳のほうは留守になりやすい。
話し上手の口下手(はなしじょうずのくちべた)
立て板に水とはいかないのに、言いたいところだけは相手の胸に落ちる人。 舌の回り方と、中身の届き方とは、必ずしも一致しない。
話し上手の仕事下手(はなしじょうずのしごとべた)
口では誰よりも段取りを並べるのに、手を動かす段になると形にならない。 並べた言葉と出来上がりの差を、冷やかし半分で突く言い方。
話上手は聞き上手(はなしじょうずはききじょうず)
口の達者な人は、相手が話す番になっても、その言い分をきちんと受け止められる。 出す側と受ける側の両方が回って、はじめて会話が続く。
話は下で果てる(はなしはしもではてる)
雑談は、話をしているうちにだんだんと下品になっていき、最後は性に関する話になっておしまいになるということ。
針を含む(はりをふくむ)
言動に相手を傷つけようとする意図が感じられる様子。
一口に言う(ひとくちにいう)
短い言葉で伝えること。手短に言うこと。
一言多い(ひとことおおい)
言う必要のない余計な事を言うこと。
平たく言えば(ひらたくいえば)
分かりやすく言うと。 簡単な言葉に置き換える時に使う言葉。
弁が立つ(べんがたつ)
聞いている人を引き付けたり、納得させたりすることがうまいこと。弁舌が巧みであること。
頬を顔(ほおをかお)
言い方を替えたところで、指しているものは一つきり。呼び名が二つに分かれても、中身まで二つに分かれはしない。
丸い卵も切りようで四角(まるいたまごもきりようでしかく)
物事は話し方、やり方しだいで円満にいくこともあれば、角が立つこともあるというたとえ。丸い卵も切り方によっては四角になるということから。「ものも言いようで角が立つ」と続けてもいう。
名状しがたい(めいじょうしがたい)
その有り様を言葉にしようとしても、うまく形にできないこと。
目は口ほどに物を言う(めはくちほどにものをいう)
目の表情だけでも、口で話すのと同じくらい、相手に気持ちを伝えることができるということ。
物言えば唇寒し秋の風(ものいえばくちびるさむしあきのかぜ)
余計なことを言うと、思いがけない災難を招くということ。松尾芭蕉の句。
物は言いなし事は聞きなし(ものはいいなしことはききなし)
ものは言い方によって、相手に良くも悪くも受け取られる。また、聞き手の聞き方次第で受け取る感じも違ってくるということ。
物は言い残せ、菜は食い残せ(ものはいいのこせ、さいはくいのこせ)
言葉と食事は少し控えめな方がよいということ。 言葉は言いすぎてしまうことがあるので思ったことを全部言い尽くさないほうがよく、食事はおかずを少し残すくらいのほうが品がよいとの意から。
物は言いよう(ものはいいよう)
ものは言い方次第で、相手に良くも悪くも受け取られるということ。
物は祝いがら(ものはいわいがら)
縁起が悪いとされていることでも、やり方や言い方を変えれば、めでたく祝えるようになるということ。
物も言いようで角が立つ(ものもいいようでかどがたつ)
ものは言い方ひとつで相手の感情をそこなうことがあるから、言葉遣いに気をつけたほうがいいということ。
雄弁は銀、沈黙は金(ゆうべんはぎん、ちんもくはきん)
一生懸命に力をつくして述べることにも価値があるが、黙っているほうがさらに有益な場合があるということ。 雄弁は銀の価値、沈黙は金の価値であるという意。 「沈黙は金、雄弁は銀」ともいう。
横板に雨垂れ(よこいたにあまだれ)
詰まりながら話すことのたとえ。 「立て板に水」をもじった言葉。
綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)
いったん流れ出た汗が肌へ戻ることはない。上に立つ者が口にした言葉もこれと同じで、あとで引き取ることはかなわない。
