一を以て万を知る
ことわざ「一を以て万を知る」の意味・読み方・異形などを解説します。
一を以て万を知る
いちをもってばんをしる
| 言葉 | 一を以て万を知る |
|---|---|
| 読み方 | いちをもってばんをしる |
| 意味 | 手近にある一つの事柄をよく見て、そこから物事の全体がどうなっているかを見当づけること。ごくわずかな手がかりで全体をつかみとるほど物わかりが早く、見抜く目の確かな人を評しても使う。
中国の思想家荀子の言葉。荀子は、大昔の聖王の道を知るには、その跡がくっきり残る近い時代の王を手本にすればよいと説き、千年の昔を知りたければ今日をよく数え、限りなく多くのものを知りたければ一つ二つを詳しく調べよ、と述べた。その締めくくりに、近いものから遠いものを、小さな兆しから明らかなものを知る、という句と並べてこの言葉を置いている。 似た意味を持つ言葉として一を聞いて十を知るがあり、国語辞典にはこれと同じ意味とするものもある。ただし、そちらは『論語』に由来し、出どころが別である。逆に、一部だけを見て全体を決めつける浅はかさをいう言葉に一斑を見て全豹を卜すがある。 「一を以て万を察す」ともいう。読みを「いちをもってまんをしる」とする本もある。 |
| 例文 | 新しい先生は、生徒の答え方を一度聞いただけで、どこでつまずいているのかを見抜いた。まさに一を以て万を知るだ。 |
| 出典 | 『荀子』非相 |
| 異形 | 一を以て万を察す(いちをもってばんをさっす) |
| 場面 | 理解力がある / 本質を見抜く |
| 使用漢字 | 一 / 以 / 万 / 知 / 察 |
「一」を含むことわざ
- 悪は一旦の事なり(あくはいったんのことなり)
- 欠伸を一緒にすれば三日従兄弟(あくびをいっしょにすればみっかいとこ)
- 朝顔の花一時(あさがおのはなひととき)
- 朝の一時は晩の二時に当たる(あさのひとときはばんのふたときにあたる)
- 薊の花も一盛り(あざみのはなもひとさかり)
- あの世の千日、この世の一日(あのよのせんにち、このよのいちにち)
- 危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)
- 蟻の一穴(ありのいっけつ)
- 粟一粒は汗一粒(あわひとつぶはあせひとつぶ)
- 板子一枚下は地獄(いたごいちまいしたはじごく)
「以」を含むことわざ
- 悪の小なるを以て之を為すなかれ(あくのしょうなるをもってこれをなすなかれ)
- 油を以って油煙を落とす(あぶらをもってゆえんをおとす)
- 一言以て之を蔽う(いちげんもってこれをおおう)
- 一簣を以て江河を障う(いっきをもってこうがをささう)
- 佚を以って労を待つ(いつをもってろうをまつ)
- 夷を以て夷を制す(いをもっていをせいす)
- 怨みに報ゆるに徳を以てす(うらみにむくゆるにとくをもってす)
- 己を以て人を量る(おのれをもってひとをはかる)
- 恩を以て怨みに報ず(おんをもってうらみにほうず)
- 君君たらずと雖も臣以て臣たらざるべからず(きみきみたらずといえどもしんもってしんたらざるべからず)
「万」を含むことわざ
- 足を万里の流れに濯う(あしをばんりのながれにあらう)
- 一事が万事(いちじがばんじ)
- 一人虚を伝うれば万人実を伝う(いちにんきょをつたうればばんにんじつをつたう)
- 一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
- 一天万乗の君(いってんばんじょうのきみ)
- 一波纔かに動いて万波随う(いっぱわずかにうごいてまんぱしたがう)
- 一夫関に当たれば万夫も開くなし(いっぷかんにあたればばんぷもひらくなし)
- 家書万金に抵る(かしょばんきんにあたる)
- 風邪は万病のもと(かぜはまんびょうのもと)
- 食後の一睡、万病丹(しょくごのいっすい、まんびょうたん)
「知」を含むことわざ
- 愛してその悪を知り、憎みてその善を知る(あいしてそのあくをしり、にくみてそのぜんをしる)
- 相対のことはこちゃ知らぬ(あいたいのことはこちゃしらぬ)
- 麻布で気が知れぬ(あざぶできがしれぬ)
- 足を知らずして履を為る(あしをしらずしてくつをつくる)
- 明日知らぬ世(あすしらぬよ)
- 明日をも知れぬ身(あすをもしれぬみ)
- 過ちを観て仁を知る(あやまちをみてじんをしる)
- 息の臭きは主知らず(いきのくさきはぬししらず)
- いざ知らず(いざしらず)
- 衣食足りて礼節を知る(いしょくたりてれいせつをしる)
「察」を含むことわざ
- 一を以て万を察す(いちをもってばんをさっす)
- 察しがいい(さっしがいい)
- 察しが付く(さっしがつく)
