悪の小なるを以て之を為すなかれ
ことわざ「悪の小なるを以て之を為すなかれ」の意味・読み方・異形などを解説します。
悪の小なるを以て之を為すなかれ
あくのしょうなるをもってこれをなすなかれ
| 言葉 | 悪の小なるを以て之を為すなかれ |
|---|---|
| 読み方 | あくのしょうなるをもってこれをなすなかれ |
| 意味 | 「これくらいの悪なら大したことはない」と軽く考えて、悪いおこないに手を出すなという意味。小さな悪でもくり返せば積み重なり、やがて大きな悪につながるので、ささいなことから気を引きしめよという戒めである。
中国の三国時代に蜀を建てた劉備が、死の間際に、跡を継ぐ劉禅に書き残した言葉の一節。このあとに「善の小なるを以て為さざるなかれ」(よいおこないは、小さくても進んでせよ)と、対になる教えが続く。 |
| 例文 | 「一回くらいならいいだろう」と信号を無視しかけたが、悪の小なるを以て之を為すなかれと思い直して足を止めた。 |
| 出典 | 『三国志』蜀書・先主伝・注 |
| 異形 | 悪、小なりとて為す勿かれ(あく、しょうなりとてなすなかれ) |
| 悪、小なるを以て之を為すこと勿れ(あく、しょうなるをもってこれをなすことなかれ) | |
| 場面 | 戒めの言葉 / 悪い行い |
| 使用漢字 | 悪 / 小 / 以 / 之 / 為 / 勿 |
「悪」を含むことわざ
- 愛してその悪を知り、憎みてその善を知る(あいしてそのあくをしり、にくみてそのぜんをしる)
- 相性が悪い(あいしょうがわるい)
- 愛は憎悪の始め(あいはぞうおのはじめ)
- 悪縁契り深し(あくえんちぎりふかし)
- 悪妻は六十年の不作(あくさいはろくじゅうねんのふさく)
- 悪事千里を走る(あくじせんりをはしる)
- 悪事身に返る(あくじみにかえる)
- 悪獣もなおその類を思う(あくじゅうもなおそのるいをおもう)
- 悪女の賢者ぶり(あくじょのけんじゃぶり)
- 悪女の深情け(あくじょのふかなさけ)
「小」を含むことわざ
- 愛想も小想も尽き果てる(あいそもこそもつきはてる)
- 愛は小出しにせよ(あいはこだしにせよ)
- 戴く物は夏も小袖(いただくものはなつもこそで)
- 炒り豆と小娘はそばにあると手が出る(いりまめとこむすめはそばにあるとてがでる)
- 因果の小車(いんがのおぐるま)
- 鵜川の小鮎(うかわのこあゆ)
- 浮世は牛の小車(うきよはうしのおぐるま)
- 旨い物は小人数(うまいものはこにんずう)
- 大嘘はつくとも小嘘はつくな(おおうそはつくともこうそはつくな)
- 大木の下に小木育たず(おおきのしたにおぎそだたず)
「以」を含むことわざ
- 油を以って油煙を落とす(あぶらをもってゆえんをおとす)
- 佚を以って労を待つ(いつをもってろうをまつ)
- 夷を以て夷を制す(いをもっていをせいす)
- 怨みに報ゆるに徳を以てす(うらみにむくゆるにとくをもってす)
- 己を以て人を量る(おのれをもってひとをはかる)
- 恩を以て怨みに報ず(おんをもってうらみにほうず)
- 君君たらずと雖も臣以て臣たらざるべからず(きみきみたらずといえどもしんもってしんたらざるべからず)
- 牛刀を以て鶏を割く(ぎゅうとうをもってにわとりをさく)
- 楔を以て楔を抜く(くさびをもってくさびをぬく)
- 管を以て天を窺う(くだをもっててんをうかがう)
「之」を含むことわざ
- 一日之を暴めて十日之を寒す(いちにちこれをあたためてとおかこれをひやす)
- 遅かりし由良之助(おそかりしゆらのすけ)
- 合点承知之助(がってんしょうちのすけ)
- 之繞を掛ける(しんにゅうをかける)
- 楚人弓を遺れて楚人之を得(そひとゆみをわすれてそひとこれをう)
- 民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず(たみはこれによらしむべし、これをしらしむべからず)
- 断じて行えば鬼神も之を避く(だんじておこなえばきしんもこれをさく)
- 尤めて之に効う(とがめてこれにならう)
- 人必ず自ら侮りて然る後に人之を侮る(ひとかならずみずからあなどりてしかるのちにひとこれをあなどる)
- 誠は天の道なり、之を誠にするは人の道なり(まことはてんのみちなり、これをまことにするはひとのみちなり)
「為」を含むことわざ
- 足を知らずして履を為る(あしをしらずしてくつをつくる)
- 入るを量りて出ずるを為す(いるをはかりていずるをなす)
- 有為転変は世の習い(ういてんぺんはよのならい)
- お為ごかし(おためごかし)
- 女は己を説ぶ者の為に容づくる(おんなはおのれをよろこぶもののためにかたちづくる)
- 義を見て為ざるは勇無きなり(ぎをみてせざるはゆうなきなり)
- 鶏口と為るも牛後と為る勿れ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)
- 材、大なれば用を為し難し(ざい、だいなればようをなしがたし)
- 士は己を知る者の為に死す(しはおのれをしるもののためにしす)
- 知らざるを知らずと為せ、是れ知るなり(しらざるをしらずとなせ、これしるなり)
