江南の橘、江北の枳となる
ことわざ「江南の橘、江北の枳となる」の意味・読み方・異形などを解説します。
江南の橘、江北の枳となる
こうなんのたちばな、こうほくのからたちとなる
| 言葉 | 江南の橘、江北の枳となる |
|---|---|
| 読み方 | こうなんのたちばな、こうほくのからたちとなる |
| 意味 | 人の性質や行いは、住む土地や身を置くまわりの様子しだいで、がらりと変わるというたとえ。
「江南」は中国の長江(揚子江)より南の地方、「江北」はその北の地方。南の地方の橘(ミカンの仲間の木)も、北の地方へ移して植えると、とげだらけの枳(カラタチ)という木になると、昔の中国では言い伝えられていた。 『韓詩外伝』巻十に、もとになった話が見える。斉の大臣だった晏子が使いとして楚の国を訪れたとき、楚の王は晏子をやりこめようと、縄で縛った男を役人に引かせて目の前を通らせ、「盗みぐせのある斉の者です」と言わせた。晏子は、橘が江北で枳に変わるのは土地がそうさせるからで、この男も斉にいたころは身なりを正して清く暮らしていたのだから、楚で盗みに手を染めたとすれば、それはこの土地のせいではないか、と切り返したとされる。 『晏子春秋』や『説苑』にもほぼ同じ話があり、『晏子春秋』では、川が長江でなく淮水(淮河)になっている。 土地ごとの違いをいう言葉に「所変われば品変わる」がある。この橘と枳の話を四字に縮めた熟語に「南橘北枳」がある。 |
| 例文 | 都会に出てから言葉づかいまで乱暴になった兄に、祖母は「まさに江南の橘、江北の枳となるだね」とあきれていた。 |
| 出典 | 『韓詩外伝』巻十 |
| 異形 | 江南の橘、江北に植えれば枳となる(こうなんのたちばな、こうほくにうえればからたちとなる) |
| 江南の橘化して枳と為る(こうなんのたちばなかしてからたちとなる) | |
| 淮南の橘淮北に移されて枳となる(わいなんのたちばなわいほくにうつされてからたちとなる) | |
| 江南の橘、江北に移されて枳となる(こうなんのたちばな、こうほくにうつされてからたちとなる) | |
| 場面 | 変化する / 木 |
| 使用漢字 | 江 / 南 / 橘 / 北 / 枳 / 植 / 化 / 為 / 淮 / 移 |
「江」を含むことわざ
- 一簣を以て江河を障う(いっきをもってこうがをささう)
- 魚は江湖に相忘る(うおはこうこにあいわする)
- 江戸中の白壁は皆旦那(えどじゅうのしらかべはみなだんな)
- 江戸っ子の往き大名帰り乞食(えどっこのゆきだいみょうかえりこじき)
- 江戸っ子は五月の鯉の吹き流し(えどっこはさつきのこいのふきながし)
- 江戸っ子は宵越しの銭は持たぬ(えどっこはよいごしのぜにはもたぬ)
- 江戸の敵を長崎で討つ(えどのかたきをながさきでうつ)
- 江戸は諸国の入り込み(えどはしょこくのいりごみ)
- 江戸は八百八町、大坂は八百八橋(えどははっぴゃくやちょう、おおさかははっぴゃくやばし)
- 江戸べらぼうに京どすえ(えどべらぼうにきょうどすえ)
「南」を含むことわざ
- 越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く(えっちょうなんしにすくい、こばほくふうにいななく)
- 南瓜に目鼻(かぼちゃにめはな)
- 北に近ければ南に遠い(きたにちかければみなみにとおい)
- 西瓜は土で作れ南瓜は手で作れ(すいかはつちでつくれかぼちゃはてでつくれ)
- 東西南北の人(とうざいなんぼくのひと)
- 斗南の一人(となんのいちにん)
- 図南の翼(となんのつばさ)
- 南柯の夢(なんかのゆめ)
- 南山の寿(なんざんのじゅ)
- 南風競わず(なんぷうきそわず)
「橘」を含むことわざ
- 橘中の楽しみ(きっちゅうのたのしみ)
- 江南の橘、江北の枳となる(こうなんのたちばな、こうほくのからたちとなる)
「北」を含むことわざ
- 越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く(えっちょうなんしにすくい、こばほくふうにいななく)
- 北に近ければ南に遠い(きたにちかければみなみにとおい)
- 北枕(きたまくら)
- 泰山北斗のごとし(たいざんほくとのごとし)
- 太山を挟んで北海を超ゆ(たいざんをわきばさんでほっかいをこゆ)
- 東西南北の人(とうざいなんぼくのひと)
- 北国の雷(ほっこくのかみなり)
「枳」を含むことわざ
- 枳棘は鸞鳳の棲む所に非ず(ききょくはらんぽうのすむところにあらず)
- 江南の橘、江北の枳となる(こうなんのたちばな、こうほくのからたちとなる)
「植」を含むことわざ
- 植木屋の庭できが多い(うえきやのにわできがおおい)
- 紅は園生に植えても隠れなし(くれないはそのうにうえてもかくれなし)
- 江南の橘、江北に植えれば枳となる(こうなんのたちばな、こうほくにうえればからたちとなる)
「化」を含むことわざ
- 一髪、二化粧、三衣装(いちかみ、にけしょう、さんいしょう)
- 鬼瓦にも化粧(おにがわらにもけしょう)
- 化して春泥と作り、更に花を護らん(かしてしゅんでいとなり、さらにはなをまもらん)
- 狐と狸の化かし合い(きつねとたぬきのばかしあい)
- 狐七化け、狸は八化け(きつねななばけ、たぬきはやばけ)
- 気の利いた化け物は引っ込む時分(きのきいたばけものはひっこむじぶん)
- 下戸と化け物はない(げことばけものはない)
- 今度と化け物には行き会った事がない(こんどとばけものにはいきあったことがない)
- 時雨の化(じうのか)
- 狸が人に化かされる(たぬきがひとにばかされる)
「為」を含むことわざ
- 悪の小なるを以て之を為すなかれ(あくのしょうなるをもってこれをなすなかれ)
- 足を知らずして履を為る(あしをしらずしてくつをつくる)
- 入るを量りて出ずるを為す(いるをはかりていずるをなす)
- 有為転変は世の習い(ういてんぺんはよのならい)
- お為ごかし(おためごかし)
- 女は己を説ぶ者の為に容づくる(おんなはおのれをよろこぶもののためにかたちづくる)
- 気の所為(きのせい)
- 義を見て為ざるは勇無きなり(ぎをみてせざるはゆうなきなり)
- 鶏口と為るも牛後と為る勿れ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)
- 材、大なれば用を為し難し(ざい、だいなればようをなしがたし)
「淮」を含むことわざ
- 淮南の橘淮北に移されて枳となる(わいなんのたちばなわいほくにうつされてからたちとなる)
