「猿」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 22 件
「猿」を含む漢字が使われている故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。
故事・ことわざ・慣用句一覧
一日猿楽に鼻を欠く(いちにちさるがくにはなをかく)
ちょっとした楽しみに手を出したばかりに、大きな痛手を負うたとえ。得られるものに比べて、失うもののほうがはるかに大きいことをいう。 「猿楽」は能楽の古い呼び名。一日だけ猿楽の催しを開いたら、たいへんな費用がかかり、やりくりに苦しんだという意味とする説と、猿楽を一日だけ習ってみたら、顔の真ん中にある大事な鼻をけがしたという意味とする説がある。 「鼻を欠く」だけでも、手ひどい損をする、多くを失うという意で用いる。
猿猴が月を取る(えんこうがつきをとる)
自分の能力をわきまえず、欲張ったまねをして失敗することのたとえ。 猿が水に映った月を取ろうとしたとき、枝が折れ水に落ちて溺れ死んだという故事から。 「猿猴が月」「水の月取る猿」「月の影取る猿」ともいう。
猿臂を伸ばす(えんぴをのばす)
遠くの物へ、ぐいと腕を伸ばして届かせること。手近には届かないものを、身を乗り出してつかみにいくさまをいう。 「猿臂」は猿を思わせる、長くしなやかな腕。
木から落ちた猿(きからおちたさる)
頼みとするものを失って、途方にくれている状態のたとえ。
九百九十九匹の鼻欠け猿、満足な一匹の猿を笑う(くひゃくくじゅうくひきのはなかけざる、まんぞくないっぴきのさるをわらう)
愚かな者が大勢そろうと、正しい行いをする少数の者が、逆に笑われ、その正しさまで数の力に押しつぶされるということ。また、欠点の同じ者どうしが多く集まると、自分たちのその欠点を欠点とも思わなくなることも表す。 昔、インドのある山にそびえる大きな木に、千匹の猿がすんでいた。そのうちの九百九十九匹には鼻が欠けていて、ただ一匹だけ鼻のある猿を「おれたちと違う」とばかにし、仲間に入れようとしなかった。『今昔物語集』に収められたこの話が、言葉の起こりとなった。 自分の弱点を知らないまま他人をあざ笑うところは、[[猿の尻笑い*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1737.php]]に通じる。
毛のない猿(けのないさる)
人情や良心がない人のたとえ。 体に毛がないことだけが、猿との違いだとの意から。 「毛のない犬」ともいう。
犬猿の仲(けんえんのなか)
仲の悪い関係のたとえ。 単に「犬猿」、また「犬と猿」ともいう。
犬猿も啻ならず(けんえんもただならず)
犬と猿の仲の悪さでさえ及ばないくらい、互いの仲がひどく悪いこと。 「啻(ただ)ならず」は、「ただ…というだけにとどまらない」の意。昔から仲の悪い組み合わせの例に挙げられる犬と猿の間柄を、さらに上回るほどこじれているのを表す。 「犬猿も啻ならぬ」の形にして、うしろの名詞を説明する使い方もある。[[犬猿の仲*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1846.php]]を、いっそう強めた表現。
猿が仏を笑う(さるがほとけをわらう)
猿が仏の姿をありがたがりもせず笑うように、思慮の乏しい者は、はるかに及ばぬ相手の大きさを量りかね、かえって鼻で笑ってしまうものだ。
猿知恵(さるぢえ)
一見利口に見えるが、実はあさはかな知恵。猿が持っている程度の知恵という意から。
猿に烏帽子(さるにえぼし)
外見だけ装って、実質の伴わないことのたとえ。また、ふさわしくないことをするたとえ。 猿に烏帽子をかぶせても似合わないことから。
猿に絵馬(さるにえま)
並べるといかにもしっくりくる、相性のよい組み合わせのたとえ。絵馬には、猿と馬をいっしょに描いたものが昔から多く見られることから出た言葉。 古くから猿は馬小屋を守る生き物だと信じられ、農家では、馬小屋に「申(さる)」の一字を記した紙をはっておく風習もあった。正月に行われた、馬の無事を祈る「うまや祭り」では、猿が馬の手綱(たづな)を引く姿の絵馬やお札が使われた。 同じように、よく似合う組み合わせをいう言葉に「[[梅に鶯*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/2316.php]]」「[[牡丹に唐獅子、竹に虎*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/4365.php]]」がある。一方、字面の近い「[[猿に烏帽子*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1735.php]]」は、柄にもない、不釣り合いなふるまいを指す句で、意味がまるで逆になる。
猿に木登り(さるにきのぼり)
その事を、よく知っている相手にわざわざ教えること。無駄なことをするたとえ。
猿の尻笑い(さるのしりわらい)
自分の欠点に気づかず、他人の欠点を嘲笑することのたとえ。 猿が自分の尻が赤いことに気付かずに、他の猿の尻を見て笑うことから。
猿の水練、魚の木登り(さるのすいれん、うおのきのぼり)
見当違いのことをするたとえ。
猿の空虱(さるのそらじらみ)
いかにも用事や仕事を抱えているように見せかけながら、実のところは何ひとつ片づけずにいる人や、そのさまのたとえ。 猿は、毛をかき分けて虱(しらみ)を探しているような手つきをよく見せるが、昔の人はそれを、何もつまみ出せていない見せかけのしぐさだと見た。そこから出た句で、「空(そら)」は「空泣き」「空寝」の「空」と同じく、うわべだけで中身がともなわない意味を表す。 「[[油を売る*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1461.php]]」は仕事を放り出してむだ話にふけることだが、こちらは、忙しそうな格好だけはきちんと整えているところをからかう句である。
猿の人真似(さるのひとまね)
猿のようによく考えもしないで、人の真似をすることをあざけっていう言葉。
猿は人間に毛が三筋足らぬ(さるはにんげんにけがみすじたらぬ)
猿は利口で人間にきわめて近い動物だが、人間に知恵が及ばないのは毛が三本足りないからだということ。 また、「毛が三本」ではなく、「見分け(判断・配慮する力)」「情け(思いやる心)」「やりとげ(物事をやり遂げる力)」の三つ、または「色気」「情け」「洒落っ気」の三つが足りないとする説もある。 「三筋」ではなく「三本」ともいう。
猿も木から落ちる(さるもきからおちる)
その道の達人でも、たまには失敗することもあるということ。 木登りが得意な猿でも、ときには誤って落ちることもあるとの意から。
尻焼け猿(しりやけざる)
せかせかとして一つの所にいつまでも居られない人や、何に手をつけてもすぐに嫌気がさして長続きしない人を、からかったり悪く言ったりするときの言葉。 赤い猿の尻は火で焼かれた跡で、そのために猿はひとときも静かにしていない、と見なしたのが始まりである。そんな猿の姿を、気が散りやすく腰の定まらない人に重ねて呼んだもの。 居場所や仕事が定まらない様子は、「[[尻が据わらない*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/8224.php]]」でも言い表す。
見猿聞か猿言わ猿(みざるきかざるいわざる)
余計な波風を立てないよう、目も耳も口もふさいでおく構え。 それぞれ一か所を押さえた猿を三体並べた像が庚申塚などに残り、打ち消しの語尾を獣の名に掛けてもいる。
利口の猿が手を焼く(りこうのさるがてをやく)
知恵が回るとうぬぼれた者は、手に余る仕事に飛びついて往生する。器用なはずの猿でさえ、どうにも扱いかねるものはある。
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