「月」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「月」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 20 件
月旦評(げったんひょう)
人物の批評や品定めをすること。 「月旦」は、月の初めの日。 後漢の許劭が、いとこの許靖と毎月一日に郷里の人物の批評をしたという故事から。 単に「月旦」ともいう。
月落ち烏啼いて霜天に満つ(つきおちからすないてしもてんにみつ)
月が西に傾いて落ち、烏が鳴いて、霜の気配が夜空に満ちあふれている。夜半の情景をうたった詩句。
月と鼈(つきとすっぽん)
比べものにならないほど、かけ離れていることのたとえ。月と鼈は丸い形は似ているが、まったく違うものであることから。
月に雨笠日笠なし(つきにあまがさひがさなし)
月にかさがかかれば必ず雨が降り、晴れの時は月にかさはかからないということ。
月に叢雲、花に風(つきにむらくも、はなにかぜ)
良いことや楽しいことには邪魔が入りやすく長続きしないということ。 名月には雲がかかって見えなくなったり、満開の花には風が吹いて花びらを散らしてしまったりすることから。
月の影取る猿(つきのかげとるましら)
自分の能力をわきまえず、欲張ったまねをして失敗することのたとえ。 猿が水に映った月を取ろうとしたとき、枝が折れ水に落ちて溺れ死んだという故事から。 「猿猴が月」「水の月取る猿」「月の影取る猿」ともいう。
月の前の灯(つきのまえのともしび)
立派なものに比較されて見劣りがすることのたとえ。名月の夜には灯火は目立たないことから。
月日変われば気も変わる(つきひかわればきもかわる)
月日が経てば人の気持ちも変わる。人の心は定まったものではなく、変化していくということ。
月日に関守なし(つきひにせきもりなし)
年月が過ぎるのがきわめて早いことのたとえ。「関守」は関所の番人のことで、月日が過ぎるのを止められる番人はいないということから。
月満つれば則ち虧く(つきみつればすなわちかく)
何事も頂点に達したあとは、必ず衰え始めるというたとえ。 月は満月のあと徐々に欠けていくことから。 「満つれば虧く」ともいう。
月雪花は一度に眺められぬ(つきゆきはなはいちどにながめられぬ)
よいことが全部一度にそろうことは、あり得ないというたとえ。月の出る晩に雪は降らないし、雪が降ると花は隠れて見えないし、花の咲く昼間に月は出ないということから。
月夜に釜を抜かれる(つきよにかまをぬかれる)
非常に油断していること、ひどく間が抜けていることのたとえ。 「抜かれる」は盗まれるの意。 明るい月の夜に大事な釜を盗まれることから。
月夜に米の飯(つきよにこめのめし)
飽きることのない気楽な生活のたとえ。また、現実はなかなかそうはいかないということ。 昔の人にとって月の光はありがたく、また米の飯は貴重だったため、それが毎日続けば言うことがないとの意から。 「月夜に米の飯」ともいう。
月夜に背中あぶる(つきよにせなかあぶる)
回りくどくて、まるで効果のないことのたとえ。また、誤った方法のたとえ。月の光で背中を温めようとしても、とうてい出来ないことから。
月夜に提灯(つきよにちょうちん)
不必要なことのたとえ。月夜に提灯は必要ないことから。「月夜に提灯夏火鉢」と続けてもいう。
月夜に提灯も外聞(つきよにちょうちんもがいぶん)
実際は不必要なことでも、世間体のためにしなければならないたとえ。月夜に提灯をともすような無駄なことも、世間体のために必要なこともあるということから。
月夜にも背中炙りて温まれ(つきよにもせなかあぶりてあたたまれ)
効果がないと思われることも、しないよりはましだというたとえ。また、わずかでも利用できるものは使った方がいいというたとえ。
月夜に夜仕事(つきよによしごと)
真面目に仕事や勉強に励むことのたとえ。 美しい月を楽しまずに仕事に励むとの意から。 「月夜に夜なべ」ともいう。
月夜の蟹(つきよのかに)
中身がない人のたとえ。蟹は月夜にはえさを食べず、身が少ないことから。
月を指せば指を認む(つきをさせばゆびをみとむ)
物事を説明しても、その文字や言葉にこだわって本質を理解しないということ。 月の説明をするために月を指さしても、月を見ずに指している指を見るとの意から。
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