「借」を含む故事・ことわざ・慣用句
「借」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
負わず借らずに子三人(おわずからずにこさんにん)
人の世話にならず、借金もなく、子どもが三人ぐらいいる家庭が理想的で幸福だということ。
蛙の目借り時(かえるのめかりどき)
春はとにかく眠たい時期だということ。 春に眠くなるのは、蛙が目を借りにくるからだという言い伝えから。 「蛙の目借り時」ともいう。
貸し借りは他人(かしかりはたにん)
金銭の貸し借りについては、親子の間でも他人と同じようにけじめをつけるべきだということ。
貸した物は忘れぬが借りたものは忘れる(かしたものはわすれぬがかりたものはわすれる)
人に貸したものは忘れないが、人から借りたものはつい忘れてしまうということ。 人間は身勝手なものだというたとえ。
敵の前より借金の前(かたきのまえよりしゃっきんのまえ)
敵の前では平然とできても、借金をしている相手の前では頭が上がらないということ。
金の貸し借りは不和の基(かねのかしかりはふわのもと)
金の貸し借りは仲たがいの原因になりがちだから気をつけよという戒め。
金の貸し借り不和の基(かねのかしかりふわのもと)
金の貸し借りは仲たがいの原因になりがちだから気をつけよという戒め。
借り着より洗い着(かりぎよりあらいぎ)
人に頼ってぜいたくな暮らしをするより、自分の力で分相応な生活をするほうがよいということ。 人に借りた晴れ着より、洗いざらしでも自分の着物のほうがよいとの意から。
借りて借り得、貸して貸し損(かりてかりどく、かしてかしぞん)
借りても返さないですむこともあるので借りるのは得だが、反対に貸したら返してもらえないこともあるので貸すのは損だということ。
借りてきた猫(かりてきたねこ)
ふだんと違って非常におとなしいようす。ねずみを捕らせるために他人の家から借りた猫は、おとなしく小さくなっていることから。
借りる時の地蔵顔、返す時の閻魔顔(かりるときのじぞうがお、かえすときのえんまがお)
お金を借りる時は地蔵菩薩のようにやさしい顔をするが、返す時は閻魔大王のような不機嫌な顔をするということ。
借りる時の地蔵顔、済す時の閻魔顔(かりるときのじぞうがお、なすときのえんまがお)
お金を借りる時は地蔵菩薩のようにやさしい顔をするが、返す時は閻魔大王のような不機嫌な顔をするということ。
借りる八合、済す一升(かりるはちごう、なすいっしょう)
人に物やお金を借りたら、少し多めに返すか、お礼を添えて返すのが常識であるということ。 「済す」は、返済すること。 八合借りたら、一升にして返すべきであるとの意から。
借りを返す(かりをかえす)
他人から受けた恩に報いること。 また、他人から受けた仕打ちに対して仕返しをすること。
狐虎の威を借る(きつねとらのいをかる)
他人の権力に頼って、弱いものが空威張りすることのたとえ。 虎に捕らえられた狐が「天の神が私を百獣の長にした。だから私を食べると天の命令にそむくことになる。うそだと思うならついてきなさい。獣たちはみな逃げ出すはずだ」といった。 虎が狐のあとについていくと、獣たちがみな逃げて行った。 虎は自分を恐れて獣たちが逃げたことに気づかず、狐を恐れて逃げ出したと信じたという故事から。
高い舟借りて安い小魚釣る(たかいふねかりてやすいこざかなつる)
好きな事のためには、損得など考えないということのたとえ。
知恵を借りる(ちえをかりる)
他人に相談して、よい考えや適切な方法を教えてもらうこと。
手を借りる(てをかりる)
助力してもらうこと。手伝ってもらうこと。
虎の威を借る狐(とらのいをかるきつね)
他人の権力に頼って、弱いものが空威張りすることのたとえ。 虎に捕らえられた狐が「天の神が私を百獣の長にした。だから私を食べると天の命令にそむくことになる。うそだと思うならついてきなさい。獣たちはみな逃げ出すはずだ」といった。 虎が狐のあとについていくと、獣たちがみな逃げて行った。 虎は自分を恐れて獣たちが逃げたことに気づかず、狐を恐れて逃げ出したと信じたという故事から。
名を借りる(なをかりる)
口実にしたり、表向きの理由にしたりすること。 また、他人の名義を借りること。
猫の手も借りたい(ねこのてもかりたい)
非常に忙しくて手が足りず、誰でもいいから手助けがほしいようす。
腹は借り物(はらはかりもの)
母親の腹は一時的な借り物で、子の貴賤は父親次第であるということ。
春は蛙が目を借りる(はるはかえるがめをかりる)
春はとにかく眠たい時期だということ。 春に眠くなるのは、蛙が目を借りにくるからだという言い伝えから。 「蛙の目借り時」ともいう。
胸を借りる(むねをかりる)
自分よりも実力が上の者に練習相手になってもらうこと。 相撲で、下位の力士が上位の力士に稽古の相手になってもらうとの意から。
世の中は年中三月常月夜、嬶十七俺二十、負わず借らずに子三人(よのなかはねんじゅうさんがつじょうつきよ、かかあじゅうしちおれはたち、おわずからずにこさんにん)
世の中は、いつも三月頃の温暖な気候で、夜は明るい月夜、妻は十七歳自分は二十歳、責任も借金もなく、子どもは三人持つ暮らしが望ましいということ。江戸時代の庶民のささやかな願望をいった言葉。