「いっ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「いっ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 186 件
二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)
一度に二つのものを手に入れようと欲張ると、結局どちらも手に入れられなくなることのたとえ。 一度に二匹のうさぎを捕えようとすると、結局一匹も捕らえられないことから。
人間一生二万日(にんげんいっしょうにまんにち)
人間の平均寿命はかつては五十年とされ、日数にすると約二万日ということになり、一生は長いようにも短いようにも思われるということ。
猫の子一匹いない(ねこのこいっぴきいない)
まったく人がいないようす。
上り一日、下り一時(のぼりいちにち、くだりいっとき)
物事を作り上げるのには多くの時間と労力を要するが、壊すのはたやすいことのたとえ。 上るときには一日かかる道も、下るときにはわずかな時間しかかからないとの意から。
伯楽の一顧(はくらくのいっこ)
不遇だった者が有力者に見いだされて世に出ること。 「伯楽」は、中国春秋時代の名馬を見抜く名人。 馬が売れずに困っていた者が伯楽に頼み、伯楽が一度通り過ぎた後に馬を振り返って見たことで、その馬の価値が一気に跳ね上がったという故事から。
裸一貫(はだかいっかん)
自分の体のほかには、資本となるものを持っていないこと。 「貫」は昔の貨幣の単位。銭一千文。 裸の身だけが唯一の資本との意から。 「腕一本」「褌一貫」ともいう。
花一時、人一盛り(はないっとき、ひとひとさかり)
花が咲き誇るのもほんの一時であるように、人も盛んな時はごく短い一時期に過ぎないということ。
万死一生を顧みず(ばんしいっしょうをかえりみず)
万に一つも生き延びる希望を持たないこと。
万卒は得易く、一将は得難し(ばんそつはえやすく、いっしょうはえがたし)
平凡な人物はたくさんいるが、優秀な人物に巡り会うのは難しいということ。 平凡な兵士を集めることは難しくないが、一人の名将を得ることは難しいとの意から。
万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)
多数の男性の中に、女性が一人華やかに混じっていることのたとえ。また、多くのものの中で、ただ一つ際立っているもののたとえ。 「万緑」は見渡す限り一面の緑、「叢中」はくさむらの中のこと。 見渡す限りの緑の草木の中に、紅い花が一輪あでやかに咲いている意から。 略して「[[紅一点*https://kokugo.jitenon.jp/word/p15923]]」ともいう。
人一寸(ひといっすん)
身長差は、少しの違いでもかなり違っているように見えるということ。
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し(ひとのいっしょうはおもにをおうてとおきみちをゆくがごとし)
人生は長く苦しいものだから、辛抱強く努力を重ねて着実に進んでいかなければならないという教え。徳川家康の遺訓から。
人の一寸、我が一尺(ひとのいっすん、わがいっしゃく)
人の欠点は少しのことでも目につくが、自分の欠点はどんなに大きくても気がつかないというたとえ。
百尺竿頭一歩を進む(ひゃくしゃくかんとういっぽをすすむ)
目標を達成しても、さらに向上しようと努力すること。また、十分に説明をした上に、さらに一歩進めて説明すること。 百尺の竿の先端に達しても、さらに一歩進もうとするとの意から。 「百尺」は「ひゃくせき」ともいう。
百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)
人から繰り返し聞くよりも、一度でも自分の目で見たほうがよくわかるということ。 人の話を百回を聞いたところで、実際に一回見ることには及ばないとの意から。
氷山の一角(ひょうざんのいっかく)
表面に現れているのは全体のほんの一部で、大部分は隠れたままであることのたとえ。 海面上に見える氷山は、全体のうちの一部分にすぎないとの意から。
無精者の一時働き(ぶしょうもののいっときばたらき)
いつも怠けている者が、急に思い立って働いても、一時的だということ。また、そういう者をあざけっていう言葉。
褒姒の一笑国を傾く(ほうじのいっしょうくにをかたむく)
美女のために国が滅びること。 「褒姒」とは中国、周の幽王の后。 めったに笑わない褒姒が、手違いで上がったのろしによって諸侯が参集するのを見て笑ったため、幽王が平時にたびたびのろしを上げさせたので、本当の戦乱の時には諸侯が集まらず国が滅びたという故事から。
盆と正月が一緒に来たよう(ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう)
うれしいことが重なることのたとえ。また、非常に忙しいことのたとえ。
味噌も糞も一緒(みそもくそもいっしょ)
見た目が似ていれば、良いものも悪いものも同じように扱うこと。すべてをごちゃまぜにしてしまうこと。 「糞も味噌も一緒」「糞も味噌も一つ」ともいう。
胸が一杯になる(むねがいっぱいになる)
ある物事に感銘を受けたり悲しみを感じたりして、それ以外の事はなにも考えられなくなる様子。
目から入って耳から抜ける(めからはいってみみからぬける)
見ただけで何も覚えず、理解していないことのたとえ。
目に一丁字なし(めにいっていじなし)
まったく字が読めないこと。 「一丁字」は一つの文字のこと。 「丁」は个(か)の誤用で、「个」は人やものなどを数える語。 「一丁字を知(識)らず」ともいう。
面目を一新する(めんぼくをいっしんする)
今までの様子を改めること。
宵っ張りの朝寝坊(よいっぱりのあさねぼう)
夜遅くまで起きていて、朝は遅くまで寝ていること。また、そういう習慣のひと。
竜は一寸にして昇天の気あり(りゅうはいっすんにしてしょうてんのきあり)
すぐれた人物は幼少期からすぐれたところがあることのたとえ。 竜は一寸の大きさの頃から天に昇ろうとする気迫に満ちているということから。