「ぜ」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「ぜ」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 27 件
枘鑿相容れず(ぜいさくあいいれず)
物事が食い違ってかみ合わないこと。 「枘」は、ほぞ。木材と繋ぎ合わせるときの差し込み。 「鑿」は、ほぞを入れるための穴。 差し込みと穴の形が違っていて、うまく納まらないことから。
是が非でも(ぜがひでも)
善悪に関わらず。何が何でも。 ある物事の実現を強く望む言葉。 「理が非でも」ともいう。
絶景というは樽肴ありてこそ(ぜっけいというはたるさかなありてこそ)
すばらしい景色は、酒や肴があってこそ楽しく、酒抜きで景色を見てもつまらないということ。
銭ある時は鬼をも使う(ぜにあるときはおにをもつかう)
金さえあれば、どんな人でも自分の思うままに使うことができるということ。 金があれば、怖い鬼であろうとも思い通りにすることができるとの意から。
銭あれば木物も面を返す(ぜにあればきぶつもつらをかえす)
どんなに冷淡な者でも、金の力にはなびくというたとえ。 金銭があれば、感情がない木仏さえも振り向くとの意から。
銭なしの市立ち(ぜになしのいちだち)
方法や手段もなく何かをしようとしても、どうにもならないことのたとえ。 銭を持たずに市場に行っても、何も買えずにただ立っているだけとの意から。
銭は足なくして走る(ぜにはあしなくしてはしる)
金には足などついていないのに、まるで足があるかのように、人から人へと渡って行くということ。
是非に及ばず(ぜひにおよばず)
どうすることもできない。仕方がない。やむを得ない。そうするしかない。 その物事の善悪を議論する余裕がないということから。 本能寺の変で織田信長が言ったとされる言葉。
是非は道によって賢し(ぜひはみちによってかしこし)
物事のよしあしを判断するのは、その道の専門家に任せるのが確かだということ。
是非も無い(ぜひもない)
どうしようもない。仕方ない。 好ましくない結果を認めるしかない時に使う言葉。
善悪の報いは影の形に随うが如し(ぜんあくのむくいはかげのかたちにしたがうがごとし)
影が形に付き随うように、善悪の行為に対する報いは必ずあるということ。
善悪は友による(ぜんあくはともによる)
人はつきあう友人次第で、善くも悪くもなるということ。 「人は善悪の友による」ともいう。
善悪は友を見よ(ぜんあくはともをみよ)
その人が善人か悪人かは、その人が交際している友人を見ればわかるということ。
前後を忘れる(ぜんごをわすれる)
興奮したり動揺したりして、まともな判断ができなくなること。 または、酒に酔って意識がはっきりしなくなること。
前車の覆るは後車の戒め(ぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ)
先人の失敗は後人の戒めになるというたとえ。 前の車が覆るのを見て、後の車は戒めにするとの意から。 単に「後車の戒め」ともいう。
前車の轍を踏む(ぜんしゃのてつをふむ)
前の人と同じような失敗を繰り返すことのたとえ。 「轍」は、車のわだちのこと。 転倒した前の車のわだちをたどり、同じように転倒するとの意から。 「前轍を踏む」「轍を踏む」「覆轍を踏む」ともいう。
然諾を重んずる(ぜんだくをおもんずる)
いったん引き受けた以上は、約束を守って必ず実行するということ。「然諾」は、よしと承諾すること。
善には善の報い、悪には悪の報い(ぜんにはぜんのむくい、あくにはあくのむくい)
善行にはいずれ天の恵みがあり、悪行にはいずれ天罰が下るという報いがあるということ。
善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや(ぜんにんなおもておうじょうをとぐ、いわんやあくにんをや)
仏の救いを頼みとしない善人でさえ極楽往生を遂げる。まして、仏の救いにすがるしかない悪人が往生できないわけがないということ。
善の裏は悪(ぜんのうらはあく)
いいことのあとには悪いことが起きるということ。善と悪とは表と裏で、いいことばかりも続かないし悪いことばかりも続かないということ。
善は急げ(ぜんはいそげ)
良いことだと思ったら、ためらわずすぐに実行せよということ。
善は急げ悪は延べよ(ぜんはいそげあくはのべよ)
良いことだと思ったら、ただちにに実行せよ。悪いことをしようとする時は、なるべく実行を延ばせということ。
善美を尽くす(ぜんびをつくす)
これ以上ないというほど美しく立派にこしらえること。「善美」は、物事が立派で美しいこと。
膳部揃うて箸を取れ(ぜんぶそろうてはしをとれ)
食事をする時は、料理がすべて揃ってから箸を取るものだということ。あわただしく食事に取りかかることを戒める言葉。また、物事は用意がすっかり整ってから始めよということ。「膳部」は、膳にのせて出す料理のことで、「全部」とかけたもの。
前面に押し出す(ぜんめんにおしだす)
ある物事を目立つように示すこと。
前門の虎、後門の狼(ぜんもんのとら、こうもんのおおかみ)
一つの災いを逃れても、さらにまた別の災難に見舞われることのたとえ。 前門で虎の侵入を防いだと思ったら、すでに後門に狼が入っていたとの意から。 「前門に虎を防ぎ後門に狼を進む」ともいう。
善を責むるは朋友の道なり(ぜんをせむるはほうゆうのみちなり)
善い行いをするように勧めるのが、友としての大切な務めだということ。「責むる」は、当然なすべき事を勧めるという意。
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