「枕」を含む故事・ことわざ・慣用句
「枕」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
石に漱ぎ、流れに枕す(いしにくちすすぎ、ながれにまくらす)
負け惜しみが強いことのたとえ。また、屁理屈をつけて自説を正当化することのたとえ。晋の孫楚が「石に枕し、流れに漱ぐ」というべきところを「石に漱ぎ、流れに枕す」といい誤ったとき、「石に漱ぐとは歯を磨くこと、流れに枕すとは耳を洗うことだ」とこじつけた故事から。夏目漱石の号もこの故事から。
石に枕し流れに漱ぐ(いしにまくらしながれにくちすすぐ)
俗世間から離れ、自然の中で自由な生活をすること。 石を枕にして眠り、起きれば川の水で口を洗うということから。
邯鄲の枕(かんたんのまくら)
人生の栄枯盛衰のはかなさのたとえ。 昔、中国の邯鄲(かんたん)で盧生という青年が、道士から枕を借りて眠った。夢の中で、出世して財力や権力を手に入れるという長い人生の経験をしたが、目覚めてみると炊きかけの粥がまだ煮えきらない短い時間であったという故事から。 「邯鄲の枕」「邯鄲の夢」「一炊の夢」「盧生の夢」「黄粱の夢」「黄粱の一炊」「黄粱一炊の夢」など多くの呼び方がある。
食わず貧楽高枕(くわずひんらくたかまくら)
貧しい暮らしでも、気楽で穏やかに暮らしていることのたとえ。
世間知らずの高枕(せけんしらずのたかまくら)
厳しい現実も知らずに、のんびり平然と暮らしている人を皮肉っていう言葉。
先祖に討ち死にさせて高枕(せんぞにうちじにさせてたかまくら)
先祖が戦いで手柄を立てて討ち死にし、財産を残してくれたおかげで、子孫が安楽に暮らしているということ。家代々の資産で安逸な生活をおくっている者をあざけっていう言葉。「高枕」は、安心しきっていることのたとえ。
枕席に侍る(ちんせきにはべる)
女性が男性と同じ寝床で寝ること。夜伽をすること。 「枕席」は枕と敷物のことから、寝床をいう。 女性が男性の意に従い、寝床を共にするとの意から。
流れに枕し石に漱ぐ(ながれにまくらしいしにくちすすぐ)
負け惜しみが強いことのたとえ。また、屁理屈をつけて自分の間違いを正当化することのたとえ。晋の孫楚が「石に枕し、流れに漱ぐ」というべきところを間違えて「石に漱ぎ、流れに枕す」といった時、「石に漱ぐとは歯を磨くこと、流れに枕すとは耳を洗うことだ」とこじつけた故事から。夏目漱石の号もこの故事から。
枕を交わす(まくらをかわす)
男女が同じ夜具で寝ること。
枕を欹てる(まくらをそばだてる)
寝た体勢のまま枕から頭を上げ、耳を澄まして聞く。
枕を高くして寝る(まくらをたかくしてねる)
気にかかることがなく安眠することのたとえ。心配ごとが何もないさまをいう。
枕を並べる(まくらをならべる)
同じ場所で並んで寝る。
枕を並べる(まくらをならべる)
いっしょに失敗する。また、戦場でいっしょに倒れる。
枕を濡らす(まくらをぬらす)
かなしみや辛さに耐えきれずに、布団の中で泣くこと。
夢枕に立つ(ゆめまくらにたつ)
夢の中に神仏や死んだ人の霊が現れて、物事を告げ知らせること。「夢枕」は夢を見ている人の枕元。