食わず貧楽高枕について

言葉 | 食わず貧楽高枕 |
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読み方 | くわずひんらくたかまくら |
意味 | 貧しい暮らしでも、気楽で穏やかに暮らしていることのたとえ。 |
出典 | - |
使用されている漢字
「食」を含むことわざ
煽りを食う(あおりをくう)
周囲の状況の急激な変化により、思いがけない影響や災難を受ける。
秋茄子は嫁に食わすな(あきなすはよめにくわすな)
秋に収穫する茄子を嫁に食べさせてはいけないということ。 「おいしいのでもったいないという姑の嫁いびり」「種が少ないので子宝に恵まれない」「体が冷えてよくない」などの解釈がある。 「おいしいのでもったいないという姑の嫁いびり」の解釈が一般的。
足止めを食う(あしどめをくう)
何らかの事情でその場から先に進めなくなったり、外出を禁じられたりする。
明日食う塩辛に今日から水を飲む(あすくうしおからにきょうからみずをのむ)
手回しがいいように見えて、実は無意味なことのたとえ。
あの声で蜥蜴食らうか時鳥(あのこえでとかげくらうかほととぎす)
人や物事は、見かけでは判断できないということ。美しい声で鳴く時鳥が蜥蜴を食べることに驚いた、という意味で、江戸時代の俳人、宝井其角の句から。
慌てる乞食は貰いが少ない(あわてるこじきはもらいがすくない)
急ぎ過ぎると、かえって失敗したり損をすることのたとえ。先を争って施し物を貰おうとすると、反感を買って、貰いが少なくなるという意から。
「貧」を含むことわざ
家貧しくして孝子顕る(いえまずしくしてこうしあらわる)
貧乏な家庭では、子どもも親を助けるために働いたりするので、その孝行ぶりが目立って人に知られるようになるということ。 逆境のときに、それを助けるものが現れること。
家貧しくして良妻を思う(いえまずしくしてりょうさいをおもう)
貧乏をすると、この境遇を一緒に乗り越えてくれる良い妻が欲しいと、つくつぐ思うということ。
居ない者貧乏(いないものびんぼう)
その場に居合わせない者は、分け前をもらえなかったり、自分のうわさ話をされたりして、いろいろと損をするということ。
奢る者は心常に貧し(おごるものはこころつねにまずし)
贅沢な生活を好む者は、満足することを知らず、満たされずに常に不平不満の気持ちを持ち続け、その心は貧しいということ。
稼ぐに追い付く貧乏無し(かせぐにおいつくびんぼうなし)
一生懸命働けば、貧乏に苦しむことはないというたとえ。「稼ぐに貧乏追い付かず」「辛抱に追い付く貧乏なし」「稼げば身立つ」ともいう。
稼ぐに追い抜く貧乏神(かせぐにおいぬくびんぼうがみ)
いくら働いても貧しい人は貧乏から抜け出すことができないというたとえ。
「楽」を含むことわざ
あって地獄、なくて極楽(あってじごく、なくてごくらく)
金と子どもは、あれば苦労が絶えないので、むしろないほうが気が楽だということ。
親苦、子楽、孫乞食(おやく、こらく、まごこじき)
親が苦労して築いた財産も、子が楽をして使い果たし、孫の代は乞食のような暮らしになりがちだというたとえ。
歓楽極まりて哀情多し(かんらくきわまりてあいじょうおおし)
喜びや楽しみが極まると、あとは悲しみの情が生じるということ。
楽屋裏を覗く(がくやうらをのぞく)
部外者が、一般には知られていないような内部事情を知ってしまうこと。
楽屋から火を出す(がくやからひをだす)
自ら災いや騒ぎを引き起こしてしまうたとえ。「楽屋」は、内部の意。
楽屋で声を嗄らす(がくやでこえをからす)
無駄な努力をするたとえ。また、いくら努力しても人に認められないことのたとえ。役者が楽屋で稽古をし過ぎて声を嗄らし、本番の舞台で声が出なくなることから。
「高」を含むことわざ
空樽は音が高い(あきだるはおとがたかい)
中身のない人間ほど得意そうにしゃべりたてるというたとえ。空の樽は叩くと高い音が出ることから。
お高くとまる(おたかくとまる)
気位が高く、人を見下した態度をとること。
隠密の沙汰は高く言え(おんみつのさたはたかくいえ)
秘密の話はこそこそ言わずに大きな声で話せということ。ひそひそ話は人の好奇心をかきたて注意をひきやすいので、普通に話しているほうが目立たず秘密が守れるという意から。
勘定高い(かんじょうだかい)
なにかを行う際に、損になるか得になるかを考えるさま。
気位が高い(きぐらいがたかい)
自分の品位に誇りをもっていて、他者を見下すような態度をとる様子。
計算高い(けいさんだかい)
なにかを行う際に、損になるか得になるかを考えるさま。
「枕」を含むことわざ
石に漱ぎ、流れに枕す(いしにくちすすぎ、ながれにまくらす)
負け惜しみが強いことのたとえ。また、屁理屈をつけて自説を正当化することのたとえ。晋の孫楚が「石に枕し、流れに漱ぐ」というべきところを「石に漱ぎ、流れに枕す」といい誤ったとき、「石に漱ぐとは歯を磨くこと、流れに枕すとは耳を洗うことだ」とこじつけた故事から。夏目漱石の号もこの故事から。
石に枕し流れに漱ぐ(いしにまくらしながれにくちすすぐ)
俗世間から離れ、自然の中で自由な生活をすること。 石を枕にして眠り、起きれば川の水で口を洗うということから。
邯鄲の枕(かんたんのまくら)
人生の栄枯盛衰のはかなさのたとえ。 昔、中国の邯鄲(かんたん)で盧生という青年が、道士から枕を借りて眠った。夢の中で、出世して財力や権力を手に入れるという長い人生の経験をしたが、目覚めてみると炊きかけの粥がまだ煮えきらない短い時間であったという故事から。 「邯鄲の枕」「邯鄲の夢」「一炊の夢」「盧生の夢」「黄粱の夢」「黄粱の一炊」「黄粱一炊の夢」など多くの呼び方がある。
北枕(きたまくら)
頭を北に向けて寝ること。釈迦の死の姿を真似て、死者を寝かせる時の作法とされている。日常寝る時には北を枕にするのは不吉として嫌う。
世間知らずの高枕(せけんしらずのたかまくら)
厳しい現実も知らずに、のんびり平然と暮らしている人を皮肉っていう言葉。
先祖に討ち死にさせて高枕(せんぞにうちじにさせてたかまくら)
先祖が戦いで手柄を立てて討ち死にし、財産を残してくれたおかげで、子孫が安楽に暮らしているということ。家代々の資産で安逸な生活をおくっている者をあざけっていう言葉。「高枕」は、安心しきっていることのたとえ。