「利」を含む故事・ことわざ・慣用句
「利」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
- 一升徳利こけても三分(いっしょうどっくりこけてもさんぶ)- 元手が多ければ、多少損をしても平気だというたとえ。 一升徳利が倒れて中身がこぼれても、三分(三合)くらいは残っているとの意から。 
- 一升徳利に二升は入らぬ(いっしょうどっくりににしょうははいらぬ)- ものには限界があり、それ以上を望んでも無理だということ。 一升入りの徳利に二升は入らないとの意から。 
- 腕が利く(うでがきく)- 優れた技量を発揮することが出来る。 
- 大きな口を利く(おおきなくちをきく)- 実力もないのに偉そうなことを言うこと。 
- 押さえが利く(おさえがきく)- 相手を従わせたり、統率したりする力があること。 
- 押しが利く(おしがきく)- 相手を自分の思い通りに従わせる力があること。 
- 男冥利に尽きる(おとこみょうりにつきる)- 男としてこれ以上の幸福はないということ。「男冥利」は男に生まれた幸せ、「尽きる」はこれ以上はないという意。 
- 親の意見と冷や酒は後で利く(おやのいけんとひやざけはあとできく)- 親の意見は聞き流してしまいがちだが、後になると納得できて、ありがたいと思うようになるということ。冷酒は飲みやすく、あとから酔いが回ってくる意から。 
- 女冥利に尽きる(おんなみょうりにつきる)- 女に生まれてこれ以上の幸せはないということ。 
- 顔が利く(かおがきく)- 信用や権力があって相手に無理がとおり、便宜を図ってもらえること。 
- 顔を利かす(かおをきかす)- 自らが持つ権力や影響力などを用いて、無理をとおしたり、物事を有利に運んだりすること。 
- 隠れたる信あらば顕われたる利生(かくれたるしんあらばあらわれたるりしよう)- 心中に秘めている誠実さは、いつか自然に外にあらわれて自分自身の利得になるということ。 心中に神仏への信仰心があれば、必ずご利益があるとの意から。 「隠れたる信あらば顕われたる利生」「隠れたる信あらば顕われたる験」ともいう。 
- 陰口を利く(かげぐちをきく)- その人のいないところで悪口を言うこと。 「陰口を利く」ともいう。 
- 利いた風(きいたふう)- よく知らないのに、知ったかぶって生意気な素振りをするさま。 
- 気が利きすぎて間が抜ける(きがききすぎてまがぬける)- 気を利かせすぎて、肝心なところが抜けているということ。 
- 気が利く(きがきく)- 細かなところまで注意が行き届いていて、臨機応変な対応ができること。 
- 機転が利く(きてんがきく)- その場の状況に応じて、即座に適切な判断や行動ができること。 
- 気の利いた化け物は引っ込む時分(きのきいたばけものはひっこむじぶん)- 長居する客や、なかなか引退せずに長く地位を占めている人を皮肉って言う言葉。 気の利いた化け物は引き時を心得ているとの意から。 単に「化け物も引っ込む時分」ともいう。 
- 気を利かせる(きをきかせる)- 相手の気持ちや周りの状況を配慮し、ふさわしい対応をすること。 
- 漁夫の利(ぎょふのり)- 両者が争っている隙につけ入り、第三者が利益を横取りすることのたとえ。 「漁夫」は漁師のこと。漁父とも書く。 鴫(しぎ)と蛤(はまぐり)が争っている間に、漁師が両方とも捕まえたという中国の故事から。 「鷸蚌の争い」ともいう。 
- 粋を利かす(すいをきかす)- 人間関係をうまく取り計らうこと。特に男女関係についていう。 
- 凄みを利かせる(すごみをきかせる)- 相手を脅すような言動をすること。 
- 大利は利ならず(たいりはりならず)- 大きすぎる利益は、一見しただけでは利益と気づきにくいということ。 
- 地の利は人の和に如かず(ちのりはひとのわにしかず)- 土地の位置や形状がいかに有利でも、団結した人々の力には及ばないということ。 
- 地の利を得る(ちのりをえる)- 地形や位置などが、あることを行うのに有利な条件を備えていること。 
- 地の利を占める(ちのりをしめる)- 地理的に有利な条件を備えた場所を自分のものとする。 
- 潰しが利く(つぶしがきく)- それまでの仕事を辞めても、別の仕事で働くことができる能力があること。 金属製品を溶かすと再利用できるとの意から。 
- 天の時は地の利に如かず(てんのときはちのりにしかず)- 戦いにおいて、いかに天候や気候の条件が良くても、地理的条件の有利さには及ばないということ。 
- 天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず(てんのときはちのりにしかず、ちのりはひとのわにしかず)- 戦いにおいて、いかに天候や気候の条件が良くても、地理的条件の有利さには及ばない。 その地理的な有利さも団結した人々の力には及ばないということ。 
- どすが利く(どすがきく)- 声や話し方に、相手を脅すような凄みがあること。 
- 睨みが利く(にらみがきく)- 他者を威圧し、押さえつけるだけの力量があること。 
- 睨みを利かせる(にらみをきかせる)- 相手を威圧しておさえつけること。 
- 鼻が利く(はながきく)- 隠し事などを見抜いたり、利益になりそうなことを探し出したりする能力がすぐれていること。 
- 鼻薬を利かせる(はなぐすりをきかせる)- 小額の賄賂を贈るたとえ。 「鼻薬」は、ちょっとした賄賂のたとえ。 「鼻薬を利かせる」「鼻薬を飼う」ともいう。 
- 幅を利かせる(はばをきかせる)- その社会や分野などで認められて、権力を振るうこと。 または、地位や勢力などを使って威張ること。 
- 馬鹿があればこそ利口が引き立つ(ばかがあればこそりこうがひきたつ)- 愚かな人間がいて利口な人間が目立つように、世の中は種々雑多な人間で成り立っている。世の中はさまざまな人間が、持ちつ持たれつの関係で生きているということ。 
- 百害あって一利なし(ひゃくがいあっていちりなし)- 弊害ばかりで利点は一つもないということ。 
- 冷や酒と親の意見は後で利く(ひやざけとおやのいけんはあとできく)- 親の意見は聞き流してしまいがちだが、後になると納得できて、なるほどと思うようになるということ。冷酒は飲んですぐより、あとから酔いが回ってくる意から。 
- 骨が舎利になっても(ほねがしゃりになっても)- たとえ死んでも。どんなに辛くても。 強い決意を表す言葉。 「舎利」は火葬した後の骨のこと。 
- 無駄口を利く(むだぐちをきく)- 無意味で不必要なお喋りをすること。 
- 目が利く(めがきく)- 物事を判断したり性質を見抜いたりする能力が優れていること。 
- 目先が利く(めさきがきく)- 先の事を見通して、適切な判断や行動ができること。 「目先」は「目前」とも書く。 
- 目前が利く(めさきがきく)- 先の事を見通して、適切な判断や行動ができること。 「目先」は「目前」とも書く。 
- 目端が利く(めはしがきく)- その場の状況に応じたとっさの行動ができること。 
- 融通が利く(ゆうずうがきく)- 状況に応じた適切な対応や処理ができること。 
- 利に走る(りにはしる)- 利益を得ることにひたすらこだわること。 
 
         
    