履新しと雖も冠となさず
ことわざ「履新しと雖も冠となさず」の意味・読み方・異形などを解説します。
履新しと雖も冠となさず
くつあたらしといえどもかんむりとなさず
| 言葉 | 履新しと雖も冠となさず |
|---|---|
| 読み方 | くつあたらしといえどもかんむりとなさず |
| 意味 | 身分や持ち場には人ごとの決まりがあるから、むやみに枠を踏みこえて振る舞うなという戒め。下の立場の者は、たとえ力がまさっていても上の者の座を奪ってはならず、上下の区別を乱すべきでないと説く。
靴は新品でも足にはく物で、それを頭にのせて冠の代用にする者などいない。句はこの道理を下じきにする。中国の歴史書である『史記』では、主君と家来のけじめをめぐる議論の場面に見える。「履新しと雖も首に加えず」ともいう。 古くなっても冠を足にははかない、と冠の側から言う「冠旧けれど沓に履かず」と対になる句。「沓新しけれど冠にあげず」も同じ趣旨の形である。力の足りない者が高い地位の身なりだけ整えるのをあざける「沐猴にして冠す」とも通じる。 |
| 例文 | 売り上げが一番でも、履新しと雖も冠となさずで、入ったばかりの社員が課長を飛びこえて会議を仕切るのは筋が違う。 |
| 出典 | 『史記』儒林列伝 |
| 異形 | 履新しと雖も首に加えず(くつあたらしといえどもこうべにくわえず) |
| 沓新しといえども首に加えず(くつあたらしといえどもくびにくわえず) | |
| 場面 | 不相応・釣り合わない / 地位 |
| 使用漢字 | 履 / 新 / 雖 / 冠 / 首 / 加 / 沓 |
「履」を含むことわざ
- 足駄を履いて首ったけ(あしだをはいてくびったけ)
- 足駄を履く(あしだをはく)
- 足を知らずして履を為る(あしをしらずしてくつをつくる)
- 堅き氷は霜を履むより至る(かたきこおりはしもをふむよりいたる)
- 瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず(かでんにくつをいれず、りかにかんむりをたださず)
- 冠旧けれど沓に履かず(かんむりふるけれどくつにはかず)
- 冠履を貴んで頭足を忘る(かんりをたっとんでとうそくをわする)
- 下駄を履かせる(げたをはかせる)
- 霜を履んで堅氷至る(しもをふんでけんぴょういたる)
- 深淵に臨んで薄氷を履むが如し(しんえんにのぞんではくひょうをふむがごとし)
「新」を含むことわざ
- 新しい酒は新しい革袋に盛れ(あたらしいさけはあたらしいかわぶくろにもれ)
- 新しい酒を古い革袋に盛る(あたらしいさけをふるいかわぶくろにもる)
- 新しい畳でも叩けばごみが出る(あたらしいたたみでもたたけばごみがでる)
- 新たなる月(あらたなるつき)
- 新たに沐する者は必ず冠を弾く(あらたにもくするものはかならずかんむりをはじく)
- 衣、新を経ずんば何に由りて故ならん(い、しんをへずんばなにによりてこならん)
- 伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ尾張名古屋は新城で持つ(いせはつでもつつはいせでもつおわりなごやはしんしろでもつ)
- 衣は新に如くはなく、人は故に如くはなし(いはしんにしくはなく、ひとはこにしくはなし)
- 新紀元を画する(しんきげんをかくする)
- 新紀元を開く(しんきげんをひらく)
「雖」を含むことわざ
- 中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)
- 嘉肴ありと雖も食らわずんばその旨きを知らず(かこうありといえどもくらわずんばそのうまきをしらず)
- 君、君たらずと雖も臣は臣たらざるべからず(きみ、きみたらずといえどもしんはしんたらざるべからず)
- 千万人と雖も吾往かん(せんまんにんといえどもわれゆかん)
- 父父たらずと雖も子は子たらざるべからず(ちちちちたらずといえどもこはこたらざるべからず)
- 学ぶに暇あらずと謂う者は暇ありと雖も亦学ぶ能わず(まなぶにいとまあらずというものはいとまありといえどもまたまなぶあたわず)
「冠」を含むことわざ
- 新たに沐する者は必ず冠を弾く(あらたにもくするものはかならずかんむりをはじく)
- お冠(おかんむり)
- 蛙の頬冠り(かえるのほおかむり)
- 瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず(かでんにくつをいれず、りかにかんむりをたださず)
- 冠蓋相望む(かんがいあいのぞむ)
- 冠旧けれど沓に履かず(かんむりふるけれどくつにはかず)
- 冠を挂く(かんむりをかく)
- 冠を弾く(かんむりをはじく)
- 冠を曲げる(かんむりをまげる)
- 冠履を貴んで頭足を忘る(かんりをたっとんでとうそくをわする)
「首」を含むことわざ
- 匕首に鍔(あいくちにつば)
- 朝比奈と首引き(あさひなとくびひき)
- 足駄を履いて首ったけ(あしだをはいてくびったけ)
- 印形は首と釣り替え(いんぎょうはくびとつりかえ)
- 鬼の首を取ったよう(おにのくびをとったよう)
- 鶴首(かくしゅ)
- 鎌首をもたげる(かまくびをもたげる)
- 雁首を揃える(がんくびをそろえる)
- 狐死して丘に首す(きつねししてきゅうにしゅす)
- 鳩首(きゅうしゅ)
「加」を含むことわざ
- 医者の薬も匙加減(いしゃのくすりもさじかげん)
- 雪上に霜を加う(せつじょうにしもをくわう)
- 手心を加える(てごころをくわえる)
- 手を加える(てをくわえる)
- 馬齢を加える(ばれいをくわえる)
- 斧鉞を加える(ふえつをくわえる)
- 筆を加える(ふでをくわえる)
「沓」を含むことわざ
- 冠旧けれど沓に履かず(かんむりふるけれどくつにはかず)
- 沓新しといえども首に加えず(くつあたらしといえどもくびにくわえず)
