「しゅ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「しゅ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 106 件
町内で知らぬは亭主ばかりなり(ちょうないでしらぬはていしゅばかりなり)
女房の浮気を町内の者はみんな知っていて、亭主だけが知らないという間抜けぶりをあざけった言葉。
沈魚落雁、閉月羞花(ちんぎょらくがん、へいげつしゅうか)
この上ない美女のこと。 あまりの美しさに、魚は沈み、雁は落ち、月は雲間に隠れ、花は恥じてしぼむとの意から。
亭主関白の位(ていしゅかんぱくのくらい)
家庭の中で夫が非常にいばっていること、また絶大な権威をもっていることのたとえ。 一家の主人が関白と同じ位にあるかのような権威をもっているとの意から。 「関白」は、昔、天皇を補佐した重職のこと。 「亭主関白」ともいう。
亭主三杯客一杯(ていしゅさんばいきゃくいっぱい)
客をもてなすために、主人が客よりたくさん酒をのむこと。また、客をだしにして主人がふだんより多く酒を飲むことにもいう。
亭主の好きな赤烏帽子(ていしゅのすきなあかえぼし)
どのようなことでも、一家の主人が言うからには従わなければいけないということ。 黒塗りが普通である烏帽子も、主人が赤い烏帽子を好めば家族は同調すべきであるとの意から。
亭主の好きを客に出す(ていしゅのすきをきゃくにだす)
自分の好きなものは相手も好きだと思い込んでしまい、無理に押しつけがちであるということ。 主人の好物を客にふるまうことから。
亭主は達者で留守が良い(ていしゅはたっしゃでるすがよい)
亭主は元気で、外で働いてくれたほうが、女房は家でのんびりできるということ。
亭主を尻に敷く(ていしゅをしりにしく)
妻が夫を軽んじて好き勝手に振る舞うことのたとえ。
東道の主(とうどうのしゅ)
主人となって客をもてなしたり、案内をしたりする人。 または、道案内をする人のたとえ。 中国の春秋時代、鄭の国が晋と秦の軍に包囲された時、鄭の国の燭之武は秦の王に「鄭の国を滅ぼすよりも、東方へ行く際の案内役にしたほうが得になる」と説いたという故事から。
斗酒なお辞せず(としゅなおじせず)
多くの酒を飲むこと。 一斗の量の酒を勧められて平気で飲み干すということから。 「斗」は容積の単位の一つで、一斗は約十八リットル。
銅臭(どうしゅう)
金銭にとりつかれた人。金銭で立身出世した人をそしることば。
同舟相救う(どうしゅうあいすくう)
仲が悪い者同士や見知らぬ者同士でも、いざという時は助け合うことのたとえ。 同じ舟に乗り合わせた人々は、舟が沈みそうな時は力を合わせて助け合うとの意から。
呑舟の魚(どんしゅうのうお)
大物、大人物のたとえ。 善人と悪人どちらにも用いる。 舟を丸のみするほどの大魚との意から。
涙を揮って馬謖を斬る(なみだをふるってばしゅくをきる)
規律や秩序を維持するために私情を捨て、たとえ愛する者であっても違反した場合には厳しく処罰することのたとえ。 中国の三国時代、蜀の諸葛孔明は、臣下の馬謖が命令に従わずに魏に大敗したため、泣きながら馬謖を斬ったという故事から。
乳臭(にゅうしゅう)
幼稚で未熟なこと。
女房の妬くほど亭主もてもせず(にょうぼうのやくほどていしゅもてもせず)
妻が気をもむほど、夫はよその女性にもててはいないということ。
忍の一字は衆妙の門(にんのいちじはしゅうみょうのもん)
忍耐を身につければ、どんなことでも出来るというたとえ。「衆妙の門」は、万物の深遠な道理の入り口のこと。
麦秀の嘆(ばくしゅうのたん)
故国の滅亡を嘆くこと。「麦秀」は麦の穂が伸びること。殷王朝滅亡後、殷一族の箕子が、母国の旧都の跡に生い茂った麦の穂を見て、亡国を嘆き詩を作ったという故事から。
顰蹙を買う(ひんしゅくをかう)
良識に反する言動をして、他人に軽蔑され嫌われるたとえ。「顰蹙」は、不快に感じて眉をひそめたり顔をしかめたりすること。
古い友達と古い葡萄酒に勝るものなし(ふるいともだちとふるいぶどうしゅにまさるものなし)
古い葡萄酒はこくがあって美味しいように、古い友達も気心が知れ、信頼できてよいものだということ。
辺幅を修飾する(へんぷくをしゅうしょくする)
外見を飾り立てること。見栄を張ること。 「辺幅」は布地のへりのこと。転じて、うわべや外見のこと。 「辺幅を装飾する」ともいう。
墨守(ぼくしゅ)
自説を守って譲らないこと。中国の思想家の墨子が、楚の国の攻撃を九度にわたって退け、城を守ったという故事から。
麦と姑は踏むが良い(むぎとしゅうとめはふむがよい)
麦は根の張りをよくするために芽を足で踏むほうがよいが、姑に対しても下手にばかり出ないで、時には抵抗するのも必要であるということ。
有終の美を飾る(ゆうしゅうのびをかざる)
最後までやりぬいて立派な成果をあげること。「有終」は終わりをまっとうするという意。
領袖(りょうしゅう)
ある集団の頭(かしら)に立つ人。 「領」は襟(えり)のこと。 衣類の襟と袖(そで)は、特に人の目に触れる重要な部分であることから。
老醜を晒す(ろうしゅうをさらす)
年老いて醜くなった姿や頑なな考え方などを人に示して恥をかくこと。 自身を謙遜していう言葉。