「目」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「目」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 102 件
目から鱗が落ちる(めからうろこがおちる)
何かのきっかけで急に物事の実態がはっきりわかるようになるたとえ。 『新約聖書−』使徒行伝・九章の「直ちに彼の目より鱗のごときもの落ちて見ることを得」による。
目から入って耳から抜ける(めからはいってみみからぬける)
見ただけで何も覚えず、理解していないことのたとえ。
目から鼻へ抜ける(めからはなへぬける)
非常に頭の回転が速く、利口で賢いさまのたとえ。また物事の判断がすばやく抜け目がないさまをいう。
目から火が出る(めからひがでる)
頭部や顔面を強く打ちつけたときに感じる、一瞬だけくらくらとする感覚のたとえ。
目が利く(めがきく)
物事を判断したり性質を見抜いたりする能力が優れていること。
目が肥える(めがこえる)
すぐれた物を数多く見ることで、物の価値を判断する能力が高まること。
目が冴える(めがさえる)
興奮状態になって、寝ようとしても寝れないこと。
目が覚める(めがさめる)
あることがきっかけとなり、本来の正しい自分の姿に戻ること。 「目を覚ます」ともいう。
目が覚めるような(めがさめるような)
眠けがさめるほど、鮮やかで際立って美しいさま。
目頭が熱くなる(めがしらがあつくなる)
あることに感動して、涙が溢れ出しそうになること。 「目頭を熱くする」ともいう。
目頭を押さえる(めがしらをおさえる)
指やハンカチなどで目頭を優しく押さえて、涙が落ちてこないようにすること。
目が据わる(めがすわる)
怒ったり酒に酔ったりして、一点を見つめた目が少しも動かなくなる様子。
目が高い(めがたかい)
人や物事を判断したり性質を見抜いたりする能力が優れていること。
目が点になる(めがてんになる)
驚いて呆気にとられる様子。 漫画で、驚きの表情を描く際に目を点にして表現したことから。
目が出る(めがでる)
値段が驚くほど高い様子。また、激しく叱られる様子。[[目が飛び出る*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6930.php]]に同じ。 また、物事が思い通りになること。運が向いてくること。[[いい目が出る*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/4948.php]]に同じ。
目が届く(めがとどく)
細かいところまで注意が行き届くこと。
目が飛び出る(めがとびでる)
値段が驚くほど高い様子。 また、激しく叱られる様子。 「目玉が飛び出る」「目の玉が飛び出る」ともいう。
目が留まる(めがとまる)
ある物事や人物に特に興味を持って注意深く見ること。
目が離せない(めがはなせない)
心配で見続けていないと安心できない。見守る必要がある。 また、魅力的で、ずっと見ていたくなる。
目が光る(めがひかる)
監視が厳しいこと。
目が回る(めがまわる)
めまいがすること。また、とても忙しいこと。
目くじらを立てる(めくじらをたてる)
目をつり上げて、あらさがしをすること。他人の些細な欠点を探して、ことさらに責めること。 「目くじら」は目尻のこと。
目糞、鼻糞を笑う(めくそ、はなくそをわらう)
自分の欠点に気付かず、他人の欠点をあざ笑うたとえ。 目糞が鼻糞のことを汚いと笑うとの意から。 「鼻糞が目糞を笑う」ともいう。
目薬を尻へさす(めぐすりをしりへさす)
はなはだしい見当違いのたとえ。努力しても無駄なことのたとえ。 膝に目薬をさしても効果がないことから。 「尻に目薬」「目薬を尻へさす」「疝気さ目薬」ともいう。
目先が利く(めさきがきく)
先の事を見通して、適切な判断や行動ができること。 「目先」は「目前」とも書く。
目先を変える(めさきをかえる)
今までとは違う印象を与えるために、趣向を変えること。
目じゃない(めじゃない)
問題として取り上げる必要のないこと。 また、実力などが自分よりも下で、相手にならないこと。
目尻を下げる(めじりをさげる)
女性に見とれたりして、表情や態度に緊張感がなくなる様子。
目白押し(めじろおし)
たくさんの人や物が込み合って並ぶこと。鳥の目白が仲間と枝にとまるとき、押し合うように並ぶ習性があることから。
目千両(めせんりょう)
千両の値打ちがあるほど魅力的な目。
目高も魚のうち(めだかもととのうち)
とるに足りないようなものでも仲間には違いがないというたとえ。目高のように小さな魚でも、魚の仲間に違いはないということから。
目で殺す(めでころす)
色っぽい目つきで相手を魅き付け、夢中にさせるようす。「殺す」は悩殺するという意。
目で見て口で言え(めでみてくちでいえ)
何事も自分の目で確認してから口にせよということ。見てもいないことをとやかく言ってはいけないという戒めのことば。
目で目は見えぬ(めでめはみえぬ)
自分の欠点には気づきにくいということのたとえ。 自分で自分の目を直接見る事はできないことから。
目で物を言う(めでものをいう)
言葉にすることなく、目配せなどをして相手に気持ちを伝えること。
目と鼻の先(めとはなのさき)
距離が非常に近いこと。目と鼻の間。
目処が付く(めどがつく)
実現・解決の予測が付くこと。見通しが立つこと。
目に余る(めにあまる)
程度があまりにもひどく、見過ごせない状態にあること。 また、数が多く、一目で見渡すことができないこと。
目に一丁字なし(めにいっていじなし)
まったく字が読めないこと。 「一丁字」は一つの文字のこと。 「丁」は个(か)の誤用で、「个」は人やものなどを数える語。 「一丁字を知(識)らず」ともいう。
目に浮かぶ(めにうかぶ)
姿や光景を、実際にその場で見ているかのように感じること。
目に映る(めにうつる)
見えること。また、なんらかの思いを抱くこと。
目に角を立てる(めにかどをたてる)
目尻を吊り上げて、鋭くじっと睨むこと。 「目角を立てる」ともいう。
目に障る(めにさわる)
それを見ることで、不快な気持ちになること。 また、視界の邪魔になること。
目に染みる(めにしみる)
色彩や情景があざやかで、心に強く残るさま。 「染みる」は「沁みる」とも書く。
目にする(めにする)
見ること。特に、たまたま見ること。
目に立つ(めにたつ)
他のものとはっきりとした違いがあって際立ってみえること。目立つこと。
目に付く(めにつく)
目立って見える。際立って見える。
目には青葉、山時鳥、初鰹(めにはあおば、やまほととぎす、はつがつお)
初夏のさわやかな風物を並べたことば。江戸時代の俳人山口素堂の句。
目に入る(めにはいる)
自然と目に入ってくること。視野に入ること。
目には目を歯には歯を(めにはめをはにははを)
やられたのと同じ方法で、同じ量の報復をするたとえ。
目に触れる(めにふれる)
視界に入ること。見えること。
目に見えて(めにみえて)
変化がはっきりとわかること。
目にも留まらぬ(めにもとまらぬ)
動作がすばやいさま。
目に物見せる(めにものみせる)
憎らしい相手をひどい目にあわせて、思い知らせること。
目のあるだけ不覚(めのあるだけふかく)
自分が犯した失敗には言い訳は通用せず、不注意や落ち度があったことを認めないわけにはいかないということ。 目があるにもかかわらず、見えなかったと言いのがれすることはできないとの意から。
目の上の瘤(めのうえのこぶ)
何かと目障りで自分の活動の邪魔になるひと。
目の敵(めのかたき)
何かにつけて目障りで、敵意を抱き憎く思う相手のこと。
目の敵にする(めのかたきにする)
許せない相手として、見るたびに強い不快感を抱くこと。 なにかにつけて敵視すること。
目の皮がたるむ(めのかわがたるむ)
今にも眠りそうになる様子。
目の正月(めのしょうがつ)
珍しいものや貴重なもの、非常に美しいものを見て楽しむこと。
目の付け所(めのつけどころ)
特に注目すべき点のこと。
目の毒(めのどく)
それを目にすると害になるもの。 または、目にするとほしくなるもの。
目の前が暗くなる(めのまえがくらくなる)
がっかりして、将来に対する希望を失う様子。 「目の前が真っ暗になる」ともいう。
目の寄る所へは玉も寄る(めのよるところへはたまもよる)
同類が自然に寄り集まることのたとえ。 目が一方へ動けば、それにつれて瞳も動くとの意から。
目は口ほどに物を言う(めはくちほどにものをいう)
目の表情だけでも、口で話すのと同じくらい、相手に気持ちを伝えることができるということ。
目は心の鏡(めはこころのかがみ)
目を見れば、その人の心の正邪がわかるということ。 目はその人の心を映し出す鏡との意から。
目は毫毛を見るも睫を見ず(めはごうもうをみるもまつげをみず)
人の欠点は細かい点までわかるが、自分のことはなかなか気がつかないというたとえ。 「毫毛」は細かい毛。 目は細かい毛さえも見ることができるのに、自分の睫(まつげ)は見ることができないとの意から。
目端が利く(めはしがきく)
その場の状況に応じたとっさの行動ができること。
目星を付ける(めぼしをつける)
大体の目当てを付けること。
目も当てられない(めもあてられない)
状態があまりにもひどく、まともに見ていることができないさま。
目元千両、口元万両(めもとせんりょう、くちもとまんりょう)
目元は千両、口元は万両に値するほど魅力的であるという、美人を形容する言葉。
目病み女に風邪引き男(めやみおんなにかぜひきおとこ)
眼病で目がうるんだ女と、風邪をひいている男は色っぽく見えるということ。
目を欺く(めをあざむく)
表面を取り繕ったり偽ったりして、相手をだますこと。
目を疑う(めをうたがう)
実際に目にしても、その物事を信じることができない様子。
目を奪う(めをうばう)
素晴らしさや珍しさなどによって、見ずにはいられないような状態になること。
目を覆う(めをおおう)
直視することを避け、目をふさぐこと。
目を落とす(めをおとす)
視線を下のほうに向けること。
目を掛ける(めをかける)
ある人を特別にかわいがったり面倒をみたりすること。
目を掠める(めをかすめる)
人の目の隙を狙って悪事をはたらくこと。
目を配る(めをくばる)
見落としのないように、全体を注意深くみること。