「お」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「お」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 360 件
折り紙を付ける(おりがみをつける)
人物や品物が、確かなものであることを保証すること。 「折り紙」は、書画や刀剣などの鑑定書。
折に触れて(おりにふれて)
機会があるたびに。事あるごとに。
折り目正しい(おりめただしい)
礼儀正しい。行儀作法がきちんとしている。
折も折(おりもおり)
ちょうどその時。この大事な時にあたって。
お留守になる(おるすになる)
他の事が気になって、すべき事に集中できないこと。
俺は言わぬがわれ言うな(おれはいわぬがわれいうな)
相手に口止めしながら、自分が人に秘密を漏らす人間に対していう言葉。「われ」は、お前のこと。俺は人には言わないが、おまえこそ人に秘密をしゃべらないように気をつけろという戒めの言葉。
愚か者に福あり(おろかものにふくあり)
愚か者は欲も野心もないので、人に恨まれたり憎まれたりすることもなく、平穏無事で幸福な人生を送ることができるということ。
負わず借らずに子三人(おわずからずにこさんにん)
人の世話にならず、借金もなく、子どもが三人ぐらいいる家庭が理想的で幸福だということ。
終わりよければすべてよし(おわりよければすべてよし)
物事は結果さえよければ、動機や途中経過など問題にならないということ。
終わりを全うする(おわりをまっとうする)
物事を最後まできちんとやり遂げること。 また、すべきことを成し遂げて恥ずかしくない一生を終えること。
お椀を持たぬ乞食はない(おわんをもたぬこじきはない)
仕事に必要な道具はちゃんと揃えておけということ。 乞食でも、貰い物を入れるお椀はどんな時も持っているとの意から。
尾を引く(おをひく)
物事が一段落しても、その影響がいつまでも残ること。
尾を振る(おをふる)
相手に気に入られるために、世辞を言うなどして機嫌を取ること。 犬が餌をくれる人に対して尻尾を振ることから。 「尻尾を振る」ともいう。
尾を振る犬は叩かれず(おをふるいぬはたたかれず)
従順な人は誰からも害を加えられることはないというたとえ。尾を振ってなついてくる犬は人から叩かれないということから。
音頭を取る(おんどをとる)
大勢で何かを行うとき、先頭に立って取りまとめをすること。
女心と秋の空(おんなごころとあきのそら)
秋の空模様のように、女性の心の変わりやすいということ。
女賢しゅうして牛売り損なう(おんなさかしゅうしてうしうりそこなう)
女は利口そうに見えても、目先の利にとらわれて大局を見通せずに失敗するというたとえ。 女がでしゃばりすぎて売り物の牛について余計なことを言い、売り損なってしまったという話から。
女三人あれば身代が潰れる(おんなさんにんあればしんだいがつぶれる)
娘が三人いると、嫁入り支度で財産がなくなってしまうということ。
女三人寄れば姦しい(おんなさんにんよればかしましい)
女はおしゃべりで、三人も集まれば大変にやかましいということ。「女」の字を三つ合わせて「姦」という字になるところから。
女ならでは夜は明けぬ(おんなならではよはあけぬ)
女がいなければ何事もうまくいかないということ。 天照大神が天岩戸に隠れて世の中が暗くなった時、天鈿女命の舞踊で岩戸を開けることができたという故事から。 「日の本は女ならでは夜が明けぬ」ともいう。
女の一念、岩をも徹す(おんなのいちねん、いわをもとおす)
女が執念深いことのたとえ。
女の髪の毛には大象も繋がる(おんなのかみのけにはたいぞうもつながる)
女の魅力には、男の心を引きつける強い力があるというたとえ。女の髪の毛で足を繋がれて動けなくなった大きな象を、煩悩にとらわれて悟れない人にたとえた仏教の経典から。
女の心は猫の目(おんなのこころはねこのめ)
女の心は気まぐれで変わりやすいことのたとえ。 女心は、猫の目が光によって形が変化するように変わりやすいとの意から。
女の知恵は鼻の先(おんなのちえははなのさき)
女は目先のことにとらわれ、遠い先のことを見通す思慮に欠けているというたとえ。
女は衣装髪かたち(おんなはいしょうかみかたち)
女は着る物と髪かたちによって見違えるほど美しくなれる。女にとって着る物と髪かたちはとても大切なものだということ。
女は氏無うて玉の輿に乗る(おんなはうじのうてたまのこしにのる)
女は低い家柄の生まれでも、容姿や運しだいで、金持ちや高貴な人と結婚できるということ。
女は己を説ぶ者のために容づくる(おんなはおのれをよろこぶもののためにかたちづくる)
女は自分を愛してくれる男のために、よりいっそう念入りに化粧をし着飾ったりするということ。
女は三界に家なし(おんなはさんがいにいえなし)
女はこの広い世界のどこにも安住できる所がないということ。 「三界」は仏教語で欲界・色界・無色界のことから全世界の意味。 女は子どものころは父に従い、結婚してからは夫に従い、老いてからは子に従うのもので、世界のどこにも安住できる所がないとの意から。 「三界に家なし」ともいう。
女冥利に尽きる(おんなみょうりにつきる)
女に生まれてこれ以上の幸せはないということ。
女寡に花が咲く(おんなやもめにはながさく)
未亡人は、夫にわずらわされることがなくなり、自分の身を美しく清潔に出来るので、世間の男の目を引き華やかだということ。
恩に着せる(おんにきせる)
恩を与えたことをことさらに言い立て、相手にありがたと思わせること。
恩に着る(おんにきる)
人から受けた恩恵をありがたく思うこと。
御の字(おんのじ)
十分満足である。非常に結構である。 「御」の字を付けたいほど有り難いもの、との意から。 江戸時代に遊里で使われはじめた言葉。
恩の腹は切らねど情けの腹は切る(おんのはらはきらねどなさけのはらはきる)
受けた恩に報いるために死ぬ人はいないが、義理人情のためなら死ぬ人はいるということ。
おんぶに抱っこ(おんぶにだっこ)
おんぶすると次は抱っこをしてほしいと甘える子どもように、何もかも他人に頼りきりになること。
隠密の沙汰は高く言え(おんみつのさたはたかくいえ)
秘密の話はこそこそ言わずに大きな声で話せということ。 ひそひそ話は人の好奇心をかきたて注意をひきやすいので、普通に話しているほうが目立たず秘密が守れるとの意から。
陰陽師、身の上知らず(おんようじ、みのうえしらず)
他人のことについてはいろいろと言えても、自分のことはよくわからないことのたとえ。 他人の運命を占う陰陽師も、自分の身の上についてはわからないとの意から。
恩を仇で返す(おんをあだでかえす)
恩を受けた相手に、感謝するどころか害を与えるようなことをすること。 単に「恩を仇」ともいう。
恩を売る(おんをうる)
見返りを期待して、相手に恩を与えること。
恩を以て怨みに報ず(おんをもってうらみにほうず)
恨みのある者に対して、復讐するのではなく、逆に恩徳を施すような広い心で接すること。