「と」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「と」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 183 件
虎の子(とらのこ)
非常に大切にして手放さないもの。虎が子を大事にするということから。
虎の子渡し(とらのこわたし)
家計のやりくりに苦しむことのたとえ。虎が子を三頭生むと、その中に彪(ひょう)が一頭いて他の二頭を食おうとするため、川を渡る時に子を彪と二頭だけにしないよう、子の運び方に苦慮するという中国の故事から。
虎は死して皮を留め、人は死して名を残す(とらはししてかわをとどめ、ひとはししてなをのこす)
虎は死後立派な皮を残して珍重され、人は死後その功績により名声が語り継がれるということ。 「虎」は「豹」、「留め・留む」は「残し・残す」ともいう。
虎は千里行って千里帰る(とらはせんりいってせんりかえる)
勢いが盛んで力強い行動力のたとえ。また、また、子を思う親の愛情深い行動力のたとえ。虎は一日に千里の道を進み、その後、再び同じ距離を戻ってくると言われることから。
虎は千里の藪に栖む(とらはせんりのやぶにすむ)
優れたものは、広々として奥深い所にいるということ。虎は千里もあるような広い藪にすんでいるということから。
虎を描いて狗に類す(とらをえがいていぬにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 虎を書こうとして犬の絵になってしまうということから。
虎を描いて猫に類す(とらをえがいてねこにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 「虎を描いて狗に類す」に同じ。
虎を野に放つ(とらをのにはなつ)
災いのもとになりそうな危険なものを放っておくことのたとえ。 広い野原に虎を野放しにするとの意から。 「虎を野に放つ」ともいう。
鳥疲れて枝を選ばず(とりつかれてえだをえらばず)
生活のためには職業を選んではいられないということ。疲れた鳥は枝を選ばずに、どこにでもとまるということから。
とりつく島もない(とりつくしまもない)
頼りとしてすがる所がまったくないということ。また、相手が冷たく、そっけない態度なので話にもならないこと。海に出て、立ち寄れるような島が見つからないということから。
取り付く島もない(とりつくしまもない)
相手の態度が冷たく、相談や頼み事などをするためのきっかけがつかめないこと。 または、頼りとする所が一つもないこと。
取り留めがない(とりとめがない)
話に一貫性がないこと。まとまりがないこと。
鳥なき里の蝙蝠(とりなきさとのこうもり)
強い者や優れた者がいないところで、つまらない者が威張っていることのたとえ。 鳥がいない所では、蝙蝠が幅をきかせて鳥のように飛び回るということから。
鳥の将に死なんとする、その鳴くや哀し(とりのまさにしなんとする、そのなくやかなし)
鳥の死に際の鳴き声は人の心を打つほど悲痛に響くということ。このあとに「人の将に死なんとするその言や善し」と続き、人が死に際にいう言葉には真実が込められているという意で使われる。
鳥肌が立つ(とりはだがたつ)
恐怖や寒さなどによって、腕などの毛穴が収縮して、羽を毟(むし)った鳥のようになること。 また、近年では感動を表す言葉として用いられることもある。
取りも直さず(とりもなおさず)
前に述べた事柄が次に述べる事柄にそのまま当てはまること。すなわち。
屠竜の技(とりょうのぎ)
身につけても実際に役に立たない技のたとえ。「屠竜」は、竜を殺すこと。長い間訓練して竜を殺す技を習得したものの、竜は伝説上の動物で、その技は何の役にも立たなかったという説話から。
取るに足らない(とるにたらない)
わざわざ取り上げる価値はない。些細な。
取る物も取り敢えず(とるものもとりあえず)
この上なく慌てて行動する様子。 必要な物を取る余裕もないという意味から。
取るより庇え(とるよりかばえ)
より多くの利益を求めずに、今あるものを失わないように守れということ。
取ろう取ろうで取られる(とろうとろうでとられる)
勝負事などで、勝ちたいという思いばかりが先に立ち、結局は負けてしまうたとえ。
豚児(とんじ)
自分の息子を謙遜していう言葉。
飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし)
自分から進んで危険や災難の中に飛び込んでいくことのたとえ。 灯火の明るさに引き寄せられて飛んできた夏の虫が、火に飛び込んで焼け死んでしまうとの意から。