「なる」を含む故事・ことわざ・慣用句
「なる」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 144 件
だんだん良くなる法華の太鼓(だんだんよくなるほっけのたいこ)
物事が徐々によい方に向かっていくことと、太鼓がよく鳴るということを掛けた言葉遊び。「法華の太鼓」とは、日蓮宗の信者が題目を唱えながら打つ団扇太鼓のこと。
小さくなる(ちいさくなる)
ひどくかしこまったり遠慮したりする。身を縮めてかしこまる。
力になる(ちからになる)
人の為に自分の能力や技能を使う。力を貸して助ける。
血となり肉となる(ちとなりにくとなる)
学んだことや経験したことがしっかりと身について、将来に役立つようになること。 摂取した食物がよく吸収されて、やがて体の一部(血や肉)になるとの意から。
血眼になる(ちまなこになる)
ある事を行うのに夢中になること。 「血眼」は、逆上して血走った目。
ちょんになる(ちょんになる)
物事がいきなり終わりになること。 芝居で幕切れに拍子木をちょんと打ち鳴らすということから。
塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)
塵のようなわずかなものでも、たくさん積み重なれば山のように大きなものになるというたとえ。小さなことでもおろそかにしてはいけないということ。
土になる(つちになる)
体が分解されて土に変わること。死ぬこと。 「土となる」ともいう。
冷たくなる(つめたくなる)
命がなくなること。死ぬこと。 または、愛情がさめて思いやりがなくなること。
手足となる(てあしとなる)
ある人の命令や指示を忠実に守って動くこと。 その人の手や足の代わりになるという意味から。 「手足」は「しゅそく」とも読む。
手に成る(てになる)
その人の手で作品などが作られる。手掛ける。
手を翻せば雲となり、手を覆せば雨となる(てをひるがえせばくもとなり、てをくつがえせばあめとなる)
人の心の変わりやすいことのたとえ。 手のひらを上に向ければ雲がわき、手のひらを下に向けると雨が降るとの意から。
天狗になる(てんぐになる)
いい気になってうぬぼれること。自慢すること。自慢することを「鼻が高い」といい、天狗の鼻が高いことから。
遠くなれば薄くなる(とおくなればうすくなる)
親しかった者でも、遠ざかればだんだん情が薄れていくということ。
時に遇えば鼠も虎になる(ときにあえばねずみもとらになる)
時流に乗れば、つまらない者でも出世して権力をふるうようになるというたとえ。
虎になる(とらになる)
酒に酔って恐怖を感じなくなること。 または、酒に酔って暴れること。
毒薬変じて薬となる(どくやくへんじてくすりとなる)
有害なものが一転して有益なものになることのたとえ。また、同じ物が使い方によって、毒にも薬にもなることのたとえ。 「毒薬変じて甘露となる」ともいう。
長居する鷺汁になる(ながいするさぎしるになる)
長く同じ場所に留まっている鷺は、目立つために人間に狙われ、蟇目の矢(矢の一種である鏑矢)で射られる。 長居は慎むべきであるという戒め。 「長居する鷺汁になる」ともいう。
為すようにならないで、なるようになる(なすようにならないで、なるようになる)
世の中は自分の思ったようにはいかず、結局はなるようにしかならないということ。
為せば成る(なせばなる)
やる気になれば必ずやりとげられるということ。江戸時代の米沢藩主上杉鷹山の「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という歌からといわれる。また、それより以前に武田信玄が詠んだ歌に由来するともいわれる。
習い、性と成る(ならい、せいとなる)
習慣も続けていると、しまいにはその人の生まれつきの性質のようになるということ。
習い性となる(ならいせいとなる)
何度も同じことを繰り返すことで、それが習慣となり、しまいにはその人の生まれつきの性質のようになるということ。
成るは厭なり、思うは成らず(なるはいやなり、おもうはならず)
なかなか物事は思い通りにはいかないというたとえ。 実現しそうなものは気に入らず、反対に気に入ったものはうまくいかないとの意から。 多く、縁談についていう言葉。
成るも成らぬも金次第(なるもならぬもかねしだい)
物事がうまくいくかどうかは、すべて金の力で決まるということ。
逃げ腰になる(にげごしになる)
責任や負担を回避しようとするような態度をとること。 また、すぐにでも逃げ出しそうな態度をとること。
似て非なる(にてひなる)
外見は似ているように見えても、本質は違っていることのたとえ。
似て非なるもの(にてひなるもの)
外見は似ているけれども、その内実は異なるもののこと。
荷になる(にになる)
じゃまになる。責任や義務、負担になる。
猫にもなれば虎にもなる(ねこにもなればとらにもなる)
相手や状況しだいで、おとなしくもなれば凶暴にもなるということのたとえ。
謀は密なるを貴ぶ(はかりごとはみつなるをたっとぶ)
計略は秘密に進めることが大事だということ。 「謀は密なるを良しとす」ともいう。
白玉楼中の人となる(はくぎょくろうちゅうのひととなる)
文人が死ぬことのたとえ。 「白玉楼」は文人が死後に行くといわれる白玉造りの高楼のことで、その中の人となるとの意から。
引き金になる(ひきがねになる)
ある物事が起こる直接の原因になること。 「引き金」は銃などで弾丸を発射するための金具。
人の噂は倍になる(ひとのうわさはばいになる)
噂話は、事実よりずっと大げさに伝わるということ。
雲雀の口に鳴子(ひばりのくちになるこ)
ひっきりなしに続くおしゃべりのたとえ。「鳴子」は、田畑で作物を荒らす鳥を追い払うために使う道具。よくさえずる雲雀の口に鳴子をつけたようにやかましいことから。
百戦百勝は善の善なる者に非ず(ひゃくせんひゃくしょうはぜんのぜんなるものにあらず)
百回戦って百勝しても、何らかの損害がでるので得策とはいえない。戦わずに勝つことが出来れば、それが一番いい方法だということ。
不帰の客となる(ふきのきゃくとなる)
死ぬこと。「不帰」は、再び帰ってこないこと。
幕になる(まくになる)
芝居などの催しものが終わること。また、物事に決着がついて終わること。
待たるるとも待つ身になるな(またるるともまつみになるな)
人を待つのは腹立たしいから、人を待たせることはあっても自分は待つ立場にはなるなということ。
まだ早いが遅くなる(まだはやいがおそくなる)
まだ早いとのんびり構えていると、結局は手遅れということになりかねない。何事も油断は禁物だということ。
的になる(まとになる)
多くの人から非難や賞賛などを集中的に受ける立場にたたされること。
丸くなる(まるくなる)
かどが取れて、穏やかな人柄になること。
ミイラ取りがミイラになる(みいらとりがみいらになる)
人を連れ戻しに出かけた者が帰って来ないことのたとえ。また、説得しようとした者が、逆に相手に同調してしまうというたとえ。
水到りて渠成る(みずいたりてきょなる)
学問を究めれば自然に徳が備わってくるということ。また、時期が来ればものごとは自然に成就するということ。 「渠」は溝のことで、水が流れれば自然に溝ができるとの意から。
水の泡となる(みずのあわとなる)
水の泡がはかなく消えるように、努力のかいもなく、まったく無駄に終わることのたとえ。
三度肘を折って良医となる(みたびひじをおってりょういとなる)
人は多くの苦労を重ね経験を積んで、初めて円熟した人間になれるということ。 医者は自分のひじを何度も折り、苦痛や治療を経験して初めて良医になることができるとの意から。
身になる(みになる)
相手の立場になってものごとを考えること。 また、知識などが身について、その人のためになること。身体のためになること。
実の生る木は花から知れる(みのなるきははなからしれる)
すぐれた人物は、子どもの頃から凡人とは違うというたとえ。 よく実のなる木は、花が咲くときからわかるとの意から。 「実を結ぶ木は花より知らるる」「生る木は花から違う」ともいう。
身二つになる(みふたつになる)
妊娠している人が出産すること。子どもを産むこと。
向きになる(むきになる)
ちょっとしたことにも腹を立てて本気になること。
胸が熱くなる(むねがあつくなる)
感動すること。
胸が一杯になる(むねがいっぱいになる)
ある物事に感銘を受けたり悲しみを感じたりして、それ以外の事はなにも考えられなくなる様子。
胸が高鳴る(むねがたかなる)
希望や期待などから、感情が高ぶる様子。
無理も通れば道理になる(むりもとおればどうりになる)
理屈に合わないことでも強引に押し通してしまえば、それが正しいことのように通用してしまうということ。
目頭が熱くなる(めがしらがあつくなる)
あることに感動して、涙が溢れ出しそうになること。 「目頭を熱くする」ともいう。
目が点になる(めがてんになる)
驚いて呆気にとられる様子。 漫画で、驚きの表情を描く際に目を点にして表現したことから。
目の前が暗くなる(めのまえがくらくなる)
がっかりして、将来に対する希望を失う様子。 「目の前が真っ暗になる」ともいう。
藻屑となる(もくずとなる)
海で死ぬこと。海上の事故などで死ぬこと。
持ち出しになる(もちだしになる)
足りなかった費用を自分たちで負担すること。
厄介になる(やっかいになる)
生活の面倒をみてもらうこと。いろいろと世話になること。
湯の辞儀は水になる(ゆのじぎはみずになる)
遠慮もほどほどにしないと、かえって失礼になるということ。 「辞儀」は遠慮のこと。 湯を勧められた時、遠慮してぐずぐずしていると、湯が冷めて水になることから。
横になる(よこになる)
体を横にして休むこと。寝ること。
呼び水になる(よびみずになる)
物事を引き起こすきっかけとなること。
理が非になる(りがひになる)
説明不足や他人の思惑などによって、正しいことが誤りとされてしまうこと。
礼も過ぎれば無礼になる(れいもすぎればぶれいになる)
礼儀も度が過ぎれば、かえって失礼になるということ。