「空」を含む故事・ことわざ・慣用句
「空」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
空樽は音が高い(あきだるはおとがたかい)
中身のない人間ほど得意そうにしゃべりたてるというたとえ。空の樽は叩くと高い音が出ることから。
空き家で声嗄らす(あきやでこえからす)
努力しても報われないことのたとえ。空き家で大声で案内を求めても返事がないことから。
空き家の雪隠(あきやのせっちん)
返事がない、応答がないことのたとえ。「雪隠」は便所のことで、空き家では使う人がないから「肥えなし」でそれを「声なし」にかけたしゃれ。
商人の空値(あきんどのそらね)
商人が駆け引きしてつける値段は、信用しがたいということ。
穴が空く(あながあく)
商売で損失が生じること。また、必要な人員が欠けたり予定がなくなったりすること。
生きた空もない(いきたそらもない)
恐ろしさのあまり、生きているという感じがしないこと。
えせ者の空笑い(えせもののそらわらい)
軽薄な者や、したたかな者が真実をかくすため,おかしくもないのに追従笑いなどをすること。「えせ者」な偽者の意。
男心と秋の空(おとこごころとあきのそら)
男の愛情は、秋の空模様のように変わりやすいということ。 「男心と秋の空は一夜に七度変わる」ともいう。
男心と秋の空は一夜に七度変わる(おとこごころとあきのそらはいちやにななたびかわる)
男の愛情は、秋の空模様のように変わりやすいということ。 「男心と秋の空は一夜に七度変わる」ともいう。
女心と秋の空(おんなごころとあきのそら)
秋の空模様のように、女性の心の変わりやすいということ。
空馬に怪我なし(からうまにけがなし)
無一物の人は損のしようがないというたとえ。 「空馬」は、人や荷物などなにも乗せていない馬。
空世辞は馬鹿を嬉しがらせる(からせじはばかをうれしがらせる)
愚か者は、口先だけのお世辞に喜ぶということ。
体が空く(からだがあく)
仕事・用事が終わって時間ができること。
空振りに終わる(からぶりにおわる)
企てたことが失敗におわること。 「空振り」は、野球やテニスなどでバットやラケットにボールがあたらないこと。
机上の空論(きじょうのくうろん)
頭の中だけで考えられた、実際には役に立たない理論。
空谷の跫音(くうこくのきょうおん)
退屈な時や孤独な時に、思いがけない訪問があったり便りが届いたりする喜びのたとえ。 「空谷」はひと気のないさびしい谷間、「跫音」は足音のこと。 人のいないさびしい山奥で聞く人の足音との意から。
空腹は最上のソース(くうふくはさいじょうのそーす)
空腹の時は何を食べてもおいしいということ。
管を以て大空を測る(くだをもっておおぞらをはかる)
自分の狭い見識で、大きな問題について勝手に判断することたとえ。 「管」は「かん」とも読む。 「管を以て大空を測る」「管の穴から天を覗く」「針の穴から天を覗く」ともいう。
喧嘩過ぎての空威張り(けんかすぎてのからいばり)
喧嘩の最中は意気地なくこそこそし、喧嘩が終わったとたん虚勢を張って強がること。 「喧嘩過ぎての向こう鉢巻」ともいう。
坐しても食らえば山も空し(ざしてもくらえばやまもむなし)
働かずに暮らせば、山のような財産があってもやがては尽きてしまうということ。
色即是空、空即是色(しきそくぜくう、くうそくぜしき)
この世の形あるすべてのものは、空しい仮の存在であり永遠に存在するものはないということ。同時に、すべてのものの本質は実体のない空なものであるが、それがこの世を形作っているということ。「色」は形あるすべてのもの、「即」はそのままの意。
四大空に帰す(しだいくうにきす)
肉体が消滅すること。死ぬこと。肉体が四大に戻るという意味から。 「四大」は地・水・火・風のことで、仏教ではこれによって肉体が構成されているということから肉体という意味。
空き腹にまずい物なし(すきばらにまずいものなし)
空腹の時は、どんな食べ物でもおいしく感じるということ。 「ひもじい時にまずい物なし」「ひだるい時にまずい物なし」ともいう。
空に三つ廊下(そらにみつろうか)
天気が安定しないことを洒落て言う言葉。 「降ろうか」、「照ろうか」、「曇ろうか」の三つの「ろうか」を「廊下」に掛けた言葉。
空吹く風と聞き流す(そらふくかぜとききながす)
関心を示さずに無視すること。素知らぬ顔をすること。
空を使う(そらをつかう)
知らない振りをすること。とぼけること。または、平気で嘘を言うこと。
宝の山に入りながら手を空しくして帰る(たからのやまにいりながらてをむなしくしてかえる)
よい機会に恵まれながら、結局何の利益も得られないで終わることのたとえ。
他人の空似(たにんのそらに)
血のつながりがない他人同士が、偶然よく似ていること。
手が空く(てがあく)
仕事が終わったり一区切りついたりして、時間に余裕ができること。 「手が透く」ともいう。
手が空けば口が開く(てがあけばくちがあく)
仕事がなくなり手が空けば、食べる物もなくなり口も開いてしまう。また、暇になればつい無駄話をしがちだということ。
天勾践を空しゅうすること莫れ、時に范蠡なきにしも非ず(てんこうせんをむなしゅうすることなかれ、ときにはんれいなきにしもあらず)
天馬空を行く(てんばくうをゆく)
天馬が、天空を自由に駆け巡るように、着想や行動が自由奔放である様子。
泣き出しそうな空模様(なきだしそうなそらもよう)
今にも雨が降り出しそうな空。
人の空言は我が空言(ひとのそらごとはわがそらごと)
他人の話を受け売りすると、もしその話が嘘だった時は、自分が嘘をついたのと同じことになる。人の話を簡単に受け売りするなという戒めの言葉。「空言」は何の根拠もない噂のこと。
見掛けばかりの空大名(みかけばかりのからだいみょう)
見かけは豪勢だが、中身は貧弱なことのたとえ。
鰐の空涙(わにのそらなみだ)
偽りの涙のたとえ。鰐は偽善の象徴とされ、悲しそうに見せかけて涙を流しながら生き物を食べるという伝説から。