「戸」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 30 件
「戸」を含む漢字が使われている故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。
故事・ことわざ・慣用句一覧
井戸の中の蛙大海を知らず(いどのなかのかわずたいかいをしらず)
外の広い世界や多様な考えを知らず、狭い見識にとらわれていることのたとえ。 狭い井戸の底で暮らす蛙は、外にある広大な海の存在を知るよしもないという意から。 「井蛙大海を知らず」「大海知らぬ井の蛙」「埳(坎)井の蛙」「井底の蛙」「井蛙」などともいう。
江戸中の白壁は皆旦那(えどじゅうのしらかべはみなだんな)
奉公先などいくらでもあるということ。江戸には白壁の蔵を構えた家がそこら中にあるのだから、という理屈。 「白壁」は土蔵造りの壁で、そういう蔵を持てる商家、つまり金のある主人を指す。「旦那」は奉公人から見た主人。 いまの主家に不服を鳴らすときの捨てぜりふ。
江戸っ子の往き大名帰り乞食(えどっこのゆきだいみょうかえりこじき)
後先を勘定に入れず景気よく振る舞うのが江戸の気風で、道中の初めのうちに懐を空にしてしまう。派手に使った分だけ、戻りは寒々しい姿になる。
江戸っ子は五月の鯉の吹き流し(えどっこはさつきのこいのふきながし)
江戸っ子は口は悪いが気性はさっぱりとしていて、物事にこだわらないということ。また、口先ばかり威勢がよくて意気地がないということ。「吹き流し」は、鯉のぼりのことで、吹き抜けで腹の中が空洞になっていることから。「口先ばかりで腸なし」と続けてもいう。
江戸っ子は宵越しの銭は持たぬ(えどっこはよいごしのぜにはもたぬ)
江戸っ子はその日に稼いだお金はその日のうちに使ってしまうということ。江戸っ子の気前のよさを自慢して言った言葉。 「持たぬ」は「使わぬ」ともいう。
江戸の敵を長崎で討つ(えどのかたきをながさきでうつ)
意外な場所で、または筋違いのことで、昔の恨みの仕返しをするたとえ。江戸で恨みを受けた相手を、遠い長崎で討ち果たすということから。
江戸は八百八町、大坂は八百八橋(えどははっぴゃくやちょう、おおさかははっぴゃくやばし)
二つの大都の栄えぶりを、それぞれの土地らしいもので言い表した句。江戸は市街の広がりで、大坂は水路に架かる橋の連なりで示している。 「八百八」は末広がりの八を重ねた言い方で、実際の数ではない。
江戸べらぼうに京どすえ(えどべらぼうにきょうどすえ)
言葉は使われる土地の気風を表していて、江戸では威勢がよく乱暴な「べらぼう」、京都ではやさしい「どすえ」がよく使われているということ。「べらぼう」は甚だしい、馬鹿などの意。「どすえ」は、「・・・ですよ」の意。
火事と喧嘩は江戸の花(かじとけんかはえどのはな)
江戸は人家が密集していたため大火事が多く、火消しの働きぶりが華やかであった。また、江戸っ子は気が短いため喧嘩も威勢がよく派手であった。この二つが江戸の名物だったということ。
九尺二間に戸が一枚(くしゃくにけんにとがいちまい)
間口が九尺、奥行き二間、入り口の戸が一枚だけというような、きわめて狭く粗末な家のたとえ。
下戸と化け物はない(げことばけものはない)
一滴も駄目だと言う人でも、席と勧め手が揃えばたいてい口をつける。まるきり酒を受け付けない体質などありはしない、というのが飲む側の言い分である。
下戸の肴荒らし(げこのさかなあらし)
杯の回らない者ほど箸が動き、鉢の中身が先に尽きてしまう。飲まないぶんを食べで取り返す気か、と横から咎められる。
下戸の建てたる蔵もなし(げこのたてたるくらもなし)
飲まずに浮いたはずの銭で身上を起こした者は、見回してもまず見当たらない。締めたところで富むとは限らないのだから、飲む楽しみを咎め立てするには及ばない——酒好きの側が返す当てこすりでもある。
下戸の手剛(げこのてごわ)
杯で気を大きくさせる手が通じない相手は、しらふのまま最後まで構えを崩さない。掛け合いの場では、そういう人ほど攻めあぐねる。
下種の口に戸は立てられぬ(げすのくちにとはたてられぬ)
品性の卑しい人間は、人の迷惑など考えず勝手なことをいいふらすが、防ぎようがないということ。
上戸、本性違わず(じょうご、ほんしょうたがわず)
盃を重ねたところで、その人の地は入れ替わらない。 むしろ、素面のときに隠していたものが表へ出る。 「酒飲み」は「生酔い」「上戸」ともいう。
上戸に餅、下戸に酒(じょうごにもち、げこにさけ)
見当違いでありがた迷惑であることのたとえ。酒好きに餅、酒の飲めない人に酒を出すということから。
上戸の手弱(じょうごのてよわ)
酒好きは、酒につられることが多いので誘惑に弱く、つけ込みやすいということ。
上戸は毒を知らず下戸は薬を知らず(じょうごはどくをしらずげこはくすりをしらず)
酒飲みは酒が体に害になることを知らずに飲み過ぎ、酒を飲めない者は酒の効用を知らない。 酒は飲み方次第で、毒にも薬にもなるということ。
上戸めでたや丸裸(じょうごめでたやまるはだか)
酒飲みはいい気分で酒を飲んで、全財産を酒に使い果たしてしまう者が多いということ。 「上戸かわいや丸裸」ともいう。
戸板に豆(といたにまめ)
戸板の上を豆が転がるようすから、すらすらと早口でしゃべることのたとえ。物事がどんどん進んでいくことのたとえ。 または、戸板にのせた豆は転がって扱いづらいことから、思うようにならないことのたとえ。
長崎ばってん、江戸べらぼう、神戸兵庫のなんぞいや、ついでに丹波のいも訛(ながさきばってん、えどべらぼう、こうべひょうごのなんぞいや、ついでにたんばのいもなまり)
各地の方言の特徴をとらえて語調よくいったことば。
盗人も戸締り(ぬすびともとじまり)
盗人も自分の物は盗まれないように戸締りをするということ。
箱根知らずの江戸話(はこねしらずのえどばなし)
実際には見たこともないものを、いかにも見てきたように話すことのたとえ。 箱根を越えたことのない西国の人間が、江戸のことを得意気に話すということから。
人の口に戸は立てられぬ(ひとのくちにとはたてられぬ)
世間の噂話は止めることができないということ。 「立てる」は閉めることで、「閉てる」とも書く。 「開いた口に戸は立てられぬ」「世間の口に戸は立てられぬ」ともいう。
門戸を成す(もんこをなす)
一家を興すたとえ。また、一派をつくるたとえ。 「門戸を張る」「門戸を構える」ともいう。
門戸を開く(もんこをひらく)
制限せずに、すべての人や物の出入りを自由にすること。
宿取らば一に方角、二に雪隠、三に戸締り、四には火の元(やどとらばいちにほうがく、ににせっちん、さんにとじまり、しにはひのもと)
宿の部屋に落ち着いたら、まず日の向き、次に雪隠すなわち厠、続いて出入り口、最後に火の始末。 泊まる先で目を配る順序を、そのまま四つ数え上げた句。
酔い醒めの水下戸知らず(よいざめのみずげこしらず)
酔いのさめぎわに口にする水のうまさは、酒を飲まない者にはわかろうはずもないということ。
流水腐らず、戸枢螻せず(りゅうすいくさらず、こすうろうせず)
動きを止めずにいるものは、よどみも傷みも寄せつけないということ。 流れつづける水は濁らず、毎日開け閉てする戸の軸は虫に食われない。
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