「ひと」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「ひと」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 120 件
人は落ち目が大事(ひとはおちめがだいじ)
人が落ちぶれた時こそ、見捨てずに援助や励ましを与えべきだということ。また、落ち目になった時こそ大事な時であるから、言動に注意すべきだということ。
人は陰が大事(ひとはかげがだいじ)
人間は人目に付く所の行動だけでなく、他人の見ていない所での行動が大事だということ。
人は善悪の友による(ひとはぜんあくのともによる)
人はつきあう友人次第で、善くも悪くもなるということ。 「人は善悪の友による」ともいう。
一旗揚げる(ひとはたあげる)
新たに事業などを起こすたとえ。
人は足るを知らざるを苦しむ(ひとはたるをしらざるをくるしむ)
人間の欲望には際限がなく、そのために苦しむということ。
一肌脱ぐ(ひとはだぬぐ)
相手を助けるために本気で力を貸すことのたとえ。 仕事をするときの姿、衣服の袖から腕を抜いて上半身の肌をあらわにする「肌脱ぎ」になることから力を尽くすことを意味する。
人は万物の尺度なり(ひとはばんぶつのしゃくどなり)
この世のすべての物事は、個々の人間の感覚を基準として測られるものであるということ。 ギリシャの哲学者プロタゴラスの言葉から。 「人は万物の尺度なり」ともいう。
人はパンのみにて生くるにあらず(ひとはぱんのみにていくるにあらず)
人間は物質的満足だけを目的として生きるものではないということ。
人は見かけによらぬもの(ひとはみかけによらぬもの)
人の性質や能力は外見だけでは判断しにくく、外見と中身は往々にして異なることが多いので、外見だけで軽々しく判断してはいけないということ。
人は見目よりただ心(ひとはみめよりただこころ)
人は外見の美しさよりも、心の美しいことのほうが大切だということ。 「見目」は見た様子、顔立ちのこと。 単に「見目より心」ともいう。
人は病の器(ひとはやまいのうつわ)
人はいろいろな病気にかかりやすく、まるで病の入れ物みたいであるということ。
人は悪かれ我善かれ(ひとはわるかれわれよかれ)
他人がどんなひどい目に遭っても、自分さえよければいいということ。人間は利己的なものだということ。また、そういう人間をあざけっても使う。
人一盛り(ひとひとさかり)
人の盛んな時は、ほんの一時にすぎないということ。
瞳を凝らす(ひとみをこらす)
瞬きせずに一つの所を集中して見ること。
人目に余る(ひとめにあまる)
言動や服装などが目立ちすぎること。または、そのために周りを不快な気持ちにさせること。
人目に立つ(ひとめにたつ)
他のものとはっきりとした違いがあって際立ってみえること。目立つこと。
人目を忍ぶ(ひとめをしのぶ)
他人に見つからないように密かに行動すること。
人目を盗む(ひとめをぬすむ)
他人に見つからないようにこっそりと行うこと。
人目を憚る(ひとめをはばかる)
人に知られると困る事情があるために人に見られることを避けること。
人目を引く(ひとめをひく)
服装や態度などが目立っていて注目を集めること。
一役買う(ひとやくかう)
ある役目を自ら引き受けること。
一山当てる(ひとやまあてる)
投機などで大きな利益を得ること。
一人口は食えぬが二人口は食える(ひとりぐちはくえぬがふたりぐちはくえる)
結婚して二人で暮らせば節約できることが多くなり、無駄が多くなりがちな一人暮らしよりも経済的であるということ。 「二人口は過ごせるが一人口は過ごせぬ」ともいう。
独り自慢の褒め手なし(ひとりじまんのほめてなし)
ほめてくれる人がいないので、ただ独り自分で自慢をするということ。
一人相撲を取る(ひとりずもうをとる)
相手や周囲のことを考えずに自分独りで気負いこんで事を行うこと。また、それが徒労に終わるたとえ。
一人の文殊より三人のたくらだ(ひとりのもんじゅよりさんにんのたくらだ)
優れた人物が一人で考えるより、愚か者でも何人かで考えたほうが良い考えが浮かぶことのたとえ。 「文殊」は知恵をつかさどる菩薩のこと。 「たくらだ」はじゃこう鹿に似た獣。じゃこう鹿を狩る時に、猟師が飛び出してきたたくらだを誤って狩ったことから、自分に無関係なことで死んだり傷ついたりする者のこと。転じて、愚か者・まぬけのことをいう。
一人娘と春の日はくれそうでくれぬ(ひとりむすめとはるのひはくれそうでくれぬ)
一人娘は親が惜しがり、なかなか嫁に出さないというたとえ。春の日は暮れそうで暮れないことから「暮れる」と嫁に「くれる」をかけたもの。
人を射んとせば先ず馬を射よ(ひとをいんとせばまずうまをいよ)
何かを達成したり手に入れたりしようとするときには、まずは周囲にあるものから狙うのがよいというたとえ。 敵将を射ようとするのであれば、まず敵将の乗っている馬を射止めるのがよいとの意から。 「将を射んとせば先ず馬を射よ」「人を射んとせば先ず馬を射よ」ともいう。
人を怨むより身を怨め(ひとをうらむよりみをうらめ)
人の仕打ちをうらむ前に、自分の至らなさを反省せよという戒めの言葉。
人を思うは身を思う、人を憎むは身を憎む(ひとをおもうはみをおもう、ひとをにくむはみをにくむ)
人に情けをかけることは自分のためになることであり、人を苦しめることはやがて自分の苦しみになるということ。
人を食う(ひとをくう)
相手を見下した態度や言動を取ること。
人を謗るは鴨の味(ひとをそしるはかものあじ)
人の悪口を言ったり噂話をしたりする楽しさを、おいしい食べ物の代表とされる鴨の肉にたとえた言葉。 「鴨(かも)」は「雁(がん)」とも、また「人の噂を言うは鴨の味」ともいう。
人を叩いた夜は寝られぬ(ひとをたたいたよはねられぬ)
人に害を加えられた者より、害を加えた者のほうが苦しいというたとえ。人を叩いた夜は、気がとがめて寝ていられないということ。
人を恃むは自ら恃むに如かず(ひとをたのむはみずからたのむにしかず)
他人は当てにならないから、人に頼るよりも自分自身を頼りにするのが確かだということ。「恃む」は、頼るという意。
人を使うは苦を使う(ひとをつかうはくをつかう)
人を使うにはさまざまな気苦労があり、結局人に使われるのと同じようなものだということ。 「人を使うは使わるる」「人を使うは苦を使う」ともいう。
人を呪わば穴二つ(ひとをのろわばあなふたつ)
人に悪いことをすれば、いつか自分の身にもはね返ってくるというたとえ。 「穴」は、墓穴のこと。 人を呪い殺そうとすれば、いつか自分もその報いで殺されることになるので、二つの墓穴が必要になるとの意から。
人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ)
他人は信用できないので、泥棒と疑ってかかるくらい用心したほうがよいということ。
人を見て法を説け(ひとをみてほうをとけ)
相手をよく見きわめて、それにふさわしい方法を取れということ。 相手の人柄や能力を見て、その人に適した仏法を説けとの意から。 「人」は「にん」ともいう。
人を以て鑑と為す(ひとをもってかがみとなす)
他人の言葉や行動を手本にして、自分を正せということ。「鑑」は手本・模範の意。
人を以て言を廃せず(ひとをもってげんをはいせず)
どんな人の意見でも、聞くべきところがあればその意見を無視することはないということ。