「万」を含む故事・ことわざ・慣用句
「万」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 35 件
- 一事が万事(いちじがばんじ)- 一つの事を見るだけで他のすべての事を推察できるということ。 
- 一人虚を伝うれば万人実を伝う(いちにんきょをつたうればばんにんじつをつたう)- 一人がでたらめを伝えれば、大勢の人が次々にそれを言いふらして事実にしてしまうということ。 
- 一犬影に吠ゆれば万犬声に吠ゆ(いっけんかげにほゆればばんけんこえにほゆ)- 一人がいいかげんなこと言い出すと、世間の多くの人がそれを真実として広めてしまうことのたとえ。 一匹の犬が何かの影を見て吠え出すと、辺りの百匹の犬がそれにつられて吠え出すとの意から。 「影に」は「形に」「虚を」、「百犬」は「千犬」「万犬」、「声に吠ゆ」は「実を伝う」「虚を伝う」「実に吠ゆる」などと多くの表現がある。 
- 一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)- 輝かしい功績をあげた人の陰には、多くの人の努力や苦労があるというたとえ。 指導者だけが功名を得ることを嘆く言葉。 一人の将軍が輝かしい功名をあげた陰には、犠牲となった一万人もの兵士の骨が戦場にさらされているとの意から。 
- 一天万乗の君(いってんばんじょうのきみ)- 天下を治める天子のこと。 「一天」は天下、「万乗」は兵車一万台。 中国の周代、天子は戦いの時に一万台の兵車を出すことができたことから。 「万乗の君」ともいう。 
- 一波纔かに動いて万波随う(いっぱわずかにうごいてまんぱしたがう)- 一つの小さな事件の影響が、いろいろな方面に及ぶことのたとえ。 波が一つ起きると、そこからたくさんの波が続いて起きるということから。 
- 一夫関に当たれば万夫も開くなし(いっぷかんにあたればばんぷもひらくなし)- 地形がきわめて険しく、守備が固い場所のこと。 たった一人が関所を守っていれば、万人の兵が攻めても突破できないとの意から。 
- 家書万金に抵る(かしょばんきんにあたる)- 旅先で受け取る家からの手紙は、万金に匹敵するほど貴重だということ。 
- 風邪は万病のもと(かぜはまんびょうのもと)- 風邪はあらゆる病気のもとなので、たかが風邪と油断せず用心が必要であるということ。 「風邪は百病のもと」「風邪は百病の長」ともいう。 
- 食後の一睡、万病円(しょくごのいっすい、まんびょうえん)- 食後のひと眠りはからだによいというたとえ。「万病円」は、万病に効果があるといわれる丸薬。 
- 食後の一睡、万病丹(しょくごのいっすい、まんびょうたん)- 食後のひと眠りはからだによいというたとえ。「万病丹」は、万病に効果があるといわれる丸薬。 
- 千石取れば万石羨む(せんごくとればまんごくうらやむ)- 人間の欲望は次から次へと大きくなり、きりがないということ。千石取りになれば、次は万石取りを羨むということから。 
- 千石万石も米五合(せんごくまんごくもこめごごう)- 人には必要な物が必要な分だけあれば十分だということ。 千石、万石といった高い俸禄を得ている人でも、一日に食べる米の量は五合にすぎないとの意から。 「千石万石も飯一杯」ともいう。 
- 千緒万端、遺漏あることなし(せんしょばんたん、いろうあることなし)- あらゆる点で、まったく手落ちがない様子。「千緒万端」は多くの事柄、「遺漏」は手落ち。 
- 先手は万手(せんてはまんて)- 機先を制することが、どんな手段より効果的だということ。 
- 千万人と雖も吾往かん(せんまんにんといえどもわれゆかん)- 自分の信じた道は、たとえ千万人の敵がいても、恐れることなく立ち向かっていくということ。 
- 知恵は万代の宝(ちえはばんだいのたから)- すぐれた知恵は後世まで役立つ宝であるということ。 
- 長者の万灯より貧者の一灯(ちょうじゃのまんとうよりひんじゃのいっとう)- 見栄を張った多くの贈り物より、たとえわずかでも真心のこもった贈り物のほうが尊いということ。 金持ちが一万もの灯明をともすよりも、たとえ一灯でも貧しい人の心のこもった灯明のほうが値打ちがあるとの意から。 阿闍世王が釈迦を招いた時、帰り道にたくさんの灯火をともした。それを見て感激した貧しい老婆が、やりくりして一本の灯火をともした。すると、王の灯明が消えたあとも老婆の灯火は朝まで光り続けたという故事から。 「貧者の一灯」ともいう。 
- 鶴は千年、亀は万年(つるはせんねん、かめはまんねん)- 鶴は千年、亀は万年生きるということから、長寿でめでたいことをいう。 
- 天地は万物の逆旅(てんちはばんぶつのげきりょ)- この世のすべてのものは、うつろいやすくはかないということのたとえ。 「逆旅」は宿屋のことで、天地はあらゆる生物が生まれてから死ぬまでのわずかな間に泊まる宿屋に過ぎないとの意から。 
- 富は一生の宝、知は万代の宝(とみはいっしょうのたから、ちはばんだいのたから)- 財産は一代限りの宝であるが、すぐれた知恵は後世の人にも役立つ宝であるということ。 
- 人間一生二万日(にんげんいっしょうにまんにち)- 人間の平均寿命はかつては五十年とされ、日数にすると約二万日ということになり、一生は長いようにも短いようにも思われるということ。 
- 人間は万物の尺度である(にんげんはばんぶつのしゃくどである)- この世のすべての物事は、個々の人間の感覚を基準として測られるものであるということ。 ギリシャの哲学者プロタゴラスの言葉から。 「人は万物の尺度なり」ともいう。 
- 人間万事金の世の中(にんげんばんじかねのよのなか)- 世の中は金の力がものをいい、金がすべてのものを支配しているということ。 
- 人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)- 人生における幸・不幸は予測が出来ないということ。 幸運から不幸に、不幸から幸運にいつ転じるかわからないので、一喜一憂する必要はないということ。 昔、中国北方の塞(とりで)付近に住んでいた老人が馬に逃げられたが、その馬が立派な馬を連れて帰って来た。老人の息子がその馬から落馬して足の骨を折ったが、そのおかげで兵役を免れたという故事から。 「人間万事塞翁が馬」ともいう。 
- 鼻糞丸めて万金丹(はなくそまるめてまんきんたん)- 薬の原料は案外つまらないものが多いということ。また、効き目がないことをあざけっていう言葉。 子どもが鼻糞を丸めたりしている時に、はやしたてる言葉としても使われる。 「万金丹」は、気つけや解毒などに使われる丸薬。 
- 万斛の涙(ばんこくのなみだ)- とめどなく流れる涙のこと。「斛」は石(こく)で、十斗のこと。万斛は、非常に多い分量のたとえ。 
- 万死一生を顧みず(ばんしいっしょうをかえりみず)- 万に一つも生き延びる希望を持たないこと。 
- 万死に一生を得る(ばんしにいっしょうをえる)- ほとんど助かる見込みがないと思われる危険な状態に陥りながら、かろうじて助かること。 「十のうち、九が死、一が生」のような助かる見込みがほとんどない状況で生き残るとの意から。 「万死に一生を得る」「万死の中に一生を得」「万死を出でて一生に遇う」「九死一生」などともいう。 
- 万事休す(ばんじきゅうす)- これ以上手の打ちようがなく、お手上げの状態になること。「万事」はすべてのこと、「休す」は終わるという意。 
- 万卒は得易く、一将は得難し(ばんそつはえやすく、いっしょうはえがたし)- 平凡な人物はたくさんいるが、優秀な人物に巡り会うのは難しいということ。 平凡な兵士を集めることは難しくないが、一人の名将を得ることは難しいとの意から。 
- 万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)- 多数の男性の中に、女性が一人華やかに混じっていることのたとえ。また、多くのものの中で、ただ一つ際立っているもののたとえ。 「万緑」は見渡す限り一面の緑、「叢中」はくさむらの中のこと。 見渡す限りの緑の草木の中に、紅い花が一輪あでやかに咲いている意から。 略して「[[紅一点*https://kokugo.jitenon.jp/word/p15923]]」ともいう。 
- 誉め手千人、悪口万人(ほめてせんにん、わるくちまんにん)- ほめる人が千人いれば、悪口を言う人は一万人いるということ。 世の中は褒める人よりもけなす人のほうが多いということ。 「誉め手」は「褒め手」とも書く。 
- 万に一つも(まんにひとつも)- (あとに打ち消しの語を伴って)可能性が低いことをあらわす言葉。 
- 目元千両、口元万両(めもとせんりょう、くちもとまんりょう)- 目元は千両、口元は万両に値するほど魅力的であるという、美人を形容する言葉。 
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